豊肥本線とは (ホウヒホンセンとは) [単語記事]

豊肥本線とは、JR九州の路線である。

概要

豊肥本線
概要
起終点	起点：熊本駅
起終点	終点：大分駅
駅数	37駅
基本情報
開業日	1914年4月1日
所有者	九州旅客鉄道
使用車両	使用車両を参照
路線諸元
路線総延長	148.0km
軌間	1,067mm
電化方式	交流20,000V・60Hz
電化方式	架空電車線方式 (熊本-肥後大津、下郡信号場-大分)

鹿児島本線熊本駅と日豊本線大分駅を結ぶ地方交通線。このうち熊本駅～肥後大津駅間は交流電化されており、鹿児島本線からの列車乗り入れに対応している（電化以前から有明の水前寺乗り入れは行われていた）。残りの肥後大津駅～大分駅間は非電化である。愛称は「阿蘇高原線」。起点は熊本駅であり、営業上も熊本方面行きを上りとして案内している。

久大本線同様に九州を横断する形で建設されており、ルート的には九州横断新幹線と同じルートである。但し、九州横断新幹線の建設の目処は立っていない（後述）。
また、電化区間である熊本駅～肥後大津駅間では鹿児島本線から「有明」が多数乗り入れていたが、九州新幹線博多延伸に伴い「有明」の運転区間・本数が縮小され、乗り入れは廃止された。

主な経由都市は熊本県阿蘇市、大分県竹田市など。沿線には観光地の阿蘇がある事から観光特急が運行されている。「九州横断特急」が別府駅から運行されている他、「ゆふDX」運用から外れたキハ183系1000番台が初めて豊肥本線に入り「あそぼーい！」として運行されている。
2022年 9月からは以前肥薩線を運行していた「かわせみやませみ」が豊肥本線に入って運行されている。

阿蘇カルデラと九州山地を貫くこの路線は、豪雨などの災害が発生しやすく長期間不通となることが多い。2012年 7月の九州北部豪雨では橋梁流出や路盤流出が発生。豪雨から1年後の2013年 8月に全線で運転を再開した。また、平成28年熊本地震では、2度の震度7の地震により肥後大津～赤水間で大規模な土砂崩れが発生。長期間に渡る復旧工事を経て2020年 8月8日に全線復旧した。

豊肥本線に関する計画

九州横断新幹線

大分市と熊本市を結ぶ新幹線路線で、起点は四国新幹線・東九州新幹線大分駅で終点は九州新幹線熊本駅。
四国新幹線との乗り入れが行われる可能性もありえる路線である。

基本計画のみがあるだけで経由地は特に明示されておらず、建設の目処も立っていないのは前述の通り。
現在の豊肥本線では全線を走破する特急が2往復運行されているものの、その他の多くの列車は区間運転になっている事もあり九州横断新幹線が実現する可能性は極めて低い。

熊本空港アクセス鉄道計画

熊本空港へのアクセス改善を目的に計画されている路線である。

熊本空港は熊本市中心部から約20km離れており、バスを利用しても1時間以上かかることが問題となっていた。この状況を改善するために鉄道路線の整備が検討されている。2004年から検討を開始し、採算性を理由に2007年に一旦凍結したが、熊本空港の利用者数が増加したことから2018年より検討が再開された。
2022年に肥後大津駅分岐の方針でJR九州と熊本県が合意し、2034年度以降に開通させることになった。

具体案として、①豊肥本線から分岐・延伸し、熊本空港に乗り入れる案、②肥後大津駅からモノレールで熊本空港に乗り入れる案、③熊本市電を延伸して熊本空港に乗り入れる案の3案が検討され、①からさらに三里木駅・原水駅・肥後大津駅分岐で検討した結果、三里木駅分岐延伸案を軸に進んでいた。三里木駅から熊本県民総合運動公園経由で熊本空港を結ぶ計画で、線路・車両は第三セクターが所有し、JR九州に運行を委託するとしていた。しかし、豊肥本線の線路容量はすでに逼迫しており、列車本数を増やすのは困難であることや、肥後大津方面への輸送力の低下が懸念されていた。
その後菊陽町に半導体工場が設置されることが決まると、三里木駅分岐案ではこの工場の需要を拾えないことから分岐駅を改めて検討することになった（三里木駅〜原水駅間にはこの工場に関連した新駅設置が検討されている）。JR九州の青柳俊彦会長（発言当時は社長）や古宮洋二社長は肥後大津駅分岐が望ましいと述べており、熊本県も改めて検討した結果肥後大津駅分岐に落ち着いた。

南阿蘇鉄道乗り入れ

現在熊本地震の影響で一部区間で南阿蘇鉄道が不通となっているが、2023年夏に復旧した際に肥後大津駅〜立野駅間で乗り入れる構想がある。熊本駅〜肥後大津駅間で運行する列車が多いため、これに接続させることで乗り換え回数を減らすもの。

南阿蘇鉄道や周辺自治体がJR九州に要望し、実現に向けて協議が進み、2023年 7月15日の全然復旧により乗り入れが開始された。

駅一覧

太字は有人駅。●：停車　 ▲：一部停車　|：通過。

特急	駅名	備考 ◆乗り換え路線 ○駅周辺施設	所在地
●	熊本駅くまもと	熊本市の中心駅 ◆JR九州：■鹿児島本線・九州新幹線 ◆熊本市交通局：A系統（熊本駅前停留場） ○アミュプラザくまもと ○北岡神社	熊本県	熊本市西区
\|	平成駅へいせい	○サンリブシティくまなん ○別所琴平神社		熊本市中央区
\|	南熊本駅みなみくまもと	○南熊本病院
▲	新水前寺駅しんすいぜんじ	◆熊本市交通局：A系統・B系統（新水前寺駅前停留場）
▲	水前寺駅すいぜんじ	○水前寺公園 ○熊本競輪場 ○熊本市水前寺競技場 ○熊本市水前寺野球場 ○ゆめマート大江 ○くまもと森都総合病院 ○熊本学園大学 ○熊本県立熊本高等学校 ○熊本学園大学付属中学校・高等学校 ○開新高等学校
\|	東海学園前駅とうかいがくえんまえ	○東海大学熊本キャンパス ○東海大学付属熊本星翔高等学校		熊本市東区
\|	竜田口駅たつたぐち	○立田自然公園 ○桜山神社 ○熊本国際民藝会館 ○熊本大学		熊本市北区
▲	武蔵塚駅むさしづか	○九州自動車道武蔵ヶ丘バスストップ ○武蔵塚公園
▲	光の森駅ひかりのもり	○ゆめタウン光の森 ○えがお健康スタジアム（シャトルバス有）
\|	三里木駅さんりぎ	○サンリーカリーノ菊陽		菊池郡菊陽町
\|	原水駅はらみず	○鉄砲小路 ○鼻ぐり井手公園		菊池郡菊陽町
●	肥後大津駅ひごおおづ	大津町の中心駅 ◆空港ライナー（熊本空港行き乗合タクシー） ○大津ショッピングプラザ ○HSR 九州 ○熊本県立大津高等学校 ○熊本県立翔陽高等学校		菊池郡大津町
\|	瀬田駅せた			菊池郡大津町
●	立野駅たての	スイッチバック駅 ○ニコニコ屋 ◆南阿蘇鉄道：高森線（肥後大津駅〜高森駅間で直通運転あり）		阿蘇郡南阿蘇村
▲	赤水駅あかみず	○阿蘇赤水温泉 ○阿蘇ファームランド ○阿蘇さるまわし劇場 ○旧東海大学阿蘇キャンパス（熊本地震震災ミュージアム「記憶の回廊」）		阿蘇市
\|	市ノ川駅いちのかわ
\|	内牧駅うちのまき	○内牧温泉
●	阿蘇駅あそ	旧阿蘇町（現阿蘇市）の中心駅 ○阿蘇山 ○阿蘇カドリー・ドミニオン
\|	いこいの村駅いこいのむら
●	宮地駅みやじ	旧一の宮町（現阿蘇市）の中心駅 ○阿蘇神社 ○仙酔峡 ○熊本県立阿蘇中央高等学校
\|	波野駅なみの	九州で最も標高が高い駅
\|	滝水駅たきみず	旧波野村（現阿蘇市）の中心駅
●	豊後荻駅ぶんごおぎ	旧荻町（現竹田市）の中心駅 ○白水の滝 ○荻の里温泉	大分県	竹田市
\|	玉来駅たまらい	○竹田湧水群 ○扇森稲荷神社 ○竹田医師会病院
●	豊後竹田駅ぶんごたけた	竹田市の中心駅。列車発着時に「荒城の月」が流れている。 ○岡城址 ○広瀬神社 ○西光寺 ○長湯温泉 ○奥渓文庫 ○大分県立竹田高等学校
\|	朝地駅あさじ	旧朝地町（現豊後大野市）の中心駅 ○普光寺磨崖仏 ○朝倉文夫記念館		豊後大野市
●	緒方駅おがた	旧緒方町（現豊後大野市）の中心駅 ○原尻の滝 ○豊後大野市民病院
\|	豊後清川駅ぶんごきよかわ	旧清川村（現豊後大野市）の中心駅
●	三重町駅みえまち	旧三重町（現豊後大野市）の中心駅 ○フレスポ豊後大野 ○豊後大野市民病院三重診療所 ○大分県立三重総合高等学校
\|	菅尾駅すがお	○菅尾石仏 ○虹澗橋
\|	犬飼駅いぬかい	旧犬飼町（現豊後大野市）の中心駅
\|	竹中駅たけなか	○勝光寺（南こうせつの実家）		大分市
●	中判田駅なかはんだ	○戸次川原古戦場跡 ○大分県立大分南高等学校
\|	大分大学前駅おおいただいがくまえ	駅遠隔案内システム(Smart Support Station)導入駅 ○大分大学 ○陸上自衛隊大分分屯地
\|	敷戸駅しきど	駅遠隔案内システム(Smart Support Station)導入駅 ○西寒多神社 ○大分市医師会立アルメイダ病院 ○大分県立大分工業高等学校
\|	滝尾駅たきお	○碇山 ○曲石仏 ○大分社 ○滝尾百穴横穴古墳群
●	大分駅おおいた	大分市の中心駅 ◆JR九州：■日豊本線、■久大本線 ○アミュプラザおおいた ○トキハ本店 ○KCA･アクロスプラザ大分駅南 ○ホルトホール大分 ○大分城址公園 ○大分赤十字病院 ○大分中村病院 ○金池ターミナル ○大分県立美術館 ○大分県立芸術文化短期大学 ○大分短期大学 ○大分県立芸術緑丘高等学校 ○大分東明高等学校 ○楊志館高等学校