自虐史観 単語

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自虐史観とは、自を過度に悪とみなす歴史観のこと。対義自由歴史観。

この記事では日本に関する自虐史観を解説する。

概要

太平洋戦争が終了すると、明治以後の戦前日本を悪とするような歴史観が勃するようになった。それが自虐史観である。その背景には戦前に、天皇現人神とする皇史観があった。当時の政府歴史学会に圧をかけ、天皇に対する実的な研究には規制を加えていた。戦争が終わり皇史観の圧が取り除かれると、今度は天皇を一つの政治的な地位と見なす唯物史観が生まれた。唯物史観古事記日本書紀聖書でなく史料として読み解くなど、古代研究を大きく発展させる一方で、戦前反動で反国家主義的、反天皇義的歴史イデオロギーとしての性格を帯び始めた。その中で戦前日本を過度に悪とみなすものが自虐史観と呼ばれたのである。そのため自虐史観のことを左翼的歴史観、唯物史観と呼ぶこともあるが、本来的な意味の唯物史観と自虐史観はまったく別のものである。

例えば、自虐史観には以下のようなものがある。

このような視点による歴史教育義務教育の中で恒常的に行われていることもあり、「これでは日本人は自歴史文化、また日本人であることに誇りをもてない」とする人もいる。また、日本が自虐史観を持つようにと中国韓国、北朝鮮からの政治的圧がないとも言えないのが現状である(向こうからしたらそれは「正しい歴史認識」となる)。

近年では以上のような自虐史観をめるべく、自由義史観から近代史を捉えなおした歴史教育を行うための「新しい教科書を作る会」などが発足している。しかしそのような歴史の見直し運動中国韓国、北朝鮮などから強い反発を受け、深刻な政治問題にまで発展してしまった。

くわえて最近では、史学的見直しや祖先の名誉回復運動の域にも達していない、単なる憂さらしの嫌韓嫌中ブームヘイトスピーチなども社会問題となっている。

さらに上記のような内容を否定しようとする過程で、例えば「南京大虐殺はでっちあげだ」といったような急進的なが行われることも少なくない。しかし1937年の南で起きたことについては犠牲者数などについて議論があるのは確かであるが、1937年日本軍時に「非戦闘員の殺や略奪行為等」が行われたことについては日本政府公式見解として「否定できない」としており、外務省表している日中歴史共同研究の資料にも登場している。事件自体がでっちあげというべきものだとするは、現在のところ広く認められたものとは言い難い。適切でないと考える自虐史観をめようとするあまりに、このように逆方向から適切ではないと摘されうるがなされた場合、「歴史修正主義」として非難されることもある。ただし「適切であるかどうか」の判断は困難なものであるため、あるについて「自虐史観である」「歴史修正主義である」とすることは安易なレッテル貼りになってしまう危険もある。

一つの歴史的事を一義的に正義や悪だと述べるのは不可能である。例えば、現在韓国北朝鮮両国からは侵略行為であったと見なされている「朝鮮併合」について、朝鮮社会インフラ等を整備し近代国家としての基礎を作ったという点を重視して肯定的な面がされる場合もある。太平洋戦争自体の戦争動機についても、他の選択肢が狭まった状況で自衛の為に選択された戦争であって純な野心に基づく侵略というわけではなかったというもある。個々人のレベルではさらに多様であり、自虐史観でられるような残虐な行為を行った日本兵が存在したことも否定できない一方で、東南アジア欧米か解放するための戦いであると考えていた日本兵や、さらには太平洋戦争が終結した後もインドネシア独立戦争に参加した日本兵などもいた。このインドネシアの例を引けば、日本戦争行為がインドネシア独立運動を後押ししたと見なすこともできる。

これら正義・悪の両面の要素があった出来事について、戦争に負けて発言が落ち「悪」の部分が強調された結果が自虐史観であるとも言える。つまり、歴史の基本「歴史は勝者によって書かれる」というわけだ。

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