阪急ブレーブス 単語

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ハンキュウブレーブス

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阪急ブレーブスとは、かつて存在したプロ野球の球団。

現在オリックス・バファローズの前身であるオリックス・ブルーウェーブの前身球団にあたる。

この項では「阪急軍」として結成された1936年から、オリエントリース(現 オリックス)に身売りされる1988年までについて記述する。

概要

会社は阪急電鉄1936年から1988年まで存在した。本拠地は西宮球場

梶本隆夫米田哲也、次いで山田久志福本豊など球史に残る大選手を多数擁し、60年代後半から70年代パ・リーグ黄金時代を築き上げた。

1988年オリエントリースに売却され、オリックス・ブレーブスとなる。それ以降の歴史オリックス・ブルーウェーブオリックス・バファローズの項を参照。

チームカラーえんじ色マスコットは「ブレービー」。リーグ優勝10回、日本一3回。

強いのにとにかく人気がないことで知られるチームでもあったが、チーム全盛期である70年代が「黒い霧事件」の後遺症でパ・リーグ暗黒時代だったこととも縁ではなかろう。80年代に入りパ・リーグ人気は復するが、この立役者黄金時代を築く西武ライオンズであったのも、阪急マイナー化を加速させる一因となっていた。

2011年5月7日オリックス・バファローズ千葉ロッテマリーンズ戦で「LEGEND of Bs黄金70'S~」と銘打って阪急ユニフォームを23年ぶりに復刻した。

2015年オフに現役最後の阪急戦士である中嶋聡引退し、現役選手で阪急在籍歴のある選手はいなくなった。

歴史

阪急日本初のプロ野球球団である日本運動協会を引き継ぎ、日本で3番プロ野球球団となる宝塚運動協会を経営していた(1294~29年)。しかし、対戦相手不在などによる経営難で解散に追い込まれている。

1934年12月読売ジャイアンツの前身となる大日本東京野球倶楽部が発足し、翌年大阪タイガースが発足してプロ野球リーグ結成の機運が高まったため、大阪阪急野球協会阪急軍)を設立して日本職業野球連盟に加入した。ちなみに通称に企業名を冠した最初のプロ野球チームである。1937年から本拠地を西宮球場に定め、戦前優勝こそ出来なかったが巨人阪神に次ぐ3位前後に安定して位置するそこそこの強チームだった。

戦後1947年に一だけ「阪急ベアーズ」となるが、すぐに「阪急ブレーブス」に名。セ・パ分裂の際にはパ・リーグに回るが、そのどさくさに選手を大量に引き抜かれ低迷する。この頃から「灰色の球団」と呼ばれるようになった。50年代後半は梶本隆夫米田哲也ロベルト・バルボンなどが入団するが、4位前後をうろうろしていた。

1963年西本幸雄監督に昇格する。2年1964年にいきなり2位に躍進するものの、翌年からは2年連続のBクラスとなる。調整方法などを巡って古参選手(特に投手)との関係が険悪となり、ついに1966年キャンプ初日に監督信任投票を実施する。否決が多数あったとして小林オーナーに辞意を示したが、翻意を促され続投に至った。

このキャンプの最終日に、ドラフト2位ルーキー斎藤喜にを掛け、翌日から西宮球場の室内練習場で2人の〝個人練習〟が始まった。すると、他の若手選手も追随し、打撃ケージが取り合いになった。これが、世に言う『西本場』の始まりである。

2年長池徳士ら若手選手の急成長もあって、1967年についに悲願の初優勝を果たした。3連覇を果たした後、1970年こそ優勝争いから取り残されるものの、1968年黄金ドラフトで獲得した山田久志加藤秀司福本豊が躍進して1970年、71年と2連覇と果たした。しかし、5回出場した日本シリーズでは一度も読売ジャイアンツに勝てず、苦杯をなめ続けることとなった。1973年野村克也兼任監督率いる南海ホークスプレーオフ(この年からパ・リーグは前期後期制)で敗れ、西本は勇退。コーチ上田利治が翌年より監督に昇格することが決まった。

1974年は前期優勝こそ果たすものの、プレーオフロッテオリオンズに敗れ日本シリーズ出場を逃す。翌1975年も前期優勝を果たすが、後期は6位と低迷。しかし、プレーオフ西本幸雄率いる近鉄バファローズを下した。日本シリーズでは広島東洋カープを4勝2分で圧倒し、悲願の初の日本一いた。

1976年優勝を果たし、日本シリーズでは因縁の読売ジャイアンツとの対決が実現する。第7戦にまで至る死闘を乗り越え、巨人を下しての2年連続の日本一を達成した。この第7戦で殊勲打となる逆転2ランを放ったのが森本潔であったが、既に面下でトレードが動いており、喜ぶ森本の姿を見て上田監督をこらえていたという。

1977年は、としてチームを支えた長池の衰えが顕著になったものの、トレードで獲得した稲葉光雄島谷金二が活躍し、前期優勝日本シリーズ出場を果たす。4勝1敗で巨人を倒し、2年連続で日本一いた。

さらに1978年も、優勝を果たす。しかし、ヤクルトスワローズと対戦した日本シリーズでは、第7戦で飛び出した「疑惑の判定」(大杉勝男ホームラン)を巡って1時間19分にも渡る長時間の抗議を繰り広げてしまう。「審判を代えろ」という上田監督の要は当然受け入れられず、先発足立光宏の左膝にはが溜まってもう投げられなくなり、後続が被弾して万事休すとなった。そして、上田監督は敗戦後に辞意を表明した。

上田の後を引き継ぎ、1979年より梶本隆夫監督に昇格する。1979年こそ後期優勝を果たしたものの、1980年は投打共に壊滅して総合5位に低迷する。結局、1981年より前監督上田利治が復帰することとなった。

梶本監督契約をまだ1年残していたこともあり、監督と選手の関係はギクシャクした。それでも、前年不調の今井雄太郎らの復調もあって日本ハムファイターズに2ゲーム差(勝数は同一)の総合2位にまで立て直した。

1982年優勝を狙える位置につけていたが、西武ライオンズとの直接対決に敗れ前期優勝を逃してからは歯車が噛み合わなくなり、後期は5位に沈んだ(総合4位)。上田監督は「体質善をする」として急な新旧交代を図った。山口高志、そして大橋穣引退させ、そしてチームの顔の一人であった加藤までトレードに出した。

低迷する観客動員のテコ入れのために、球団はぐましい努を重ねた。新外国人ブーマー・ウェルズを売り出すために2mの「ブーマーパン」を作ったり、全中学高校を地に回っては、修学旅行コースに「西宮球場野球観戦」を入れてもらった。地元関西小学校にも社会見学の一環として、アストロビジョンや人工芝、選手ロッカートレーニングルームなど、報道にも非開の場所を大公開した。また、4月30日近鉄戦では、試合前のビッグイベントとして、新外国人バンプウィルス福本の〝俊足コンビ〟と競走馬サラブレッド)との60m「〝〟競走」が行われた。

さらに、前年デビューアイドル見優をイメージガールに大抜した。アストロビジョンにはイメージソングYes You Win!』(作詞三浦徳子・作曲小林亜星)を歌う姿が大写しされた。

1983年シーズンでは加藤の交換相手である水谷実雄打点王き、若手の松永浩美弓岡敬二郎レギュラーに定着して活躍した。新外国人選手のブーマー・ウェルズは3割こそ記録したものの期待の長打を発揮出来ず、チーム再編の効果はある程度出て2位にこそなったものの、西武ライオンズには大差で引き離されてしまった。見優が7月に出したシングルが『ライオン』。なるほど、西武が独走するはずや・・・とオチも付いた。

1984年水谷が頭部死球から低迷するというアクシデントはあったものの、今井最多勝最優秀防御率)とブーマー三冠王)が投打でチームを牽引して1978年以来の優勝を果たした。しかし、日本シリーズではかつて圧倒した広島に4勝3敗で敗れた。そして、これが阪急ブレーブスとしての最後の優勝となってしまった。

1985年佐藤義則が21勝をあげて最多勝くものの投手が壊滅し、4位に転落した。1986年抑え投手として新外国人選手のアニマル・レスリーを獲得する。星野伸之の急成長はあったが、投手の駒不足は全には解消されず、3位に終わった。1987年2位にこそなったものの、山田の衰えが顕著となり、アニマル乱調もあって西武ライオンズには大差で引き離された。

1988年10月19日川崎球場近鉄バファローズロッテオリオンズの球史に残るダブルヘッダー、いわゆる「10.19」が行われたその日、阪急オリエントリースへの球団売却を発表。同年ダイエーに身売りした南海ホークスとともに、パ・リーグ黄金時代を築いた関西の2球団が消え去った動の年だった。この年は4位に終わり、シーズン終了後に山田福本ユニフォームを脱いだ。

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