アカザワイズミ
赤沢泉美(あかざわ いずみ)とは、小説・アニメ「Another」の登場人物である。
夜見山北中学3年3組のクラスメイト。出席番号は1番。演劇部所属。
現象からクラスを守る対策係を務めており、3年3組のリーダー的存在。長い髪をツインテールでまとめており、目鼻のくっきり整った美少女。青いリボンを付けることが多く、制服時はいつも黒いニーソックスを履いている。望月優矢の姉が働いている喫茶店のハワイコナ・エクストラファンシーがお気に入り。
桜木ゆかりの後任として中盤からはクラス委員長も兼任、名実共にクラスの中心人物となる。責任感が非常に強く、3年3組の災厄に対して誰よりも真摯に取り組んでいるのだが、真剣すぎるあまりに、誰にでも厳しく物事をはっきり言うため、高林郁夫のように彼女のやり方に反感を持つクラスメイトもいる。
彼女が自ら危険を伴う対策係を買って出たのは、1年半前に従兄の赤沢和馬を災厄で失ったことに起因する。この時、後に3年3組に転校してくる榊原恒一と出会い、それが彼女の大きな転機となる。恒一に密かに思いを寄せており、見崎鳴と同様に「いないもの」とした際は、罪悪感から先立って謝罪の言葉をかける。恒一が「いないもの」から解除されると、次第に共に協力し合うようになっていく。
しかし、現象によるクラスメイトの悲劇が止まらないことに対し、「いないもの」である鳴が非協力的と思うようになり、合宿で謝罪を要求。鳴との関係が険悪したものになってしまう。そんな中で、対策係の相棒でもある杉浦多佳子の暴走とその末路を目にして逆上。恒一を殺そうとした風見智彦を逆に撲殺し、鳴も惨劇の元凶だと思って殺そうとするが、その最中に落雷によって割れた窓ガラスの破片を全身に浴びてしまう。多量の出血で意識が朦朧とする中で恒一との出会いを思い出すが時既に遅く、現象による記憶の改竄で恒一が覚えていなかったことに無念の思いを残しながら、薄幸の短い生涯を閉じた。彼女の死によって、5人いた対策係全員が非業の死を遂げたのである。
彼女を語る上で欠かせないのは、「報われない想い」による悲劇である。先述の恒一への片想いもそうであるが、死んだ兄の分まで現象に懸命に立ち向かいながらも、その努力も空回りすることが多く、友人たちが次々に死んでいくのを目の当たりにする。そんな中でなにもできない自分に苛立ちと悔しさに苦悩し、悪循環が更なる悲劇を呼び、そして最後には赤沢さん自身が犠牲者になってしまったのだから・・・。現象はなぜそこまで彼女を苦しめたのか、思わず天を呪わずにはいられない。
アンチからは「無能」と非難される事もあるが、赤沢さんほどクラスのために必死になって戦った生徒がいないことは紛れもない事実である。視聴者の中には、赤沢さんの死を悼み涙する人も多く、それだけ彼女がファンからいかに愛されているのがよくわかるだろう(二次創作のギャグネタでは、無能と散々いじられているが)。
アニメ版で準主役とも言える活躍を見せ本編を大いに盛り上げた赤沢さんだったが原作では名前こそ時々出てくるものの、直接登場するのは上記の10話における合宿シーンくらいしかなく、恒一と鳴を敵視するだけの単に嫌みな端役程度の扱いである(恒一に片想いする描写も当然無い)。その結末も、発狂した管理人に襲われてもみ合いになる内に、ベランダから転落。首の骨を折って死ぬという、アニメ版の小椋由美のブリッ死に近い最期であった。
実写映画版では秋月三佳が演じた。公開こそアニメより後だが、撮影がかなり早い段階から始まっていた映画ではさらに扱いが酷くなり、災厄で自暴自棄になり、クラスメイトの和久井桜子に襲撃するなど、完全に悪役ポジションになってしまっている。さらに鳴を殺そうと追いかける最中、ボートを止めていたピアノ線が引っかかって首が吹き飛ぶという悲惨な死に方を遂げた。この場面は予告編でも使われて衝撃を与えたが、まだ赤沢さんがアニメや後述の漫画で人気が出る前だった故に、このようなキャラにされてしまったのだろう。
彼女のキャラクターが大きく変わったのは清原紘の漫画版である。桜木とは親友であり、勅使河原直哉からは惚れられているなど、原作に比べて人間関係が広がった。そして兄(従兄ではなく実兄)が災厄で死亡する悲劇に見舞われるといった描写があるのは漫画が初出となっている(但し、原作・アニメ版と違って漫画版は小椋由美が登場しないため、赤沢さんの兄が引きこもり設定になっている)。漫画版の赤沢さんは、鳴や恒一に対して怒りや憎しみの言葉をぶつけているが、こうした背景によって単なる悪役ではなく、現象による悲劇が全面的に押し出されるようになっており、人間味がかなり増すようになった。桜木や兄の死によってどんどん精神的に追い詰められていき、狂気の中で鳴を殺そうとする姿は、恐ろしさよりも痛々しさを感じさせる。
他メディアとの最大の違いは、合宿で怪我はしたものの無事に生き残ったことである。勅使河原に支えられ、髪も切ったラストの赤沢さんは、憎しみや怒りから解き放たれ、前向きな未来を感じさせる結末を迎えている。
そしてアニメ本編が放送されると、漫画版以上にクローズアップされ、原作からのメインヒロインである見崎鳴と共にダブルヒロイン的存在にまで昇格した。加えて、恒一に密かに思いを寄せるが素直になれないツンデレキャラを確立し、最終話の悲劇的な結末に対し、水島努監督がTwitterで謝罪するという異例の事態を起こすなど、その人気は原作者の綾辻行人はもちろん、アニメスタッフも想像していなかったまでに上昇したのである(原作・漫画版では恒一と敵対関係であったため、アニメ放送以前からAnother本編を知っている読者にとってはかなりの驚きだったらしい)。
こうしたこともあってか、二次創作でも赤沢さんは大変人気である。特にツンデレヒロインとしての側面を特に強調されることが多く、ギャグ方面になると恒一や鳴にいじられることが多い。他にも、アニメ第8話では中学生とは思えぬ巨乳であることが判明し、色気では鳴に勝っている。アニメ本編が悲しい結末だったこともあり、恒一と結ばれたり、鳴と和解するなど、ファンにとってどうしてこうならなかったと言えるような救済ルートの話もよく見られる。アニメ版の人気によっては、他の作品のようにゲームによるif展開も公式で起こりうるかもしれないため、今後の動向にも注目したい。
ところで、こうしたファンのみならず、Anotherの視聴者の多くから、彼女は「赤沢さん」もしくは「アカザーさん」と呼ばれることが多く、名前で呼ばれることは滅多にない(本編もそうなのである意味当然かもしれないが)。ファンだけでなく、なんと原作者の綾辻行人も、漫画版では「(原作と展開が異なる)赤沢さんがどうなっていくのか気になる」と、“さん”付けで呼んでいる。
また、あまりにも報われない悲劇のヒロインとして視聴者の記憶に強く残ったためか、非公式ながらも恋に報われない女性キャラクターの人気投票では、めんまや美樹さやかといった強豪を抑え、堂々の第1位に輝いた(本人にとってはちっとも嬉しくないだろうが)。
余談だが、彼女の声を担当した米澤円は「けいおん!」の平沢憂役で知られているため、役のギャップに驚いた人も多かったという。
掲示板
68ななしのよっしん
2020/10/04(日) 06:49:10 ID: e8DV8YnCkd
69ななしのよっしん
2020/10/12(月) 09:31:09 ID: rR1wcXEueB
アニメでこの子が恒一に惚れたのって従兄亡くして悲しんでる時に共感して優しい言葉かけてくれたのがきっかけなんだろうけど、現象の影響で中途半端になったのがまた不幸だよな
完全に忘れてればそれまでだったのに、記憶の奥底でずっと覚えてて理由がわからないけど気になって気になって好きになって…と
なのに相手は他の女の子しか眼中になく命がけでその子を守ろうとするという
70ななしのよっしん
2020/10/12(月) 21:53:04 ID: 0H//MSuyB7
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最終更新:2021/01/21(木) 08:00
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