細川藤賢とは (ホソカワフジカタとは) [単語記事]

細川藤賢（1517～1590）とは、高国方細川典厩家の末裔である。

ここまでのあらすじ

細川典厩家とは細川宗家である京兆家の分家の中で、管領・細川持之の弟・細川持賢を祖とする家である。典厩家という名前の通り右馬頭、もしくは右馬助を代々官途とした。

細川持賢は細川持之が亡くなると、その息子の幼い細川勝元の後見として京兆家を支える。残念なことに子に恵まれず、持之の息子・細川成賢を養子とするが彼は早世し、一族の細川野州家から細川政国を迎え入れたのである。

そしてこの細川政国も続いて細川勝元が亡くなると、その息子の細川政元の後見として京兆家を支える。残念なことにまたしても子宝に恵まれず、今度は和泉下守護家の細川政賢を養子に迎え入れたのである。

さてここで細川政元の暗殺である。暗殺した細川澄之の勢力はあっさり壊滅したものの、政元の後見をめぐって細川澄元と細川高国が争い、細川政賢は和泉上守護・細川元常とともに細川澄元側につくこととなったのだ。これには系譜上は一番近い典厩家の細川政賢、もしくは細川澄賢親子が跡目を継ぐのがよいのではないかという自分の献策が、いや君たち養子だし一番頑張ったの細川高国じゃん、というノリで細川玄蕃頭家の細川元治に退けられた影響だといわれている。

というわけで細川高国は従兄弟の細川尹賢に典厩家を継がせ、典厩家は二派に分かれるのである。とは言ったものの細川澄元派の典厩家は船岡山の戦いで細川政賢は戦死し、細川澄賢、細川晴賢と続いていくも歴史の表舞台から消え、以降は細川尹賢の子孫が跡を継いでいくことになるのである。

細川藤賢の時代

細川藤賢は細川尹賢の次男で、細川高国派を糾合した細川氏綱の弟である。氏綱側に三好長慶がついた結果形勢が逆転し、見事細川氏綱が足利義輝の幕府に出仕できるようになった結果、典厩家の証である右馬頭に任じられている。

ところが細川氏綱、三好長慶が相次いで亡くなると、細川氏綱流の流れを彼が継承することとなる。加えて三好義継らの暴走で足利義輝が討たれることとなると、細川藤賢は家臣ともども早々と三好方を離脱。畠山秋高らに合流した松永久秀と同盟を結んでいく。

他にソースがないので仕方ないが、『細川両家記』によると、中島城にいた細川藤賢は、籠城して松永久秀・畠山氏連合軍と共同戦線を張りだした。ところが、永禄9年（1566年）5月に堺浦合戦で救援に来ていた松永久秀が敗れ、喜連まで出張っていた細川藤賢も撤退。長堂口で三好三人衆と交戦したようだ。

かくして、8月に中島城を開城させると、以後は松永久秀と行動を共にしたようであり、これまた他にソースがないので仕方ないが、『細川両家記』によれば永禄11年に信貴山城に松永久秀と籠城していたようだ。なお、三好本宗家の三好義継が合流した結果、家臣団がまとまっていき後の若江三人衆につながったりしなくもない。