誉田哲也

誉田哲也（ほんだ てつや）とは、日本の小説家。

概要

1969年生まれ、東京都出身。ミュージシャンを目指してバンド活動をしていたが、30歳を前にその道を諦める。格闘技サイトに観戦記を寄せていたのをきっかけに小説家を目指し、2002年に『ダークサイド・エンジェル紅鈴 妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞という非常にマイナーな賞を受賞しデビューする。

2003年、『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞して本格的に一般文芸デビュー。2005年から刊行した『ジウ』三部作で評判を呼び、その後もコンスタントにヒット作を続け人気作家となる。

作品は警察小説と青春小説が二本柱。警察小説の代表作は前述の〈ジウ〉サーガ（ただし『歌舞伎町セブン』以降は警察小説ではないが）と、『ストロベリーナイト』に始まる姫川玲子シリーズ（2016年には『硝子の太陽Rouge/Noir』で両者がコラボした）。青春小説の代表作には映画化された『武士道シックスティーン』に始まる武士道シリーズがある。
男性作家だが、女性主人公の作品が多く、有川浩曰く「誉田哲也は心に少女を飼っている」（『武士道エイティーン』解説より）。

姫川玲子シリーズは『ストロベリーナイト』のタイトルで、竹内結子主演で2010年にフジテレビ系で単発ドラマ化、2012年に連続ドラマ化、2013年に映画化（『感染遊戯』までの長編3冊と短編集2冊、『インデックス』収録の「アンダーカヴァー」までが映像化された）。2019年には『ストロベリーナイト・サーガ』のタイトルでキャストやスタッフを一新して再ドラマ化（『ブルーマーダー』まで）。
『武士道シックスティーン』は2010年に映画化。他に『ジウ』『ドルチェ』『ドンナ ビアンカ』『ヒトリシズカ』『プラージュ』がテレビドラマ化、『世界でいちばん長い写真』が映画化、『増山超能力師事務所』がテレビドラマ化＆映画化、『ハング』『ボーダレス』が配信ドラマ化されている。

2006年『ストロベリーナイト』で第9回大藪春彦賞候補、
2008年『武士道セブンティーン』で第24回坪田譲治文学賞候補、
2009年『ハング』で第12回大藪春彦賞候補、
2012年『あなたが愛した記憶』で第3回山田風太郎賞候補、
2014年『ケモノの城』で第5回山田風太郎賞候補、
2020年『背中の蜘蛛』で第162回直木賞候補、
……と文学賞の候補にはちょくちょく挙がっているが、デビュー時の新人賞以外は今のところ受賞歴はない。

作品リスト

• 〈ジウ〉サーガ
  
  1. ジウI 警視庁特殊犯捜査係 （2005年、C☆NOVELS→2008年、中公文庫→2021年、中公文庫[新装版]）
  2. ジウII 警視庁特殊急襲部隊 （2006年、C☆NOVELS→2009年、中公文庫→2021年、中公文庫[新装版]）
  3. ジウIII 新世界秩序 （2006年、C☆NOVELS→2009年、中公文庫→2021年、中公文庫[新装版]）
  4. 国境事変 （2007年、中央公論新社→2010年、中公文庫） - スピンオフ
  5. ハング （2009年、徳間書店→2012年、中公文庫） - 元々は単発作品だったがシリーズに合流
  6. 歌舞伎町セブン （2010年、中央公論新社→2013年、中公文庫） - 『ジウ』の後日談
  7. 歌舞伎町ダムド （2014年、中央公論新社→2017年、中公文庫）
  8. 硝子の太陽Noir （2016年、中央公論新社） - 姫川玲子シリーズとのコラボ作品
     →　ノワール 硝子の太陽 （2018年、中公文庫[改題]）
  9. 歌舞伎町ゲノム （2019年、中央公論新社→2021年、中公文庫）
  10. ジウX （2023年、中央公論新社）
• 姫川玲子シリーズ
  1. ストロベリーナイト （2006年、光文社→2008年、光文社文庫）
  2. ソウルケイジ （2007年、光文社→2009年、光文社文庫）
  3. シンメトリー （2008年、光文社→2011年、光文社文庫）
  4. インビジブルレイン （2009年、光文社→2012年、光文社文庫）
  5. 感染遊戯 （2011年、光文社→2013年、光文社文庫）
  6. ブルーマーダー （2012年、光文社→2015年、光文社文庫）
  7. インデックス （2014年、光文社→2017年、光文社文庫）
  8. 硝子の太陽Rouge （2016年、光文社） - 〈ジウ〉サーガとのコラボ作品
     →　ルージュ 硝子の太陽 （2018年、光文社文庫[改題]）
  9. ノーマンズランド （2017年、光文社→2020年、光文社文庫）
  10. オムニバス （2021年、光文社→2023年、光文社文庫）
  11. マリスアングル （2023年、光文社）
• 武士道シリーズ
  1. 武士道シックスティーン （2007年、文藝春秋→2010年、文春文庫）
  2. 武士道セブンティーン （2008年、文藝春秋→2011年、文春文庫）
  3. 武士道エイティーン （2009年、文藝春秋→2012年、文春文庫）
  4. 武士道ジェネレーション （2015年、文藝春秋→2018年、文春文庫）
• 魚住久江シリーズ
  1. ドルチェ （2011年、新潮社→2014年、新潮文庫→2020年、光文社文庫）
  2. ドンナ ビアンカ （2013年、新潮社→2016年、新潮文庫→2020年、光文社文庫）
• 妖シリーズ
  1. ダークサイド・エンジェル紅鈴 妖の華 （2003年、ウルフ・ノベルス）
     →　妖の華 （2010年、文春文庫[改題]）
  2. 妖の掟 （2020年、文藝春秋→2022年、文春文庫）
  3. 妖の絆 （2022年、文藝春秋）
•  その他の作品
  • アクセス （2004年、新潮社→2007年、新潮文庫→2020年、中公文庫）
  • 吉原暗黒譚 狐面慕情 （2004年、学研M文庫）
    →　吉原暗黒譚 （2012年、文春文庫[改題]）
  • 春を嫌いになった理由 （2005年、幻冬舎→2010年、光文社文庫→2023年、光文社文庫[新装版]）
  • 疾風ガール （2005年、新潮社→2009年、光文社文庫）
  • 月光 （2006年、徳間書店→2009年、徳間文庫→2013年、中公文庫）
  • ヒトリシズカ （2008年、双葉社→2011年、双葉文庫）
  • ガール・ミーツ・ガール （2009年、光文社→2011年、光文社文庫）
  • 主よ、永遠の休息を （2010年、実業之日本社→2012年、実業之日本社文庫→2016年、中公文庫→2023年、中公文庫[新装版]）
  • 世界でいちばん長い写真 （2010年、光文社→2012年、光文社文庫）
  • レイジ （2011年、文藝春秋→2014年、文春文庫）
  • あなたの本 （2012年、中央公論新社→2014年、中公文庫→2022年、中公文庫[新装版]）
  • あなたが愛した記憶 （2012年、集英社→2015年、集英社文庫）
  • 幸せの条件 （2012年、中央公論新社→2015年、中公文庫→2023年、中公文庫[新装版]）
  • 増山超能力師事務所 （2013年、文藝春秋→2016年、文春文庫）
  • Qrosの女 （2013年、講談社→2016年、講談社文庫→2022年、光文社文庫）
  • ケモノの城 （2014年、双葉社→2017年、双葉文庫）
  • 黒い羽 （2014年、光文社文庫）
  • プラージュ （2015年、幻冬舎→2017年、幻冬舎文庫）
  • 増山超能力師大戦争 （2017年、文藝春秋→2020年、文春文庫）
  • あの夏、二人のルカ （2018年、KADOKAWA→2021年、角川文庫）
  • ボーダレス （2018年、光文社→2021年、光文社文庫）
  • 背中の蜘蛛 （2019年、双葉社→2022年、双葉文庫）
  • もう、聞こえない （2020年、幻冬舎→2023年、幻冬舎文庫）
  • フェイクフィクション （2021年、集英社）
  • アクトレス （2022年、光文社）

関連動画

関連項目

• 小説家の一覧
• 警察小説
• 武士道シックスティーン