銃剣 単語

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銃剣とは、の先端に装着して兵戦を行うためのである。
しばしばグーフィーを突き刺すのに用いられる。

また、軍靴(ぐんか)と並んで軍隊と軍国主義徴するアイテムである。

概要

の先端に装着しのように用いることで、近距離での兵戦等に用いる。
また銃剣を装着することを「着」と呼ぶ。

ナイフ(短のものが一般的であるが、刺突に特化したスパイク状(寒冷地の分厚い防寒着を貫通するため)のものも存在し、こちらは「」と呼ばれることもある。歩兵小銃)に装着するものが一般的だが、軽機関銃狙撃銃散弾銃拳銃(ただしこれは趣味の装飾品に近い)に装着されることもある。

直接敵を刺突する以外にも、倒れている敵を突き刺して生死[1]を確認したりなどにも使われる。現代ではナイフタイプのものは取り外してと組み合わせてワイヤーカッター、栓抜きや切りなど多用途に使えるように作られているものが多い。

見たこそサバイバルナイフっぽいが、グリップや鍔はに装着できるよう自体の突起と噛み合う形状で作られており、差し込むとカチッとはまり容易には抜けなくなる。(ボタンによりロックを解除)ナイフ以外の機や全長は銃剣によって異なり、銃剣さえあればどんなにでも自由に付け替えられるわけではない。

また明治から日本では「銃剣道」という形で武術スポーツとしても用いられる。[2]

発祥と発展

初期の先込式マスケット銃)は再装填に時間を要し、兵は装填中の隙を突かれて敵の騎兵歩兵に接近されると脆弱であった。そのため、騎兵の突撃を阻止する長を持った兵が兵に随伴する必要があり、テルシオ兵の隊列の周りを兵が覆う形)などが開発される。

それを覆す発明が17世紀のフランスバインヌ地方の農民反乱で起きる。マジギレした農民がマスケット銃口にナイフの柄を突っ込んでとして使用したのが銃剣の発明とされている。英語で銃剣を「バヨネット(bayonet)」と呼ぶのはこれが由来である。

こうして銃剣が発明されたわけだが、初期の銃剣は柄を口に差し込んで固定する方式であったため、銃剣を使用するとが撃てず、を撃つ時は銃剣が使えない、口が緩いと銃剣が抜ける、キツイと差し込めないという問題があり、普及はしなかった。しかし、フランスヴォーバン将軍がソケット式(口付近に突起を、銃剣の柄を中にしてL時の溝を設け、銃剣を差し込んで回すことで固定する方法)を発明したことで、銃剣を装着したの、としての機としての機を両立させることが可となり、銃剣はヨーロッパ爆発的に普及した。どれぐらい普及したか例をあげると、17世紀中頃のヨーロッパでは歩兵の4割程度がパイク(歩兵用の長い。対騎兵用)を装備していたが、1703年にフランスパイクの装備を全に止し、全ての歩兵が銃剣とを装備するようになっている。[3]

その後はより装填しやすいようの部分とソケット部分を離したり、後装式小銃の登場を受けてに固定する部品と柄が分かれて銃剣単体で使用できるようになるなどの発展に合わせて銃剣も発展し、第一次世界大戦の発生まで銃剣突撃は歩兵の重要な戦術の一つとされるまでになった。

近現代において

20世紀に入り、機関銃の登場によって歩兵部隊火力が向上し、地上戦闘の様相が野戦から塹壕戦へと移ると、元々の敵であった騎兵そのものが衰退したこともあって銃剣の歩兵用装備としての地位も低下した。歩兵の携行火器が自動化され、近距離戦闘でも十分な火力が発揮できるようになるとさらにこの傾向は強まったが、銃剣そのものを止したは一部であり依然として多くの歩兵に銃剣を支給している。[4]

突撃訓練等では最終段階で着し至近距離の敵に対して射撃・刺突を行う。

このような場合、銃剣そのものが有効な武器と考えられているよりかは、むしろ銃剣の持つその独特の心理的効果が評価されているとも考えられる。多くの軍隊が銃剣格闘を訓練に組み込むことで兵士の敢闘精神を養っているほか、銃剣の持つ心理的威圧感は治安維持任務や不正規軍相手の戦闘においても有効だと考えられている。

最終手段として

が弾切れした際においても戦闘力の喪失も避けられ、刺突できることでいちいちで殴打する手間も省ける[5]無音武器といった利点はある。あくまで気休めであるが。

欠点・その他

しかし武器としてみた場合の銃剣は、射程もなく近年機会が増大する建造物内などで行われる近接戦闘CQB)において必ずしも有効であるとは言えず、逆に取り回しを悪化させるとも考えられている。また、近年歩兵ブルパップカービンなど短小化する傾向にあり、着した際にとして効果的に使うことにも困難がある。

例外的に英国軍はイラクアフガンなどにおいてしばしば銃剣突撃を敢行、成功させており、その頻度は既に21世紀に入ってから十に余る数となっている。[6]

身下部に装着する製品が多いため、同様の位置に装着するグレネードランチャーショットガンとは同時装着できない。だだし干渉を避けるため身の横に装着するアタッチメントは販売されている。そこまでして装着したいか?と言われれば別の話であるが。

銃剣とアンダーバレルグレネードランチャーを同時に使用できるようになるバヨネットアダプタ - ミリブロNews (militaryblog.jp)exit

ベトナム戦争など、ばさばさとジャングルの藪を薙ぎ払って進むには銃剣では短く適さないため、大マチェット)などが持ち込まれて利用された。

もちろん、強固なボディーアーマー等を着用している相手に対しては効果が保障できないし、プレートキャリアチェストリグなどを正面から突き刺そうにも弾倉などの装具・金属に引っ掛かる可性もある。

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関連項目

脚注

  1. *撃・撃・爆撃などで運よく死を免れた敵が「死んだふり」(項参照)などで背後から撃ってくるのを防ぐため。
  2. *銃剣道」だが、剣道と同様に本物を使うわけではない。
  3. *こうして歩兵用の全にれたが、騎兵用のは依然として重要な武器とみなされ、兵器としてのれるのはライフル機関銃によって騎兵れた頃の話になる。
  4. *ただし銃剣も従来のとして使えるようにする武器ではなく、に取り付けるのも可な多的のサバイバルナイフといった感じに進化している。
  5. *で殴打する攻撃方法もあるが、ガッシリした固定床をもつでなければ殴った際にへの負担が大きい・破損するといったデメリットもある。
  6. *もちろん彼らの装備するライフルに問題があるというわけではないし、SA80としての性より銃剣を装着するための棒としての価値に重点を置いて設計されているなどと努々考えてはならない。ホームガードパイクでも持たせておけなどと言う輩には天罰が下るであろう。
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