神田峠とは、上野東京ラインの東京駅~秋葉原駅間にある、きつい急勾配の高架橋に付けられた通称。蒲田要塞の友達のようなものである。
東北本線、常磐線、高崎線方面と東海道本線とを直通する列車が通る区間であり、山手線や京浜東北線と並行する形で敷設されている。東京駅のホームで言うと、7~10番線に入る列車のうち上野駅と往来する列車が神田峠を通る。この区間は在来線・新幹線共に高架線であるが、上野東京ラインが通る線路は神田駅とその前後の部分で、新幹線高架のさらに上に積み重ねられる2階建て構造で敷設されている。上野東京ラインが新幹線の上を通過する形になるため坂道になっており、ここに最大34.25‰の勾配がついている。
日本民営鉄道協会の鉄道用語事典によれば[1]、国土交通省令による技術基準の解釈において、再急こう配(もっともきつい斜度)は機関車列車が通る区間で最大25‰、電車や気動車など機関車列車以外の場合は35‰、リニア推進車両は60‰などと定められているとのこと。34.25‰の神田峠は、電車が通る勾配上限値35‰に近い値であり[2]、当然ながら機関車にけん引された客車列車や貨物列車の運行には適さない。
斯様な数値を見ても、神田峠という通称は言いえて妙と言えるだろう。
なんでそんなことになったのよ。
神田峠がある東京~秋葉原の区間には、元々はもっと平たい高架線が敷設されていた。上野ー東京回送線と呼ばれる路線で基本的には回送列車が走るのだが、常磐線の一部列車などもここを通って営業運行されていた。これが1970年代初頭までのことで、限定的ではあるが東北本線や常磐線と東海道本線との間で直通運転が行われていたのである。いわば上野東京ラインの御先祖さんだ。
その後、東北・上越新幹線の線路を敷設することになり用地確保の必要に迫られたが、いかんせん東京都心であるから、線路用敷地の拡幅による用地確保は困難であった。そこで先述の回送線を一度撤去し、そこに上野~東京間の新幹線高架を敷設。その後に新たな直通用在来線高架を、新幹線の上に2階建て構造で敷設することになった。この工事に時間がかかったことで、回送線の撤去から上野東京ラインの敷設完了まで、先の直通区間の分断状態は約40年間続くことになった[3]。
2015年3月14日、やっとの思いで上野東京ライン開通。だが東北、上越新幹線の高架の上に更に高架を敷設したため、先述の通り東京駅~秋葉原駅間34.25‰の急勾配となってしまったのだ。神田駅付近が最高地点で、下るときの眺めはとても最高だったりする。電車でGO!!はしろう山手線にも収録されている。遠方で来れない方はこのゲームで思う存分峠を楽しもう!
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最終更新:2025/12/10(水) 08:00
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