超時空シリーズとは、ビックウエストが2年間で計画したテレビアニメシリーズである。
1982年10月~1984年9月まで、「超時空要塞マクロス」、「超時空世紀オーガス」、「超時空騎団サザンクロス」の3作が毎日放送をキー局として放映された。
物語としての繋がりは無いが、「超時空」の名に相応しい壮大なSF設定と、それぞれ三形態を持つ可変メカが活躍するのが特徴(オーガスのみ四形態を持つ)。
中でも「超時空要塞マクロス」は人気を博し、やがてマクロスシリーズとして独立、「マクロス7」や「マクロスF」など様々な作品が作られている。
一方、他の作品はパラレルワールドに近いOVA「オーガス02」のみで、シリーズ展開という程のものはなく、「サザンクロス」に至っては続編すら作られなかった。
玩具は、一作目のマクロスこそ時間帯の悪さ(日曜午後2時)を跳ね返してヒットしたものの、オーガス以降は深刻な売り上げ不振に陥った。その結果、メインスポンサーの一つであったタカトクトイスがオーガス放送終了後に倒産するという悲劇も招いてしまっている。
もっとも、ガンプラブームとそれ以降のリアルロボットアニメの隆盛により、プラモデルに比べて高額なおもちゃが売れにくい時代になっていたのも紛れもない事実である(機動戦士ガンダムのメインスポンサーであったクローバーも、前年に倒産の憂き目にあっている)。
なお、シリーズ全体の製作(プロデュース)会社はビックウエストだが、実際のアニメ制作においてはマクロスとサザンクロスには「タツノコプロ」が、オーガスには「東京ムービー新社」が関わっており、シリーズ内で関連会社が違う。
これは、マクロスは興行的には成功したものの作画面は芳しくなかったためで、オーガスでは会社を替えてそこを大幅に補填したが今度は興行の方で失敗してしまい、制作会社どころかスタッフごと入れ替えて新規一転を図った結果がサザンクロスだからである。
しかし、そうやって失敗や入れ替えを重ねてしまった事でマクロスからのファンはどんどん離れてしまい、またかつて一世を風靡したタツノコプロも斜陽の時代を迎えていた事もあり、尻すぼみのような形でシリーズは終了してしまった。
余談だが、北米にシリーズが輸出される際には関連会社の権利関係の都合でオーガスが外され、代わりにタツノコが関わった三形態ロボットアニメである「機甲創世記モスピーダ」がセットになり、「ロボテック」という一つのアニメに再構成され、人気を博した(三作品の歴史が繋がっている等、ストーリーは全く異なる)。
1986年には続編映画 『ロボテック:ザ・ムービー』 (Robotech: The Movie, a.k.a : Untold Story , 通称:「語られざる物語」 ) も上映された。これは、日本で1985年に発売されたOVA作品『メガゾーン23 第1部』を元に『超時空騎団サザンクロス』から抜粋した幾つかの場面を追加して制作されたものである。
『メガゾーン23』原作では、主人公が1980年代の東京だと信じていた物語の舞台が後に宇宙船の内部であったことが判明する。 しかし『ロボテック:ザ・ムービー』では、宇宙船内部ではなく、1980年代を意図的に再現された未来の東京とされた。 また、日本は「地球統合政府」 ( United Earth Goverment , U.E.G.) の統治下にはなく、2009年以降続発したゼントラーディ人の武装蜂起 ( Malcontent Uprisings ) を鎮圧するという名目で挙兵台頭してきた陸軍閥 「サザンクロス軍」(Army of the Southern Cross, A.S.C.) の極東行政区の一部に編入されてしまっている。
また、原作では主人公の矢作省吾は敗北して渋谷の街中に消えていくというバッドエンド的な終わり方をするが、大団円(ハッピーエンド)であらねばならないとする カール・フランク・メイセック 監督 の意向により結末も変更されている。 しかも、日本のスタジオに新作画が発注されて映像もしっかり差し替えられている。 物語構成がどのように展開されるているかについて、「ニコニコ大百科内部記事 ロボテックとは 概要>差し替えられた結末部分を含めたあらすじ:」に詳しいので参照されたい。
そんなロボテックシリーズのおかげで、日本においては続編の無いサザンクロスの立場が微妙だが、海外においてはオーガスのみ知名度が低いという妙な現象が発生している。なお、マクロスはその後北米でも単体で放映される等、双方で人気である。
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最終更新:2024/04/20(土) 08:00
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