翔ぶが如く単語

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翔ぶが如く(とぶがごとく)とは、

  1. 西郷隆盛大久保利通主人公にした司馬遼太郎歴史小説
  2. 1.を原作とする、1990年に放送された28作NHK大河ドラマ

本項では、1.の原作、2.の大河ドラマ両方とも解説する。

原作小説

1972年から1976年にかけて毎日新聞で連載された、司馬遼太郎歴史小説の中では後期の代表作である。明治六年の政変から西南戦争に至るまでの、上は明治政府・下は井の人々が、近代日本の転換期にあたるこの時代をどう生きたかを描く群像劇となっており、西郷大久保以外にも副主人公的な立ち位置の人物が多数登場する。

薩摩出身の人物の中では、特に路利良と桐野にスポットが当てられている。路は日本警察と呼ばれる反面、西南戦争の原因を作ったためマイナスイメージが強かったが、この小説がきっかけで再評価され始めるようになった。一方、もう一人の重要人物として西南戦争における薩摩軍の実質的な官であった桐野にも筆を割いているが、序盤こそ裏表のい人柄で好意的に描いていたが、西南戦争が始まってからは彼の戦略さを痛批判し、次第に冷淡な扱いを受けるようになる。

薩摩外の人間では、郷里の熊本で民権活動を行った後に、西南戦争薩摩軍に加わり戦死した宮崎八郎や、元会津士では政府軍として薩摩と戦った山川浩や佐川兵衛らが登場している。なお、大河ドラマ版では宮崎八郎の遺族が彼を登場させることに反対したため、矢崎八郎太という宮崎モデルにしたドラマオリジナルキャラクターに変更されている(劇中で江藤新平子になったり、原作一のオリキャラである名千絵と仲になるのもドラマオリジナルである)。一方、山川佐川会津の人物は大河ドラマ版には登場しなかったが、2013年に放送された大河ドラマ八重の桜」でその活躍が描かれた。

大河ドラマ

二人の主人公である西郷隆盛大久保利通を、それぞれ西田敏行鹿賀丈史が演じた。西田鹿賀両名は、写真や肖像画の本人そっくりと西郷大久保の子孫からも太鼓判を押された上、ドラマ本編でもその好演が高く評価された。特に大久保は、その政治的業績とは裏に、地元鹿児島では西郷を裏切って死に追いやった悪人と忌み嫌われていたが、このドラマが放送されたことで見直されるようになり、現在では鹿児島でも名誉挽回大分進んでいる。征論をめぐって二人がしく論争をする場面は、大河ドラマ名シーンのひとつとして今でもり継がれている。

大河ドラマではしく二部構成に分かれており(他にこうした組みが取られているのは、三部構成の「炎立つ」のみ)、原作部分は後半の第二部から描かれている。これに対して第一部は明治維新前の幕末舞台となっており、司馬遼太郎幕末モノの歴史小説がゆく」「最後の将軍」などをベースにした、オリジナルストーリーとなっている。このため、第一部のクレジットは脚本→原作となっている(第二部からは原作→脚本に変更)。群像劇の要素が強かった原作に対して、ドラマ西郷大久保の生涯を軸として、二人の友情別が物語の核となっている。

幕末の混沌とした状況と複雑な人間関係からか、視聴率はこの前後の作品にべてやや劣るものの、原作・脚本・キャストが全て太に仕上がっているだけあって、ドラマの評価も非常に高い。特に第一部は2008年に放送された「篤姫」と登場人物の大半が重複しているため、見べるのも面いかもしれない(「翔ぶが如く」で島津久光を演じた高橋英樹は、「篤姫」でその島津斉彬を演じている)。

一問題点を挙げるとすれば、第一部が全29話であるのに対して、第二部は計19話しかなく、膨大な量の原作を駆け足で展開せざるを得なくなるなど、尺不足の感が否めなくなってしまった。台湾出兵などデリケートな国際問題はもちろんのことだが、原作の重要人物である路利良の出番はほとんど割愛された(原作冒頭のとあるシーンも、当然ながらカットされている)。

スタッフ

キャスト

第一部のみ登場

第二部のみ登場

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最終更新:2024/03/29(金) 08:00

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