解放少女とは (カイホウショウジョとは) [単語記事]

解放少女とはレベルファイブより2012年 5月31日に発売されたニンテンドー3DS用ゲームである。この記事では以後のシリーズ作についても記載する。

概要

『GUILD01』の4作の内の1作として発売。開放機カムイを操り、大国の配置した兵器を破壊して神獣と国土の解放のために戦うシューティングゲーム。

力の入ったムービーや音楽、多くの敵をまとめて倒す爽快感は高評価だが、いい所で終わってしまう本編や無線でいちいち止まってしまう(同時期に出た『新・光神話パルテナの鏡』は会話しながら進める)、作中での人物・世界観の掘り下げが薄い(ギャラリーモードで確認可能)、2、3発で倒れるザコ敵に対して中ボスが固すぎるなど不満点も。とはいえこれらで駄作と言うほど評価を落としているわけではない。

『GUILD01』の1タイトルとして発売後、アドベンチャーゲームとしてその後の第二次解放戦争の話を題材にした『解放少女 SIN』が発表された。発売元は科学アドベンチャーシリーズでおなじみの5pb.。

シリーズ

タイトル	ハード	発売日	値段
『解放少女』(GUILD 01)	3DS(パッケージ版)	2012年 5月31日	4093円
『解放少女』	3DS(ダウンロード版)	2012年 11月14日	823円
『解放少女』	iOS	2013年 3月7日	300円
『解放少女 SIN』	PS3	2013年 12月5日	7344円
『解放少女 SIN』	PSVITA	2014年 7月31日	7344円

※海外版でのタイトルは『LIBERATION MAI DEN』

世界観

『解放少女』のギャラリーや『週間ファミ通』127 2号(2013年 4月18日)より作成。

世界情勢

100年後の未来。軍事国家「大国」に占領された日本。大国の疲労を突いて日本は国土解放のための戦いを開始。大統領制に移行して政府の中心人物の大空翼一郎は初代大統領になる。規模も大きくなり国家として本格的な交戦を迎える段階まで至ったが、大空翼一郎は演説中に凶弾に倒れて死亡。閣僚たちは娘の大空翔子を第2代大統領に据えて戦いを続行。

国土解放のため解放機カムイと国会議事戦艦ながたを建造。新たに国名を「新日本」に変更して解放の戦いが始まる……

解放戦争

大国から独立を勝ち取る戦争。第1次解放戦争では空軍がない大国に対し、新日本は大統領の大空翔子が解放機で各地のクサビを破壊し、クサビによって傷つけられて暴走した神獣の解放にも成功。しかし直後に大国が空軍を率いてきたため、新日本側に傾きかけた流れが戻ってしまう。

第2次解放戦争では国土を二分した戦いとなり、新日本は西日本を拠点に解放機の増産と解放力の高い人間を集めて政府中枢の要職につかせた。大空翔子は大統領と内閣の閣僚らが出撃する決戦型内閣を組織して解放戦線に臨む。

用語

新日本

大統領制に移行した日本。かつては環境政策でアミニズムに基づく「自然機械工学」で日本に眠る神獣と呼ばれるエネルギー磁場を作り出し、エネルギーの調和で国民生活の基盤にしていた。

現在の新日本は神獣のエネルギーが弱まり、大国の駐留軍による圧政に苦しめられている。しかし、自然機械工学により各国ではエンジンで低空を飛ぶ程度に留まる技術レベルの中で空を飛ぶことを可能にしており、解放機カムイと国会議事戦艦ながたはこれにより飛行が可能になっている。

大国

独裁者「大国主席」が率いる国家。自らの政治思想と自国の利益のため世界中に侵略戦争を仕掛ける。

国家予算の半分を軍事費に割くという狂気じみた予算編成だが、国内の反発はうまいこと押さえ込んでいる(もちろん国内に植民地・属国は入らない)。文民・陸海軍人との間で戦争の利益などで対立はあるが、侵略戦争を行うことは一致している。

日本へは神獣の確保を目的に戦争を開始。主要都市にクサビを打ち込んで神獣のエネルギーを弱らせて日本を苦しめた。

神獣

エネルギー磁場と説明されているが、実際はこの国を守る守護神。クサビによるエネルギー吸収で自制が聞かなくなっている。翔子達はクサビを破壊することでエネルギー磁場の放出を止めることを目的に各地で戦っている。

クサビ

2種類存在し、小型のものは300m、大型のものは600mの高さがある。弱点は赤く光っているコア。これらを攻撃することでクサビは持ち上がり、地中から抜けてしまい事実上機能を停止する。それを守るためにクサビ本体の攻撃や砲台などの部隊が防御体制がとられている。

小型クサビは普段は地中に潜りパイプラインの龍脈を通して大型クサビにバリアのためのエネルギーを送っているが、衝撃で外に出てしまうのが欠点。

大型クサビは小型クサビによるエネルギーでバリアが張られている。たとえ小型クサビがすべて壊されても、大型クサビには多数のコアによる耐久力に加えて、クサビ本体による攻撃手段があるため簡単には破壊されない。特に最後のコアは非常に固いため特殊な攻撃手段が必要になる。

クサビはそれぞれ固有の攻撃手段を持ち、コードネームもつけられていた。『解放少女』では4機確認された。

解放機カムイ

全長11mの羽の生えた白色の人型兵器。操縦者は背中に跨る様に乗る。自然機械工学によりその土地の自然エネルギーを燃料にして飛ぶ。自立行動は可能だが攻撃はパイロットがいないと不可能。

攻撃方法は攻防一体の弾シールドバレットと1点集中攻撃のレーザー。エネルギーを十分充填した後に使えるカタナ攻撃(地上に投げつけて周囲を爆破)、エネルギー充填時に操縦者瀕死でカムイが自動的に行う切りつけ攻撃、固い装甲を破る最終手段の特攻の5種類。特攻は短時間で破れない場合、カムイの墜落で操縦者に危険を及ぼす可能性もある。

攻撃は神獣のエネルギーと調和して、副産物として土地に緑を取り戻したり、龍脈の活性化を起こして小型クサビを地上に露出させることができる。

『SIN』では解放機の量産型が登場した。

国会議事戦艦ながた

新日本国政府が国土占領後、どこでも政治が行えるようにと用意した空中戦艦。_{国土占領後によく作れたな……}『SIN』の設定によれば全長3km以上あり、高い機動力・防御性能を誇るようである。

主要施設は国会議事堂に各省庁の建物・人が集められている他、庭園もあるようである。『SIN』ではさらに学校や商業施設、居住区が建設されて逃れてきた難民の生活拠点も担っている。

解放力

『SIN』で明らかになった設定。神獣エネルギー「ミスティクル」に対する反応する力。高い数値を示した場合10代前半で優秀な学者並みの能力を発揮する可能性のあり、さらに神獣のエネルギー循環もコントロールできるため解放機の操作も可能になる。このため新日本政府は15歳になった国民を対象に検査を実施。高い解放力を持つ国民を年齢に関係なく公職につけている。

人物

大空翔子

まっすぐで一途な『解放少女』主人公。長野県の女子高生で大空翼一郎の一人娘だったが、死んだ父の意思や周りの人の励ましを受けて第2代新日本大統領になる。願いは国土奪還と破壊された自然の再生。

『解放少女』では解放機カムイに乗り、各地のクサビの破壊と暴走していた神獣を止めることに成功した。

その後、決戦型内閣を編成し第2次解放戦争の展開を始める。内閣の大臣が揃いも揃って女子ばかりのため女子高生内閣と言われている。『SIN』の時点で大統領任期は残り100日だが、第1次解放戦争の戦果から再選は確実視されている。

大空翼一郎

翔子の父。大国に反旗を翻し初代新日本大統領になるが、徹底抗戦のための演説中謎の凶弾に倒れる。対外的なイメージの良さの裏で日本を守るための政治的策略もめぐらせていた。

雲母(きら)

誠実で実直な男。かつては大空翼一郎の秘書で、現在は翼一郎死後は翔子の第一秘書で後見人を勤めている。

『解放少女』ではオペレーターとして翔子に指令を伝えていた。大空翼一郎の秘書だったのだが(話の掘り下げの悪さゆえに)その頃の話の類が出てこない。

海堂清人

戦災孤児の『SIN』主人公で内閣関係者の数少ない男性。5歳の頃に被災地で倒れていた所を翔子に発見される。なぜか倒れる前の記憶がない。

他人の考えを読める才能を見出されて、研究所で他人の精神世界に介入する「ミスティクル・ダイブ」の被験者になっていた。その後(高い解放力があったのか)大統領主席補佐官として翔子の元に来ることとなる。

弓波千流子

大空内閣の法務大臣。法の番人として生真面目でストイックな態度をとっている。あだ名は「ちるちる」。子ども扱いが気に入らないようだが内閣の中で最年少(15歳)というのがあるのが原因なのだろう。
強行偵察に特化した調整が施された黄色の量産型解放機「コノハ」に乗る。

桜木芳乃

大空内閣の官房長官。翔子の同級生でカリスマ性に大きく惹かれている。解放力の強さからか驚異的な記憶力を誇る。
翔子の直援を任されており、防御力に特化した薄紅色の量産型解放機「クシナダ」に乗る。

環小神子

大空内閣の総務大臣。孤高のクールビューティーで中学生の時点で役職についたことも。戦艦ながたのブリッジでも指揮をとっている。
狙撃砲と誘導弾を搭載した遠距離支援特化型の青色の量産型解放機「ククリ」に乗る。

明星かぐや

大空内閣の防衛大臣。勇敢な性格で翔子からの信頼が厚い。第1次解放戦争の成功の裏には彼女の誇る天才的な軍事センスがあったからである。自らも戦場に繰り出して切り込み隊長として振舞うことから国民からの支持も高い。
拠点制圧や接近戦を想定し、高出力のシールドバレットを装備した赤色の量産型解放機「ヤガミ」に乗る。

不破聖