防火ロイド 単語

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防火ロイドとは、次の意味で使われる言葉である。

  1. 書き込み代行などのネット工作職業とする者の内、VOCALOIDに対してネガティブな印操作を行う者の事。また亞北ネルがその設定上で就いているとされる職業名。
  2. VOCALOID作品のうち、消防活動に関連した題材を持つもの。

この記事ではその両方を説明する。

概要1、ネット工作者としての「防火ロイド」

亞北ネルは、ウェブ上の掲示板においてさまざまな印操作、工作書き込みのアルバイトを請け負っているとされるが、VOCALOID関連のコミュニティにおいては、そのような『クライアントネット炎上被害から守る』ことを的として活動する人物、職業のことを一般に[防火ロイド]と呼ぶ。

一方、そうした工作書き込みは却って炎上を増大化させることも有るため、時には[放火ロイド]と正反対の呼び名で皮られる場合もある。ただし、放火ロイドについては単独で使われることは少なく、また別の意味[1]で使われるケースも見られるため通常は防火ロイドとセットで使われる。

防火ロイドそれ自体は架の存在ではあるが、現実に起こった事件を基に設定されていることもあり非常にリアルな一面を持つ。

発端なった事件

2007年10月14日TBSの番組「アッコにおまかせ」において、発売後間もない「初音ミク」の特集が組まれる事となった。これは既存のテレビにおいては最もい反応だったと言うこともあり、VOCALOIDを支持するファンもが期待を込めてその放送を待ち望んでいた。

しかしいざ番組が始まってみると、本来はDTMユーザー用であるこのソフト
現実社会には興味キモオタ」用の「二次元萌えソフト
として悪意的に紹介する内容で、ファンは悉くショックを受けざるを得なかった。

当然の事ながら、この一方的な放送内容への抗議に、TBSは錯誤の存在を認めながら、しかし謝罪を拒否。結果として「初音ミク」販売元であるクリプトン社は、自社の製品を全に誤解させる形で紹介されたことなどもあってTBSインタビュー要請に応えた事自体を遺憾とする程の騒ぎとなった。

そうした放送のショックから立ち直る間もない2007年10月17日。こんどは較的メジャー検索エンジンにおいて、「初音ミク」を画像検索すると、元ページには画像があるにも関わらずなんの関係もい画像ばかり反映される現摘され始めた。

複数企業運営する大手の検索エンジンが、一斉に事実上の検索拒否に陥いる。この不可解な現は特にGoogleYahoo!JAPANといった較的利用者の多いサイトにおいて強い傾向を示したが、後に「初音ミク画像検閲事件」「初音ミクの消失」などと呼ばれ、ファンの間に様々な憶測を振りまいた。

そして、まるで時期を同じくするかのように、Wikipedia日本語版から「初音ミク」の項削除された。

14日に行われた悪意を感じさせるテレビ放送、17日に始まった事実上の画像検索拒否、更には日を置かずしてのWikipediaからの「初音ミク」項削除。ここに至り、この一連の不可解な動きに対して「初音ミクを貶めようとする何者かが組織的に行っている事なのではないか?」とするものがファンの間に登場し始めた。

始めは2ちゃんねる(ニュース速報+板)などでまことしやかにられる程度だったが、翌18日にはITmediaに取り上げられ、その記事が大手ポータルサイトなどのニュースソースとして使われ始めると、事態は2ちゃんねる外部の人々にも知られるようになり、騒ぎはさらに拡大していった。

そんな中、それら不可解さへの憶測を否定し、騒ぎを沈静化させようとしたり話題を逸らそうとするような書き込みが増え始めた。何故かどれも内容が似通って(テンプレート化されて)いたり、同じ内容の書き込みが数の間に複数書き込まれるなど、その不自然さは掲示板利用者から見て際立つものだった。

テンプレート”として頻繁に用いられた書き込みの中には「もう飽きた」「寝る、お前ら寝ろよ」などがあり、これらを組み合わせた形のものも大量に書き込まれた。そして単純作業的な内容の繰り返しがあまりに頻繁に続いたことから、流石にこれは何らかの組織的な書き込み工作ではないか、と疑われた。

その後さまざまな経緯から、そうした書き込みの多くが実は同一の場所から発信されていると判明。
さらには「工作員」とされる者のIPを得る事に成功するなどした結果、VOCALOIDに対して組織ぐるみでネガティブ・キャンペーンを行う企業実在していたと明らかになった。

「印操作を狙う企業が存在していた」
当初は陳腐な陰謀論と思われていたその現実は、当然ながら多くのVOCALOID好者に驚きをもって迎えられた。しかしこの出来事によって正体を暴かれた工作企業は撤退を余儀なくされ、その結果、掲示板などへの工作書き込み自体はそのほとんどが途絶える事となった。

またGoogle八分(検索拒否)やWikipediaからの全面削除などに見られる異常事態も、後に様々なシコリを残しつつも暫時解消へと向かって行った。

そうした数々の事件の渦中にあった2007年11月1日、この工作書き込みを行ったとされる「工作員」を萌え美少女化した「亞北ネル」なるキャラクターイラスト初期設定が、ニュース速報+板の関連スレッドに投下される。
その名前は、テンプレート書き込みとして頻繁に使用された「飽きた」「もう寝る」から付けられた。

萌え化されたのには、氾濫していた工作と思しき書き込みに対して「それを書き込んでいるのが可愛い女の子ならも立たない」「『キモヲタ共』と煽って話題ずらししているのに『ネルたん(;´Д`)ハァハァ』と相手に喜ばれたのでは、工作員がいたとしても仕事になるまい」という皮を含んでおり、
荒らし工作書き込みを陳腐化させる的によるものだった。

キャラクター化には、クライアントを含めて複数の企業が暗躍したこの「騒動」を風化させない意図も含まれており、そのため初音ミクの消失後の工作書込騒動はしばしば「亞北ネル騒動」とも呼ばれている。
この亞北ネルの誕生に伴い、彼女職業としての[防火ロイド]、防火ロイドを統括する組織である[DEN2社(D2)」も同時に設定された。

仕事内容

防火ロイドとは、上述の事件を元にして設定された()職業である。
その名前VOCALOIDの発音と、VOCALOIDブームを一種の「炎上」と見立て、これを鎮める意味を込めた当て字からなる。

その業務は、クライアントからの依頼によってVOCALOID社会的評価を貶める事である。その為デスクトップパソコン(その大部分は高性とは言い難いと言われる)や携帯電話などを使いって動画掲示板などを監視し、ブームに冷を浴びせるようなネガティブな書き込みを行うとされる。

また、まれに[カキコロイド][放火ロイド]等と呼ばれる事も有るが、これはその工作手法が書き込みをとして居る事、書き込みによって掲示板炎上する事から名付けられた別名である。
ただ[カキコロイド][放火ロイド]とも単独で使われることは少なく、通常は防火ロイドと同時に使用される。

実情

的には日本を代表する広告代理店DEN2」の系列社員ではあるが、その実態は名の有る企業リスクの大きな仕事であるネガティブ・キャンペーンを行うに際し、「泥を被らせるため」用意した下請け企業の、しかも労働環境も不安定なアルバイトに過ぎない。
いわゆる「IT土方」更には「ワーキングプア」などと呼ばれる人々も多いと推定される。

防火ロイドを代表するキャラクター亞北ネルも、都市部の最低賃金を下回る時給700円[2]に過ぎない収入で生計を立てねばならず、種々の社会保障についてもどの程度受けられているか疑問である。
そのため、時に揶揄と憐の両方の意を込め「ワーキングプアのお様」などと呼ばれる事もある。

また頻繁な監視の結果、却ってVOCALOIDファンとなる者も居るようであるが、そうした場合も表面的にはVOCALOIDに敵対的な態度を取らなければならないため、その結果するジャンルを支える人々から自分の書き込みが否定される姿を見続けねばならず、どうしようもない感情を覚えることも有るとされる。

経済において企業価値を図る尺度は複数存在しているが、その最も根本となるものは常に生産である。しかし現代では、アメリカ特許戦略新興国を含めた資獲得競争などの要因のため、「技術」や「物資」の面から生産量を拡大する事は容易ではないとされる。
言わばその皺寄せとして、生産物の「価値(イメージ)」と「生産リスク(人件費)」を企業生き残りのための重点的コントロールとする場合が多い。

その意味において防火ロイドとは、過剰に企業間競争を化させるグロバル社会の結果として、生産手段が逆に人間を疎外する傾向の強かった19世紀さながらの時代へと向かいつつある「現代」を最も徴する職業であるとも言える。

(アンチVOCALOID仕事とする現実工作員は、おそらく既に存在しないと思われる。
しかし、対を代えて現在も同じ事を繰り返している可性に付いてはやぶさかではない。
なぜなら、それを必要とする社会構造が存在する限り、この種の職業くならないからである。)

概要2、消防関連の作品における「防火ロイド」

ジャンルとしてのVOCALOID界においても、現実社会における消防活動の重要さは認識されている。そのためネタ、啓の何れにおいても火事を防ぐことを訴える内容の作品が作られている。

2007年に起きた事件がVOCALOID界にもたらしたインパクトがあまりに巨大だったため、この種の作品に[防火ロイド]タグが付くことは少ない。しかし本来の「防火」の意味を踏襲し、また例えネタであっても社会的に重要な内容を扱っていることは間違いないため、単純にこの名のタグが付けられる事もある。

リアル社会においても、ネット上においても、「炎」はそれぞれが必要と考えた時に限って上げるべきであり、責任に煽られての「火事」なら起きない方が良い。そうした事実をこの「工作」と「消防」、二つの「防火」の共存が示しているとも言える。

防火ロイドの関連動画

概要1の関連作品

※このタグが付いた動画以外にも、一連の騒動が起きた時期に作られたVOCALOID動画には、  当時、事件の渦中に在った人々の生々しいコメントが保存されている例があります。

概要2の関連作品

関連静画

関連商品

関連コミュニティ

関連項目

脚注

  1. *放火ロイド:詳しくは該当記事を参照されて下さい。
  2. *時給700円:現在都市部の最低賃金は700円以上に設定されていることが多く。そのため700円は実際に受け取れる手取り額であって名上の時給はもっと高いのではないか、とも言われている。
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