胆振線

胆振線（いぶりせん）とは、旧日本国有鉄道（国鉄）がかつて運営していた鉄道路線である。

1986年11月1日に全線廃止となった。

概要

北海道伊達市の伊達紋別駅と虻田郡倶知安町の倶知安駅を結んでいた路線。途中、有珠郡を経由していた。羊蹄山、洞爺湖、有珠山の東側を走っていた。

全長83.0kmで、全線非電化、全線単線であった。

1941年に伊達紋別 - 倶知安が全通し、鉱石の輸送などを担ったが、鉱業の衰退により次第に利用は低迷し、1980年の国鉄再建法に基づき特定地方交通線に指定され、国鉄分割民営化直前の1986年11月1日に廃止。

京極駅からは脇方駅へと向かう支線があったが、こちらも1970年に廃止されている。

運行

ダイヤ

1984年3月時点では全線通しの列車が1日4往復、伊達紋別 - 新大滝間の区間列車が1日2往復、御園 - 倶知安間の区間列車が1日2往復運転されていた。また、これ以外に伊達紋別 - 久保内間と新大滝 - 倶知安間の区間列車が1日1往復運転されていた。

優等列車としては急行「いぶり」が運行されていたが、1980年に廃止された。

車両

晩年はキハ40系やキハ22形が運用されていた。

駅一覧

本線

廃線前に廃止となった駅は除く。

営業キロ	駅名	駅名読み	接続路線	備考
0.0	伊達紋別	だてもんべつ	室蘭本線	急行停車駅
5.1	上長和	かみながわ
10.3	壮瞥	そうべつ		急行停車駅
17.1	久保内	くぼない		急行停車駅、交換可能駅
23.1	蟠渓	ばんけい		急行停車駅
27.5	北湯沢	きたゆざわ		急行停車駅
30.3	優徳	ゆうとく
35.0	新大滝	しんおおたき		急行停車駅、交換可能駅
48.4	御園	みその		急行停車駅、交換可能駅
53.5	北鈴川	きたすずかわ
59.2	喜茂別	きもべつ		急行停車駅、交換可能駅
62.9	留産	るさん
65.0	南京極	みなみきょうごく
68.4	東京極	ひがしきょうごく
69.6	京極	きょうごく	胆振線（脇方方面支線）	急行停車駅、交換可能駅
72.6	北岡	きたおか
74.9	寒別	かんべつ
78.4	参郷	さんごう
80.4	六郷	ろくごう
83.0	倶知安	くっちゃん	函館本線	急行停車駅

支線

営業キロ	駅名	駅名読み	接続路線	備考
0.0	京極	きょうごく	胆振線（本線）
7.5	脇方	わきかた		1970年11月1日廃止

代替バス

道南バスにより当路線の代替バスが運行されている。

伊達駅前 - 倶知安駅前間の所要時間は2時間20分程度だった。本数は伊達駅前 - 大滝間が1日5.5往復、喜茂別 - 倶知安駅前が1日9.5往復。しかし大滝 - 喜茂別間は2022年9月末で廃止され、この区間から公共交通機関が消滅する（2022年10月1日現在）。

関連項目

• 鉄道事業者・路線一覧
• 日本国有鉄道