谷垣禎一とは (タニガキサダカズとは) [単語記事]

　谷垣禎一とは、自由民主党所属の日本の政治家である。2017年まで衆議院議員を務めた。2020年現在は政界を引退している。過去に財務大臣、自由民主党総裁などを歴任した。

略歴

1945年3月7日に京都府福知山市にて生誕
- 外祖父である影佐禎昭陸軍中将と誕生日が同じであることから、禎一の名前は外祖父の名に因んで付けられた
麻布中学校、麻布高等学校卒業
一年の浪人を経て東京大学へ入学
- 趣味に没頭した結果、留年を繰り返し八年在籍の後に東京大学法学部を卒業
司法試験に合格、後に弁護士
- 司法試験には何回も落ちてから合格を果たした模様
1983年に京都旧第2選挙区の衆議院議員補欠選挙で出馬、初当選（以後、11回連続当選）
- 父である谷垣専一と前尾繁三郎の二人の死を受けた補欠選挙で、「お前は継ぐな」と生前の父から言われ、禎一本人も後を継ぐ気はなかったが、父の後援会に押されて出馬
- この補欠選挙に出馬した野中広務（後の自民党幹事長）も初当選
- 現在の選挙区は京都5区（福知山市・舞鶴市など）
2016年に起こした自転車事故の影響で職務を続けられなくなり、自民党幹事長を辞職。翌2017年 10月の第48回衆議院議員総選挙にも出馬せず、政界を引退した。

党内役職・閣僚経験など

自由民主党所属
- 自由民主党幹事長（第47代　2014年～2016年）
  - 自由民主党では前例のない総裁経験者による幹事長就任であった。
- 自由民主党総裁（第24代　2009年～2012年）
  - 2012年の総裁の任期満了後も改選の出馬に対して初めは意欲を見せたが、長老議員を中心とした党内の支持が得られなかったことや、当時の幹事長だった石原伸晃との執行部の調整の折り合いがつかなかったことから、出馬辞退に追い込まれている。
- 政務調査会長（第50代 2007年～2008年福田康夫総裁）
- 宏池会（当時の古賀派）代表世話人（2008年～2009年）
  - 2000年の加藤の乱で分かれた宏池会（加藤派→小里派→谷垣派）の会長を2005年から務めたが、2008年に過去に分かれた宏池会（堀内派→丹羽・古賀派→古賀派）と再び合流した。総裁就任後の慣例による派閥離脱まで、谷垣は宏池会の代表世話人の座についていた。
- 有隣会顧問（2012年～　川崎二郎と共同）
  - 2012年の総裁選出馬に対する当時の宏池会の会長であった古賀誠の協力拒否に加え、宏池会に所属していた参院議員の林芳正の出馬工作などを古賀が行ったが、谷垣の側近議員らによる古賀の「谷垣外し」への不信感から、総裁選後に宏池会を脱会した旧谷垣派の議員らとともに谷垣を中心とした勉強会「有隣会」を旗揚げした。
閣僚経験
- 科学技術庁長官（第57代 1997年～1998年第二次橋本内閣改造内閣）
- 金融再生委員会委員長（第3・4代 2000年小渕内閣第二次改造内閣～第一次森内閣）
- 国家公安委員会委員長（第69代 2002年～2003年第一次小泉内閣第一次改造内閣）
  - 食品安全担当大臣、産業再生機構担当大臣も同時に兼任
- 財務大臣（第3～5代 2003年～2006年第一次小泉内閣第二次改造内閣～第三次小泉内閣改造内閣）
- 国土交通大臣（第9代 2008年福田康夫内閣改造内閣）
- 法務大臣（第92代 2012年～2014年第二次安倍内閣）

特徴・エピソード

財務大臣を長く務めたことなどから、経済や財政を中心とした政策に明るく、実務にも強いとされる
知性派で温厚な性格とされるが、その一方で突破力に欠けるとの声もある
森内閣の倒閣がおこなわれたいわゆる「加藤の乱」の時、派閥の長だった加藤紘一が衆議院本会議場へ涙を浮かべながら一人で内閣不信任案に賛成票を投じようとした際、「加藤先生大将なんですから、一人で突撃なんてだめですよ！」と必死に加藤を止めようとしたことでも知られる（下記の関連動画も参照）
「麻垣康三」と呼ばれた四人の自民党総裁候補の一人でもあった
- 谷垣自身は2006年に安倍が選出された総裁選に一度出馬している他、2009年 9月末の自民党総裁選へ立候補を行い、河野太郎と西村康稔の二人の候補を大差で破り、自民党総裁へ選出された（ただし、2009年の自民党の衆議院選の大敗を受けたことや野党の間に総裁を辞任したことから、谷垣が将来の総理となれるかは現在のところ不明である）
- 谷垣を除いた「麻垣康三」の残りの三人（麻生太郎、福田康夫、安倍晋三）は総理総裁の座を射止めている
趣味はサイクリング、漢詩、落語鑑賞、ワインソムリエ、野球観戦など
- 特にサイクリングをしているところで、マスコミの報道を受けることもしばしば
  - 2009年 11月には、一般人を避けようとしてクラッシュ、顔面を負傷した
  - 2016年 7月にも、転倒の際に頚椎損傷の大怪我を負い、自民党幹事長の辞任の原因となった
- プロ野球では、読売巨人軍（ジャイアンツ）の熱狂的なファンである
プロテスタントの信徒でもあり、それに関わる団体などへの参加活動も行っている（聖書を読みながら祈る会の発足メンバー、「インターナショナル・VIP・クラブ」の講師）
靖国神社には2009年 10月19日秋季例大祭に自民党総裁では３年２カ月ぶりに参拝し、2010年 4月22日春季例大祭に「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」（以下「参拝する会」）で参拝。2011年 8月15日の終戦の日にも同じく「参拝する会」の同志52人と共に参拝。
よく言われる疑惑として中国のハニートラップに嵌められたという話があるがこれは裁判で谷垣氏側の勝訴が確定している
「谷垣氏は漫画アニメの規制推進派」であるという話に関し、この話の根拠は2007年 7月27日付けの毎日新聞の記事での氏のコメントであり、よく読めば氏のスタンスは「まずは色んなデータを集めて検証し、問題点があれば議論すべし」というものに過ぎない（参考記事）という暴論が存在する。
　しかしこの参考記事は「成人向けマンガやゲームに銀行が金を貸すはずがないから、売り上げが反社会的団体に流出している」という、信じ難い空想（2次ポルノを製作するのはその辺のアマチュア絵描きで、銀行から融資を受ける必要すらない）を基に、記事内容から読み取れない「反社会団体への規制法案である」という結論に至る、極めて信憑性が低い妄想記事である。谷垣禎一のコメントを見る限り、2次ポルノ自体を規制しようという趣旨以外には読めない。
そもそも最近の法務委員会において、漫画アニメ規制派として過激派である土屋正忠と共に、谷垣個人の感情としては2次ロリポルノを規制したい旨を明確化した（参考記事）
なお、2010年 2月1日の国会本会議にて、ニコニコ動画の鳩山由紀夫vs.鳩山由紀夫　自らの献金問題を厳しく追及！！という動画を紹介し、鳩山総理大臣の政策について非難したことは有名である
ネットで密かに語られていた「日銀砲」の立役者としても有名であったが、ついに2010年 6月9日のJ-NSC設立総会にて本人の口からその顛末について語られて話題となった⇒J-NSC 谷垣禎一氏が日銀砲について語る 2010-06-09