航空機(こうくうき、英:aircraft)とは、大気中を飛行するための乗り物である。
現代は地上の制約を受けず、高速で移動できるものが多い。
飛行機(固定翼機)・ヘリコプター(回転翼機)などを思い浮かべる方が多いかもしれない。
厳密にはそれ以外にも航空機があり、種類・用途によってさらに細かく枝分かれしていく。
優雅に空中を自在に飛び回るイメージも大きく、将来の夢はパイロット!という方もいるのではないだろうか。
ガス、主翼・回転力、ジェットエンジン等によって大きな機体を浮かせ
飛行・移動・運搬・活動が可能。大型の機体によっては100名以上を運ぶこともできる。
かつて飛行機代は非常に高額だったが、一度に大勢乗せられるようになりかなり値下がりした。
飛行機の料金(東京~大阪間)の推移 (toukeidata.com)
公式記録としては気球が1708年、飛行船が1852年、飛行機は1903年、
ヘリコプターは1930年代に安定飛行、オートジャイロは1911年に特許が出願されている。
現在は無人機・小型のラジコンのようなドローンといった小規模なものも登場している。
遊覧・偵察・観測・監視・パトロールといった様々な用途に用いられる。
展望台のように、近くの町から遠くの山々や海まで見渡せるのは気持ちが良いものである。
見晴らしのよさから、遠くの軍勢の動きをいち早く発見・対処することもできる。
遊覧ではなく移動に使われる旅客機においても、副次的に空からの展望を楽しめる。
天気が悪くとも雲の上に出れば快晴で、夜は星空を眺めることができる。
現場上空からの中継・空撮・情報収集もお手の物。カメラマンが身を乗り出して撮影する場合もあるが、機体に防振装置付きの高性能カメラが付属している場合もある。軍用・救難捜索においては暗視装置・熱源映像装置が付属している場合も多く、夜間飛行や目標の捜索・特定が可能。
逃走車など、空からの追跡を振り切るのは困難でリアルタイムで位置を特定されてしまう。
ただし、逆に見渡せる範囲からは丸見えのため、戦場では攻撃を受ける可能性もある。[1]
地上が森林・砂漠・雪原・断崖絶壁であったり
渋滞の激しい市街地、河川、海洋であっても、空中では関係なく移動できる。
たとえ地上が地雷原や治安の悪い地域、ゾンビだらけでもへっちゃらである。
複雑な地図を読み返す必要もなく、文字通り「一直線」に目的地へ飛ぶことが可能である。
次述の高速性とメリットを組み合わせることで、他の乗り物には実現困難な最強の利点となる。
気球などの一部を除き、非常に高速に飛行できる。
一般的なヘリコプターであっても新幹線より少し遅いくらいで、高速道路の車よりも断然早い。
ヘリコプター(回転翼機)においては自在に離着陸・空中静止(ホバリング)できる利点と組み合わせ、救急搬送(ドクターヘリ)、災害派遣、有事の際にも即座に現場へ駆け付けることが可能。
飛行機(固定翼機)においては、空気抵抗の少ない高高度を飛行する場合が多い。エンジン内で燃焼させる空気が薄くなるため、そこは過給機といった装置で補う。気圧・気温も一気に下がるが、快適性を損なわないよう機内は与圧され空調を効かせる。
軍用輸送機などは、物資投下・空挺降下(パラシュート降下)も可能。
念のために書いておくと
飛行機は速度による揚力を得なければ、飛行状態を維持できない点も留意。(失速)
もちろん主翼はあるため即墜落はせず、紙飛行機のように徐々に降下は可能。
ただし高速性は諸刃の剣であり、事故を起こせば被害は自動車の比ではない。(後述)
広大な滑走路やそれを含めた離発着・整備施設が必要な場合が多い。
大型で重量のある機体ほど加速・減速のために長大な滑走路が必要となる。
水上機・飛行艇は水面があれば離着陸可能。ただし海や水面状況によっては不可能。
…と言いたいところだが、建物の耐荷重強度が足りない場合や地盤が緩ければ着陸した傍から沈んでしまい、横転・回転翼の損傷してしまうなど結果的に墜落する。もちろん回転翼が電線や木々といった障害物に衝突すればアウト。
上空からではヘリポートが点にしか見えず、適切な誘導がなければ探すのに苦労する。夜間は照明や目印がなければ暗闇や摩天楼の明かりに紛れてしまい、着陸までにタイムロスがあるかもしれない。(発炎筒や赤外線ストロボが用いられる場合もある)
戦争の際、基地や滑走路は逃げ隠れできない巨大な的になってしまうことから狙われやすい。
高速道路の中央分離帯を外し代替滑走路として利用したり、トンネルをそのまま格納庫にしてしまう場合もある。管制塔は車両移動式・牽引式の小型のものを用意する場合も。
気球などを除き、近代の航空機においては
エンジンや回転翼が爆音を響かせることから周囲への騒音が激しく、また隠密性がない。
燃費は悪い場合がほとんど。ただし速度自体が早ければ一瞬で長距離を移動できる。
高速性を除けば、リッター1km未満の戦車と良い勝負かもしれない。
飛行機の燃費はどのくらい?リッターあたりの距離比較やB787の性能を解説 | トラベリスト -TRAVELIST- 格安航空券の検索・予約
損したぶんは、高速性や乗客数の人数の運賃や物資の輸送費といったメリットで補われる。
みんなの支払った飛行機代がまるまる航空会社の利益になるわけではない。
またジェット戦闘機をエンジン全開にした場合など、とんでもない速度で燃料が減る。
軍用機においては着脱可能な燃料タンク(増槽)が使用される場合もある。
機体+搭載重量が重いほど滑走距離が長くなる。
重すぎれば離陸できないため重量にシビアである。滑走路を逸脱して突っ込んでしまう。
旅客機・貨物機においては荷物のバランスや重量も考慮して積まなければならない。
極端な例では、重量を減らすために燃料を減らすくらいである。
航空機そのものの価格も高額で、維持費・燃料費・保管費用・空港使用料など様々な費用がかかる。
たとえ一人乗りの小型機であっても、マイ飛行機にするには勇気が必要。
パイロットひとり育てるにもそれなりの期間と費用がかかる。
飛行機などが普及している国では多少下がるが、日本国内においては高額。
自動車の免許を持っていれば原付が運転できるし
大型車の免許を持っていれば普通自動車が運転できる。
…ただし航空機はそうはいかない。
誤操作や特性の違いによる事故を防ぐため、一度に乗れる機種カテゴリは一種類のみ。
型式限定とも。(免許に記載される)
異なる機種を操縦する場合、「機種転換訓練」が必要。
機種転換後は、今まで慣れ親しんできた飛行機は操縦できない。
(その場合、また機種転換訓練が必要になる)
…厳密にはできるかもしれないが、法律上はダメ。
「空を自由に飛びたいな、はい離陸」
→「自由自在に空を飛ぶの楽しいな!」…とはならない。
趣味でマイ航空機を購入したは良いが、諸事情で思ったほど飛ぶ機会がなければ宝の持ち腐れである。
(他にもあれば追記してください)
(他にもあれば追記してください)
上空には障害物がないため安全である。
安全な乗り物ではあるが、「100%絶対に安全」という保証はない。
だが、墜落という航空機における最も恐ろしいリスクは無視することができない。
比較的低空においては、鉄塔や送電線、電線、ビル、山岳といった様々な地形地物が待ち受けている。
墜落先の地上の人々や建物まで巻き込むため大迷惑である。
ミサイルを撃ち込まれなくても、故障、整備不良、判断ミス、他機との衝突ほか様々な要素もあり
突発的な事態に万能に対処するには、シミュレータも含めた長い時間と経験も必要となる。
高速で移動でき、目的地へ素早く到着できるのが航空機のメリットである。
ただし諸刃の剣であり、その速度で事故を起こした際の衝撃・被害は自動車の比ではない。
航空機自体が高速なため、遠くに障害物や他機が…と思えばすぐに目の前である。
(ヘリコプターなど、低速な場合は若干の猶予はあるが…)
大型機には互いの接近を警告する空中衝突防止装置なども装備される。
空中衝突防止装置 - Wikipedia
軍用においては高速接近する機体が敵/味方か判断しなくてはならないため
敵味方識別装置(IFF)などを装備している場合も多い。かつては固有の塗装などをしていた。
敵味方識別装置 - Wikipedia
自動車や船舶であれば不具合が起きても路肩への駐車や救命ボートといった逃げ場があるものの
航空機に関しては不時着かパラシュートくらいしかなく、降下先の地上に何もないとも限らない。飛行機がその速度で突っ込めば木っ端みじんである。
また、パラシュート自体も万能ではない。
「十分な講習・訓練を受けて即開けるドアが真横にある」レベルでなければ無理。
ちなみに小型機限定だが、飛行機自体に装着するパラシュートはある。
戦場を除き、毎日飛行機やヘリコプターが墜落するわけではないものの、
過去の多くの人々の犠牲や記録(フライトレコーダーなど)を元に改善され現代の安全は成り立っている。
機体に全く問題がなかったのに、しょーもないヒューマンエラーで墜落した事例も珍しくない。
この辺りは フィクションじゃないのかよ!騙された! の項目が詳しいので参照して頂きたい。
飛行機がメインだが。
地形や障害物に左右されず飛べることから、密輸や密入国・亡命・脱出/逃亡にも利用される。
ハイジャックによってとんでもない要求される場合もある。
1976年9月5日、ロシアのMiG-25が北海道の函館空港に亡命してきたのは有名。
ベレンコ中尉亡命事件 - Wikipedia
日本は外交下手で弱腰なため、周辺の赤い国が舐めプで頻繁に領空侵犯にやってくる。
航空自衛隊はスクランブル発進させられる。
航空機は、大きく分けて重航空機と軽航空機の2つに大別され、更に細かく分類される。
※飛行艇は機体底面が船舶のような舟型になっており、水面に胴体着陸するようなもの。(項目参照)
上記2種類を合わせてV/STOL(vertical and/or short take-off and landing)等と呼称することもある。
これらと対比する必要がある際に、離着陸に通常の滑走距離を要する航空機を
「通常離着陸機」(CTOL : conventional take-off and landing)と表現することもある。
※記事のあるもののみ追記願います。
軍用機に関しては別項にて一覧があります。 → 軍用機の一覧
特にXプレーンと呼ばれる実験機に関してはこちらを参照。 → Xプレーン
※消滅した企業および航空機製造事業から撤退した企業は斜体にしています。
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最終更新:2024/10/07(月) 13:00
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