聖刻群龍伝とは、千葉暁著作の長編小説、およびそれを原作にしたコミックス(2巻)である。聖刻シリーズと呼ばれる作品群のひとつであり、TRPGワースブレイドとは世界観を同じくする。ジャンルは大河ファンタジーロボットラブコメ群雄劇。なお、聖刻群龍伝の前編にあたる聖刻群狼伝についても本項で解説する。
中世的西洋な世界観のもと、操兵と呼ばれるロボットを使うことのできる騎士が戦場の主役の時代のおはなし。同著者の同世界観の作品である聖刻1092とくらべ、個々の操兵やキャラクターに超絶的な能力は少なく(皆無ではない)、集団戦による戦術戦略のぶつかり合いや、宮廷にうずまく利権特権をめぐる政治劇、国家間の謀略など、ロボアクションよりも群像劇テイストのより強い作品となっている。余談だが本作品の「聖刻」の読みは聖刻1092の「ワース」ではなく、「せいこく」で良いらしい。
前編である聖刻群狼伝から始まった本シリーズは、第二部にあたる聖刻群龍伝にそのまま続き、現在もストーリーが完結しておらず進行中である。1092ともども最終巻まで完結することを願ってやまない。「群龍伝」からはタイトルに~の刻(とき)という章の名称がつくようになった。刊行順に、
ストーリーの時系列とも一致しており、現在進行形の龍虎の刻は最終章となる予定である。ちなみに西方大陸編とあるがその他の章編も西方大陸の物語であるので、あまりこの名称に意味はない気がするが気にしない。
漫画版は全2巻で、聖刻群狼伝をアレンジしたストーリーのほか外伝が収録され、2巻は小説版の挿絵やラフが大量に掲載され半ば設定資料のようなていになっている。
舞台は大陸(ア・ハーン)とよばれる大地。大陸では聖刻「ワース」なる輝石を配置した仮面が作られ、その仮面によって動かすことのできる「操兵」という兵器が闊歩していた。大小の国家は操兵を使うことのできる騎士を中心としてその国力を守り、あるいは他国へと侵攻していた。
大陸、その西の方角にあたる地域である「西方」。そのさらに西部域にイシュカークという小国がある。イシュカークはロタール帝国とよばれる大国の属国であり、旧イスカ王朝から続く古い伝統こそあるものの、国力も軍団も弱小な数ある朝貢国のひとつに過ぎなかった。この国の第二公子デュマシオン=イスカ=コ-バックは兄である第一公子オラストから王位継承権を巡り憎まれ、家臣の貴族たちからは軟弱として謗られていた。ただ彼は自らの生存のため、兄に疎まれ暗殺されぬよう幼いころから目立たず騒がずに生きるしかなかった。
しかし、兄オラストに追い出されるように、帝国への留学のため帝都ルーフェン行きが決まったとき、デュマシオンの運命の歯車が動き出した。自らの忠臣である騎士ローエン、幼馴染のアーシェラらごく少数の知己に自らの計画を明かし、デュマシオンは旅立つ。自らの命運をかけた王位継承権の獲得と、斜陽のイシュカーク国の立て直しのため、諸外国のつわものどもや有力者を味方につける、そんな無謀としか言えないような計画。デュマシオンは愛機の古操兵「ソレイヤード」、そしてアーシェラとともに身分を隠し、仲間探しの旅を始めるのだった。
そして、アーシェラの養父である"賢者"キール=ベールが告げたイシュカーク国に眠る秘密、古代イスカ王朝以前の時代にまでさかのぼる、歴史上の強大な君主「龍の王」と彼が率いた「龍の軍団」、その遺した秘蹟「シュルティ古操兵」を、デュマシオンたちは探ることになる。 それがデュマシオン自身にどのような「力」をもたらすか、彼自身はそのときは知りえなかった・・・
力あるものを《狼》という。そして、その《狼》たちを御する偉大なるものを《龍》という。
《龍》は治にあっては乱を起こし、乱にあっては治をなす・・・
自称「宝石細工師見習い」の青年”ディア”に扮する第二王子デュマシオン。彼は自身の素性を隠し、西方各地を旅していた。彼は数々の冒険を経て西方の傭兵たちにわたりをつけ、徐々にだが権力者、王となるものとしての力量を身につけてゆく。兄に命じられた帝国操兵闘技大会への出場、神聖ロタール帝国の華サクヤー皇女とのささやかな逢瀬、伝説に残る『竜の操兵』の末裔たちとの邂逅、そして、謎の"奇岩島”に眠る古の操兵…太古より定められた”宿命”が動き出す。
奇岩島の『龍の王』の試練、そして罠を退け、故郷イシュカークへと帰郷したデュマシオンたち。しかしイシュカーク本国は彼らにとって平穏の地ではなく、新たな戦いの舞台でしかなかった。第二王子を憎む兄オラストと、父親たる国王の妃である毒婦ラオダメイア。彼らとの政争のみならず、隣国ナカーダの”蛮人王”ガイザス率いる”ギガース”操兵部隊が侵攻をも、デュマシオンは退けなければならない。外憂内患のイシュカークを、彼は守ることが出来るのか。
帝国の討伐軍すら返り討ちにしたナカーダ国による侵略を、デュマシオンは5カ国連合の成立という離れ業で対抗し、ついにはガイザスを退けることに成功した。しかし、それらの一連の騒動は、ナカーダの後押しをしていた大国エリダーヌによる帝国弱体化と西方制覇の策謀だと判明したとき、イシュカーク国はあまりに強大な敵、エリダーヌに対抗せざるを得なくなる。苦戦続きのデュマシオン。そんな中、古の「龍の王」の"計画"の駒がまた一手進む。東の山脈を超えて、"龍"の配下の末裔たちが4本足の鉄の駿馬「人馬操兵」の大群を駆って押し寄せる。
人馬操兵の凄まじい威力は帝国を震撼させた。そして、彼ら蛮族の長を討伐したデュマシオンの名声もまた、帝国内に轟いた。死の床にあった皇帝に”征夷大将軍”の位を任じられた彼は凱旋し、恋の相手であるサクヤー皇女との甘い一時を過ごす。帝国国民の名声とは裏腹に、戦いによって明かされていく龍の王の宿命を恐れ、愛に溺れ堕落してゆくデュマシオン。かつての政友によって嵌められ、帝国を追われイシュカークに戻ったあとも、国内の内紛を御することは出来ず、誰も彼を奮い立たせることは出来ない…いや、ただ一人、忠義の騎士、側近であるローエンだけが、その方法を知っていた。デュマシオンにとって最も辛い、そのやり方を。
壮絶な内乱の果てに、デュマシオンは王としての生き方を見出した。多くのものを失い、そしてこれ以上失わないために、龍の王の後継者とならないために、彼は再び戦いに舞い戻る。かつて友として帝国の行末を語り合い、今や最大の敵となった男、帝国宰相サイオンとの全面対決。そこには、勢力を取り戻し以前以上に危険な存在と化した、蛮人王ガイザスの姿もあった。西方西部域の覇を決する戦いが、今始まる。
帝国宰相サイオンとの戦いから9年が過ぎ、イシュカーク国王デュマシオンを盟主とする連合国は西方西部域の最大勢力となった。これに対抗しうるのは、未だ大軍を擁し勢力を衰えさせていない、第二帝国と名乗るエリダーヌただ一国のみ。このエリダーヌとの対立を除けば、イシュカークは平穏のもと、過去にない繁栄を謳歌していた。しかし、いつかはこの緊張関係に決着を付けねばならない。龍たるイシュカーク国王デュマシオンと獅子たるエリダーヌ国王レクミラー、勝利の女神はいずれに微笑むのか。そして、龍の王の計画も、ついに最終段階・・・
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最終更新:2025/03/31(月) 23:00
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