関空・紀州路快速とは (カンクウキシュウジカイソクとは) [単語記事]

関空・紀州路快速（関空快速および紀州路快速）とは、JR西日本が運行している快速列車のひとつである。

概要

大阪環状線～阪和線・関西空港線・紀勢本線（きのくに線）を直通運転する快速列車である。
関空快速は天王寺駅～関西空港駅間を、紀州路快速は天王寺駅～和歌山駅間を結ぶ。ごく一部の紀州路快速に関しては和歌山駅からきのくに線へ直通し、海南駅・湯浅駅・御坊駅まで運転することがある（きのくに線内の列車種別は"普通"）。

関空快速と紀州路快速は日根野駅以北では併結して運行される多層建て列車であることから、旅客案内上では両者をひっくるめて「関空・紀州路快速」と表記されることが多い。

変遷

まず関空快速が1994年の関西空港開港と同時に運行を開始した。当初は大阪環状線に直通する便のほとんどが京橋駅止まりであった。
2両のJR難波駅発着便も存在し、天王寺駅で連結・解放を行っていた（『電車でGO!プロフェッショナル仕様』の連結ゲームの元ネタ）。

また、JR西日本が関西都市圏で運行する快速列車としては珍しく、関空快速◯◯号と号数が振られていた。これはJR難波駅発着便に普通車指定席が存在し、マルスで座席管理を行う際に必要だったためである。しかし、1998年に指定席・号数振りは廃止された。

1999年に紀州路快速が運行を開始。それと同時に日根野駅以北で関空快速との併結運転を実施するようになった。
その後2008年のダイヤ改正でJR難波駅発着便が全廃。また、殆どの列車が京橋行きから天王寺行きに延長されたことで、大阪環状線を一周するようになった。

2011年のダイヤ改正で日中時間帯を中心に熊取駅以南各駅停車化され（事実上「B快速」への格下げ）、現在では大半の列車がB快速相当として運転されている。

2014年には路線記号が導入され、案内表示にて関西空港線に入る関空快速はＳ、紀州路快速はＲ、大阪環状線直通列車はＯを付与して案内されるようになった。なお、関空快速であっても阪和線天王寺駅止まりや日根野駅止まりの列車はＲが付与され、「関空に行かない関空快速」を一目で判断できるようになっている。
因みに、使用列車の種別幕には未使用のＡ紀州路快速が入っている。Aは東海道本線の路線記号であるが、使い所は皆無であろう。

ダイヤが乱れると、稀に阪和線内で折り返し運転をする鳳駅行きの関空・紀州路快速が運転される。

沿革

紫字が関空快速、橙字が紀州路快速の事柄。

1994年
- 関空快速デビュー。
- 大阪環状線直通便は6両編成、JR難波発着便は2両編成を組み、天王寺駅で増解結する。JR難波発着便に指定席あり。
- 223系0番台使用開始。
1996年
- JR難波発着便の2両編成に荷物室が設置される。
1998年
- 関空快速の指定席と荷物室が廃止。
1999年
- 紀州路快速デビュー。
- これに合わせて編成を組み替え、関空快速が5両、紀州路快速が3両の体制になる。
- 天王寺駅での増解結を廃止。
- 三国ヶ丘駅、紀伊駅、六十谷駅に新規停車。
- 223系2500番台使用開始。
2008年
- 関空快速・紀州路快速共に4両編成化。
- JR難波駅発着便が廃止。
- 大阪駅〜京橋駅間が各駅停車になる。
2011年
- 大半の紀州路快速が日根野駅〜和歌山駅間各駅停車になる（実質的にB快速化）。
- 紀州路快速において、単体運用・きのくに線始発の運用ができる。
- 大正駅に新規停車。
- 225系5000番台使用開始。
2012年
- 大半の列車が京橋駅から鶴橋駅を経由して天王寺駅まで延長運転。
- 福島駅に新規停車。
2015年
- 紀州路快速海南行きが運行開始。
2016年
- 225系 5100番台使用開始。
2018年
- 新大阪始発の快速廃止に伴い、紀州路快速湯浅行き、紀州路快速御坊行きが運行開始（御坊行きは2021年に一旦廃止、翌年復活）。