箸とは、食事の際に使う2本の長い棒状の道具である。ひらがなで「はし」とも書き、美化語として「お」をつけて「おはし」と呼ぶ場合もある。
日本ではほとんどの家庭に存在しており、多くの日本人が手で動かすことのできる道具。2本で「1膳」として数える。
材質は日本では木・プラスチックが主流で、「割り箸」と呼ばれる使い捨ての木製の箸も使われている。近年では先端部に溝などの滑り止めがある箸も多く見られる。
日本以外では中国、朝鮮、ベトナムで頻繁に使われており、朝鮮では金属製の箸がよく使用される。他の東南アジア諸国でも麺類を食べる際に箸が使用されることが多い。近年では東アジアの食文化の広まりに伴い、世界各地で箸が見られるようになりつつあり、箸を使える外国人も増加傾向にある。
基本的な持ち方は、
となる。1本を動かすことにより、先端部で食材を挟んで持ち上げて口へ運ぶ。拳で握って持ってはいけない。
箸置きがある場合はそこに箸を置く。ない場合は食後に箸の入っていた袋で箸置きを作ってそこに置いたり、お盆の端や小皿に立てかけておいたり、お椀の上に置いたりするのがよいとされるが、時と場合によってはあまり気にされない場合もある。
…かといって「2本の向きが違う」レベルだと見た目がよろしくないので、せめて揃えて横に置いたほうが良いかと思われる。
「嫌い箸」として多くの悪い箸の使い方が挙げられている。下記が一例。
これらは他人に不快な思いをさせたり、食材や汁が飛んで机や床を汚したりする可能性のある行為なので、他の人がいる場では控えた方がよい。これ以外にも、ご飯に箸を垂直に突き立てる行為(立て箸)は、葬儀で使われる箸の置き方なので避けたほうがよいとされており、日本での食事中にはまず見られない。
食事中に食器の上に箸を渡すように置く「渡し箸」もマナー違反として挙げられている。食後にこのように箸を置くことで「ごちそうさま」の意味を指すとされる。ただし、家庭や庶民的な食堂では箸置きがないことも多く、机やお盆に直接置いてかえって汚れるのを避けるため、食事の途中で行われる場合がある。
大皿料理の取り分けの際に個人の箸を使う行為(直箸)についても赤の他人であれば不快感を持つ人が多いが、仲の良い者同士であれば気にされない場合もある。もちろん個人差があるので、事前に直箸でいいか聞いておくか、最初から取り箸(大皿料理で使われる、取り分けのためだけに使う箸)を使った方が無難である。
中には特殊な箸もあり、例えば「菜箸」は調理中に加熱された食材を持ち上げたり動かしたりする際や、盛り付けの際に使われる。火傷を防ぐため、通常の箸と比べて長いことが多い。
料理と全く関係がない道具としては「火箸」があり、炭を持ち上げる際に使う。
他にも脱穀の道具として「扱き箸」が過去にあったが、竹筒を2つに割った上で藁で結んで作った道具であり、中には箸とは似ていない外見のものもある。
また、日本で火葬の後に収骨をする際、家族や親戚で箸で骨を渡しながら壺に収めることが多く、この儀式を「骨上げ」、その際に使う箸を「骨上げ箸」と呼ぶ。しかし近年では葬儀の多様化により、骨上げを行わない場合もある。
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最終更新:2025/03/26(水) 12:00
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