立直(リーチ)とは、麻雀の役の一つである。勘違いされやすいが英語のreachとの関連性はない。
一翻役の1つ。立直棒として1000点を供託し、聴牌していることを宣言(リーチと発声して打牌)した上で和了すると成立する役。この際、牌を横向きにしてどの時点で宣言したかわかりやすくする(宣言牌を副露された場合は次に捨てる牌を横向きにする)。なお、ここで供託した1000点はその局で和了したプレイヤー(ダブロン、トリロンありの場合は頭ハネ)が取得する。流局した場合は次局以降で最初に和了したプレイヤーが取得する。
立直できる条件は
となっている。また、一巡目にリーチを宣言した場合にはダブル立直という役になるが、リーチ宣言後についてはダブル立直も立直も変わらないし、「ダブルリーチ」と発声する必要もない。
立直は役の中でも少々特殊であり、手牌の構成によって付く役ではなく、「リーチ」という行動によって付く。そのため手牌自体は、門前で聴牌してさえいれば役無しでも良い。別の役が既にあるときにもリーチを宣言することは出来るが、役が無い時はリーチしないとロンで和了出来ない(ツモの場合は門前清模和がつく)。そのままでは形式聴牌しか出来なさそうなときや、役の成否が判別出来ない初心者にとってはお世話になる役である。
リーチを宣言すると、立直という役が成立する他に、メリットとしては「和了した際に裏ドラをめくることが出来る」ことや「リーチを宣言してから一巡以内に和了することが出来れば一発という役が付く」というボーナスを得ることが出来る。尤もこの二つは競技麻雀では共に採用されていない。
一方でリーチを宣言した後は和了牌をツモった時、及び認められる暗槓(後述)を除いては全てツモ切りしなければならなくなる他、和了牌を見逃した場合には同巡内振聴ではなく、以後振聴となる(振聴の項目も参照のこと)。当然ではあるが、ポンやチーを宣言することも出来ない(認められる暗槓のみが可能)。そして、流局した場合には手牌を公開し聴牌であることを示す必要がある。リーチしていたにもかかわらずノーテンであった場合には錯和となる(不聴立直の項目も参照のこと)。
リーチが成立するのは捨て牌が和了されずに通った時点なので、リーチ宣言牌で放銃した場合は供託分の1000点を支払う必要はない。漫画などで「通らばリーチ」という表現がされることがあるが、要するにこれは危険を冒してリーチすることをアピールしているようなものである。
このようにリーチを宣言することによるメリットもあるが、制約も非常に多い。これらを一つずつ見ていこうと思う。
リーチの第一のメリットとしては最初に述べたようにリーチを宣言することにより立直という役が無条件に得られることである。
これは役なしであれば、ロン和了する為に重要であるし、役があった場合であっても満貫未満であれば1翻増えるということは点数が2倍程度になるのと同義である。そして手役は出来ていないがドラが多いという場合にもリーチは重要である。
第二のメリットとしては一般的な麻雀ルールでは条件を満たせば一発という役も付く他、裏ドラをめくる事が出来ることである。
一発も裏ドラも運の要素はかなり強いが運良く、裏ドラが乗ったり一発が付いたりすれば、かなりの高得点になることも多い。
リーチのデメリットとしては、まず、リーチを宣言した後は捨て牌の自由は一切失われるということである。
よく、リーチを宣言した後は初心者も上級者も一緒、と言われるように、リーチを宣言すると何があってもツモ和了でない場合には(暗槓出来る状況を除いて)ツモ牌をそのまま打牌することしか出来ない。故に、その牌を利用することで点数が高くなる場合であったり、待ちが広がる場合であったり、逆に危険牌の予感がして捨てたくなかったりした場合であっても、いずれの場合もそのまま捨てるしかない。
例1の場合は待ちのケースであるが、リーチを宣言していなければを打牌することで待ちをの三面張にすることが出来る。しかし、上述のようにリーチを宣言していれば、が和了牌でない以上、そのまま打牌するしかない。
例2の場合は待ちは変わらないが、リーチ宣言していなければを打牌することで三色同順と、チャンタが付く手牌になる。が、こちらの場合も例1同様にが和了牌でない以上そのまま打牌するしかない。
これらのように、リーチ後に、より良い手牌になる牌がきた場合もツモ切りするしかないことから、高得点や有利な待ちになるチャンスを潰すこともありえる。
そして、初心者の内はあまり気にならないかも知れないが中級者以上になると、危険牌をツモって来たとしても逃げることが出来ないという防御面での弱さも露呈する。
例えば、とをポンしているプレイヤーが居る中でをツモってきたら(多くのプレイヤーは)を抱えるだろう。しかし、リーチをかけていればをツモったとしても切るしかない。運が悪ければ大三元放銃、そうでなくても包則確定の可能性があったとしても、である(錯和で逃げることは出来なくもないがマナーとしてどうかと思うのでここではそれは考えないものとする)。
長々と書いたが、結局のところ、リーチ後は牌の自由は一切利かなくなるということである。
次に、和了牌を見逃した場合は同巡内振聴ではなく、局中振聴(即ち、自分が和了牌を捨てているのと同じ状況)になるという点である。
リーチをかけたんだから、和了牌を見逃すなんてことはないんじゃないのか、と思われるかもしれないが、例えば1位から直撃した場合のみ逆転出来るような状況でリーチを宣言し、それ以外のプレイヤーが和了牌を出したとする。リーチをかけていなければこれを見逃しても、次の自分のツモ番以降には振聴は解消されるため、直撃を狙うチャンスがある。しかし、リーチをかけた場合にはこれを見逃すと、以後は振聴となるから、直撃することは出来なくなる。
このように戦略的な見逃しはほとんど出来なくなる。
またリーチをするには1000点を供託する必要があり、これは和了出来なかった場合には戻ってこないため、接戦の場合には勝敗に響いてしまうこともある。
リーチをする事は聴牌していることの宣言でもあるため、他家に聴牌していることと教える事になるが、これは場合によってメリットにもデメリットにもなり得る。
例えば、手牌のどこから切っていくかと言う質問に対して、他家が聴牌しているかどうかで捨て牌を変えると言う人が殆どだと思われる。
他家聴牌していないなら最悪でもポンかチーなので、自分の手を進めるためにある程度危ないところでもドシドシ切る事が多いが、聴牌していると分かった場合は、時に自分の手を崩してでも振り込まないように安全なところだけを切るようになる。
ロン和了を期待する場合、聴牌していると教える事は、他家が安全牌を切る傾向になるという事なので、ロン和了は期待しにくくなる。しかしながら、他のプレイヤーが逃げに走るということは、他のプレイヤーの和了を牽制することが出来ることにもつながる。その結果、ツモ和了が十分に期待出来る形だったり、ツモ和了が望ましい状況の場合、他家がオリている間に自分がツモ和了してしまうということも期待出来るようになる。また、逆に、聴牌していると分かった結果、安全そうな牌(筋など)を切ることを見越してそれらで待つという作戦をとることで和了しやすくするという考えも出来る。特に、国士無双などは捨て牌からバレバレな場合が多く、国士聴牌を読まれたらヤオ九牌が一切出てこなくなる事が殆ど。そこでリーチをかけることで、他家に「国士じゃないのか」と思わせ、ロン牌が出る事を期待する事が出来なくもない。
ちなみに役満は青天井でもない限り、他の役と複合することがないのでリーチをかけるメリットはあまりない。但し、ツモスー(ツモれば四暗刻となる役)の場合はロンだと役満にならないため、点数を高める(そして、相手を降ろさせツモ和了を狙う)ためにリーチをかけるケースは多い。
尤も、捨て牌から警戒される場合にはリーチをかけたことで聴牌を気取られ、危険牌を絶対に出さなくなる場合もあるため、一長一短である。あとは、ネット麻雀などならロマンの為に役満でリーチをかけるプレイヤーもいる。
このようにリーチはメリットもあるが、デメリットも非常に多い。そのため、初心者の内はともかく、麻雀がある程度分かるようになってきたらリーチを上手く使うことが求められる。
リーチ後には暗槓は認められる。但し、以下のような条件を満たす暗槓しか出来ない。
よく、待ち牌が変わらない+送り槓ではないならば暗槓可能と言われることがあるが、厳密には間違いである。
ただしこのルールを採用している場合もある(待ち牌さえ変化しなければ暗槓可能ルール)
ここで示した手牌例はどれも暗槓が不可能なケースであるが、解説をしていく。
例1の場合は待ちであり、を暗槓したとしても待ち牌は変わらないし、手牌の構成も変化しないようにも思え、一見すると暗槓が認められるようにも思える。しかしながら、例1の手牌はがそれぞれ刻子となっているという見方の他に、という順子が3つあるとみなす事も出来る。そのため、を暗槓すると、という順子構成だとみなした場合には手牌の構成が変わってしまったことになる。よってこの場合だけではなくとについても暗槓が認められないことになる。
例2の場合は待ちであり、を暗槓すると待ち牌がのみに変わってしまう。よってこの場合は暗槓は認められない。
例3は送り槓と言われるものであり、を暗槓するかわりにの面子をに変更することを指す。これについてはそもそも、リーチをかけたあとは手牌を変更することは出来ないということから不可能である。
例4については気をつけないと陥りがちなミスである。このケースでは待ちであり、については例2で示したように待ち牌が変わることから暗槓出来ないのは直ぐに分かる。また、については暗槓可能なのはすぐ分かる。それでは、についてはどうかということである。
実際にはこのケースでを暗槓した場合であっても待ち牌はで変わらないし、手牌構成も変わっていないように見える。しかしながら、この例では以下のように手牌を分解することが出来る。
よって、というのがの両面待ちではなくの嵌張待ちとみなすことが出来ることになり、を暗槓することで、の嵌張待ちが無くなってしまうと考える事が出来る。よってこの例ではを暗槓することは出来ない。
ゲームであれば暗槓出来るかどうかはゲーム側が自動で判断してくれるはずなので、暗槓不可の時はそのまま打牌させられてしまうはずだが、リアルに麻雀をするときは要注意である。尤も対局相手が気付かない可能性もあるわけですが。
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