ギャルゲのタイトル一覧から転送されました。

長崎の鐘 単語

20件

ナガサキノカネ

2.6千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

長崎の鐘とは

  1. 永井が執筆した随筆
  2. 1をモチーフにした曲
  3. 1の著者永井人生題に、2を主題歌とした映画
  4. 長崎に存在する鐘

1の概要

 昭和二十年八月九日太陽が、いつものとおりに金羅山から顔を出し、美しい上は、その最後のを迎えたのであった。(「長崎の鐘」の冒頭「その直前」より)

長崎医科大学(現長崎大学医学部)の教授(刊行当時)であった永井の随筆である。放射線医として戦時中の物資不足の状態でX線を扱っていたため1945年6月の時点で既に白血病と診断されていた。8月の被爆により危篤状態に陥るも回復。その後、本著など複数の著作を残した。なお、戦前からのカトリック信仰の持ちであった。

GHQの意向もあり出版には時間がかかったものの、日本軍に対する批判記録との合本という条件で許可が下り、1949年に出版されると大ヒットとなった。

永井氏は1951年白血病で亡くなったため本著を含む同氏の著作はパブリックドメインとなっている。

章立てが存在するためそれに沿って紹介する。

 八月十日の太陽は、いつものようにに金羅山から顔を出したが、そのを迎えたのは美しい上ではなくて、上だった。(「長崎の鐘」中の「原子爆弾の力」より)

放射線医学が専攻であったこともあり、原子力平和利用には肯定的であった。数年後に記憶を辿って書かれたものとはいえ、この辺りの会話は8月10日になされたとは思えないほどの”研究”とでもいうものを感じる部分かもしれない。

ウラニウムと思うけれどね、また新しい人工原子かもしれんとも考えられる。この方面の第一人者、ローマフェルミが米国へ渡っているという話だから」
「とにかく偉大な発明だねえ、この原子爆弾は――」
 かねて原子物理に興味をもち、その一部面の研究に従っていた私たち数名の教室員が、今ここにその原子物理学の学理の結晶たる原子爆の被害者となって空壕の中に倒れておるということ、身をもってその実験台上に乗せられ親しくその状態を観測し得たということ、そして今後の変化を観察し続けるということは、まことに稀有のことでなければならぬ。私たちはやられたという悲嘆、憤慨無念の胸の底から、新たなる真求の能が胎動を始めたのを覚えた。勃然として新鮮なる興味が涼たる原子野に湧き上がる。

(「長崎の鐘」中の「原子爆弾の力」より)

2の概要

サトウハチロー作詞古関裕而作曲を担当し、藤山一郎の歌唱により1949年日本コロムビアから発売された楽曲。

妻が亡くなったこと以外に歌詞に直接的な描写はあまりないものの、荘重な音楽に鎮の想いなどを感じられる同曲はヒットし、1951年の年始に行われた第1回NHK紅白歌合戦では、大トリで披露されている。

2020年連続テレビ小説エール」では古関裕而モデルとした主人公永井モデルの人物にかけられた言葉をもとに悩みながら長崎の鐘を作曲していくエピソードが存在する。(実際の古関は会っていないそうだが)

なお、植本一雄の作詞作曲による同名曲も存在する。

3の概要

松竹1950年製作配給した94分のモノクロ映画監督大庭秀雄。冒頭部などの主題歌に「長崎の鐘」を用いている。

占領下でもあったため被害描写より永井の生涯にスポットライトを当てた作品となっており、1945年8月9日に入るのは映画が70分を過ぎた頃である。ラストシーンは、崩壊した状態の堂で1949年に行われたザビエル年祭[3]再現シーンで締められる。

4の概要

 鐘が鳴る。のお告げの鐘が廃墟となった堂から原子野に鳴りわたる。太郎さんが岩永君ら本尾の青年図して煉瓦の底から掘り出した鐘は、五十メートルの鐘から落ちたのにもかかわらず、ちっとも割れていなかった。(「長崎の鐘」の最終章「原子野の鐘」より)

堂に戦前から存在したフランス製の「アンジェラスの鐘」の一つが奇跡的に損壊せず残っていたことからクリスマスに始めて鳴らされた。この鐘の音を聞きながら平和への祈りをげる部分が随筆「長崎の鐘」の最終部分となっている。

1977年には、それと別に慰霊の意を込めた「長崎の鐘」が平和公園内に設置されている。

関連リンク

関連項目

脚注

  1. *当時は8月9日深夜に始まったとされていた御前会議だが実際は10日0時3分から
  2. *生贄を焼いて神にげる儀式。所謂ホロコーストは強制収容所のユダヤ人焼死させられたという誤解に由来するとも
  3. *映画内ではフランシスコ・ザベリオ表記
この記事を編集する

掲示板

掲示板に書き込みがありません。

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2025/03/31(月) 06:00

ほめられた記事

最終更新:2025/03/31(月) 06:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。