第94回全国高等学校野球選手権大会

第94回全国高等学校野球選手権大会

概要

第9４回全国高等学校野球選手権大会とは2012年8月8日から8月23日まで阪神甲子園球場で開催された高校野球・夏の甲子園である。

参加校数は3985校と、前回大会より29校減った。参加校数が4000校を割ったのは1989年71回大会以来23年ぶりの出来事である。
連合チームは新たに11チームが参加するなど31チームが参加し、前回より8チーム増えた。

出場校数は例年通り49校であり、東京都と北海道から2校ずつ出場する。
最も参加校数の多いのは神奈川県の190校。以下、愛知県189校、大阪府181校と続く。13大会で参加校数が100校を超えている。また、最小は鳥取県の25校。
前回93回大会優勝は日大三（西東京）、準優勝は光星学院（青森）。

春優勝の大阪桐蔭は史上7校目の春夏連覇を狙い、昨年夏優勝の日大三は連覇を狙った。
初出場は富山工（富山）、成立学園（東東京）、松阪（三重）、宇部鴻城（山口）、杵築（大分）の5校。
今大会最多出場は龍谷大平安（京都）の32度目。智弁和歌山（和歌山）は戦後最多となる8年連続出場。宮崎工（宮崎）は52年ぶりの甲子園出場。49代表の内、公立高校は16校、私立高校が33校となっている。

観客動員数は、去年より3万9000人減って80万9000人となった。

日程・出来事

• 2012年6月16日　沖縄大会が開幕し、地方大会スタート。
• 2012年7月19日　岩手大会準決勝で、花巻東の大谷翔太が高校新となる160kmを記録。
• 2012年7月30日　福井大会決勝が行われ、出場49校が出そろう。
• 2012年8月05日　組み合わせ抽選会。
• 2012年8月08日　開会式及び、1回戦開始。
• 2012年8月09日　桐光学園・松井裕樹が10連続を含む22奪三振を奪い、奪三振数・連続奪三振の新記録。
• 2012年8月12日　成立学園対東海大甲府の試合が76分で終了し、1950年以降春夏通じて最短ゲームとなった。
• 2012年8月13日　ルールブックの盲点の1点。
• 2012年8月14日　雨の為中止・順延。
• 2012年8月16日　桐光学園・松井裕樹が1試合19奪三振を奪い、奪三振数歴代2位タイ。2試合で41奪三振の新記録（従来は坂東英二（徳島商）の40奪三振）。また、2試合連続の毎回奪三振は12年ぶりで史上5度目。
• 2012年8月18日　光星学院の天久翔斗が史上4度目の初球先頭打者本塁打を記録。また倉敷商の藤井勝利も先頭打者本塁打を記録した。通算14・15度目。
• 2012年8月19日　桐光学園の水海が大会44号本塁打を放ち、甲子園球場で記録された春夏通算2000号となった。また、同校の鈴木拓が放った先頭打者本塁打は、今大会3度目で通算16度目。　
• 2012年8月20日　第1試合、桐光学園の松井裕樹が夏の甲子園での1大会通算奪三振を68（奪三振率17.00）とし、歴代単独3位となった。また、左腕では辻内崇伸（大阪桐蔭）の65奪三振を抜き、歴代1位に。なお、4試合での奪三振数では史上最多である。第2試合、大阪桐蔭の森友哉が先頭打者本塁打を放ち通算17度目を記録。大会4度目。
• 2012年8月21日　東海大甲府の石井が大会通算50号本塁打を記録。
• 2012年8月22日　光星学院・北條史也が2打席連続本塁打を放った。清原和博（PL学園）以来史上2人目の記録。また、1大会通算4本塁打とし、清原に次ぐ史上2位タイの記録（史上5人目）。
• 2012年8月23日　史上初の春夏同一カードの決勝戦は、大阪桐蔭が春に続いて勝利し史上7校目の春夏連覇を達成。光星学院は3季連続の準優勝となった。

出場高校

地方	代表地区	代表高校	公私	出場回数	地方	代表地区	代表高校	公私	出場回数
北海道	北北海道	旭川工	公	7年ぶり5回目	東海	三重県	松坂	公	初出場
	南北海道	札幌一	私	3年ぶり3回目	近畿	滋賀県	北大津	公	2年ぶり3回目
東北	青森県	光星学院	私	2年連続6回目		京都府	龍谷大平安	私	2年連続32回目
	岩手県	盛岡大附	私	4年ぶり7回目		大阪府	大阪桐蔭	私	4年ぶり6回目
	宮城県	仙台育英	私	2年ぶり23回目		兵庫県	滝川二	私	13年ぶり3回目
	秋田県	秋田商	公	7年ぶり16回目		奈良県	天理	私	2年ぶり26回目
	山形県	酒田南	私	3年ぶり10回目		和歌山県	智弁和歌山	私	8年連続20回目
	福島県	聖光学院	私	6年連続9回目	中国	鳥取県	鳥取城北	私	3年ぶり2回目
関東	茨城県	常総学院	私	3年ぶり14回目		島根県	立正大淞南	私	3年ぶり2回目
	栃木県	作新学院	私	2年連続8回目		岡山県	倉敷商	公	2年ぶり10回目
	群馬県	高崎商	公	22年ぶり11回目		広島県	広島工	公	20年ぶり5回目
	埼玉県	浦和学院	私	4年ぶり11回目		山口県	宇部鴻城	私	初出場
	千葉県	木更津総合	私	4年ぶり3回目	四国	香川県	香川西	私	4年ぶり4回目
	東東京	成立学園	私	初出場		徳島県	鳴門	公	2年ぶり7回目
	西東京	日大三	私	2年連続15回目		愛媛県	今治西	公	2年連続12回目
	神奈川県	桐光学園	私	5年ぶり4回目		高知県	明徳義塾	私	3年連続14回目
	山梨県	東海大甲府	私	8年ぶり11回目	九州 沖縄	福岡県	飯塚	私	4年ぶり2回目
北信越	新潟県	新潟明訓	私	2年ぶり7回目		佐賀県	佐賀北	公	5年ぶり3回目
	富山県	富山工	公	初出場		長崎県	佐世保実	私	8年ぶり4回目
	石川県	遊学館	私	2年ぶり5回目		熊本県	済々黌	公	18年ぶり7回目
	福井県	福井工大福井	私	8年ぶり7回目		大分県	杵築	公	初出場
	長野県	佐久長聖	私	10年ぶり5回目		宮崎県	宮崎工	公	52年ぶり3回目
東海	静岡県	常葉橘	私	2年ぶり3回目		鹿児島県	神村学園	私	2年連続3回目
	愛知県	愛工大名電	私	5年ぶり10回目		沖縄県	浦添商	公	4年ぶり4回目
	岐阜県	県岐阜商	公	3年ぶり28回目	全49代表。

大会詳細

第１日目　8月8日（1回戦）
第1試合	常葉橘（静岡）	2-4	福井工大福井（福井）	エース菅原が適時打を許さず、１０奪三振で完投
第2試合	飯塚（福岡）	6-4	広島工（広島）	飯塚が序盤の集中打で押し切り、夏の甲子園初勝利
第3試合	佐賀北（佐賀）	2-8	仙台育英（宮城）	07年覇者の佐賀北下し、宮城県勢震災後初勝利
第2日目　8月9日（1回戦）
第1試合	佐久長聖（長野）	5-9	作新学院（栃木）	4点ビハインドも、2本塁打で作新が逆転勝利
第2試合	盛岡大付（岩手）	4-5	立正大淞南（島根）	今夏初の延長戦。12回に川崎の適時打で接戦制す
第3試合	桐光学園（神奈川）	7-0	今治西（愛媛）	桐光・松井が大会新の22奪三振2安打完封
第4試合	常総学院（茨城）	14-0	杵築（大分）	3回までに14得点を挙げ、初出場杵築に圧勝
第3日目　8月10日（1回戦）
第1試合	浦添商（沖縄）	6-4	愛工大名電（愛知）	好投手・浜田を序盤で攻略し、浦添が接戦を制す
第2試合	北大津（滋賀）	4-5	滝川二（兵庫）	近畿対決は逆転で滝川が制し、13年ぶりの夏1勝
第3試合	天理（奈良）	3-1	宮崎工（宮崎）	天理が継投で宮崎工を振り切り、3年ぶり初戦突破
第4試合	鳥取城北（鳥取）	3-1	香川西（香川）	4回に奪った3点を守り、県勢9年ぶりの初戦突破
第4日目　8月11日（1回戦）
第1試合	高崎商（群馬）	0-6	浦和学院（埼玉）	エース佐藤が7安打完封し、8年ぶり夏の勝利
第2試合	聖光学院（福島）	2-1	日大三（西東京）	聖光が昨夏Vの日大三を破り、3年連続の初戦突破
第3試合	宇部鴻城（山口）	5-4	富山工（富山）	初出場対決は4点差を追い付き、9回サヨナラで決着
第4試合	佐世保実（長崎）	5-3	札幌第一（南北海道）	佐世保実が競り勝ち、20年ぶりに初戦を突破した
第5日目　8月12日（1回戦、第3試合より2回戦）
第1試合	龍谷大平安（京都）	9-8	旭川工（北北海道）	27安打17得点の打撃戦は、11回サヨナラで決着
第2試合	東海大甲府（山梨）	3-0	成立学園（東東京）	神原が88球で4安打無四球完封し、8年ぶりの勝利
第3試合	遊学館（石川）	0-4	光星学院（青森）	2季連続準V中の光星が快勝し、3回戦進出
第6日目　8月13日（2回戦）
第1試合	智弁和歌山（和歌山）	2-3	神村学園（鹿児島）	強豪対決は、神村学園が継投で逃げ勝った
第2試合	鳴門（徳島）	1-3	済々黌（熊本）	7犠打に本塁打と、大技小技で22年ぶりの初戦突破
第3試合	大阪桐蔭（大阪）	8-2	木更津総合（千葉）	藤浪が14三振を奪うなど、投打で圧倒し3回戦へ
第4試合	新潟明訓（新潟）	6-1	県岐阜商（岐阜）	エース竹石が投打に活躍し、県岐阜商に快勝
第7日目　8月15日（2回戦）
第1試合	明徳義塾（高知）	3-2	酒田南（山形）	明徳の馬淵監督は接戦を制して春夏通算３８勝目。
第2試合	倉敷商（岡山）	8-3	松阪（三重）	8回に一挙6点を奪った倉敷商が逆転で4年ぶり勝利
第3試合	秋田商（秋田）	8-3	福井工大福井（福井）	菅原が8四死球と自滅し、秋商が15年ぶり夏1勝
第4試合	飯塚（福岡）	3-6	仙台育英（宮城）	打っては13安打、投げては渡辺が12K完投し快勝
第8日目　8月16日（2回戦）
第1試合	立正大淞南 （島根）	3-19	作新学院（茨城）	3本塁打含む19安打19得点と打線が爆発し大勝
第2試合	桐光学園（神奈川）	7-5	常総学院（茨城）	松井が毎回の19Kを奪い、関東対決を接戦で制す
第3試合	浦添商（沖縄）	6-1	滝川二（兵庫）	ランニング本塁打など毎回安打で、浦添商が快勝
第4試合	天理（奈良）	6-2	鳥取城北（鳥取）	集中打を見せ8年ぶり16強入り。春夏通算70勝目。
第9日目 8月17日（2回戦）
第1試合	聖光学院（福島）	4-11	浦和学院（埼玉）	18安打11得点で逆転勝ちし、26年ぶりに3回戦へ
第2試合	佐世保実（長崎）	7-12	宇部鴻城（山口）	毎回・全員の21安打で、宇部鴻城が乱打戦制す
第3試合	龍谷大平安（京都）	2-4	東海大甲府（山梨）	エース神原が力投し、龍谷大平安に快勝。
第10日目 8月18日（3回戦）
第1試合	神村学園（鹿児島）	4-9	光星学院（青森）	3回までに3本塁打で5点を奪い、2年連続の8強入り
第2試合	大阪桐蔭（大阪）	6-2	済々黌（熊本）	プロ注目の藤浪を温存するも、3本塁打で快勝した
第3試合	明徳義塾（高知）	4-0	新潟明訓（新潟）	雨で2時間18分中断も、明徳が継投で逃げ勝った
第4試合	秋田商（秋田）	1-5	倉敷商（岡山）	今大会初ナイターは、西が10Kを奪い秋商を下す
第11日目 8月19日（3回戦）
第1試合	作新学院（栃木）	3-2	仙台育英（宮城）	部員逮捕も作新が接戦を制し、2年連続の8強入り
第2試合	浦添商（沖縄）	1-4	桐光学園（神奈川）	桐光が初の8強。松井は本塁打浴びるも12Kの快投
第3試合	天理（奈良）	6-2	浦和学院（埼玉）	エース中谷が2失点完投し、天理が8年ぶりベスト8
第4試合	東海大甲府（山梨）	3-2	宇部鴻城（山口）	初出場の快進撃も3回戦まで。逆転負けで姿消す
第12日目 8月20日（準々決勝）
第1試合	桐光学園（神奈川）	0-3	光星学院（青森）	光星が3季連続の4強。15三振喫すも8回に3点奪う
第2試合	天理（奈良）	1-8	大阪桐蔭（大阪）	藤浪が本塁打浴びるも13K完投し、関西対決制す
第13日目 8月21日（準々決勝）
第1試合	東海大甲府（山梨）	8-4	作新学院（栃木）	両軍合わせて31安打の乱打戦を制し8年ぶり4強
第2試合	倉敷商（岡山）	1-4	明徳義塾（高知）	逆転で10年ぶりの4強。馬淵監督は甲子園40勝目
第14日目 8月22日（準決勝）
第1試合	大阪桐蔭（大阪）	4-0	明徳義塾（高知）	藤浪が2安打で甲子園初完封を果たし、甲子園8勝目
第2試合	東海大甲府（山梨）	3-9	光星学院（青森）	北條の2打席連発などで圧倒し、3季連続決勝進出
第15日目 8月23日（決勝）
第1試合	大阪桐蔭（大阪）	3-0	光星学院（青森）	4年ぶり3度目の夏制覇、優勝回数は歴代5位タイに

決勝戦

4年ぶり6度目の出場・大阪桐蔭（大阪）と、2年連続6度目の出場・光星学院（青森）との対戦。両校は今春の選抜決勝でも対戦しており、史上初めて春夏の決勝が同じ顔合わせとなった。
試合は大阪桐蔭エース藤浪が強打の光星を2安打14奪三振で完封し、2010年の興南（沖縄）以来となる史上7校目の春夏連覇を達成した。大阪桐蔭は前回出場の2008年以来となる4年ぶり3度目の全国制覇。
大阪勢としては夏11度目、春夏合わせて20度目の甲子園優勝となった。
光星学院は昨夏、今春に続き決勝の舞台に進んだが、雪辱ならず3季連続での準優勝に終わり、東北勢初の優勝はならなかった。

スコア

学校名	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計	安	失
光星学院	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	2	3
大阪桐蔭	0	0	0	1	2	0	0	0	×	3	7	1

• バッテリー
  • 光星学院　金沢、伊藤、城間－田村
  • 大阪桐蔭　藤浪－森
• 本塁打
  • 白水（大阪桐蔭）　大会第56号

関連生放送

関連動画

外部リンク

• 高校野球連盟
• 朝日新聞社　夏の甲子園第94回全国高校野球選手権大会
• NHK甲子園2012 第94回 全国高校野球選手権大会
• ABC朝日放送 第94回全国高校野球選手権大会

関連項目

• 全国高等学校野球選手権大会
• 第84回選抜高等学校野球大会（2012年春の甲子園）
• 野球/高校野球
• ルールブックの盲点の1点