シコルスキー s-72 xウイング ( 第2号機 : アメリカ航空宇宙局 登録番号: N-741 NA , 民間機登録番号 : cn 72002 )
複合ヘリコプター、あるいは 「コンパウンドヘリコプター」 (Compound Helicopter)とは、主回転翼(メインローター)で「空中静止」(ホバリング)や 「垂直・離着陸」を行い、一定以上の速度では「主回転翼」 に推進力を全面的に頼ること無く 、主として別の推進装置 (プロペラ や ジェットエンジンなど ) の機関のから推力で水平飛行を行う航空機である。
アメリカ連邦航空局 ( Federal Aviation Administration、略称:FAA )の定義によれば、複合ヘリコプターは「ジャイロダイン」(Gyrodyne - Wikipedia- )という「回転翼航空機」の種別にあたる。
ジャイロダインとは、ヘリコプター、ジャイロプレーン(オートジャイロ) に次ぐ「第三の回転翼機」であり、複合オートジャイロ、ヘリプレーンなどと呼ばれるもことがあるが同じ区分である。
なお、日本の航空法では ティルトローター (傾斜回転翼) や ティルトウイング(傾斜翼) など 『推進装置の角度を変えることで垂直離着陸を行う固定翼機』 が 回転翼航空機に含まれるかは明らかではない。
連邦航空局ではこれらを1997年から Powered Lift という区分に分類し、回転翼機とは「飛行免許」(フライト・ライセンス)を区別している。
ヘリコプターは速度を増していくにつれ、主回転翼(メインローター)と周りの空気の相対速度によって、羽根(ブレード)が前進方向に回っている側の先端は音速に近付き、主回転翼の羽根の後退方向に向かっている側の内側から失速が始まってしまう。
そのため一般的に、ヘリコプターは速度を増すと大きな振動に見舞われ、揚力も失ってしまい、それ以上の加速もままならなくなる。
さらには前進側と後退側の揚力の不均衡が発生するので、揚力を失った後退側の羽根 (主回転翼の回転方向により異なり、上からみて時計廻りであれば胴体前後方向を串刺しに見立てた中心軸を基準回転軸として 右、反時計廻りだと 左 ) 方向へ横転に入ることになり、墜落につながる。
その限界速度は概ね 400km/h と言われており、ヘリコプターの速度世界記録の「アグスタウェストランド リンクス」の記録も 400.87km/h である。これは世界記録挑戦用の特別仕様の機体で、テストパイロットが限界に挑戦した記録であり、この速度を超えるか、これに近い速度を常用できるようにするのが複合ヘリコプターなのである。
複合ヘリコプターが従来のヘリコプターを上回る速度で飛行するための基本的な方策としては、速度を上げるにつれて主回転翼が能力を喪失しないように回転速度を安全率を見越して低めに維持し、さらなる前進速度を得るための推進力は、主回転翼(メインローター)ではなく、ターボファン・ジェットエンジン や プロペラなどの別の推進装置によって得るということである。
まずは定義上必須となる推進装置であるが、一部ジェットエンジンなどを用いた機体も存在したが、基本的にはプロペラを用いることが多い。
プロペラならばより多くの推力が必要な高速域 ( 必要推力は速度の二乗に比例するので、速度を二倍にしたければ推力は四倍必要になる ) では、速度を増すにつれて「余剰になる主回転翼を駆動するエンジンの出力を流用できる」上に、ジェットエンジンの推進効率 ( 燃焼効率 および 燃費 )は低速に強いターボファンエンジンであっても、かなりの速度が出ないとプロペラに劣るものになる。
近年は高速でも推進効率の落ちないプロペラ ( 「プロップファン」 を含む ) が開発されている為、尚更で、ジェットエンジンが効率でプロペラに勝る速度は、もはや主回転翼が邪魔になる段階であり、ヘリコプターで到達するには、主回転翼を完全に止めたり、折り畳みや変形させて収納するなどの、水準の更なる革命的な技術革新(ブレイクスルー)が必要となるだろう。
これに加えてヘリコプターには、主回転翼が1組のみの場合、空中で主回転翼を駆動した際の反作用 (カウンタートルク。機体自体を回転させてしまう力) を抑える為に 、「尾部回転翼」(テールローター)が必要である。
複合ヘリコプターである 、ロッキード 「AH-56 シャイアン」などは尾部回転翼(テールローター)を、推進用プロペラと一緒に双方を装備していたが、通常のヘリコプター同様に、高速巡航時は尾部回転の役割は小さい為、低速時は反作用(カウンタートルク)に対する「抗・反作用力」(アンチトルク)、高速時は推進力といったように、両方の機能を兼用可能な型式が試みられることが多い。
「フェアリー ジェット・ジャイロダイン」や「ユーロコプターX3」のように、胴体から横に張り出した位置に推進式、および牽引式プロペラを付けたものや、「パイアセッキ X-49A スピードホーク」 のように尾部に付けた推進用式プロペラの推力方向を偏向できるようにしたもの「推力偏向・ダクテッドプロペラ」 ( VTDP ) などである。
あるいは同軸二重反転ローターや、翼端噴流式ローター(チップジェット)、ホットサイクル式ローター、タンデムローターのように、ヘリコプターとして飛行原理の根本的に尾部回転翼を不要とする主回転翼の「抗・反作用」(アンチトルク)対策を採用することもある。
次に高速域で揚力を得る手段である。
主回転翼は飛行速度を上げるに従って、先述の現象を抑えられる域まで回転速度を抑制しなければならない。従って揚力を別の手段で得る必要が出てくる。
通常のヘリコプターでもソ連の「Mi-6」のように固定翼を装備したり、武装ヘリコプターの武器を吊す「小翼」(スタブウイング)が、多少の揚力を生み出すなどといったこともあり、珍しい概念ではない。
しかし、主回転翼の下にあまり大きな固定翼を装備すると、ヘリコプターにおいて肝心の要となる「空中静止」(ホバリング)能力そのものや、そこまでいかなくとも垂直離着陸が可能な重量を減らしてしまう空力的な問題、加えて低速時は死荷重(デッドウエイト)になること、なにより使い勝手や視界の面で邪魔になるといった問題点もある。
他に用いられるのは「同軸二重反転ローター」である。
上下に配置された一対の主回転翼の羽根が、互いに反対方向に回転することで、主回転翼の左右で均一な揚力を生みだし、羽根の回転速度を翼端からの失速が始まらない程度に抑制を掛けたとしても、なお十分な揚力を得ることが出来るだろう。
また、「同軸二重反転ローター」の型式であれば、主回転翼 の 駆動機構 と 操縦制御機構は複雑になってしまうが、尾部回転翼(テールローター)が不要な為、推進プロペラと尾部回転翼の干渉問題や、長大な延長軸を機体末端で二カ所に動力を分割することに伴う、尾部の動力伝達機構中の偏芯や振動による故障防止対策も考える必要がない。
複合ヘリコプターの始まりは、1947年に英フェアリー社が「FB-1 ジャイロダインを開発したことから始まる。
ジャイロダインは当時のヘリコプターの速度記録を塗り替え、前述の アメリカ連邦航空局 ( Federal Aviation Administration、略称:FAA )の「ジャイロダイン」という分類を創設することとなった。
ジャイロダインは乗員2名を犠牲にする死亡事故を起こしてしまうものの、それにもめげず「フェアリー社」は主回転翼をチップジェット化した 「ジェットジャイロダイン」の機構を元に大型化し、48人もの乗客を運べる都市間輸送用旅客ヘリコプターとして「ロートダイン」を開発するものの、そのチップジェットの騒音や、固定翼旅客機に較べて割高な運航費用などの問題は解決できず中止されてしまう。
その後、フェアリー社が合併した先のウェストランド社は リンクスに固定翼を付けた構想 を提示したり、ウェストランド社が伊アグスタ社と合併して「アグスタ・ウェストランド」になった後も EH101に固定翼を付けた構想 が提案されるなどしたが、アグスタ・ウェストランドは完全に「フィンメカニカ」 ( レオナルド S.p.A ) 傘下のイタリア資本になり、現在はティルトローター機「AW609」に注力しており、今後複合ヘリコプターが登場するかは不明である。
1953年にフランスのシュド・ウエスト社が小型飛行機に回転翼が付いた形態の 「 SO.1310 Farfadet 」 (ファーファデット) を飛行させるが、開発は立ち消えになってしまった。
シュド・ウエスト社は「シュド・アビアシオン社」 となった後にも「SA341 ガゼル」に固定翼を付けた実験機「SA349-2」を飛ばしている。また、垂直離着陸機の開発が盛んだったドイツでも、「メッサーシュミット・ベルコウ・ブローム 」(Messerschmitt Boelkow Blohm) 社が「BO.105」に固定翼を付けた実験機 Bo.105HGH を飛ばし、Vereinigte Flugtechnische Werke (VFW) 社は「H-3」や「H-5」といったダクテッドファン推進装置を装備した機体を製作していた。
アメリカで「AH-56 シャイアン」の開発が盛り上がっていたときはMBB社も 「BBH」 なる並列双子式・回転翼形態の攻撃ヘリコプター ( 一見すると、ティルトロータ機のように見間違う形態 ) を開発する構想もあったようだが、結局フランスと 「PAH-2 (ユーロコプター EC-665 ・ティーガー) 」を開発することになり、計画は流れた。
VFWは後にMBBに吸収され、シュド・アビアシオン も アエロスパシアルになった後にMBBと合併し、現在はエアバス・グループ(EADS , ヘリコプター部門は 「ユーロコプター」 こと エアバス・ヘリコプターズ )となっている。
イタリアでもSIAI-マルケッティ社が「SV-20」を開発していたが中止、同社は後にアグスタに買収される。後にアグスタがアグスタ・ウェストランドになった件は英国の項で触れたとおり。
所変わって新大陸アメリカでも1950年代~1960年代、複合ヘリコプターは軍や軍需を見込むメーカーによって「マクダネル XV-1」 、「ロッキード XH-51A コンパウンド」 、「パイアセッキ 16H」 、「シコルスキー S-61F」 、「ボーイング・バートル347」 といった実験機が次々と製作され、飛行実験が行われた。
そして高速性能が求められる攻撃ヘリコプターのために実用機の開発が行われることになる。
1964年に提案要求( Rrequest For Proposals :RFP )が発行された陸軍の AAFSS ( Advanced Aerial Fire Support System = 新型航空火力支援システム ) 計画では、ロッキード社の CL-840 と シコルスキー社の シコルスキーS-66 といった 複合ヘリコプター 案がぶつかり合った結果、ロッキードの勝利となり CL-840・改が 「AH-56 シャイアン 」として本格開発がスタートしたが、開発費用超過、技術的トラブルによる死亡事故などで開発は中止。
シコルスキー社もただ見ていただけでなく、その間に不採用になった AAFSS シコルスキーS-66 をベースに「 S-67ブラックホーク 」を開発、陸軍での試験飛行に供されるも採用はされず、終いにはS-67 も 試作機が墜落する死亡事故を起こして開発は中止される。
その後、シャイアンでのヘリコプター業界への殴り込みに失敗した形となったロッキードはともかくとして、シコルスキー社ではアメリカ航空宇宙局 (NASA) や軍などと共に、同軸二重反転ローターの「S-69」やローターを完全に止めてしまう シコルスキー S-72 Xウイング ( ローター・システム検証(研究)航空機 , Rotor Systems Research Aircraft , RSRA) などの実験機を製作していった。
1980年代後半や1990年代になると、ティルトローターの隆盛とは対照的に、複合ヘリコプターは表舞台から遠ざかっていった。
シコルスキー X2 「先進型・羽根概念・回転翼」(Advancing Blade Concept roter , アドヴァンスト・ブレイド・コンセプト・ローター , ABCローター)・同軸二重反転式・複合ヘリコプター: 技術概念実証機
しかし2000年代になると、再び複合ヘリコプターを取り巻く状況は賑やかになっていった。
陸軍とパイアセッキ社の「X-49 スピードホーク」の開発。シコルスキー社は自社資金でX2 技術概念実証機 (デモンストレーター) を開発し、ヘリコプターの速度記録を非公式ながら塗り替えた。
そして欧州でもユーロコプター社が自社で秘密裏に開発していた技術概念実証機(デモンストレーター)のユーロコプター X3 を発表し、この技術を基礎にした民生用の実用機「Airbus Helicopters H160 ( 以前の名称 X4 ) 」が開発された。ただし、H160は在来型のヘリコプターである。
更に新たなる複合ヘリコプター実証機として、「Airbus Helicopters Racer 」の開発が進められている。こちらはH160とは異なり複合ヘリコプターとしての実用化を強く意識したプロジェクトで、サイドドアに干渉しにくいプッシャープロペラや主ローターからのダウンウォッシュを受けにくくする主翼の複葉化、更に上下の主翼先端をプロペラボッシュで接続するボックスウィングなどが採用されている。
このような背景には、複合材製のローターやフライ・バイ・ワイヤの操縦装置、アクティブ制御などによる振動抑制装置などの開発が進み、あるいは既に新型ヘリコプターには一般的に用いられるようになってきた技術によって、実現の見通しが出てきた為と思われる。
シコルスキー社はアメリカ陸軍の「将来型・垂直離着陸機」(FVL) 計画への取り組みの一環として、その前段階となる 5.0 t 級の武装偵察ヘリコプター「S-97 レイダー」を開発。 2015年5月に試作1号機を初飛行させている。
シコルスキー S-97 「レイダー」 ( Armed Aerial Scout , AAS 「武装・軽・偵察 ヘリコプター」 )
二重反転式ローターを発展させた形式として「先進型・羽根概念・回転翼」(Advancing Blade Concept roter , アドヴァンスト・ブレイド・コンセプト・ローター , ABCローター) がある。
これは「無関節式・回転翼」(リジッドローター)を用いた二重反転式ローターのこと で、前進側の羽根(ブレード)だけでほとんどの揚力を賄う形式であり、後退側の羽根(ブレード)が、逆流や失速による左右の揚力平衡の喪失に対する解決策の1つとされている。
従来型のヘリコプターでは速度が増大すると、主回転翼の後退側の羽根(ブレード)では、ますます対気速度が減少し、かつ逆流領域も増加するので、迎角をより大きくする必要があるが、迎角が失速角に達すると、それ以上は揚力を増加させることは不可能になる。
一方で、前進側の羽根(ブレード)では、前進速度と共に対気速度が増加し、音速を超える領域 ( 端的には周速が速い先端部 ) が生じて衝撃波が発生し抵抗が急増する。
従って、主回転翼を回転させる為に必要な馬力(形状抗力)は、後退側での失速による抵抗増大と相まって急増する。
限界速度付近になると、後退側の羽根(ブレード)、ほぼ全面が失速と逆流領域になって、揚力を発生させる事はほとんどできなくなる。 そのため、前進側でも揚力を発生できないので、揚力を発生しているのは回転円面の前方と後方のみとなる。
しかし、なおも速度が増加すると、それらの回転方位も失速が始まり、主回転翼は、もはやヘリコプターを飛行させるだけの推力を発生できなくなる。
こうして機体を横転させようとする積算力(モーメント)が働き、機体は横転しながら墜落することになる。これがヘリコプターの飛行速度限界であり、対気速度400 km/h 付近と見られている。
通常のヘリコプターでは、解決策として主回転翼の羽根(ブレード)先端に後退角をつけ、さらにその部分には遷音速翼型を用いる機体も実用化されているが、シングルローター型式では後退側の逆流と失速による限界があるので、この対策も大きな効果は見込めない。
ABCローターは、後退側の羽根(ブレード)に依存しない飛行が可能になる為、これらの問題をある程度解決可能である。 「先進型・羽根概念・回転翼」(Advancing Blade Concept roter ABCローター)では、主回転翼の揚力負担は、左右両側 の 前進側の羽根のみが荷重の大半を支える ようになっていた。
したがって機体を横転させようとする積算力(モーメント)が互いに相殺され、その分だけ速度を上げることができるというのが基本特性である。
また主回転翼の駆動による反作用(トルク作用)も相互に相殺されるので、尾部回転翼を装備する必要が無い。
さらに無関節式回転翼(リジッド・ローター)の為、関節が存在しないという性質上、上下の「羽ばたき」(フラッピング)動作も小さいが故に、高速飛行時における後退側の失速も抑え易くなり、同時に主回転翼の上下間隔を「通常の同軸・二重反転式ローター」より狭めることができる。
「 統合多用途・将来型垂直離着陸機計画 」 ( ニコニコ大百科内のミラー記事は左記、 Joint Multi-Role / Future Vertical Lift , 略語:JMR / FVL )は、アメリカ合衆国のアメリカ陸軍 ( 以後「米陸軍」と略称する )の軍用ヘリコプターの数種類の系列を完全に新規開発する計画である。
この計画に関する記事は本項目の寄稿者yuiyuasa 自らが 2017-01-31 JST 04:50:56 履歴 : に新規作成した 「統合多用途・将来型垂直離着陸機計画 - ニコニコ大百科 - 」 記事中から 複合ヘリコプターに関係無いので不適当と思われる、
を除外して省略無し転記、さらには画像引用条件が寛大なニコニコ大百科の条件に沿い機体画像を追加、略語英文字の色分け( Joint Multi-Role / Future Vertical Lift , 略語:JMR / FVL )などの改良を施しました。
ティルトローター機 に興味がある皆様は上に挙げたWikipedia リンク先の記事も参考にしてみてください。 平成29年2月6日(月) 02: 09:30 JST
ニコニコ大百科内のミラー記事は 「 統合多用途・将来型垂直離着陸機計画 」 にあります。
by ゆい奈
アメリカ合衆国・国防総省 ( Department of Defense , 略称:DoD )は、「イラクの自由作戦」( 2003年3月19日開始 )から「不朽の自由作戦」までの通算 12年間を既に超え、現在まで続く泥沼の戦闘の報告分析結果から、米軍の回転翼機 ( 軍用ヘリコプター , 2007年12月以降はティルトローター機を含む )の航空団が、度重なる空中機動作戦に参加中のヘリボーン任務によって疲弊していることを発見した。
戦闘の結果、ヘリコプターは平和時よりも作戦飛行時間が約5倍も長くなり、これまでの短い飛行時間では露呈しなかった様々な故障などの問題や、回転翼機特有の短い飛行継続時間の弊害について実地航空団より要望が出されており、従来の設計概念に基づく回転翼航空機が特に「航続時間」と「航続距離」(「戦闘行動半径」を含む)に関して、今後の作戦遂行には明らかに能力不足であり、低い巡航速度 と 機体の連続使用に伴う耐久性に関する脆弱性 、整備性においても 固定翼の地上攻撃機( 特に米空軍管轄の 近接航空支援(CAS)専用機 フェアチャイルド・リパブリック社のA-10 サンダーボルト II など )と比較して劣っていることが問題とされた。
本計画に至る以前、既存の「回転翼航空機」の開発・製造企業は、派生型や改良型の「元となる基本型」(プラットフォーム)を戦場の要求の変化を踏まえて一から新規に開発・設計すること無しに、過去の既存の回転翼航空機系列ファミリーに対して継ぎ足す形で改設計と再生産を行い、これらの機種を“ 新型機 ”として既存の機体と更新(アップグレード)してきた という反省点があった。
将来型・垂直離着陸機( Future Vertical Lift , FVL )の概念は、新技術、新材料、新設計を使用して、より高速で、より遠くまで飛行可能で、より多くの搭載量(ペイロード)を有して、より信頼性が高く、保守し易く、整備に掛かる人月( マンアワー )と 運用費用を低減し、兵站の足跡 ( footprints ) 回数を減らすことを可能とすることを要求されていた。
これらの完全な新設計の回転翼機は、ほとんどの米陸軍のヘリコプターの従来機種を代替するシステムのファミリーを創出することにある。
統合多用途機 ( Joint Multi-Role , JMR )は更に3段階に分割され、
米陸軍は「将来型・垂直離着陸機」 ( FVL ) 計画において、最低でも 約 4,000機 もの多数の回転翼航空機を取得する予定で、2016年に 「将来型・垂直離着陸機」 ( FVL ) エンジン計画を開始した。
「将来型・垂直離着陸機」計画は、2009年に提唱・策定されたが、長期的な先進航空工学能力を維持するだけでなく、アメリカ合衆国・国防総省は「垂直離着陸機」能力と技術開発に焦点を当てる解決策ではない。
2011年10月、当時の国防副長官アシュトン・カーターは、全ての軍事航空作戦のための次世代垂直離着陸機の共同提案を概説する 「「将来型・垂直離着陸機」 ( FVL )・戦略計画」を発表した。 戦略計画は、(2011年から) 今後およそ 25〜40年間、垂直離着陸・輸送機の開発を進めることによって、現在の回転翼機・航空団を21世紀後半の航空科学技術水準に見合うだけの高度な能力に置換するための基盤を提供するという内容だった。
これは、国防総省の「垂直離着陸・輸送航空団」の約 80%が、既存機体の延命措置を施すか、既存機種を退役させるか、次のおよそ 8〜10年以内 に新たな解決策としての全くの新規設計の機種に置換することを示していた。
今後 50年間 以上の垂直離着陸・輸送航空団の運航に影響を与える「将来型垂直離着陸機・戦略計画」の実施に当たっては、米海軍は、米陸軍の共助・軍組織(パートナー)であり、「将来型・垂直離着陸機」派生型は、「MH-60 S / Rヘリコプター」の後継機として、米海軍の「MH-XX 計画」で使用される可能性がある。
将来型垂直離着陸機計画 ( Future Vertical Lift , 略語: FVL )は、2009年に最初の3種類の機体規模が策定され、次に2017年までの間に、現在の全2種類( 将来的には AH-64D を加えて6種類 )の回転翼機を置換するために下記の表区分で 4 :( 重量級 ) と 5 :( 超・重量級 )が新たに設定されている ( 各々の区分で、同一設計であるか、異なる設計を選択するかの是非を問わない )。
等級 | 機体規模区分 ( 邦訳 ) |
代替予定となる従来機種 | 備考(導入予定など) |
---|---|---|---|
1 | JMR-Light ( 軽量級 ) |
OH-58 カイオワを置換する、偵察ヘリコプター区分。 | 2030年の導入予定。 |
2 | JMR-Medium Light ( 準・軽量級 ) |
未定 ( 2017年1月末日時点 ) | 未定( 2017年1月末日時点 ) |
3 | JMR-Medium ( 中量級 ) |
汎用ヘリコプター・UH-60 ブラックホーク の置換。 攻撃ヘリコプター・AH-64 アパッチ を置換し , 将来的にはAH-64D アパッチ・ロングボウをも置換予定。 |
2027-2028年の導入予定。 |
4 | JMR-Heavy ( 重量級 ) |
CH-47 チヌークの派生型の全系列を代替する貨物輸送機 の区分。 | ボーイング社は2060年の予定としている。 一方で米陸軍は、2035年までには導入するよう指定している。 |
5 | JMR-Ultra ( 超・重量級 ) |
C-130J スーパー・ハーキュリーズやエアバス A400M アトラス など。 固定翼の中規模・戦術輸送機 と同等の性能を備えた垂直離着陸・航空機用の新しい超大型機級の新区分創設。 |
2025年の導入予定。 |
米国下院軍事委員会によると、2013年4月現在、従来型のヘリコプター、従来機の小翼に代えて「完全な操縦翼面を含む大型翼」を持つ「減速型回転翼」・複合ヘリコプター、およびティルトローター機 の 3種類の「統合多用途」(Joint Multi-Role , 略語:JMR ) に有効な航空機の形態に関する機構が検討されていた。
概要の節でも触れたとおり、本計画は準備段階となる「技術概念立証機の提案」→ 承認 → 試作機製作および飛行試験 と 実用機開発段階の、以下の2つの計画に分割して順次実施される手はずとなっている。
区分 | 邦訳 | 備考 |
---|---|---|
JMR - TD (Technology Demonstration) |
統合多用途ヘリコプター 技術概念実証段階 | 実際に実用機として用いる航空機の技術概念実証機(デモンストレーター)を開発する。 次の段階の「将来型垂直離着陸機計画」において製作する実用機の性能を科学的・合理的に推定し得る程度の機体規模で足りるとされているため、各社とも将来の実用機の 約75% から 同95% までの縮尺率の試作機の製作に取り組んでいる。 基幹となるエンジンも実用機では所定の正規の種類を搭載する前提で既存の旧式で安価なエンジンを流用している企業もみられる。 |
JMR Phase I | 統合多用途ヘリコプター 第一段階 | 実際に実用機として用いる航空機を開発し、その試作機を製造する。 |
JMR Phase II | 統合多用途ヘリコプター 第二段階 | 実際の運用に不可欠な航空作戦任務システムを開発・構築する予定。 |
2 :「将来型垂直離着陸機計画」( Future Vertical Lift , 略語: FVL )について、詳細は 2017年 1月末日現在、完全には定まっていないが、製作が完了した技術概念立証機の飛行試験の結果を踏まえて、上記の 5区分( 軽量級から超・重量級まで )の審査を通過した各社の「技術概念立証機」を振り分けた上で、必要性の優先度合いに応じて順次、実用機の開発と試作機および増加試作機の製作に進むことが予定されている。
13.60 t 級:「 SB > 1 デファイアント」 ( Defiant , 不等記号が誤解されやすいため、SB-1とも呼ばれる )
シコルスキー航空機 と ボーイング社は、計画の第一段階として
13.60 t 級: 「SB > 1 デファイアント」( Defiant , 不等記号が誤解されやすいため、SB-1とも呼ばれる )
中型垂直離着陸・輸送機の機体規模の技術概念実証機(デモンストレーター)を共同開発の上で試作した。
なお、この「デファイアント」 ( Defiant ) の名称は英語で 「挑戦的な、反抗的な、傲慢 (ごうまん) な」 を意味する。
それは2017年に初飛行予定であり、さらなる開発のために陸軍によって評価される。シコルスキー航空機は、以前の「シコルスキー X2」 設計に基づいた回転翼航空機で第一段階の開発を対抗企業連合に対して引き離している。
ボーイングは戦闘任務システムの技術概念実証(デモンストレーション)段階である「 フェーズ 2 」( 第二段階 )を、シコルスキー社に対して指導的立場で把握(リード)する予定である。
ボーイング・シコルスキー陣営は、ヘリコプター設計が軍で最も使用されているという事実と、これまでの開発に成功してきた業績に基づく同形態の設計に対する絶対の自信 により、ベル社が陸軍に提出したようなティルトローター技術には、ほとんど関心を持たなかった。
2013年までに、シコルスキーとその共助企業ボーイング社は、試験機「シコルスキー X2」と 軽・武装偵察ヘリコプター 「S-97 レイダー」の2機種に対して 約 2億 5,000万ドルを費やした。
2.72 t 級: シコルスキー X2 「先進型・羽根概念・回転翼」(Advancing Blade Concept roter , アドヴァンスト・ブレイド・コンセプト・ローター , ABCローター)・同軸二重反転式・複合ヘリコプター: 技術概念実証機 (デモンストレーター)
しかし同陣営チームの回転翼航空機は、想定される任務が異なることから、飽くまでも軽・武装偵察ヘリコプター である「S-97 レイダー」の設計とは別の機体になる予定である。
5.00 t 級 : シコルスキー S-97 「レイダー」 ( Armed Aerial Scout , AAS 「武装・軽・偵察 ヘリコプター」 )
同陣営は「SB > 1 デファイアント」( SB-1 Defiant ) の性能と信頼性に自信を持っており、総設計費用の半分以上を支払っている( 残りは米陸軍から応募企業への助成金 )。 同陣営のこれまでの最後の共同開発計画は、1980年代に始まり2004年に取り消されるまでに、総額 70億・米ドルの莫大な費用を費やした「RAH-66 コマンチ」(Comanche ) だった。
彼らは、予算削減、「要求の変化」( requirement creep ) 、長引いた開発期間は試作偵察攻撃ヘリコプター「RAH-66 コマンチ」に問題を引き起こしたものの、チームの機能不全は生じなかった。
「RAH-66 コマンチ」計画各社はこの航空機の機体構成の各々異なる部分を分担して製造した。
統合多用途機 ( Joint Multi-Role , JMR )段階では、両社の従業員が協力し合った。チームは 2015年に「ザ・サプライヤー」(「基幹機体・納品企業連合」)として、自らの陣営を名付けた。
「SB >1 デファイアント」は 250 kn( 290 mph; 460 km / h )の巡航速度を持つが、費用低減のために「古い」ライカミング T55 , ( ライカミング社内識別名称:「ライカミング LTC-4」)を使用した場合は、より少ない戦闘行動半径になる。
「ベル V-280 ヴェイラー」が試みている、米陸軍の「将来の手頃な価格のタービンエンジン」計画 (The Army's Future Affordable Turbine Engine (FATE) program ) からの資金提供を受けて新規にエンジンを開発した場合は、229 nmi(264 mi; 424 km)の要求条件を満たす。
従来のヘリコプターと比較して、同軸二重反転の主回転翼 と 推進式プロペラは、185 km / h(115 mph)の速度増加、戦闘半径が 60%延長され、空中静止の性能に関して高温・高地の悪条件下においても、およそ 50%優れた性能を発揮する。
シコルスキーは、前記の試験機 " X2 " の設計が「垂直離着陸・重輸送機」の設計に適していないとし、代わりに、超・重量級( JMR-Ultra )の回転翼輸送機として CH-53K キングスタリオン ( King Stallion ) の胴体を基本にティルトローター機に改めた設計を提案している。
しかし、シコルスキーは X-2 に関する航空技術の規模の 大型・重量級航空機 に対する不適用性に関する疑念を払うために、フルスケールで 30,000 ポンド ( 13.60 t ) 級 の JMR-TD( 貨物/乗員区画[キャビン])容積が 「UH-60 ブラックホーク」より、約50%大きい )を生産する建設する計画である。
SB-1は、機敏な加減速、左右方向への機動性能、機尾上げ と 機首下げを、空中静止(ホバリング)機能を利用して素早く能動的に機動運動する。
「SB > 1 デファイアント」の技術概念実証機は 従来機である CH-47 " C 型 " チヌーク を駆動する ハネウェル・ライカミング T55によって動力を与えられる。これは、毎分 85% 回転までの低速でより良好に動作するように、原型の機関からわずかに変更される。
シコルスキー・エアクフトは、長らく複合企業であるユナイテッド・テクノロジーズの一部門であったが、2015年11月6日付けにて、米ロッキード・マーティン社の傘下となり、軍事産業トップメーカーの一部門となった。
本計画において、シコルスキー社がボーイング社と「SB > 1 デファイアント」を共同開発することの一方で、ベル・ヘリコプターがティルトローター機「V-280 ヴェイラー」をロッキード・マーティン社と共同開発することについて「シコルスキー社 が ロッキード・マーティン社の傘下となった事実」を前提として、米国議会より以下の疑念が出されている。
と同議会に対して説明回答している。
AVX 航空機は、同軸二重反転の回転翼と良好な操向性と若干の追加の前進推力を提供する双子式のダクトファン設計の航空機を提案した。
それら JMR - TD (統合多用途ヘリコプター 技術概念実証段階) 提案機体は 実用機の75%の縮尺において試作される予定である。
それは操縦席の直上の後方から肩翼式に延びる先尾翼(カナード)が40%の揚力を分担し、残りの60%は 17.06 m ( 56ft ) の回転翼から得られ、230 kn ( 260 mph ;430 km/h )で飛行可能である。
設計の困難な障害の半分は胴体設計に起因し、残りの半分は回転翼の機構に由来するため、風洞試験は「抗力を3分の1に減らす」ことを目指している。
回転翼機構は、2素材の複合材料による可撓性のある桁を持ち、各4枚の羽根の付け根に加えて支柱と基部の間を覆う抵抗減少のための空力整形フェアリングを備えている。
中型機JMR-Medium ( 中量級 )版は、12,000 kg ( 27,000 lb )の重量で4名の乗員と12人の兵員を輸送し、5,900 kg ( 13,000 lb ) の機外吊り下げ輸送能力を持つことが提案されている。
機内は置換目標である シコルスキー UH-60 ブラックホーク の2倍となる 1.83 m x 1.83 m ( 6 ft x 6 ft ) 床面積の貨物室(キャビン)であり、3,600 kg ( 8,000lb ) 機内搭載重量を持つ。
この航空機は、12枚のNATO規格担架(二つ折り型ストレッチャー。縦:約 230 cm , 幅:約 53 cm 取っ手部分:約 20 cm )を輸送可能で、遠距離での自己展開(フェリー輸送)のための補助燃料システムを有し、選択機能として限定的ながらも無人運用が可能である。
汎用ヘリコプター型と攻撃ヘリコプター型は90%の共通性を持ち、ほぼ同じ速度で飛行することを予定されている。 試作航空機は現用の GE-T706 (CT7) ターボシャフトエンジン が装備されるであろうが、しかし AVX は、彼らの設計に対してより高出力の 4,800 馬力以上の先進的かつ取得可能なタービンエンジンで装備することを期待している。
AVX はロックウェル・コリンズ、ゼネラル・エレクトリックと BAE システムズとチームを組んだ。
それは容易な貨物処理のための大型後部傾斜板(ランプ)を備えた胴体後部の搬出入扉を優れた特徴とする。
汎用型と攻撃型の双方が格納式の着陸装置を持ち、洗練された流線形の形状設計を提供するために必要とされるまで、攻撃型は必要な全ての兵装を格納したまま携行飛行する。
AVX社は無人機の概念を ベル V-22 オスプレイ の半分の費用で同機の 80% の速度を達成可能な「革新的な複合・同軸二重反転ローター形式のヘリコプター」として提案する。
機体は気温が摂氏 35℃( 華氏 95 ˚F )の条件下で 1828.8 m ( 6,000 ft ) 高度における空中静止(ホバリング)が可能であることが見込まれ、無給油で カリフォルニア州のトラビス空軍基地( 基地コード:SUU )からハワイのヒッカム空軍基地( 基地コード:HNL )間の 2,100 nmi ( 3,900 km; 2,400 mi) の距離を無給油で飛行可能となることが見積られる。
AVX は( 25名の従業員のうちの幾人かは V-22 オスプレイ の開発生産にも携わった ) 大規模な防衛関連企業の頭ごなしの企業体質( overhead attributes )の負の遺産、あるいはその負担が双方とも無いという比較的小さい会社の優位性としての地位がこれら大企業に対して有効であると考えている。
もし米陸軍から航空機を供給業者(サプライヤー)するよう選ばれたなら、航空機を供給するために選択されたAVXは、シコルスキーと同様に、組み立て、統合、および生産サポートを扱うことができる別の会社とのチーム化契約を結んでいる可能性が高い。
AVX 社は重量級・垂直離着陸機の回転翼の選択として同軸・二重反転式ローターが不適当であると考え、" Capability Set 4 " (「能力特性・指定 第4号」: CH-47 チヌーク の後継機 )の要求実現手段として、ティルトローター機を示唆している。
機動運動する。「SB > 1 デファイアント」の技術概念実証機は 従来機である CH-47 " C 型 " チヌーク を駆動する ハネウェル・ライカミング T55 によって動力を与えられる。これは、毎分 85% 回転までの低速でより良好に動作するように、原型の機関からわずかに変更される。
エアバス・グループ(EADS)は、ユーロコプター X3 ( ユーロコプター社の実験複合ヘリコプター )に基づいていると予想される 統合多用途ヘリコプター ( JMR ) の第一段階 ( Phase I ) の技術概念実証 ( デモンストレーション ) の提案書を提出する予定だったが、ユーロコプター X3 の 知的財産権を米国に移転しなければならない可能性があるため、2013年 5月下旬に辞退した。
「軽武装・偵察ヘリコプター」 ( Armed Aerial Scout , AAS ) 計画の入札に焦点を当てる( 後にこちらも入札を取り消される )。
同社はまた、高速回転翼航空機の開発費用は、授与された 7,500万米ドル の資金調達額をはるかに上回っているとも述べている。
ユーロコプター社の提案は、X3の設計に完全に基づいたものではなく、その技術の側面を活用したものだった。
なお、ユーロコプター社は、米陸軍が特定の要件を作成したときにFVLの提案書を提出することが可能であるに過ぎないもので、この点でも競争に関してアメリカ合衆国固有の企業に対して明らかに不利であった。
一般社団法人 日本航空宇宙工業会 > 日本の航空宇宙工業 50年の 歩み
> 各論;岡村製作所 N-52 軽飛行機 ~ 日本航空機製 YS-11 旅客機 まで> ヘリプレーン1型 側面写真 第100頁 ( PDF では2頁目になります。)
日本でも複合ヘリコプター開発が行われていたことがあり、戦中にオートジャイロ 「カ号観測機」を作っていた萱場工業(現・KYB株式会社, 1985年10月に 「カヤバ工業」 2015年10月に現行社名に) は、石川島重工業(現・IHI) 製のラムジェットが先端に付いた 翼端噴流式 ( チップジェット ) 型のローターをセスナ170に取り付けたヘリプレーンを製作し、1954年に完成させた。 しかし、地上運転中に試作機が大破して開発中止となる。
その後、AH-56 シャイアン など世界的に次世代ヘリコプターはコンパウンドだと盛り上がっていた時期には、例に漏れず日本でも自衛隊向けの高速ヘリコプター開発構想があり、各社に提案を募るところまでは進んでいたが、当然ながら当時の日本の航空機産業にはおろか世界の航空産業全体にとっても、ちょっと背伸びしすぎていたため結果的に実現はしなかった。
1960年代には川崎航空機 (現在の「川崎重工業・航空宇宙カンパニー」)でKV-107に固定翼と推進用プロペラを装備した KAV-1 の研究などが行われ、富士重工業では複合ヘリコプター開発の第一段階として、1970年に自社機のベル204Bに固定翼を付けた XMHを飛ばして試験している。
最近では「宇宙航空研究開発機構」( Japan Aerospace eXploration Agency, JAXA ) でも「将来型回転翼機システム技術」として研究開発が始まるなど、日本でも遅ればせながら再び開発の気運が高まり始めているようだ。
掲示板
21 ななしのよっしん
2023/11/02(木) 09:47:40 ID: KgR3nsB0er
>>19
速度や航続距離だけが必要なら固定翼機でいいからな
速く遠く飛んで行ってもヘリコプターとしての性能が悪ければ本末転倒
垂直離着陸では回転翼機と言えど積載能力を大幅に低下させるし、整備が大変だと滑走路以外にも必要な設備は増えるので、複雑で数の限られた高級機体だと思ったより展開の幅も増えない
海兵隊のように単独の迅速な展開能力が戦況を分けるならピンポイントの需要があるが、そうでなければ足並みを合わせ全戦線で押し上げる体勢を作るのとどっちが早いか考える必要がある
22 ななしのよっしん
2024/02/11(日) 09:53:22 ID: IuEPe0VRW1
ウクライナ戦争で状況が変わった結果FARA(将来攻撃偵察機)計画が中止になった
ロシアが悪いんだよ・・・
23 ななしのよっしん
2024/03/18(月) 09:29:06 ID: 4P7n74NXLl
記事の充実っぷりに驚いたw こういうのニコニコ大百科ならではだね。記事書かれてる方ありがとう
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最終更新:2024/04/26(金) 02:00
最終更新:2024/04/26(金) 02:00
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