越美北線とは (エツミホクセンとは) [単語記事]

概要

福井県福井市の越前花堂駅と、福井県大野市の九頭竜湖駅を結ぶ路線。地方交通線である。
元々は「越美線」として九頭竜湖駅から先は越美南線（現在の長良川鉄道）・北濃駅に繋がり、そのまま岐阜県の美濃太田駅に抜ける路線として計画されていたが、九頭竜湖駅〜北濃駅間は未開通のまま終わった。一時期、九頭竜湖駅〜越美南線・美濃白鳥駅間にバスが運行されていたが、現在は廃止されている（バス乗り継ぎと徒歩を駆使すれば、冬季以外は移動可能ではあるが）。

国鉄時代の路線起点駅は越前花堂駅ではなく線路の分岐点がある南福井駅（貨物駅）で、福井駅～南福井駅間は重複区間であった（これは越前花堂駅の北陸本線ホームが越美北線よりも後に出来たことも一因）。
国鉄分割民営化に伴い起点駅は越前花堂駅となったが、現在も線路の分岐部分は南福井駅扱いである。

全線が単線非電化で、越前花堂駅からは全列車が福井駅に乗り入れる。福井駅～九頭竜湖駅を一体として「九頭竜線」の愛称が付けられている。
車両は福井地域鉄道部のキハ120形が使用される。
列車は1日に福井駅〜九頭竜湖駅が4.5往復、福井駅〜越前大野駅が4往復の計8.5往復である。
また、列車交換の可能な駅が福井駅を含めても3駅のみとなっている。

2004年の7月、福井県地方は集中豪雨に見舞われて大きな被害を受けた。これは川沿いの住宅が幾棟も流され、5人の死者、行方不明者を出してしまうほどの大規模なものだったが、越美北線についても各所で鉄橋が橋桁ごと流され、また路盤の流出や土砂崩れにも見舞われるなど壊滅的な被害を受けた。そのため一時期は復旧が絶望視され、もともと収益率の低いローカル線と言う事もあってかなりの真実味を持って廃線の噂が流れるなどもした。
しかし地元の請願や関係者の尽力も有って存続が決定。一部区間の復旧を経て、2007年に6月には豪雨から3年の時間を経て全線の再開通に漕ぎ着けることができた。これは、天災によって年単位で不通状態になるほどの大きな被害を受けながら幸いにして廃線を免れることができた、非常に稀有な例となった。

2023年 7月にも大雨で盛土の流出、線路への土砂流入により全線運休するも半月ほどで復旧した（被災規模が違うとはいえ美祢線とはえらい違いやな）

路線存続が議論される割に廃線にならないのは沿線の道路の設備が貧弱で2018年冬には沿線の国道158号が雪崩（平成30年豪雪）のため通行止めとなり、越美北線で臨時列車を3月10日～12日まで運行したこともある。但しその158号線も越美北線より若干遠回りなルートながらバイパスが完成し、並行するルートも曲がりくねった道が続く区間も一部トンネルでぶち抜くようになっているので冬場に交通の足が確保できなくなったわけではない。

2023年にはJRの定期券を持っていると並行する京福バスに福井～越前大野間で通常1040円の所400円で乗れる制度を導入し、列車を増発を行うことなく時間帯ごとに利用できる交通機関を増やすことで乗客増に努めている。

2024年 3月16日の北陸新幹線敦賀開業により北陸本線が第三セクター・ハピラインふくい線になることにより大糸線・城端線・氷見線・七尾線と共に飛び地になり、今後が注目される。北陸新幹線金沢開業以降同じく存続に揺れる大糸線と違い、盲腸線の為先行きは不安視される。

駅一覧

便宜上、越前花堂駅から全列車の乗り入れるハピラインふくい線・福井駅まで記載。全駅福井県内。
全列車が各駅に停車。※の駅では列車交換が可能。

路線名	駅名	乗り換え路線		所在地
ハピライン線	福井駅※ ふくい	JR西日本	北陸新幹線	福井市
		ハピラインふくい	ハピラインふくい線
		えちぜん鉄道	勝山永平寺線・三国芦原線
		福井鉄道	福武線(福井駅前駅)
	越前花堂駅えちぜんはなんどう	ハピラインふくい	ハピラインふくい線
越美北線	越前花堂駅えちぜんはなんどう	ハピラインふくい	ハピラインふくい線
	六条駅ろくじょう
	足羽駅あすわ
	越前東郷駅えちぜんとうごう
	一乗谷駅いちじょうだに
	越前高田駅えちぜんたかだ
	市波駅いちなみ
	小和清水駅こわしょうず
	美山駅※ みやま
	越前薬師駅えちぜんやくし
	越前大宮駅えちぜんおおみや
	計石駅はかりいし
	牛ケ原駅うしがはら			大野市
	北大野駅きたおおの
	越前大野駅※ えちぜんおおの
	越前田野駅えちぜんたの
	越前富田駅えちぜんとみだ
	下唯野駅しもゆいの
	柿ケ島駅かきがしま
	勝原駅かどはら
	越前下山駅えちぜんしもやま
	九頭竜湖駅くずりゅうこ