自己啓発セミナーとは、自己啓発を目的として行われるセミナーである。
ただしいわゆる「自己啓発」を目的としたセミナー全般をそう呼ぶというよりも、なんらかの心理的要素の向上を目的としたものを特にそう呼ぶことが多い。
そもそも「自己啓発」とは自らの能力を向上させたり、精神的な成長を図ることを言う。心理学的な効果を目的としたものを指すと誤解されていることも多いが、例えば「外国語学習」「資格取得」などの純粋なスキル取得目的の研鑽も「自己啓発」の範疇に入る。このあたりは「自己啓発」の記事を参照されたい。
興味深いことにこの「自己啓発」という言葉を説明する日本語辞書などでは、「仕事に関する知識,技能,経験などを」[1]「仕事に役立つ自己の能力を」[2]「従業員自らの意思によって」[3]などと、「仕事に役立つ」という面が強調されていることが多い。これは後述するように企業などの人材育成の手段として自己啓発の奨励や、自己啓発セミナーへの従業員教育の委託などが行われてきたという歴史を反映するものと思われる。要するに単に歴史的経緯であり、仕事を行う能力などとは関連しない「自己啓発」もありうるし、仕事を絡めない記述の仕方をしている辞書ももちろんある。
この「自己啓発」を純粋に独学として行うのではなく、講師などによって伝授・教育あるいは訓練という形で行うセミナーが「自己啓発セミナー」である。多くの場合大人数を集めて行われるが、少人数あるいは一対一で行われるものもある。上記のように「自己啓発」と呼ぶと外国語学習や資格取得などもその範疇に入るのだが、それらのスキルを教えるセミナーは例えば「外国語教室」「資格講座」などの具体的な名称を使用するため、「自己啓発セミナー」とは呼ばないことが多い。
ではどういったものが「自己啓発セミナー」と呼ばれることが多いかと言うと、「意欲」「自発性」「積極性」「克己心」「ストレス耐性」「根性」「粘り強さ」「経営者的視点」などといった心理的な要素を改善することを目的とした、あるいは少なくともそう謳っているセミナーをそう呼ぶことが多い。ちなみに、これはセミナーではなく書籍でも同様であり、「外国語や資格取得の教本」を「自己啓発本」と言うことはあまりなく、「考え方を変える」「有用な心理スキルを身に着ける」ようなことを目的とした本を「自己啓発本」と呼ぶことが多い。
「自分を変えたい」という要求を持つ者が自発的にこういったセミナーに参加することもある。だが、例えば企業が人材育成を外注する形で自己啓発セミナーを専門とする別企業・団体などに依頼して、職務として「参加させられる」場合もある。
こういったセミナーは心理的な要素の改善・変容を目的としているからして、何らかの心理学的な手法をとることが多い。ただし、その採用している手法のエビデンス(科学的根拠)が曖昧なことも多い。また、もし元が科学的知見にあったとしてもセミナーのプログラムとして反映するにあたって変質している可能性もある。さらには主催者の個人的経験や宗教的信念に基づいていたりと、ひどく主観的で根拠が曖昧なプログラムによって行われているものもあるようだ。
中には、講師が軍隊のように厳しい言葉での叱責や暴言を吐く、自分の過去のことを大勢の前で告白することを強要される、左翼団体がよく70年代にやっていたように自己批判を強要する、などの高圧的な手法を採るセミナーも存在している。その手法によって自殺者を出してしまったと疑われ裁判沙汰となった例もある。
あるいは逆にセミナーの「仲間」として取り込むような親和的な手法を採るものもあるが、最終段階においてそのセミナーへ他の人間を勧誘することもプログラムに含んでいたりと、マルチ商法やカルトや新興宗教に類似したものもあり、そのセミナーに依存する人間を作り出してしまうこともある。元々自己啓発セミナーやそれに類するものだった集団が宗教に変容した実例も複数存在している(「ライフスペース」など)。そういったマルチ商法や新興宗教と同様に、強引な勧誘をおこなうものもある。
有名な事例としてXJAPANのTOSHIがホーム・オブ・ハートという自己啓発セミナーに洗脳されていたという事件があった。この事件では多額の金銭がホーム・オブ・ハートに渡っていたが、この例を見てもわかるように金銭的な被害を被るケースも少なくない。
このように、様々な危険や問題点を孕んだセミナーも数多く、一種の社会問題ともなっている。
自己啓発セミナーへの勧誘を受けた場合や、勤務先から自己啓発プログラムへの参加を促された場合には、上記のような注意点に気を配る必要があるだろう。
掲示板
5 ななしのよっしん
2020/11/23(月) 19:55:31 ID: wgtCe2niND
「メンタルトレーニング」という用語はスポーツ界隈やスポーツ科学で普通に用いられる用語だけど……
その友達?からは労いや感謝の言葉はあったのかな?
カルトがヤバイ理由の一つに、カルト内以外の人間や社会は「敵orどうでもよい存在」であると洗脳されるところにある。
その友達からキミが「敵orどうでもよい存在」認定されていなければ、ひとまずはそっとしておいても良いのでは?
これはあくまでも私の個人的意見でしかないから、受け取るにしても参考程度にね。
6 ななしのよっしん
2021/09/13(月) 02:37:58 ID: YMTWLEZjox
全くスポーツ感なさそうなものなのに、「メンタルトレーニング」というスポーツ科学用語を単に箔付け目的で使っているあたりに似非科学商法と同じ匂いを感じるよ。
よって相当キナ臭いとおもうけどね、自分は。マイナスイオン商法や浄水器商法と似た類だろう。
メンタルって自分の一番大事なモノを他人にさらけ出して好きに弄らせる、自己啓発セミナーなんてのはかなりのハイリスクな商品・サービスだと思った方が良い。
ちょっと町で誘われた…なんてのはもってのほか。自分の心臓を手術するってなったらネットでもなんでも使って必死こいて病院の評判を確かめて先生を選ぶと思うが、それと同じくらい慎重になった方がいい。
7 ななしのよっしん
2021/11/21(日) 17:13:30 ID: iJ2woxoW/K
日創研
なんで逮捕されないんだろうな。
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最終更新:2024/04/23(火) 17:00
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