西ゲルマン語群 単語

ニシゲルマンゴグン

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西ゲルマン語群とはゲルマンの一つで、北海ゲルマン群と内陸ゲルマン群からなる群である。

概要

英語ドイツ語オランダ語フリジアなどが含まれる。

英語とドイツ語の比較

本項では西ゲルマン語群に属する言の中でももっとも話者が多い英語と、その次に話者が多いドイツ語較を行う。

名詞

英語には男性女性、中性、通性の四種類の性が存在するのに対し、ドイツ語は通性を除く三種類がある。
またドイツ語では全ての名詞は頭文字がキャピタルで表記されるのに対し、英語では固有名詞に限られる。

冠詞

英語は不定冠詞が掛かる名詞の頭が子音か音かでa,anの2つに分かれるのに対し、ドイツ語の不定冠詞einは名詞の性と格によって様々に変化する。

a, anein, eine, einer, eines, einem, einen

英語の定冠詞はthe1つのみ(ただし子音か音かで発音が異なる)であるのに対し、ドイツ語の定冠詞derは名詞の性、格、単複によって様々に変化する。

the ⇔ der, die, das, des, dem, den

また用法も英語とは幾つかの面で大きく異なる。

○総称英語冠詞で、ドイツ語は定冠詞で表現
例) Iron is useful.Das Eisen ist nützlich.

○数量英語では不定冠詞を、ドイツ語では定冠詞を用いる
例) It costs twenty mark a pond. ⇔ Es kostet zwanzig Mark das Pfund.

○身分・職種・
例) He came as a friend. ⇔ Er kam als Freund.

乗物英語冠詞で表現するのに対してドイツ語では定冠詞乗物の前に付ける
例) by train/car/plane/busmit dem Zug/Wagen/Flugzeug/Bus

前置詞

ドイツ語の前置詞は種類が豊富で、英語では複数の前置詞や名詞からなる表現を一で表しているものも多い。また格支配といって前置詞毎に定められた格の名詞を採る。

・2格支配

instead of ⇔ statt

in spite of ⇔ trotz

・3格支配

out of ⇔ aus

since, for ⇔ seit

after, toward, according to ⇔ nach

with, by ⇔ mit

near, at ⇔ bei

・4格支配

for ⇔ fur

until, up to ⇔ bis

against ⇔ gegen

without ⇔ ohne

around ⇔ um

through ⇔ durch

・3-4格支配

at, by ⇔ an

between ⇔ zwischen

before ⇔ vor

under ⇔ unter

behind ⇔ hinter

in ⇔ in

beside ⇔ neben

overuber

疑問代名詞

ドイツ語には英語よりも多くの疑問代名詞が存在するが、英語の7W1Hとの対応関係はそ次のようになっている。

who ⇔ wer, wessen, wem, wen

where ⇔ wo

when ⇔ wann, deren, denen

what ⇔ was

why ⇔ warum

how ⇔ wie

which ⇔ welcher, welche, welches, welchem, welchen

whose ⇔ wessen


◆was+(3格or4格支配の)前置詞で一を形成

with whatmit was → womit 例) Womit schreiben Sie? ⇔ What are you writing with?

in whatin was → worin 例) Worin schwimmt der Fisch? ⇔ What does the fish swim in?

of whatvon was → wovon 例) Wovon haben wir gesprochen? ⇔ What have we spoken of?

through whatdurch was → wodurch 例) Wodurch ist es geschehen? ⇔ Through what has it happend?

from whataus was → woraus 例) Woraus wird Brot gemacht? ⇔ What is bread made of?

to whatzu was → wozu 例) Wozu soll das dienen? ⇔ What is that to serve for?

◆wo+前置詞の組合わせもある

from whereher wo → woher

to wherehin wo → wohin

◆間接疑問文の形成も英語ドイツでは同様にして行われる。

Ich weiss nicht, wer er ist. ⇔ I don't know who he is.

指示代名詞

日本語の「これ」「それ」「あれ」に相当する単英語ではthis, it, thatだがドイツ語の場合定冠詞と同じder系(活用がやや異なる)が使われる。

this, that, the one ⇔ der, die, das

these, those, the ones ⇔ die, deren. denen

this, that, such ⇔ dieser, jener, solcher

that, the same ⇔ derjenige, derselbe

○「どの~」と聞かれた場合の返答
例) Which woman do you mean? ⇔ Welche Frau meinen Sie?
      The one with the white dress. ⇔ Die im weissen Kleid.

関係代名詞

英語の定関係代名詞はwho[先行詞が人], which[先行詞が物], that[[先行詞が人か物]と3つに分かれるが、ドイツ語の定関係代名詞はder[口語的], welcher[文語的]と2つに分かれる。

ドイツ語の不定関係代名詞はwer[人称]とwas[物称]の2つに分かれる。

who, which, that ⇔ der, welcher

who, whom, he who, those whom ⇔wer, was

接続詞

英語ドイツ語は共に並列接続詞と従属接続詞の2種類を持つ。

並列接続詞

and ⇔ und

or ⇔ oder

for ⇔ denn

but, however ⇔ aber, allein

not 〜 but ... ⇔ nicht 〜 sondern ...

副詞的接続詞

従属接続詞

whenals

until ⇔ bis

sinceda

so thatdamit

before ⇔ bevor

afternachdem

whether ⇔ ob

ドイツ語の特徴として副詞的並列接続詞に導かれる文は定動詞が倒置(=主語と定動詞の位置が逆転)されるという点にある。

例) When he awoke, it was full daylight. ⇔ Als er erwachte, da war es schon heller Tag.

動詞

英語の動詞は不定詞がe,k,r,sなど様々な語尾で終わるのに対し、ドイツ語の場合はnかenで終わる。また英語ドイツ語の基本動詞には形の似ている物が多くある。

例)bind ⇔ binden, bring ⇔ bringen, find ⇔ finden, help ⇔ helfen, drink ⇔ trinken, thankdanken, do ⇔ tun

副詞

英語では形容詞の語尾に-lyをつけたものが大半を占めるのに対して、ドイツ語では形容詞をそのままの形で副詞として利用する事が多い。

例)Her voice is beautiful.  ⇔ Ihre Stimme ist schön. ; She sings beautifully.  ⇔ Sie singt schön. 

語彙

英語ドイツ語には共通する彙が多いが、現代同士を較すると同じを持つ単でもその用法にはかなりの開きが生じている。これは日本語中国語が同じ漢字を使用していてもその意味が大きく異なっている場合が少なからずあるのと同様で、英語較しながらドイツ語を学習する場合はその点に注意を払わねばならない。
例えば英語では幽霊を意味する単はghostまたはspecterだが、ドイツ語Geistは寧ろ精mindやspiritといった意味で用いられており(Zeitgeist時代精神」など)、幽霊はGespenstの方が近い。

からして全く異なる単も多くある。例えば英語で「」はmirrorだがこれはラテン語mirariから来ているのに対しドイツ語のSpiegelは別の羅speculumに由来する。speculumは英語でも「」の意味があるが医学として使われている

ドイツ語は独特の彙組立を行う言である。「対」は英語でobjectというがドイツ語ではGegenstandという言葉を用いる。gegen-は英語のcounter-やcontra-に相当する接頭辞で、Standは立場、位置といった意味合いを持ち、このため二つを合わせてGegenstandという一を構成している。更にここにtheorieを加えてGegenstandstheorie(=Theory of Objects)という一で「対論」という意味を表すような造語もなされている。こういった英語では中々にする事のない長々とした単が所々で使われている。

ドイツ語とオランダ語の比較

ドイツ語オランダ語言語学距離は近く、方言のような関係にあると言われる。

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