大阪・神戸の両都市圏には行きやすい反面、北(北口町・上ヶ原近辺)南(今津町・甲子園町近辺)間は移動しづらい街となっている。
理由は、西宮市を横断する鉄道は阪急神戸線、JR神戸線(東海道本線)、阪神本線の3路線ある(あと北をJR宝塚線がかすめる)にも関わらず、西宮市を縦断する鉄道は阪急今津線の1本しかないからである。
鉄道のほか、バスもあるにはあるが、各社の拠点駅間を相互に結ぶ路線は少なく、駅から市内の施設(大学など)との間を結ぶ路線が主流となっている。
これは、東西を通る路線のうち街の北側を通る阪急電鉄と南側を通る阪神電気鉄道が2006年に経営統合されるまでライバル関係と言える状況にあり、その系列下にある阪急バス・阪神バスも相手の存在を無視するか、相手のテリトリーを侵食するように路線網を広げたことが影響している。
阪神バスが阪急神戸線を北へ乗り越えた甲陽線の甲陽園駅前、更に深く甲山森林公園の辺りまで乗り入れを行なっている(西宮山手線・鷲林寺線)のは、その代表例といえる。
阪急・阪神各社の西宮市における代表駅である、西宮北口駅~西宮駅・甲子園駅を結ぶバスも、両社が経営統合された2000年代後半になって、ようやく設定されたものである。
阪急西宮北口駅では1984年まで、神戸線と今津線の電車の直角平面交差(ダイヤモンドクロス)が存在した。
また駅前にはかつて、阪急ブレーブス(後述)の本拠地である阪急西宮球場が存在したが、現在は取り壊され、跡地に阪急西宮ガーデンズという巨大SCが建てられている。
また、高校野球と阪神タイガースで有名な阪神甲子園球場があるのはこの街である。決して大阪市や神戸市にあるなどとは思わないように。市もアピールのため、東名高速道路の西宮市に入ったことを示す標識に甲子園を描くなど、必死である。
西宮市の「西宮」とは、京都から西国街道を進む途中にある神社群のことを指している。その中心となっているのは202年創建と伝えられる廣田神社であり、今日では阪神タイガースの選手が毎年、キャンプイン前に必勝祈願を行なっていることで知られている。
またその廣田神社を中心とする神社群の一角として、平安時代頃には創建された西宮神社は、今日では「えべっさん」の名で広く親しまれている。1月9~11日の「十日えびす」においては、3日間で100万人以上の参拝者が訪れる程の賑わいを見せている。その中心となる1月10日未明に行われる「十日戎開門神事福男選び」の様子は、毎年テレビ放送を通じて全国放映されている。
西宮市は政令指定都市ではないが、1988年までセントラル・リーグとパシフィック・リーグに属するプロ野球チームが一球団ずつ、市内に本拠を置いていた(阪神タイガースと阪急ブレーブス)。阪急ブレーブスは1988年にオリックスへ身売りし、その数年後には本拠地が神戸市(後に大阪市)へ移ったため、現在は阪神タイガースのみ市内に本拠を置いている。
プロ野球チームが2つ有ったということをモチーフにし、1974年にはかんべむさしが「決戦・日本シリーズ」という実現することはなかった「市内完結の日本シリーズ」を題材にしたSF小説を発表している。
また阪神の本拠地である阪神甲子園球場は、上述の通り選抜・選手権と春夏の高校野球の舞台としても著名である。大会の時期は、全国より選手・応援者が西宮に集まることになる。
西宮市は2006年放映のアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の舞台になったことでも著名。作品では北口町周辺の施設が主に多く出る。なお、作者の谷川流は西宮市出身であり、同市上ヶ原にある関西学院大学を卒業している。
西宮市は野坂昭如の小説で、高畑勲によって1988年に映画化された「火垂るの墓」にも登場する。こちらは満池谷町、ニテコ池などがモデルとなっている。
このように、西宮市が作品の舞台となるのはつい最近に始まったことではなく、昭和初期に発表された「細雪」などでも、隣の芦屋などと共に、現在の市域にあたる場所が登場している。
高校球児の聖地でもあるし、ハルヒの聖地でもあるし、「宮水」を用いた日本酒の名産地でもあるし、甲子園口駅前近くがクドわふたーのPVにも出てきたし、オールド阪急電車ファンは喜ぶし、とにかく聖地づくしな街である。
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最終更新:2023/06/05(月) 09:00
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