秋山怒りのテーマとは (アキヤマイカリノテーマとは) [単語記事]

秋山怒りのテーマとは、ニコニコプロ野球チャンネル・福岡ソフトバンクホークス戦実況中継の番組内で流れるアレである。2015年シーズンからは工藤怒りのテーマとも呼ばれているが、単に怒りのテーマとも呼ばれる。

アレは2014年シーズンは、同チャンネルのオリックス・バファローズ戦実況中継の番組内でもふんだんに流れていたため、森脇怒りのテーマとも呼ばれていた。

そもそも原題は

「怒りのテーマ」の原題は「NFL on FOX theme」で、アメリカのスポーツ専門チャンネル「FOX SPORTS」のNFL中継テーマ曲として、1993年末にFOXがNFLの放映権を獲得したのを機に作曲されたものである。NFLをはじめアメリカンフットボールがお好きな方は耳にしたことがある曲かと思う。1989年公開の映画「バットマン」がモチーフらしく、曲のイメージは「フットボールをプレーしているバットマン」らしいが・・・

「NFL on FOX theme」はのちに「FOX SPORTS FOOTBALL THEME」とも呼ばれ、さらに2010年秋からはFOX SPORTSの全カテゴリーのテーマ曲となり、モータースポーツのNASCARや格闘技のUFC、さらには欧州サッカーなどでも使われ始め、現在は「FOX SPORTS THEME」と呼ばれている。

またFOX SPORTSが2012年前半にブラジルに進出した際には御国柄に合わせたのか、サンババージョンも制作されている。

因みに「怒りのテーマ」と混同されやすい「城島怒りのテーマ」の原題は「MLB on FOX Theme」である。怒気をはらんだメロディやアレンジは良く似ているものの、よーく聴いてみると全くの別物。但し作曲・編曲はどちらも、同じユニットによるものである。

ニコニコ生放送では2015年シーズン現在、計7球団のプロ野球公式戦の生中継を配信しており、いずれも球団と放映各局が共同制作した中継映像を使用している。このうち福岡ソフトバンク戦については2012年シーズンから配信が開始されたが、同年は前述の通り日テレプラスの映像を使用していた。

ところが2013年 3月7日、同年シーズン初の中継、そしてFOX 制作初の中継となったオープン戦・対横浜DeNAベイスターズ戦（ヤフオクドーム）、5回終了時のハイライトで突如・・・

　てけてってけてー　てけてってけてー　てけてってけてー　てーてーてーてー

・・・と、怒気をはらんだホーンセクションから始まるあのBGMが流れてきた。異変に気付いた両球団のファンやユーザーたちは「戦隊ものかロボットものの戦闘シーンみたいな曲」などと評し、いつしか「怒りのテーマ」の異名が付けられた。

それからというもの、ソフトバンクが前半劣勢だったり、失策や失投、好機で凡打、先発投手が好投しているのに援護無し・・・などなど、ソフトバンク・秋山幸二監督が如何にも不機嫌になりそうな試合展開だった際、ハイライトでこの曲が流れると「秋山怒りのテーマ」、或いは各選手や相手球団になぞらえて「攝津怒りのテーマ」「本多怒りのテーマ」など、様々な異名が弾幕として生成されてきた。他にも、ソフトバンク戦、オリックス戦のどちらも、オリックスの球団職員でもある大前一樹アナウンサーが実況を担当することが多いので｢大前さん怒りのテーマ｣の異名で使われることもあった。

「怒りのテーマ」は、ソフトバンク戦では5回終了時と試合終了後のハイライト、イニング間のCM前ジングル（ベースメロディのみ）で使用されている。

一方、2014年シーズンからニコニコ生放送での配信を開始したオリックス戦では中継開始時のオープニング、5回終了時と試合終了後のハイライト、イニング間のCM前ジングル、そしてエンディングに至るまで「怒りのテーマ」がふんだんに使用され、同年シーズンのオリ枠はまさしく「『てけてってけてー』に始まり『てけてってけてー』に終わる」と言っても過言ではなかった。こちらでもオリックスの指揮官・森脇浩司監督に因んで「森脇怒りのテーマ」の異名を持っていた。

他方、もうひとつのFOX 制作中継枠であった千葉ロッテ戦では「怒りのテーマ」はほとんど使用されていなかった。蛇足だが千葉ロッテは2011年 11月28日、ニコニコに公式チャンネルを開設し、動画の配信等々を細々と行ってきたが、後述のとおりニコニコでの公式戦中継配信は2015年シーズンまで待つことになった。

また、これはスカパー!のみではあるが、2014年までFOX3チャンネルで「BASEBALL CENTER」の野球中継枠の前後に放送されていた「プレゲームショー」と「ポストゲームショー」でも「怒りのテーマ」が使用されていた。

ニコニコ動画では、この曲を使用した野球 MAD類にタグとして付けられる。

日本のFOX SPORTSの事業はソフトバンクグループとの共同出資で進められていたが、前掲の3チャンネルはいずれもスポーツ中継とエンタメ系番組を組み合わせる方式で番組が編成されており、FOX SPORTS単独のチャンネルは開設されておらず、3球団の放映チャンネルも固定されていなかった。これが仇となり、野球中継が長時間試合にもつれ込んだ際には、他番組の放送予定を変更するなどの措置が取られたこともあいまって、視聴者からは苦情が絶えなかったといわれている。こうした背景から、FOX各チャンネルでの2015年以降のプロ野球中継の継続は困難となった。