転生(読みは「てんせい・てんしょう」どちらでも正しい)とは、
生まれ変わり/生まれ変わるともいう。こちらの比喩的な使い方については該当記事参照。
元々は仏教用語だが似たような概念は他の宗教にも存在するためそれらに対しても使用され、キリスト教などの復活(死後生きかえること)や召天(死後に天国、もしかしたら地獄へ送られること)とは区別される。
転生の概念はアフリカから南米までの広い地域の神話や宗教に見られるが全ての宗教に見られるかというとまちまちで、アブラハムの宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)では人生は一回きりとされ明確に否定される。
転生を繰り返すことを輪廻(りんね)と呼び、両方合わせて輪廻転生と呼ぶ。 英語では転生のことをリーインカーネイション(Reincarnation)と呼ぶ。
ケルト人はローマ人と違い不滅の霊魂の輪廻転生を信じていた。後述するインドのそれとは違い死後動植物や人へランダムに転生するという素朴なもので、アニミズム的なものだった。
ガリア戦争で彼らと戦ったカエサルは『ガリア戦記』に「あいつら輪廻転生を信じているから死を恐れずやばい」(意訳)と記している。
バラモン教とその直系のヒンドゥー教では不滅の魂(アートマン、我)が何度も転生を繰り返すとされる。転生を繰り返すことを車輪の回転に例えて輪廻(サンサーラ)と呼ぶ。来世で何に転生するかは現世での行い(カルマ、業)によって決定される(自業自得、因果応報)。
転生は苦しみなのでそれから抜けること(モークシャ、解脱)を目指す。どうやって解脱するのかというと宇宙そのもの(ブラフマン、梵)と自分の魂を一体化させる(梵我一如 )。
インドにおけるカースト制ではどの身分に生まれてくるかは前世のカルマによって決まるとされ、インドがいまだに身分制の弊害から抜け出せない原因となっている。
バラモン教から派生した仏教では上述の不滅不変の魂(我)を常一主宰と呼んだ上で否定する(無我)。詳しいことはお近くのお寺の坊さんにでも聞くのが一番だが、あえてかいつまんで説明すると意識というものは感覚や思考の複合体(五蘊)で周囲の環境に左右されるうつろいゆくものであり、いわゆる「本当の自分」などないので前世の記憶を思い出すこと(宿命通)があっても前世の自分の人格と現世の自分の人格は別物だと言う。もっとも前世の自分の業は引き継ぐのでがんばって煩悩(生きていく上で生まれる煩わしい考え)を無くして功徳(善行、良いカルマ)を積む必要がある。煩悩を完全に無くすと涅槃に至ると言う。
後になって死後に現世ではなく極楽浄土へ転生すること(往生)を目指す浄土教が生まれた。 なお現代の創作物における転生描写(転生したら○○だった)は仏教では常見もしくは常住論と呼ばれ否定される。
インドとは別に独自の転生思想が発達した(オルフェウス教・ピタゴラス教など)。こちらも転生からの解脱を目指した。 ピタゴラスは前世の記憶があったという。 プラトンは人間の共通認識を「前世で同じものを見聞きしたことを覚えているから」で説明するイデア論を唱えた。
ユダヤ教やキリスト教やイスラム教では死んだら最後の審判の後に天国か地獄に行くのだが、発祥地の中東が転生思想の本場たるギリシャやインドに挟まれていたためカバラ教を筆頭に輪廻転生を信じる宗派が多数生まれた。
無論多くは異端として弾圧されヤズディ教やドルーズ派などが僻地にひっそりと生き残っているだけだがシリアでは何の因果かアサド大統領の所属宗派が輪廻転生を信じるアラウィー派だったため政権を握っている。
元々日本では死んだら死者の国(黄泉の国、根の国)に行くという死生観だった。そこへ仏教が伝わると例の如くごちゃまぜになり、転生したはずの魂がお盆になると家族の元に帰って来てまた戻るというよくわからないことになった。クリスマスを祝った後神社に初詣する国だからね、しょうがないね。
平安時代には上記の仏教の項でも述べた浄土教という、死後に極楽浄土に生まれ変わることを願う信仰が伝わり、広がった。苦しみに満ちた現世から、悩み苦しみのない極楽浄土に往生したいという考えであり、六道輪廻から離れて極楽浄土に往生すれば、それ以上の転生はなくなる。この辺りは他力本願を根幹とする大乗仏教の教えがある。解脱を目標として厳しい修行をする僧などならともかく、日々の生活に追われる庶民にとってはこちらの教えの方が分かりやすく受け入れやすいのは言うまでもない。
江戸時代になると、人形浄瑠璃などでこの世では結ばれない恋人同士が「来世で幸せになろう」と心中するというストーリーの心中ものが流行る。ここでいう来世とは上記の浄土教の極楽浄土であり、『曽根崎心中』では恋人たちが心中した後に「未来成仏うたがひなき恋の手本となりにけり」と締めている。
近代になると英語の「heaven」の訳として作られた「天国」という言葉が極楽浄土の代わりに使われることが増えた。「死んだアイツは天国へ行ったんだよ」などとも言及されるが、キリスト教の影響を受けつつも、大元は浄土教の考えが生き続けているとも考えられる。
近年では仏教の影響が薄まってきたのか、「一度きりの人生なのだから破滅しない程度に挑戦したい」など、転生を否定したりする、現世を最優先する表現や言い方をする人も増えてきた。(もっとも、仮に転生しても人格が引き継がれないなら実質人生は一度きりではないかとか、もう解脱するんで転生はしません、と思っているとか仏教と矛盾しないと解釈することもできるが)
また、転生や来世の存在も、本来の仏教では解脱することが目的であり、生きることは一切皆苦なので輪廻転生することはよろしくないことであると基本考えられているのだが、下記の近現代の転生間の影響を受けてか、「生まれ変わったらまた会えるかもしれないね」「今世では縁がなかったけどそれは来世で」などむしろポジティブなニュアンスで語られることもある。
進歩史観や進化論が登場しその考えが広まると「人間の霊魂は不滅で転生を繰り返しながらより高次の存在へ進化する」という神秘思想が登場した(ヘレナ・P・ブラヴァツキーによる神智学など)。
これらの思想はインドの転生思想とは違い転生を霊的進化と捉えてポジティブなものとした。またアトランティス伝説やアーリアン学説も取り込まれた。 このような転生観は現代のニューエイジ思想や新興宗教、スピリチュアリズムやサブカルチャーにおける転生のそれに繋がっており、前世療法(前世の記憶を思い出して心の傷を癒すというもの)なども生まれた。
1970年代にGLAなどの宗教団体によって欧米流の転生思想(霊的進化)が伝わるとサブカルチャーの分野にも波及した。『幻魔大戦』や『ムーの白鯨』、『美少女セーラームーン』などが代表的だが一方で1980年代には雑誌ムーの読者投稿欄宛に「前世の仲間探してます」という内容の手紙が大量に送られたという。『ぼくの地球を守って』ではそれらの前世ブームが逆にネタにされている。 その後前世ブームは終焉するが2010年代からはネット小説の分野で異世界転生もの(死後現世から異世界に魂が移動して転生する)がブームになっている。
ここでは地球やそこからつながる死後の世界などをメインにして展開する転生物の作品を挙げる。
ここでは上記作品以外で、作品のメインテーマとして転生は扱わないが、転生して前世の記憶や因縁を持つなどのキャラクターを挙げ、簡単な解説を載せる。
ネトゲなどのアカウントを変えたり、コテハンが使っているコテハンを捨てて新たなコテハンを始めたり、Vtuberが今のガワや名前を捨てて、新しいガワや名前で活動を再開すること。
基本的には転生前のしがらみから逃れられるが、転生前と同じ行動をしていたりすると、すぐに同一人物だと見破られトラブルのもとともなる。
Vtuberの場合は、個人勢Vtuberから企業所属のVtuberになったり、あるいは逆に企業所属から個人勢Vtuberになったりするときなどに、名前とキャラクターを変えて転生する。
個人勢→企業の場合では企業のコンセプトに合わせる必要があるからで、企業→個人勢あるいは企業→企業の場合ではガワの権利を事務所が持っているため以前のキャラクターをそのまま使えないためである。
ガワの権利を買い取るなどして企業所属時のキャラクターのまま転生せずに個人勢に移行したVtuberもいるが、これは少数派となる。逆に、個人勢時代のキャラクターのまま転生せずに企業所属となったVtuberはそこそこいる。
掲示板
17 ななしのよっしん
2024/10/07(月) 21:11:59 ID: FxUfYZ6cBG
>>16
髪とか爪を生きてる間に庭にでも埋めておくんだ。海に流してもいい
そうすれば無機物を経ずに昆虫や微生物の一部になれて転生できる
18 ななしのよっしん
2024/11/14(木) 12:23:16 ID: eHyN6SZR9G
推しのアイドルの子供などとその気になっていたお前の姿はお笑いだったぜ
19 ななしのよっしん
2025/04/02(水) 17:59:41 ID: oERJSEa3Cv
>炎上しても転生して活動を簡単に再開できる様は「不祥事を起こしてもノーダメだからVtuberはずるい」などと批判の対象になることがある。
本当の大炎上を引き起こした人たちは転生してもその過去から逃れられないので、ノーダメではないな
付け加えられたこの項全体にも言えることだが、なんかvtuberへの攻撃目的に見える
派生した使い方に言及するのは構わないが、もとはまっとうな解説目的で作られた記事なので、そういうのは控えてほしい
提供: サダ@名前変えないで3年耐える
提供: 核砂糖入り紅茶
提供: ムラヤマ
提供: Pyun Pyun
提供: りぃさん
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最終更新:2025/04/14(月) 17:00
最終更新:2025/04/14(月) 16:00
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