連続殺人鬼カエル男 単語

レンゾクサツジンキカエルオトコ

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連続殺人鬼カエルとは、2011年2月18日宝島社文庫から刊行された中山七里推理小説である。

2018年には続編となる『連続殺人鬼カエル男ふたたび』が刊行され、2020年にはU‐NEXTと手を組んだ関西テレビにてドラマも放送された。

概要

2009年の第8回『このミステリーがすごい!』大賞にて、受賞した同作者の『さよならドビュッシー』とともに最終選考に残った作品。応募時のタイトルは『災厄の季節』。新人賞で同じ作者の作品がふたつ同時に最終選考に残るのは極めて異例で、『このミス』大賞では現在に至るまで一の例である。

最終選考ではより一般ウケする内容の音楽青春ミステリーである『さよならドビュッシー』に受賞を譲ったものの、

「よくあるサイコサスペンスをそつなく書いただけ——と思ったらラストは怒濤のどんでん返し攻勢。おお、ライバルマイケルスレイドかよ!」(大森望)

二転三転するどんでん返しといい、残虐な事件の裏に隠された深遠なテーマ性といい、リーダビリティに富んだストーリー展開といい、海外サイコスリラーにして戦えるクオリティを誇っている」(木則雄)

第8回『このミス』大賞 最終審査講評exitより

などこちらも高い評価を集め、2011年に『連続殺人鬼カエル男』に改題の上で刊行された。

猟奇的な殺人を繰り返す通称“カエル男”と警察組織との攻防を描くサイコスリラーと、刑法39条の是非を問う社会ミステリーの面を併せ持つ異色の作品

ところどころに実際に起きた事件のオマージュや、著者の見識が深いクラシックの知識が披露される。

なお、本作で初登場した古手刑事渡瀬警部のコンビは、以降も本作の続編のみならず、御子柴シリーズ刑事犬養隼人シリーズ、ヒポクラテスの誓いシリーズなど、数々の中山七里作品に登場するレギュラーキャラクターとなっている。

あらすじ

、口にフックをかけられマンションからるされた全裸女性死体が発見された。

ウジ虫が蠢くその死体のそばには

きょう、かえるをつかまえたよ。

はこのなかにいれていろいろあそんだけど、だんだんあきてきた。

おもいついた。みのむしかっこうにしてみよう。

くちからはりをつけてたかいたかいところにつるしてみよう。

というまるで子供が書いたような幼稚な犯行文が残されていた。

警察が足踏みするなか、カエル男と呼ばれるシリアルキラーはその後も猟奇殺人を重ね、はおろかマスコミすら不安がらせネット中をも震撼させていく。

その秩序に思える殺人にはとある法則があった。

幼児は飽きるか叱られるかしないかぎり気に入った遊びをやめようとはしない。

警察カエル男の動機や正体を掴み、この惨劇を止めることができるだろうか。

登場人物

古手和也
埼玉県警捜一課の新人。功名心が強い。右の手のひらを横断する二本の傷跡を左でなぞるというがある。しい音楽趣味だったがとある場面で高したところをさゆりに窘められ彼女に“処方箋”として音楽療法を受けてからはクラシックにのめり込んでいく。

渡瀬
やたら現場に出たがる和也の上で本事件の班長。和也く「傍若人の生きた見本」。ヤクザ顔負けの強面だがかなりの読書でもあり様々な知識を詰め込んでいる。

カエル
子供独特の見立てを人間に施し現場に手紙を残していく、大人には理解できない幼稚性を発揮するシリアルキラー

御前崎宗孝
悪事件が発生するたびにワイドショーからがかかる北大学名誉教授犯罪心理学の権威。刑務所の医官をしていた実践であり決して牙のの住人ではない。警視庁にも信奉者が多く難解な事件がおこると足蹴なく通う者もいるらしい。三年前、精神障碍者による犯罪で一人を失っている。

当真勝雄
四年前、近所に住む幼女監禁し暴行を加えたのち絞殺したカナニ症候群という自閉症の一種を抱える18歳少年。短肥満気味。今現在さゆりピアノによる音楽療法を受けつ歯医者で雑用の仕事に就いている。記憶力が凄い。

有働さゆり
ピアノ教室を開いている丸顔に幸せそうな笑顔が特徴の勝雄の担当保護。35歳旦那はよそで女を作り2年前に出て行った。勝雄だけでなく和也にも音楽療法を施し彼らを癒やす。

有働真人
三年生のクラス替えで仲のいい友達と離れてからイジメの対になっているさゆりの一人息子

尾上善二
埼玉日報社会記者。ちんちくりんな身体でどんな隙間からも侵入しよく走りよく喋る。押しが強くが利くためどこよりもくスクープをモノにする嫌な男。記者クラブでのあだ名は“ネズミ”。カエル男の名付け

次郎
白髪オールバックにした小柄な法医学教室歩くのは遅いが仕事い。渡瀬らに刑法39条との対決覚悟するよう忠告する。

立花志郎
第一事件の発見者となる新聞配達員の高校生ネット死体写真を流出させてしまう。モデルは著者である中山自身。

荒尾礼子
アパートで暮らしていたオシャレ旅行と美味しいものが好きなどこにでもいる26歳のOL


動物っぽい、コンピューターソフト会社勤務の礼子の元人。

宿仙吉
御年72歳になる元中学校校長。退職してからは町内の自治会長をするなど人望が厚く、退職金の多くを寄付するなど生人格者で恨みを買うような者は皆無

衛藤和義
四十代半ばの弁護士。老獪な立ち回りで若くして弁護士会の運営を任されるほどだったが、今現在糖尿病で実質リタイア中。

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