銀河任侠伝とは、昭和62年(1987年)7月下旬に稼働開始したジャレコのアーケード用アクションゲームである。
主人公のやっちゃんを操作し、宿敵コブラにさらわれたお嬢さんを救い出すのが本作の目的である。
横スクロール型のアクションゲームで、ステージ数は全5面。1、3、5面は中ボスを倒すとSTGになる。
敵を倒して出現するアイテム("義" "理" "人" "情"の4文字)を取ると武器のドスがパワーアップしていく。画面下部の"E"は体力で、無くなると残機が1つ減る。アイテムとして取ると1つ回復する。まねき猫を取ると体力が全回復。スーパーマムシを取ると体力全回復し、ウェーブ状のショットを20発撃つことができる。
これだけならどこにでもありそうな凡百のアクションゲームに過ぎないのだが、このゲームがそれにとどまらない異形の作品たる所以は、その度を越したパロディの洪水にある。
デモ画面で「恐怖のコブラ軍団」と称した敵キャラクター一覧が表示されるのだが、見るとゴ○ラ、中○主水、寺○貫太郎、車○次郎、大○王など、「え、これってアリなの?」と思わずにいられない、見たことのあるキャラクターのオンパレードである。当然ながらアリなわけ無いのだが、当時ジャレコは、これらのキャラクター達をゲーム内へ一斉投入という無茶を平然とやってのけたのである(ゲームクリア後のエンディングクレジットでNTVやサンライズなどにお詫びとして版権者・企業の名前を出しているが、当然ながら今だったら100%NGモノである)。
その版権無視っぷりはステージ構成全般にまで行き渡っており、木造アパートに入ってみると掃除中の美人の管理人さんに出くわしたり、キ○ンシーが大量投入されたかと思いきや腕をダランとさせた刺さりに行きそうな髪型のボクサーがものすごい勢いで突進。クロスカウンターをお見舞いされる中、ふとステージ背景の屋台を見渡すと、白いヒゲの宇宙戦艦艦長や鼻毛の伸びた植木職人が軒を連ねる異次元空間が広がっている。ちなみにボクサーは倒すと真っ白な灰になる。
全編こんな調子で、他にもこんな世紀末救世主が道を遮っていたり、あんな阪神選手がバットを振り回しながら襲いかかってくる。BGMはもちろんあの曲。ステージクリア時にはどういうわけか必ずアイキャッチが入り、聖闘◯星矢タッチの主人公があおりパースで仁王立ちしていたり、当時のジャレコのコマーシャルの一部が使われていたりとやりたい放題である。
そんなわけで後世の二次創作を先取りしたかのような悪乗りセンスに満ちた闇鍋ゲームの本作だが、現代では商業作品でこんな芸当ができるわけもなく、従ってバーチャルコンソールやゲームアーカイブスの恩恵を受けることも有り得ず、クソゲーともバカゲーとも形容しがたい、空前にして絶後の怪作としてビデオゲーム史の裏面にひっそりと名を残しているのである。
……と思いきや、その後また何かやらかしていたらしい⇒ゲーム天国
本作の一部の音楽が収録されている。
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最終更新:2024/04/19(金) 12:00
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