赤松義村とは (アカマツヨシムラとは) [単語記事]

赤松義村（あかまつ・よしむら　？～ 1521）とは、播磨国の守護大名・戦国大名である。赤松家10代当主。七条政資の長男。弟に赤松義允。子に赤松政元、赤松晴政、高島正澄、赤松政道がいる。赤松政則の養子。

概要

赤松氏庶流の七条氏から赤松本家に婿養子に入り、播磨・備前・美作の3ヶ国を継承する。妻は赤松政則の娘・小めし（別名・松）。

当初は義母・洞松院（めし）と守護代・浦上則宗、則宗の死後は浦上村宗の両腕に補佐される。大名権力の強化を図ろうとするも村宗が反発し、一時は村宗を窮地に追い込むも逆に敗れて、幽閉された末に暗殺された。

生年に関して

生年は1470年説、1472年説、1490年説、1494年説がある。前2つ（1470年、1472年）と後ろ2つ（1490年、1494年）では色々と事象が異なるので、ここで色々と併記する。

1489年に婿養子となったという説もあれば（※年代的に後者2つでは不可能）、政則の死後（1496年没）に婿養子となったとする説もある。妻・小めしの母親については伊勢貞親女説と洞松院説があるが、「小」めしとあるので洞松院（めし）の娘である可能性が高いだろう。

子供については、晴政（1513年生）と政元（生年不詳）のどちらが長男であるのか議論がある。一般には晴政、政元の順とされている。が、1577年に討死した政元の孫・赤松正澄の存在から、政元の方が10歳くらい年上なのでは？とも言われている。前者であれば政元が1513年以前に生まれていても不思議ではないが、後者では義村が若すぎて政元を兄とするのはやや無理があるか。尤も、赤松政元に関しては実在自体疑われてはいるのだが……。

前者に基づく「1496年7月に奈良に出陣した」、後者に基づく「義母の洞松院の後見を受けて1507～1509年あたりに元服した」といった両極端な話もある。

生涯

先代当主・赤松政則には庶子・赤松村秀（赤松政秀の父）がいたが、敢えて婿養子を迎える事になった。洞松院の父は応仁の乱東軍大将の細川勝元、弟は1493年にクーデター「明応の政変」を起こす細川政元である。没落していた赤松氏再興の後ろ盾となったのが幕府有力者である細川氏だった事から、洞松院の娘に婿を取らせて後継者とする方針になったと考えられている。