醍醐(だいご)とは、乳製品の一種である。元々は梵語で「サルピル・マンダ」といい、「最上の乳製品」を意味するとされる。
乳製品を精製する上で「乳→酪→生酥→熟酥→醍醐」の五段階の味、「五味」があるとされ、その最上の乳製品が醍醐とされた。ちなみに熟酥は梵語で「サルピス」といい、乳酸菌飲料「カルピス」の語源となったことで知られる。
仏教の経典「涅槃経」には、悟りを得ることは「乳」から「酪」が、「酪」から「生酥」が、「生酥」から「熟酥」が、「熟酥」から「醍醐」が熟成精製されるのと同様であり、「涅槃経」は「醍醐」と同様であると言う記述が出てくる。これを五味相生の譬(ごみそうしょうのたとえ)という。
なお、ここから「醍醐味」という言葉が生まれた。
上記のとおりもともと仏教用語であり、日本でも寺院の名前に「醍醐」が付けられることが多かった。また、「醍醐のようにおいしい水が湧き出るところ」「醍醐のようなおいしい乳の産地」などの意で地名も多く生まれた。
転じて日本の苗字ともなる。苗字としては公家の醍醐家が知られる。五摂家一条家の分家に醍醐家があった。江戸時代前期、霊元天皇の詔により一条昭良の次男、冬基が醍醐家を興した。9代忠順は明治維新に貢献し、初代大阪府知事となった。維新後は侯爵となる。
また、安房国の鯨漁師に醍醐氏があった。当主は代々醍醐新兵衛を名乗り、江戸湾にて鯨漁を行っていた。
現在、醍醐姓は関東地方に多く分布しているが、特に千葉県浦安市に集中して分布している。
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最終更新:2025/03/24(月) 15:00
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