『薬屋のひとりごと』とは、
- 小説家「日向夏」によるライトノベル作品。Web版(リンク)及び書籍版(リンク)の2種類ある。
- 1の小説を原作とする漫画作品。ビッグガンガン版(リンク)及びサンデーGX版(リンク)の2種類ある。前者は、ニコニコ静画 (マンガ)にて公式配信中(リンク)。
- 上記を原作とするアニメ作品。内容はビッグガンガン版に寄っているが、原作(書籍版)の要素も取り入れている。
概要
小説投稿サイト「小説家になろう」にて、平成23年(2011年)10月から連載が開始されたWeb小説。その書籍版が「ヒーロー文庫」(主婦の友インフォス)から出版されている。
漫画化(コミカライズ)も行われており、スクウェア・エニックスの『月刊ビッグガンガン』、および小学館の『月刊サンデーGX』の2誌で同時連載となっている。後者(サンデー)には『猫猫の後宮謎解き手帳』の副題が附いている。
令和元年(2019年)8月22日、ビッグガンガン版コミカライズ作品が『次にくるマンガ大賞 2019』の「コミックス部門」第1位に選ばれた[1]。
2023年2月にTVアニメ化が発表。これにより、同年時点での歴代ライトノベル作品売り上げTop10作品全てがアニメ化されることになる。
あらすじ
【宮中に名探偵誕生!?】
大陸の中央に位置する、とある大国。その皇帝のおひざ元に一人の娘がいた。
名前は、猫猫(マオマオ)。花街で薬師をやっていたが現在とある事情にて後宮で下働き中である。
あるとき、猫猫は、帝の御子たちが皆短命であることを知る。持ち前の好奇心と知識欲に突き動かされ、興味本位でその原因を調べ始める――。
※書籍版公式サイト(リンク)から引用
登場人物
年齢は初登場時のものを記載する。
作中ではもっぱら数え年が使われており、満年齢はこの数字よりも1~2下である。
主要人物
- ■猫猫(マオマオ)
- 本作の主人公。数え17歳。ソバカス顔の肉無し体型。誘拐された挙句、後宮に売り飛ばされ下女として働いている。元は薬屋で、毒や薬に対する探求心・好奇心が人一倍強いマッドサイエンティスト。必要とあれば自分に傷や毒を試し、毒を飲んではとろけたような顔を見せる 変態 。
薬や毒への興味を除くとドライで達観した性格であり、壬氏のことも美形とは認識しているがそれに心を動かされたりはしない朴念仁。
- 【以下ネタバレにつき反転→】そばかすは花街で身を守るためわざと化粧で入れており、それを落とせば(自己評価では平凡だが)整った容姿を持つ。きちんと化粧をして着飾れば周囲が驚くほど。好奇心旺盛なためいろいろな事件に首を突っ込んでは独自の推理で解決する頭脳を持ち、宮廷医官を凌駕するほどの医学・薬学の知識を持ち合わせている。このあたりは実父と養父の能力を完全に受け継いでいると言える。
- ■壬氏(ジンシ)
- 宮廷では名の通った宦官。数え23歳。天女の顔に甘露の声と称される絶世の美形であり、女性のみならず男性からも言い寄られるほど。帝の子の連続怪死事件を解決した猫猫を利用しようと接触するが、次第にそれ以上の興味を持つようになる。
猫猫には自身の顔が通じないばかりか嫌な顔をされぞんざいに扱われるがそれが満更ではない様子だったり、希少な生薬を取り寄せて気を引こうとしたり残念なイケメンと化しつつある。
- 【以下ネタバレにつき反転→】実は、当代の皇帝の実の弟(皇弟)「華 瑞月」であり、その身分を隠し宦官を装って活動している(つまり去勢されていないためカエルは健在)。年齢も偽装しており、実年齢は数え18歳。その出生にはさらなる疑惑があり・・・?
皇妃
次期皇后の最有力候補である4人の上級妃。四夫人とも。
物語途中で阿多妃に代わり楼蘭妃が淑妃の座についた。
なお、皇妃=皇后ではない。皇后となるのは東宮をもうけた皇妃である。
- ■玉葉妃(ギョクヨウヒ)
- 猫猫を侍女+毒見役として迎え入れた皇妃。位は貴妃。
西都を治める楊の家の娘で西方の混血であり、異国風の容貌を持つ。
聡明で帝への忠誠心も高いが、年相応に好奇心が強くお茶目な側面も。
数え19歳。皇帝との間に女子(鈴麗公主)をもうけている。
- ■梨花妃(リファヒ)
- 「大輪の薔薇」とうたわれた美貌の皇妃。位は賢妃。
数え23歳。高級妓女を見慣れた猫猫も一級品と称する巨乳の持ち主。皇帝の男子を授かるも原因不明の病で亡くしたことにより憔悴し、その面影がないほどに衰弱した。
当初は病のために余裕がなくなっていたが、本来は気高くも懐の深い人物。
- ■里樹妃(リーシュヒ)
- 数え14歳の最も若い皇妃。位は徳妃。
猫猫よりも更に凹凸のない体型で、内面や振る舞いも年相応に幼い。
「卯」の一族の姫君として数え9歳(満7~8歳)の頃に幼女趣味の先帝に嫁がされ、夫の死後は息子である現帝の妃となった。その来歴が不徳扱いされていることに加え、豊満好みの主上からお手つきがないこともあって舐められ、侍女にもいじめられている。
- ■阿多妃(アードゥオヒ)
- 皇妃の中では年長の古株。位は淑妃。
数え35歳。現皇帝の乳姉弟にして東宮時代からの妃で、以前に男子を産んでいるが幼くして亡くしている。男であれば帝の片腕になれたともいわれる聡明な人物で、中性的な容姿のため女性たちからも高い人気がある。里樹妃とは「年長の嫁」と「幼い姑」の関係だが仲は良い。
- ■楼蘭妃(ロウランヒ)
- 作品の途中より阿多妃に代わって後宮入りしてきた皇妃。位は淑妃。
皇帝もむげに扱えない名家、「子」の一族の姫君で数え17歳。
派手な衣装や化粧を日替わりで変え、感情や行動をあまり表に出さないため何を考えているのか分からずつかみ所がない。猫猫の見立てでは「顔立ちは北国出身っぽいが装いは南国風でまとめている」としている。
後宮
- ■皇帝
- 物語の舞台である大国「茘(リー)」の頂点に立つ権力者。数え34歳。作中では帝(みかど)、主上(しゅじょう)とも。おっぱい星人。
その立場ゆえ非情な命を下すこともあるが基本的には慈悲深い人物で、賢帝と評される。
- ■高順(ガオシュン)
- 壬氏の付き人で宦官。数え36歳。幼い頃から面倒を見ているらしい。寡黙だが仕事はテキパキとこなしていて有能。猫猫のことは小猫(シャオマオ、ちゃん付けのニュアンス)と呼ぶ。
- 小蘭(シャオラン)
- 猫猫が仲良くしている下女で役職は尚服(≒洗濯係)。噂好きで、猫猫には後宮の噂を話してくれる。
農村から親に売られて後宮にきた苦労人だが、今の生活に満足しており悲壮感はない。
甘いもの好きで、猫猫が噂話を聞きに来たときは菓子を小蘭にあげていることが多い。
- 紅娘(ホンニャン)
- 翡翠宮の侍女頭。30歳で、猫猫が給金について悩んでいる際に策略を図るなど頭が回る。
- 桜花(インファ)、貴園(グイエン)、愛藍(アイラン)
- 翡翠宮の侍女。勝ち気なのが桜花、おっとりしているのが貴園、背が高いのが愛藍。
3人とも有能であり、紅娘と合わせて4人で玉葉妃の世話をすべてまかなう。
猫猫が翡翠宮に入った後も、毒見役以外のほとんどの作業を彼女らが回している。
- 白羽(ハクウ)、黒羽(コクウ)、赤羽(セキウ)
- 翡翠宮に臨時で雇われた侍女。玉葉の入内前からの従者。
3人は姉妹で顔立ちもよく似ており猫猫が覚えられないため、名前と同じ色の髪紐を付けるようにした。
- 鈴麗公主(リンリー こうしゅ)
- 玉葉妃の娘。謎の病により衰弱していたが、回復後は元気に育ちおてんばな側面も見せる。
玉葉には小鈴(シャオリン)とも呼ばれる。
- やぶ医者
- どじょうひげが特徴的な小太りの宦官。本名は虞淵(グエン)だが滅多に呼ばれない。
後宮で唯一の医官だが医療の技術も知識もからっきしで、そればかりか死体に怯えるなどどうしようもないやぶ医者。勤務態度や守秘義務も怪しく、医官としてはほぼ頼りにされていない。
一方人柄自体は善良で、薬を作れる猫猫を気に入りたまに茶菓子を出している。
- 杏(シン)
- 水晶宮の侍女頭。
梨花妃とは従姉妹同士で、同時に入内したが梨花が妃となり杏はその侍女となったという経緯がある。
- 河南(カナン)
- 金剛宮の侍女で毒見役。
ほかの侍女同様主である里樹妃を侮り、味方の振りをしながら陰湿ないじめを行っている。
- 風明(フォンミン)
- 柘榴宮の侍女頭。
- 水蓮(スイレン)
- 壬氏に仕える初老の侍女。
侍女として極めて有能で、壬氏も頭が上がらない。
- 芙蓉妃(フヨウヒ)
- 南方の属国、亜南出身の中級妃。
夢遊病を患って武官に下賜された。
- 毛毛(マオマオ)
- 後宮に迷い込んだ三毛の子猫。雌。
鈴麗公主が気に入ってしまったため皇帝直々に「盗賊改」なる役職に任命、
要はネズミ捕りの名目で医局で飼われることになった。
- 子翠(シスイ)
- 後宮で猫猫が出会った下女。虫を捕まえたりやたら精巧な虫の絵を描いていたりと奇行が目立つ。虫への興味を除けば明るく人なつっこい性格で、猫猫や小蘭と時折つるむようになる。
- 深緑(シェンリュ)
- 医局とは別に存在する「診療所」を管理する中年の女官。女ゆえに本格的な医療行為や調薬は許されていないがやぶ医者より数段マシな知識を持ち、後宮の医療事情を支えている。
- 先帝
- 先代の皇帝で現帝の父。故人。
「愚帝」「昏君」「女帝の傀儡」と悪評にことかかない人物で、特に幼女趣味であったことが有名。
皇位継承順位は低かったが、兄弟が次々と夭逝したことで皇位につくことになった。
晩年は見る影もなかったが、若い頃は壬氏に似た美形であったらしい。
- 「女帝」
- 先帝の母で現帝の祖母に当たる人物。故人。
先帝が上述の有様のため、実質的には彼女が実権を握っていた。強権的ではあるものの優れた政治手腕で、無能な先帝の元で国を持たせた一方、様々な禍根も残している。
なお女は皇帝になれないので彼女の正式な肩書きは皇太后であり、「女帝」はあくまで異名。
- 安氏(アンシ)
- 現皇太后であり先帝の后、現皇帝と皇弟の母。
先帝の趣味により幼くして母親となっており、皇帝と並ぶと親子ではなく姉弟にしか見えないほど。
- 皇弟
- 皇帝の弟。数え18歳で、物語開始時点では皇位継承権1位の東宮。
体が弱くほとんど表舞台に出てこないうえ、幼少期の火傷跡を隠すために常に覆面をしているという設定。皇帝とはだいぶ歳が離れており母親である当時の皇后は先帝のストライクゾーンからとうに外れていたため、その出生についてはいろいろと噂されている。
花街
- ■梅梅(メイメイ)
- 緑青館が誇る最上級妓女「三姫」の一人。
彼女に限らず最上級の妓女は体ではなく芸を売るもので、梅梅は囲碁や将棋に優れる。
- ■白鈴(パイリン)
- 緑青館が誇る最上級妓女「三姫」の一人。
巨乳で舞踏に長けるが筋肉好きで絶倫という側面も。猫猫が紹介してくれた武官の李白がお気に入り。
- ■女華(ジョカ)
- 緑青館が誇る最上級妓女「三姫」の一人。
教養や詩歌に秀で、彼女との会話について行ければ科挙にも受かると称される才女だが、妓女でありながら男嫌いという側面も持つ。
- ■やり手婆
- やり手婆とは娼館で客との取り持ちや妓女の指導・監督をする役職で、他店にもいるが作中では主に緑青館のやり手婆を指す。金にがめつく妓女や男衆にも厳しく接し、猫猫が毒を飲んで倒れたり爆発騒ぎを起こしたりするたび腹パンやゲンコツしてきた。猫猫をどうにか妓女として売り出そうと考えている。
- 【以下ネタバレ→】かつては本人も妓女の一人。昔を知る人いわく高身長美女で、舞を得意としたという。
- 羅門(ルォメン)
- 花街で薬屋をしている猫猫の義父。猫猫には「おやじ」と呼ばれる。
非常に落ち着いた性格で猫猫よりも能力が高く観察眼もある。足が悪い。
- 【以下ネタバレ→】本名は漢羅門(カン・ルォメン)で、羅漢の叔父。かつては猫猫と同じく後宮で働く宦官医官だったが、ある出来事により肉刑(身体の一部を抜き取られる刑罰)を受けて追放された。足が悪いのはそのため。更にその前は西方に留学していたため、この国の一般水準を大きく上回る医学知識を持つ。
- 鳳仙(フォンシェン)
- かつて緑青館で一番の人気を誇った妓女。囲碁では負け知らずの腕であった。
現在は末期の梅毒で寝たきりとなり、人目につかない部屋に隔離されている。
- 【以下ネタバレ→】猫猫を産んだ女。妊娠・出産したことで妓女としての価値を落とすばかりか緑青館の経営も傾け、梅毒をうつされるような仕事までして現在に至る。
- 右叫(ウキョウ)
- 緑青館の男衆頭。面倒見がよく気が利く性格で、猫猫とも旧知の間柄。
- 趙迂(チョウウ)
- とある事情から薬屋に引き取られたやんちゃな少年。
半身が不自由だが絵に強い興味を持ち、似顔絵を売ったりして小遣い稼ぎをしている。
- 梓琳姉(ズーリンあね)
- 花街に住む貧しい家の娘。働きもせず娘に物乞いをさせる父親を見限り、妓女になって妹を養うことを決心して緑青館の門を叩く。
- 梓琳(ズーリン)
- 上記の経緯で緑青館で養われることになった少女。口を利くことができない。
一応禿として働きつつ、普段はよく趙迂にくっついて回っている。
- 左膳(サゼン)
- とある事情から薬屋で働くことになった男。自己評価が低いが、人のよい性格で仕事にも真面目に取り組むため猫猫にはそれなりに評価されている。
- 克用(コクヨウ)
- 迷信で村を追い出された過去を持つ医者の青年。もとは美形だったことが窺えるが、疱瘡(天然痘)の痕が顔半分を覆っており不気味がられることが多い。
そうした不幸な生い立ちの割に明るく楽観的な性格だが医学知識は確かで、いろいろあって薬屋で左膳の指導を行いながら働くことになる。
外廷
- ■李白(リハク)
- 宮中の宴遊において義理で女官たちにかんざしを渡していたところ猫猫と関わることになった武官。
大型犬を思わせる親しみやすい人柄だが羅漢が見出した人材で腕は確か。若くして宮中の宴にも末席ながら参加しているなど、出世頭としてその将来を期待されている。
猫猫の里帰りの際にその見返りとして緑青館の「三姫」である白鈴を紹介され、その魅力にすっかりハマってしまった。
- ■漢羅漢(カン・ラカン)
- 軍師として高い実力を持つとうたわれる軍部の高官。漢太尉とも。
皇帝から「羅」の文字を賜った一族の当主で、羅の者は変人だが特定分野で突出した能力を持つ。
人の能力や本質を見抜く能力があり、人を将棋の駒に例えて配置することで戦や政争では負けなし。普通の将棋や碁も恐ろしく強い。一方で数々の奇行で知られ、しかし敵対するものはことごとく失脚・破滅するため宮廷でも腫れ物のように扱われている。
壬氏が猫猫に執着しているのを知っていながらその上で猫猫をもらい受けることを狙っているが、当の猫猫からは蛇蝎のごとく嫌われている。
- 【以下ネタバレ→】人を将棋の駒に例えるのは本当に人の顔の区別がつけられないという性分(現実にそういった障害か症候群を持っている人間はいる)のため。
自身を碁で負かした鳳仙が初めて人の顔に見えたことで繰り返し言い寄り、ついには一夜を共にするが不幸にも仕事で花街に近づけずにいる間に鳳仙は破滅してしまった。つまり彼は猫猫の父親に当たる。
猫猫に執着するのも害意ではなく不器用な家族の情、つまりは猫猫と鳳仙の事を心の底から大好きなのだが、感情をうまく表現する事が出来ないため、その思いや意図が全く伝わっておらずにものすごく嫌われている。アニメ版19話では目の前で猫猫が衛兵に殴打され顔面が腫れ上がり、さらには壬氏を庇って大怪我を負ってしまう。声にこそ出していないが、相当にブチキレしている表情が描写されている。
- 漢羅半(カン・ラハン)
- 羅漢の甥で、養子に取られ跡取りとなっている。
彼は数字の認識・処理能力が突出しており、財務を任されている。
羅漢よりはマシだが彼もまた変人であり、「美しい数字」なるものに並々ならぬこだわりを持つ。
- 馬閃(バセン)
- 高順の息子で、皇帝に「馬」の文字を賜った一族の跡取り。
彼の一族の任務は皇族の護衛で、馬閃は皇弟の側近を務めている。
精神的にはまだ若く、頑固で未熟なところがあるが人間離れした腕力と頑丈さを持ち、荒事では無類の強さを誇る。
- 馬良(バリョウ)
- 高順の息子で馬閃の兄。虚弱体質で人見知りだが、若くして科挙に受かるほどの頭脳を持つ。
その人柄ゆえ仕事が続かずにいたところ、壬氏付の事務官として雇われることになる。
- 麻美(マーメイ)
- 高順の娘で馬良・馬閃の姉。女ながら高い事務能力を持ち、主に馬良の補佐を務める。
- 翠苓(スイレイ)
- 外廷で働く官女。女性にしては背が高く、中性的な顔立ち。
薬草を栽培しており、薬に関しては猫猫も驚くほどの知識を持つ。
- 姚(ヤオ)
- 猫猫が後宮ではなく宮廷の医局で医官手伝いとして働くことになった際に同僚となった官女。
背が高く発育がいいがまだ15歳で、優等生ではあるが箱入りのお嬢様らしく世間知らず。
結婚をせっつかれているが自分の力で生きるため官女を志しており、向上心が強く負けず嫌い。
- 燕燕(エンエン)
- 姚と同じく医官手伝いの官女で、もとは姚の侍女であり現在もかいがいしく姚の世話をする。男嫌いなうえ姚に少々歪んだ愛情を見せており、美容・発育によい成分たっぷりの食事を与え「育てて」いると豪語する。
- 劉医官(リュウいかん)
- 宮廷医局の上級医官。羅門とは旧知の間柄で、確かな医療技術を持つ。
- かつては後宮で働いていた時期もある。(当時医官は去勢を免除されていたため宦官ではない)
家柄や縁故による贔屓を嫌い、厳しく後進を指導している。
- 天祐(ティンユウ)
- 若い見習い医官。軽薄な性格の男で、猫猫のことはふざけて娘娘(ニャンニャン)と呼ぶ。
若手としては突出した外科医療の技術を持つが、手術への興味の強さは異様で危うげ。
- 大臣
- 園遊会に出席していた高官の一人。猫猫が毒見の際に羹(スープ)を妖艶な顔つきでやたら美味そうに飲んだため、毒だと言われても信じず口にして倒れる。治療を受け一命は取り留めた模様。
本来それだけのチョイ役だったのだが、アニメ版(CV: こばたけまさふみ)のスピード感ある即落ち2コマっぷりが視聴者に受け、「ダブルチェック大臣」などと呼ばれる謎の人気を博した。
用語解説
地区
- 後宮
- 本作の主要な舞台。皇帝の世継ぎを作るための妃が集められており、女官や宦官が働いている。
- 周囲を壁と壕で囲まれているが上級妃は宮殿を持つなど、ちょっとした街くらいの規模がある。
- 花街
- 猫猫が後宮に連れてこられるまで住んでいた街。名前の通り妓楼(娼館)が多く並んでいる。
- 現代風に言えば風俗街。なお後宮からはそれほど離れていない。
建物
- 緑青館
- 花街にある、最高レベルの遊女である「三姫」を抱える最高級妓楼。「一晩で銀が尽きる」と云われ、宮廷の官僚たちもひいきにするほど。
- 猫猫はその一室を実験室のように使っている。
- 翡翠宮、水晶宮、金剛宮、柘榴宮
- それぞれ玉葉妃、梨花妃、里樹妃、阿多妃の住まう宮殿。
- 阿多妃が後宮を離れた後は、柘榴宮に楼蘭妃が住まう。
役職
- 妃
- いずれも皇帝の相手となる女性で、個室を持つことができる。上級妃、中級妃、下級妃のランクがある。
- 上級妃には皇妃の4人が、中級妃には芙蓉妃などが該当する。特に上級妃は後宮内で最も格式が高く、宮殿を持ち、正一品の位階が与えられている。下女からでも皇帝のお気に入りであれば、夜伽を経て下級妃になることがあるという。
- 適齢期を過ぎたり、病気等の事由で皇帝の夜伽相手になれなくなった場合は、妃の位から降ろされ、場合によっては下賜されてしまうことになる。
- 寵妃
- 妃の中でも特に皇帝からの寵愛があつい妃のこと。要するに本命。
- 本作では玉葉妃のことを指す。
- 女官
- 主に後宮で働く女性の総称。後宮には妃・女官を合わせておよそ2000人ほどがいる。
- 侍女
- 貴人に仕え、身の回りの世話をする女官。侍女の長は侍女頭と呼ぶ。
- 敵だらけの後宮で主を守る責務と帝のお手つきになる可能性から、基本的には名家の娘が揃えられている。
- 下女
- 身分の低い下級女官のこと。掃除や洗濯などの雑用を総合的に行っている。
- 口減らしに売られてきた者や人攫い(拐かし)にあった者もおり、識字率も高くない。
- 官女
- 作中では後宮に勤める女性が女官、外廷で働く女性が官女と呼び分けられる。
- 売られてきた者もいる一方帝に見初められれば下克上も狙える後宮と異なり、試験を受けて入ってきた婚活・花嫁修業感覚の女が多いため、家柄での上下関係に拘る傾向がある。
- 宦官
- 後宮で働く去勢した男性。皇族を除き、男性は去勢しないと後宮に立ち入ることができない。
- 女官と同様、壬氏や高順のようにある程度身分の高いものから下働きの下男まで様々。
- およそ1000人ほどの宦官が後宮にいる。
- 先の「女帝」の時代には優秀な者を無理矢理去勢していたようだが、現帝が宦官を新規に作ることを禁止したため現在では人手不足気味で、特に医官は替えがいない。
- 東宮
- 皇位継承権第1位の男子で、日本でいう皇太子に近い。
- 物語の開始時点では現皇帝に男子がいないため、皇弟が該当している。
- 公主
- 皇帝の娘。「こうしゅ」と読むが、「ひめ」とルビが振られることも多い。
- 女子が皇位を継ぐことはないため、いずれは政略結婚する運命にある。
- 名持ちの一族
- その役割や功績により皇帝から文字を1つ賜り、名乗ることを許された名家。
- 「羅」「馬」「卯」「子」など多くが登場するが、「戌」はかつて女帝の逆鱗に触れ族滅されている。
TVアニメ
2023年10月21日(土)25:05より日本テレビ系にて放送開始。初回放送は1~3話を一挙放送、以降2クールでの放送になります。アニメーション制作はTOHO Animation STUDIOとOLMの共同体制。監督は『魔法使いの嫁』の長沼範裕が担当する。
スタッフ
キャスト
主題歌
- オープニングテーマ「花になって」
- 歌:緑黄色社会
作詞:長屋晴子 作曲:穴見真吾 編曲:川口圭太、穴見真吾
- エンディングテーマ「アイコトバ」
- 歌:アイナ・ジ・エンド
作詞・作曲:石崎ひゅーい 編曲:トオミヨウ
- 第2クールオープニングテーマ「アンビバレント」
- 歌:Uru
作詞:Uru 作曲:YAS 編曲:田中隼人
- 第2クールエンディングテーマ「愛は薬」
- 歌:wacci
作詞・作曲:樋口洋平 編曲:村中慧慈
各話リスト
関連動画
PV・トレイラー
その他
関連静画
関連コミュニティ・チャンネル
関連生放送
関連リンク
関連項目
脚注
- *「次にくるマンガ大賞」 コミックス部門1位は『薬屋のひとりごと』: ニコニコニュース