阪急電鉄とは (ハンキュウデンテツとは) [単語記事]

「はんきゅ～、阪急」

阪急電鉄株式会社とは、阪急阪神東宝グループ傘下の鉄道会社である。

概要

1910年3月10日、箕面有馬電気軌道として現在の阪急宝塚本線ならびに阪急箕面線を開業したことに始まる。創立メンバーには阪鶴鉄道（現在の福知山線）の経営陣が多く含まれており、同社の国有化を機に設立に至った。
社名にもあるように当初は有馬温泉まで開通させる計画であったが、地元住民の「宿泊客がいなくなり影響が出る」などの反対などもあって頓挫した。

営業成績は上々であったが、さらなる発展のために都市間輸送に進出することを決め、1918年に阪神急行電鉄と社名を変更。現在も使われている「阪急」という略称はこの時より使われている。
2年後の1920年には阪急神戸本線が開通する（当初は現在の上筒井駅が暫定ターミナル駅として神戸駅を名乗っていた）。

現在の阪急京都本線に当たる路線は、阪急本流（神戸・宝塚線系統）とは異なり、京阪電気鉄道の子会社として発足した新京阪鉄道として開業した（後、京阪電気鉄道に吸収合併）。
1943年10月、大東亜戦争激化に伴う国策（陸上交通事業調整法）により阪神急行電鉄と京阪電気鉄道が合併することになり、京阪神急行電鉄と名称を改めた。
戦後京阪は分離独立するが、新京阪線は阪急に残留することになり、以後阪急京都本線として発展していくことになる。
1968年 4月7日には阪急神戸本線が神戸高速鉄道及び山陽電鉄と、1969年 12月6日には阪急京都本線・阪急千里線が大阪市営地下鉄（現：OsakaMetro）堺筋線と相互直通運転を開始した。

1973年 4月1日には、社名を現在の阪急電鉄株式会社と改めた。2007年に創立100年、2010年には開業から100周年を迎えた。

2006年 10月に阪神電車も阪急傘下に入ったらしい。

電車は創業時の1形から最新鋭の2000系・2300系に至るまで、イベント列車を除くほぼ全ての車両において「阪急マルーン」と呼ばれる小豆色に近い塗装をされており、車内の木目調の化粧板や緑色の座席と合わせて阪急電車ならではの高級感を醸し出している。かつて塗装変更を検討した時期もあったが、株主から怒られマルーン色で続行することになった。その時没になった塗装パターンが阪神武庫川線の車輌に使われていると言う話もある。

阪急最大にして私鉄最大のターミナルである大阪梅田駅は、京都線の1号線ホームから神戸線の9号線まで10面9線の規模を誇る。また阪急ではホームの呼び方に関し「○番線」ではなく「○号線」と呼称する。（神戸三宮駅を除く）

ターミナル駅であることを強調するために、駅自動放送や車内放送では梅田駅を大阪梅田、三宮駅を神戸三宮、河原町駅を京都河原町駅と以前より呼称しており、三宮駅は2013年 12月21日に、梅田駅・河原町駅は2019年 10月1日に正式に駅名変更を行った。

また、女性だけで構成されおり全国的に有名な「宝塚歌劇団」は、阪急電鉄の組織の一部である。そしてその宝塚歌劇団の東京におけるホームグラウンド・東京宝塚劇場の運営会社から分離独立したのが、日本の三大映画会社の一角の東宝である。

最近はとある駅の自動改札機が反乱を起こしたり、深夜には電車を使ったバトルが繰り広げられているらしい…。

今後なにわ筋線絡みでうめきた大阪駅～十三～新大阪の路線を建設することが決定しており、関西空港まで泉南地域をマルーンカラーの電車が駆け抜けることになる。

路線一覧

京都線系統

車両一覧

詳しい内容や在籍状況は、太字になっている各形式の記事を参照。

神戸線・宝塚線系統

5000系 - 1968年デビュー。神戸線架線昇圧後にデビューしたため最初から1500V専用として製造された。全車がリニューアルされており、現在は神戸本線・今津北線に在籍。
5100系 - 1971年デビュー。３線共通規格車両として製造されたが現在は宝塚本線での活躍が多め。一部は能勢電鉄へ移籍した。
6000系 - 1976年デビュー。先に登場した2200系の前面を受け継ぎ、以降の阪急車の基本となる。主に宝塚本線で活躍。中には元2200系の車両や、能勢電鉄所属の編成も存在する。
7000系 - 1980年デビュー。現在の阪急で最も製造数が多い。主に神戸本線で活躍。リニューアル改造の種類が非常に多く、バラエティ豊かな形式。VVVF化改造された編成も居る。10連運用の減少に伴い、増結車の一部は6000系の中間車を挟んでVVVF化された後に能勢電鉄へ移籍した。
8000系 - 1988年デビュー。表示幕を窓内に収めた「額縁」顔が特徴。能勢電鉄との直通列車「特急日生エクスプレス」の主力形式。
8200系 - 1995年デビュー。朝ラッシュ時の増結用車両。関西で初めて自動収納式座席を採用した斬新な車両であったが、現在は通常の座席に交換されている。扉間の窓の枚数の違いや3色LED等の特殊装備から今後が注目される。
9000系 - 2006年デビュー。日立製作所で製造。東芝製IGBT-VVVF、LED式種別行先表示、LCDなどの2000年当時の最新設備を備える。
1000系 - 2013年デビュー。旧型車両の大量置換えのために製造。車内の32インチハーフLCDが特徴。電車でDでは「実用的で楽なヤツ」と称される。
2000系- 2024年夏デビュー予定。2300系のロングシート版

京都線系統

3300系 - 1969年デビュー。大阪市営地下鉄（現：OsakaMetro）堺筋線との直通運転のために製造された。デビュー時は顔の左上に小型簡易表示器を備えていた。
5300系 - 1972年デビュー。5100系の京都線版のため、機器に共通部が見られる。デビュー時は3300系と同じく顔の左上に小型簡易表示器を備えていた。現在は8両編成の全編成と、7両編成の一部編成に大型の表示幕を搭載。
6300系 - 1975年デビュー。かつての京都線の花形特急車両で、2扉クロスシート車。現在は嵐山線で余生を過ごしているほか、2022年までは1編成が観光特急「京とれいん」として運行していた。
7300系 - 1982年デビュー。7000系の京都線版。
8300系 - 1989年デビュー。8000系の京都線版。
9300系 - 2003年デビュー。6300系に代わる新たな京都線の特急用車両で、3扉クロスシート車。3次車以降筐体が9000系と共通になる。
1300系 - 2014年デビュー。1000系の京都線版。
2300系(二代目) - 2024年夏デビュー予定。9300系に代わる新たな京都線の特急用車両で、3扉クロスシート車の他に座席指定サービス「プライベース」を1両組み込む。窓がツリ目気味

過去の車両（記事があるもののみ）

2000系・2021系・2100系 - 1960年～1 9 64年に製造された形式。かつては本線の3000系や5000系の編成に組み込まれていたが、現在は阪急線上からは全車廃車され、能勢電鉄に移籍した残党が活躍している。電車でDでは藤原拓海が乗車する車両となり、複線ドリフトなどを駆使し速い車輌をぶち抜いていく。
2300系 - 1960年デビュー。車両規格が神戸線・宝塚線と同じのため神戸線で走っていた時もあった。実は東海道新幹線の線路を営業運転で走った日本初の車両でもある。電車でD内では人力振り子で新快速とバトルしたことも
2800系 - 1964年デビュー。6300系の前の特急用車両。晩年は3扉化改造をされたうえで普通・準急運用や支線転属などをされたが、元特急用車両であることや無理な3扉化改造の弊害により老朽化が激しく早期に全車廃車になった。
3000系 - 1964年デビュー。2019年にはすべて本線から引退しており、伊丹線で1編成のみその姿が見られた。2020年引退。
5200系 - 1970年デビュー。阪急初の新製冷房車として登場したが、試作車であったが上に更新工事なども実施されずに2000年までに全車が廃車になっている。
2200系 - 1975年デビュー。これ以降の「阪急の顔」を作り上げた形式。阪急初のワンハンドル形式であるなど当時の最新設備を数多く搭載していたが、阪神・淡路大震災により一部が被災廃車となり、その後6000系に編入され形式消滅。
3100系 - 1964年デビュー。3000系の宝塚線向け形式。2018年に最後の中間車1両が廃車され形式消滅。