遊佐未森とは (ユサミモリとは) [単語記事]

概要

1964年 2月20日宮城県仙台市出身。常磐木学園高等学校音楽科卒業後に上京。国立(くにたち)音楽大学音楽学部音楽教育学科卒業。遊佐がステージ上で見せる独特のダンス(通称“遊佐ダンス”)は、大学在学時に学んだジャズダンス、パントマイム、音楽教育の手法であるリトミックなどに由来する部分が大きい。

大学在学中からデモ・テープを各方面に送り、ミュージシャンとしての活動を開始。紆余曲折を経て大学卒業2年後の1988年 4月1日、アルバム・シングル『瞳水晶』でデビュー。3ｒｄシングル『地図をください』がカップヌードルのＴＶＣＭに起用されたことをきっかけに、多くのファンを獲得する。初期のファンには2ｎｄ～4ｔｈアルバムの『空耳の丘』『ハルモニオデオン』『ＨＯＰＥ』の三作を『空耳三部作』として特に評価する者が多く、全体的に見てもこの三作に収録されている楽曲は人気が高いと思われる。

近年では大正～昭和初期の楽曲のカバーアルバムの発表や、ＮＨＫ『みんなのうた』への楽曲提供などで、新たなファン層を開拓している。『みんなのうた』でオンエアされた『クロ』(アルバム『休暇小屋』収録)も高い評価を受け、リクエストによるリピート放送が行われ、アナウンサーが放送中に号泣する姿が見られた。
2009年 6月より、『I'm here with you』で『みんなのうた』に2度目の登場。同曲は長編アニメーション『川の光』の主題歌にも起用された。

サウンド＆レコーディング・マガジン 2006年 4月号の300号記念特集にて、日本の音楽シーンにおいてエポック・メイキングとなる“時代を変えた/作った19作品”に、ムーンライダーズ、山下達郎、TM NETWORKなどの作品と並び、3ｒｄアルバム『ハルモニオデオン』が選ばれるなど、その独自の音楽性は高い評価を受けている。だが、それらの評価の反面、一般の知名度は著しく低いと言わざるを得ない。

一部ファンの間では、『初音ミク』などボーカロイドとの楽曲の相性の良さが語られることもある(“初音ミモ”タグなどを参照)。ニコニコ動画内にアップされている関連動画にも力作が多く見られるが、こちらも知名度の低さゆえ、充分に評価をされているとは言い難い状況にある。