銀行単語

ギンコウ

5.9千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

銀行とは、お金を預として預かり、また貸付を行う機関の一つである。

この意味から転じて、気前よくお金を貸してくれる人・組織のことや、RPGなどで策に用いられるモンスターや店のことを銀行と呼んだりする。

日本国内の実在する銀行の場合、金融庁が所管している。

概要

銀行ってなんだろう

お金は持っていると確かに便利だが、自分の全財産をポケットや鞄に入れて持ち歩いている人はあまりいないだろう。昔は貨や貨がお金として使われていたが、貨や貨は重いし、そもそも全財産を自分で持ち歩くというのは凄く物騒な行為だ。自宅の庫にお金を入れておいても、泥棒が入ってきたら全部持って行かれてしまう。
そんなわけで、世間には「銀行」という商売が存在する。銀行はお金を預かって、「お金をこれだけ預かっていますよ」という明書(銀行券)を代わりに渡す。お金を引き出したいときには銀行券を銀行に持って行けば、お金を渡してもらえるというシステムだ。

銀行が普及すると、人々は実際のお金貨や貨)の代わりに、銀行券を取引に使うようになった。銀行券があれば銀行でお金を手に入れることができるし、何より貨や貨より軽くて使いやすい。紙幣の誕生である。

日本のお札には「日本銀行券」と印刷されている。これは誤解を恐れずに言えば、「日本銀行があなたのお金を預かっていますよ」という明書なのである。
(実際には日銀は個人の預受け入れはやっていない。)

さてこうして、銀行券が実質的にお金として流通するようになると、銀行はお金をずっと預かり続けている必要がなくなる。ある銀行にお金を預けている人全員が、一斉に預全額下ろしに来るというようなことは現実的にありえない。そこで銀行は、預かっているお金の一部を人に貸すという商売もやるようになった。
お金が必要な人にお金を貸し付けることをと言うが、実は融制度は強を持っているのだ。

ニワンゴ君はニコニコ動画サーバーを増設するためのお金100万円を、ひろゆき銀行から借りることにした。ひろゆき銀行の頭取ひろゆきは、銀行の庫にある1000万円のうち100万円をニワンゴ君に貸し付け、ニワンゴ君はサーバー100万円で増設した。ニワンゴ君にサーバーを売ったサーバー会社は、サーバーの代100万円をニコニコ銀行に預けた。このときの預総額はひろゆき銀行とニコニコ銀行の分を合わせて1100万円になる。
実際に存在するお金1000万円しかないにもかかわらず、貸し付けによって100万円の預が新たに生まれたわけだ。

この不思議な仕組みが成り立っているのは、私たち預者が「銀行に行けば、必ず必要な額の預を下ろすことができる」と、銀行を信用しているからだ。
実際銀行も、預の引き下ろしに対応するお金を常に準備しておいたり(準備預金制度)、持っているお金を増やすための資産運用をしたりして、わたしたちの信用に答えようとしている。利用者の信用に基づいてお金をつくり出すこの仕組みのことを信用創造といって、現代の貨幣経済において銀行が持つ重要な役割の一つになっている。
信用創造というシステムのお陰で、流通するお金の総量が増加し、経済が発展していくのである。

信用創造の新しい通説

銀行がお金を作り出す信用創造についての説明は、以前は上のような説明が多かった。だが最近では教科書などでも、より現実に近い説明がされることが多くなっている。その新しい通説にしたがって信用創造の仕組みを以下に説明する。

まず大事なこととして、銀行はお金を現では貸さない、という点がある。銀行は現でなく、かならず預というかたちでお金を貸すのである。上の例で言えば、ひろゆき銀行はニワンゴ君にお金を貸す際、ニワンゴ君名義の銀行口座に100万円を入する。この100万円は銀行の庫から出してきたものではなく、入する際に新しく生まれたお金である。銀行は口座の額を100万円増やしただけなので、銀行が持っているお金が減ることはない。つまり銀行がお金を貸せば貸すだけ預というお金が増えていくわけである。一方、銀行以外の個人や企業お金を貸すときは、自分の持っているお金を借り手に渡す必要がある。手持ちのお金を減らさずにから作り出したお金を貸すことができる、という点が銀行の信用創造本質であるといえる。

銀行預データを操作しただけで増えたり減ったりするものであるため、現を本当のお金、預数字上の架お金、と考える人もいるが、これもあまり意味のない区別といえる。なぜなら信用創造に見るように、お金はそもそもが預として生まれるからである。いやそうはいっても現日本銀行が発行しているのだから、それこそが本当のお金だろう、という人もいるかもしれない。しかし考えてみて欲しい。現である紙幣は、銀行から預を引き出すことによって々の手に入る。では銀行はどうやって紙幣を手に入れているのか。銀行は、日本銀行に預けている日銀当座預金を引き出すことによって現を入手している。つまりお金はまず預として存在し、預を引き出すと現になると考えることもできるのである。ただし、これはあくまで多数ある考え方の一つである。

信用創造の落とし穴

一方で、信用創造には避けられない落とし穴がある。「預が一斉に引き出されることは現実的にあり得ない」という大前提が崩れる可性があることだ。

お金を貸した相手が借を返せなくなって不良債権が溜まったりして、預者が銀行の信用に疑問を持つと、自分の預を引き出そうと預者が銀行に殺到する(取り付け騒ぎ)。もしこのとき銀行が今庫にあるお金を使い果たし、預を支払えなくなると、銀行の業務は全に止まってしまい、破綻する。
この銀行の破綻が他の銀行にも飛び火しつづけると、大規模な危機に陥ることもある。恐ろしいのは、実際には銀行の経営がうまくいっているにも関わらず、噂やデマでこのような危機が起こりうるということである。

また銀行が調子に乗ってお金の貸し付けが増えすぎると、流通するお金が増えすぎてインフレになる。

このような経済の破綻を防ぐ役を担っているのが、中央銀行日本においては日銀)だといわれる。近年では社会保険の仕組みを用いてさらにもう一段、預の引きおろしを保する形で預保険が組まれることがある(日本においては預金保険機構)。これらはどちらも銀行に対してのセーフティネットとなっている。

預金通帳・キャッシュカード

銀行に口座を開設すると、大抵の場合は預取引を記録し、また取引の明書としても用いる通帳と、ATMで預取引を行うためのキャッシュカードを渡される。

最近ではネット銀行のように、預通帳を発行せず、キャッシュカードオンライン引用コードが書かれたカードのみを発行する銀行もある。

キャッシュカードには預取引を行うだけでなく、それを用いて買い物をすることが出来るクレジットカードデビットカードの機がついているものもある。詳しくは当該項を参照のこと。

屋号の制限

銀行法によって銀行業務を行う以外の法人が屋号に「銀行」をつけることは許されないが、「バンク」は許される。→ソフトバンクいばらき腎バンク日本アイバンク協会等

銀行の種類

さまざまな銀行業が複数存在する。

普通銀行

読んで字のごとく普通」の銀行。預貸し、為替取引をはじめとし、有価券や債券の取引、両替などを行う。

中央銀行

紙幣を発行し、他の銀行(中銀行)に資を貸し出す機関であり、一般的には国家通貨発行機を譲渡する形で法定される。詳細については中央銀行の項を参照。

中央銀行一覧(百科記事のあるもの)

国際決済銀行

Bank for International Settlements、略称BIS
中央銀行とする銀行。
バーゼル融の安定化の為の合意として成立したものがバーゼル合意、いわゆるBIS規制である。
詳細は国際決済銀行を参照。

世界銀行

国連の専門機関
発展途上国に融資を行う国際機関
かつて東海道新幹線の建設の際に日本国鉄が借りた事がある。
分類上は銀行となっているが、IMFと同種の組織と考えたほうがわかりやすい。

国際通貨基金

国連の専門機関
International Monetary Fund、通称IMF
為替相場の安定を図るために設立された国際機関
加盟の経常収支が著しく悪化した場合にを貸し付ける組織。
広義における融組織である。
死神とも呼ばれるが、なぜそう呼ばれるのかは各自、納得のいくまで自身で調べてみることを推奨する。
国際決済銀行が各中央銀行の出資で成立しているのに対して、こちらは要な国家が出資者となっている。
出資率は一位アメリカの17.67、二位が日本の6.56%となっている。
もうすぐ中国が出資重3位になるといわれているがアメリカ日本の追加出資同意が得られていないため2013年2月時点では6位(4.00%)にとどまっている。

信託銀行

信託業務をメインに行う機関。詳細は信託銀行の項を参照。

投資銀行

ゴールドマンサックスなどが該当する。
かつてアメリカでは銀行が銀行法の規定する銀行業務に加え、投資受託や自身での直接投資、企業のアドバイザーまで幅広く行っていた。
1933年6月16日にグラス・スティーガル法(1933年銀行法)が通過し普通銀行とそれ以外の業務の区切りを明確にした。
これにより誕生することになったのが投資銀行である。
日本で言うところの券会社と信託銀行商社をかね合わせたようなものだと解釈するとわかりやすい。
その為、アメリカには純商社に該当する企業が存在しない。
その後、1999年にグラス・スティーガル法が止されたことから、資産の潤沢な普通銀行が投資銀行の株式を取得し参加する流れが増えている。

イスラム銀行

イスラムの教義においては、利子(リバー)を受け取ることを禁止している。
そこでイスラム圏では物販の利(実際には書や記録上だけのもの)や、出資者に賃貸させて使用料を払うという形で銀行業が営まれている。
建前上基本的に利子機関である。

JAバンク

農業従事者を対にとした決済、融資機提供する機関である。
詳細はJAバンクを参照。

農林中央金庫

農林中央金庫法を根拠法とする純民間機関
詳細は農林中央金庫を参照。

信用金庫

非営利組織であり会員(個人または法人)の出資を元に運営されている。
詳細は信用金庫を参照。

信用組合

正式名称は信用協同組合略称信用組合、もしくは信金中小企業協同組合の一つである。
非営利組織であり会員(個人または法人)の出資を元に運営されている点は信用金庫と同様だが、組合員以外の者の預の受入れは預定期総額の20以内であることや、信用金庫より資本の少ない事業者や個人を会員とするなどの違いがある。詳細は信用組合を参照。

関連動画

ニコニコ大百科に記事のある銀行ブランド・およびそのグループ一覧

アルファベット順→あいうえお順。株式会社等の会社種別冠は省略して記載。

銀行に類する機関(信用金庫信用組合・労働庫等)も含まれる。
機関名の直後のカッコ内は本店・総本部所在市区町村
ツリー状になっているものはグループを組んでいる。

日本国内

海外

関連項目

脚注

  1. *関西みらいFGの筆頭りそなHDだが、2割ほどSMBC株式を保有しておりSMBCグループにも事実上属している。
  2. *2019年4月関西アーバン銀行近畿大阪銀行の2ブランド統合には加わらずみなと銀行ブランドは残った。
この記事を編集する

掲示板

おすすめトレンド

急上昇ワード改

最終更新:2024/03/19(火) 18:00

ほめられた記事

最終更新:2024/03/19(火) 18:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP