都営バスとは (トエイバスとは) [単語記事]

都営バスとは、東京都が経営する公営バスである。通称「都バス」。

概要

東京都交通局自動車部が運営。目黒区を除く東京都区部と青梅市（さらに梅70系統のみ西多摩郡瑞穂町、武蔵村山市、東大和市、小平市）に路線を持ち、輸送人員では神奈川中央交通に次いで2位。

路線バス事業の他、貸切バス事業も行っている。

営業所・路線

12の営業所と7つの支所体制で運行しており、各営業所・支所にアルファベットの記号が振られている。記号は品川営業所から見て時計回りに振られていたが、営業所の統廃合や移転により現在は必ずしも時計回りとはなっていない。

系統番号の意味は以下の通り。

漢字

ターミナルを示す。必ずしも起終点ではない。

品	品川駅	反	五反田駅	黒	目黒駅	渋	渋谷駅	宿	新宿駅
高	高田馬場駅	早	早稲田大学	白	目白駅	池	池袋駅	端	田端駅
里	日暮里駅	上	上野駅	秋	秋葉原駅	茶	御茶ノ水駅	飯	飯田橋駅
東	東京駅	橋	新橋駅	浜	浜松町駅	田	田町駅	井	大井町駅
練	練馬駅	王	王子駅	草	浅草雷門	業	とうきょうスカイツリー駅	両	両国駅
錦	錦糸町駅	亀	亀戸駅	平	平井駅	門	門前仲町駅	木	木場駅
陽	東陽町駅	北	北千住駅	新小	新小岩駅	船	船堀駅	西葛	西葛西駅
葛西	葛西駅	臨海	臨海車庫	豊洲	豊洲駅	市	豊洲市場	梅	青梅駅
都	都市新バス	学	学バス	海	東京国際クルーズターミナル駅	波	中央防波堤	直行急行	一部停留所を通過する優等系統

数字

ターミナルから向かう方面を示す。

00~09	元特殊系統	50~59	板橋方面
10~19	晴海方面	60~69	練馬方面
20~29	江東方面	70~79	中野方面
30~39	葛飾方面	80~89	世田谷方面
40~49	板橋方面	90~99	目黒方面

なお、以下の系統についてはローマ字で系統名を示すナンバリングが振られている。

波01系統（NM01）
海01系統（KM01）
都01系統（T01）
都08系統（T08）

以下は営業所別の路線一覧表。所管系統は基本的に番号順だが、深夜系統は最後に記載している。

なお、系統の枝番（-1や-2、甲や乙、出入や急行など）は基本的に省略しているが、同一番号のうち枝番によって所轄が変わるものは枝番も掲載した。営業所名の背景が青色になっている営業支所ははとバスへ民間委託された場所。

営業所名	記号	所在地	所管系統
品川自動車営業所	A	品川区北品川	市01・黒77・品91・井92・品93・反96・品96・品98・品99・深夜07
渋谷自動車営業所	B	渋谷区東	都01・RH01・学03・学06・都06・田87
渋谷自動車営業所新宿支所	C	新宿区西新宿	高71・宿74・宿75・早81・渋88
小滝橋自動車営業所杉並支所	D	杉並区梅里	渋66・高71・王78・宿91・品97
小滝橋自動車営業所	E	中野区東中野	CH01・学02・都02乙・飯62・橋63・飯64・上69
北自動車営業所練馬支所	F	練馬区豊玉上	学05・白61・池65・練68
千住自動車営業所	H	足立区梅田	草41・草43・端44・北47・里48・王49
有明自動車営業所	J	江東区有明	波01・海01・都04
南千住自動車営業所	K	荒川区南千住	都08・里22・錦40・東42・上46・里48
江東自動車営業所	L	墨田区江東橋	直行02・直行03・都07・急行05・錦18・陽20・亀21・東22・門33
北自動車営業所	N	北区神谷	王40・王41・東43・王45・里48・里48-2・王55・王57・深夜02・深夜11
巣鴨自動車営業所	P	豊島区巣鴨	上01・都02・茶07・里48・茶51・上60・草63・草64
江戸川自動車営業所臨海支所	R	江戸川区臨海町	錦11・木11乙・新小20・門21・葛西22・錦22・臨海22・平23・葛西24・草24・秋26・亀26・西葛26・船28・両28・臨海28-2・臨海28-3・新小29
深川自動車営業所	S	江東区東雲	江東01（しおかぜ）・海01・波01・豊洲01・都05・業10・木11甲・陽12・錦13・東15・東16・門19・深夜13
早稲田自動車営業所	T	新宿区西早稲田	上58・早77・池86
江戸川自動車営業所	V	江戸川区中葛西	FL01・西葛20・葛西21・新小21・新小22・亀23・亀24・錦25・西葛27・錦27・臨海28-1・亀29・深夜03・深夜12
早稲田自動車営業所青梅支所	W	青梅市森下町	梅01・梅70・梅74・梅76・梅77
品川自動車営業所港南支所	Y	港区港南	都03・急行06・橋86・田92・反94・浜95・井96・品97・井98・田99
南千住自動車営業所青戸支所	Z	葛飾区白鳥	AL01・上23・上26・平28・門33・錦37・草39

東京ビッグサイト直行バス

東京ビッグサイトでの大規模なイベント開催時（例：コミケ）などに運行される臨時の急行バス。東京駅から乗り換え無しでビッグサイトへ直行できる系統もあるので、何度も乗り換えをしたくない人にはオススメ。運賃も鉄道利用に比べると安い。ただしバスの輸送力はゆりかもめ・りんかい線に比べると小さいので乗車のために相応の時間待たされる場合もある。

主に深川営業所と品川営業所が担当するが、多数の利用客が見込まれる場合は青梅営業所とはとバスに委託された支所を除く全営業所から車両を駆り出して運行する。

ちなみに、コミケシーズンに運行されるビッグサイト直行バスでは運転手の気の利いたアナウンスがされることがあり、一部で有名だったりする。

車両

日野自動車・いすゞ自動車・三菱ふそうトラック・バス・UDトラックス・スカニアの5メーカーから導入しており、公営企業の性格上、特定メーカーを宣伝することに繋がらないよう、車両外観にエンブレムやロゴを掲示しない。

ハイブリッド車黎明期からハイブリッドバスを入れており、古くは三菱ふそう・エアロスター MBECS、いすゞ・キュービックCHASSE、日デUA系ERIP（以上は畜圧式）、日野・ブルーリボンHIMR（電気式）を導入し、近年ではブルーリボンシティハイブリッド、エルガハイブリッドが導入されている。

この他低公害バスとして、圧縮天然ガスを燃料とするCNG バス、空気中の酸素を用いて化学反応で走る燃料電池バスも導入されている。

車番は営業所記号(英字1字)、ハイフン(-)、導入年次(英字1字)、仕様(数字1桁)、固有番号(数字2桁)と(営業所名)の組合せで表記される。導入年次はI、J、O、Q、Uを除いた21文字で1957年度をA代とし1年ごとに進んで行くのが原則だが入札の都合上1年で2字を使ったり導入がなかった年次は翌年度に使ったりするので必ずしも21年周期ではない。近年(1975年度C代以降)は原則通りに付番されている。仕様は1~7を一般大型車、8を中型車、9を特殊仕様車としている。他営業所へ転属した場合、営業所記号と営業所名が書き換えられる。例えば2005年度(N代)に南千住営業所へ導入された334号車は深川営業所へ転属した際K-N334（南千住）からS-N334（深川）に変わっている。

東京都中古車センター

都営バスでは排気ガス規制の関係で12年程度で車両を入れ替えるため、引退した車両を中古車として売却することがある。特に地方の事業者では都営バスの中古車は良質で、安価に車両代替を行えることから人気が高い。

ただし石原裕次郎の兄が都知事だった頃「排気ガス処理がしっかりしていない車両を地方に押し付けるのはいかがなものか」と発言したことなどを機に一時中古車としての売却が行われなくなり、中古バス市場で価格が暴騰したことがある。2008年から中古車の売却が再開されたが、ディーゼル車には排気ガス排出低減装置を取り付けるようになっている。