陸上競技とは、スポーツの1つで自らの力で走り、投げ、跳び、その時間と距離、高さを競う競技である。
ルーツは紀元前の古代オリンピックにまでさかのぼるなど、その歴史は非常に古い。
陸上競技は数多くの種目があるが、大別するとトラック競技とフィールド競技の2つに分かれる。
これに加えて、トラック競技とフィールド競技の両方を行う混成競技がある。
選手は上半身の前後にナンバーカード(ゼッケン)をつけて(高跳び系2種目はどちらか片方だけでOK)試合に臨む。ユニフォームとしてはランニングシャツにランニングパンツが一般的だが、近年はスパッツやブルマーを着る選手が短距離種目を中心に多くなっている。投擲種目ではTシャツの上からランニングシャツを着ることもある。
様々な障害を持つ選手にも門戸を開いており、パラ陸上競技として大会が行われている。
トラック(学校のグラウンドなどを想像してもらうとわかりやすい)を決められた距離だけ走り(周回し)、それにかかった時間を競うというものである。ちなみに、陸上競技では5000m(トラックを使う場合)≠5km(公道を使う場合)なので注意。
なお、本稿の周回数は400mトラックを基準に記載する。マラソンや駅伝など、実際の公道を主に使うレースはロードレースの項目を参照。
世界陸上や陸上のプログラムを見たことがある人で、進出条件がこのように書かれているのを見て初めての人は戸惑うかもしれない。
予選 6-3+6(6組3着+6)
これは、予選は全部で6組あって、各組の上位3着まで(18人)は自動的に次のラウンドへ進出できる。4着以下の選手は、全レース中タイムが早い6人までが次のラウンドへ進出するという意味である。
場内のアナウンスでも「予選は全部で6組ございまして、各組3着までと上位タイム6名が次の○○に進出となります」というように進出条件をアナウンスする。
このとき、タイムで次のラウンドへ進出した人のことを「プラスで進出する」とか「プラスで拾われる」などといい、小文字のqを用いて表記される。逆に順位で進出した人は大文字のQを用いて表される。このQは"Qualified"のことであり、(予選を)通過するとか資格があるといった意味の英語である。
また、長距離などでは単純にタイムの良し悪しで進出者を決めるタイムレース方式も行われている。
パラ陸上競技では脳性麻痺による知的障害の選手も健常者同等の走りを見せる。下肢の切断に対しては専用の義足を用いて競技に参加できる。視覚障害を持つ選手はガイドランナーと並走、車いすでは3輪の競技用車いすに乗って競技に挑む。
100m・200m・400mの3つ。どの種目も、あらかじめ決められたコースの中を走らなくてはならない。また、クラウチング・スタート(On Your Mark→(Get) Set→Go)によってスタートする。100mと200mは追い風2.0mを超える風速の場合、参考記録として扱われるため世界記録とは認められない。
基本的に瞬発力が物を言うのだが、200mではコーナーが入るのでコーナーワークが、400mは全力でトラックを1周するので速さを維持するためのスタミナが必要になってくる。
世界的にはウサイン・ボルトが有名。ベルリン世界陸上で出した100mの世界記録、9秒58は世界中に衝撃を与えた。このボルトは200mでも19秒19の世界記録を叩き出しており、2017年の引退までまさに人類最速の男として君臨した。(上の動画は少し古いがそれでも当時の世界記録である)
日本ではかつての伊東浩司が10秒00を出して以降10秒の壁を破れずにいたが、桐生祥秀がアメリカの大会で9秒87の記録を出し、追い風参考記録とはいえその壁を破るなど、徐々に壁を壊しつつある。また、日本とガーナのハーフであるサニブラウン・アブデル・ハキームが高校生にして100m10秒28、200mで20秒34をマークするなど、末恐ろしい存在も現れ始めてきた。
そして、2017年9月9日―。日本陸上界の歴史が大きく動く。
福井県福井市にある福井運動公園陸上競技場で行われた日本インカレ100m決勝。桐生は5レーンから、ライバルであり、6月の日本選手権で敗れた多田修平は3レーンからスタートする。スタートダッシュこそ多田に差をつけられたが、中盤以降に一気にスピードを上げ、速報タイムで9秒99を叩き出す。誰もが日本人初の9秒台を期待した瞬間、その時はついに訪れる。
ここに、日本人初の9秒台スプリンターが誕生した。ここから、前述のサニブラウンや多田、山縣亮太、それにケンブリッジ飛鳥という多くのスプリンターが日本最速をかけて戦う戦国時代の幕が開けたのだった。
ちなみに、この記録が生まれた福井運動公園陸上競技場は愛称を9.98スタジアムとした。便乗する気満々である。
そんな100mは陸上競技の中では最も有名で、体育の時間に走ったことがある人も多いのではないだろうか。
主なものは800m(2周)・1500m(3周と4分の3)の2つ。ここからはスタンディング・スタート(On Your Mark→Go)で始まり、ラスト1周で鐘が鳴らされる。
800mは1周目の第2コーナーから、1500mは最初からオープンレーンとなり、トラック内ならどこを走ってもよい。そのため位置取りで激しい争いが繰り広げられ、特に800mは陸上の格闘技ともいわれる。近年の高速レース化により、スタミナのみを求めるのではなく、400mを50秒台で回れるだけのスピードも求められるようになってきた。以下は男子800mの世界記録を出したレースだが、そのラップタイムは49秒28-51秒63と、女子の400m選手並みに早い。
日本においては、1928年のアムステルダムオリンピックで人見絹枝が800mで銀メダルを獲得する(その後女子陸上競技のメダリストは1992年バルセロナオリンピックのマラソン銀メダリスト、有森裕子まで待たなければならなかった。奇しくも人見と有森は同じ岡山県岡山市の出身で、日本時間で同じ8月2日にメダルを獲得している)も、高速化の激しい中距離界において、世界と差をつけられ始めている。特に女子においては800mで2分、1500mでは4分を切らないと世界と戦えないとまでいわれる程である。
これらの種目もおそらく徒競走(持久走)という名前で運動会の時などに走ったことがあるのではないだろうか。
主として、5000m(12周半)と10000m(25周)、フルマラソン(42.195km)がある。フルマラソンについては後述する。こちらは持久力が物を言うのだが、レースの戦況をしっかり見極め、それに応じた走りをする戦術眼、序盤や最後のスパートにおけるスピードも近年特に求められるようになった。
ケニアやエチオピアなどといったアフリカ勢が非常に強く、ほぼすべての種目で世界記録を持っている。高校駅伝などでよくみられる外国人選手は、こうした国(特にケニア)からの留学生である場合が多い。
日本ではフルマラソンで活躍する選手が多く、シドニー五輪で日本女子陸上界初の金メダルを獲得した高橋尚子やその4年後のアテネ五輪で金メダルを獲得した野口みずきがよく知られている。
110mハードル(男子)・100mハードル(女子)・400mハードル(男女)・3000m障害(3000mSC、男女)の4つ。
スピード・スタミナはさることながら、ハードルなどの障害を越えるための技術やペース配分が必要になってくる。しかし中にはハードルをなぎ倒しながら走る選手もいる。
ちなみに110mハードルという半端な数字なのは距離の単位がヤードからメートルになった名残から。
3000m障害は、障害に手を掛けたり足で踏み越してもかまわないが、外側を通ったりくぐったりしてはならない。また、障害に足を引っ掛けて転倒したり(ハードルのように倒れない)、水濠を越えるときに滑ったり水でシューズが重くなって体力を消耗したりと、普通の長距離以上に厳しい要素が多い。岩水嘉孝や篠藤淳、塩尻和也のように、箱根駅伝を走るランナーがこの種目を本業としていることもある。
①どちらかの足を必ず地面につける ②前の足が接地する瞬間から地面と垂直になるまで膝を曲げない
という2つのルールに従ってひたすら歩く。(といってもスピードは普通に歩くのに比べれば随分速い)
高校生では5000m、大学・社会人では主に10000mの距離を競うが、オリンピックでは20kmないし50kmという途方もない距離を歩く。
また、レース中は審判から歩き方を逐一チェックされ、ルール通り歩いていないおそれのあるときは注意を受ける。注意は審判からパドルと呼ばれる小さいプラカードのようなものを見せることで行われる。パドルには以下の2種類があり、左の波線が①のルール違反(ロス・オブ・コンタクト)が疑われるときに、右のくの字が②のルール違反(ベント・ニー)が疑われるとき、選手に掲示される。
明らかにルールに沿って歩けていない時は警告を受け、警告を3回(厳密には3人の審判から)受けてしまうと失格となる。警告の状況及び犯した違反の種類は掲示板で選手に知らされる。また、2014年からはピットレーンといって、3回目の違反を犯した選手が距離に応じて一定時間とどまらなければいけないエリアを主催者の判断で追加してよいこととなった。この場合は復帰後警告を受けた時点で即失格となる。
また、審判には主任審判員というものがあり、主任審判員は国内大会の場合、ラストスパート等で判定に加わり、それまでの警告数に関係なく違反していると判断したら失格とすることができる。このため、トップで歩いていた選手がラストスパートで警告を喰らってゴール後に失格となることもままある。
2015年3月、競歩の町として知られる石川県能美市で行われた大会で、地元出身の鈴木雄介が20km競歩で1時間16分32秒の世界新記録を叩きだしたことは記憶に新しい。
また、日本は近年競歩での活躍がめざましく、荒井広宙がリオ五輪で50km競歩銅メダル、翌2017年の世界選手権50km競歩では荒井が銀メダル、小林快が銅メダルを獲得するなど、東京五輪に期待がかかる。
主なものとして4×100mリレーと4×400mリレーの2種類があり、前者は4継、後者はその距離からマイルリレーの愛称で親しまれる。珍しい種目としては、100m-200m-300m-400mと走るスウェーデンリレーもある。多くの場合、陸上競技大会の最終種目として行われるため、とても盛り上がる。
個人の走力はもちろんだが、4人でバトンをつなぐという競技性質上、チームワークやバトンパスの技術も必要になる。北京五輪ではチームワークを武器に、日本男子が4×100mリレーで見事銅メダルに輝いた。その後ジャマイカのドーピング違反で銀メダルに繰り上げとなった。
そして2016年のリオ五輪では、アメリカに競り勝ち銀メダルを獲得するなど、日本のリレーは世界的に見てもレベルが高いことで知られる。
パラ陸上では異なる障害を持つ選手4人(視覚障害、機能障害・切断、知的障害、車いす)が走るユニバーサルリレーがあり、東京2020パラリンピックから種目に加わっている。
主にトラックの内側(フィールド)で行われる競技。投げた距離やジャンプした距離・高さを競う。種目は投擲(とうてき)・跳躍(ちょうやく)の2つに分けられる。
予選を行う場合、あらかじめ決勝進出のために定められた記録を高跳び系以外は3回の試技までに、高跳び系は3回失敗するまでに超えれば(クリアすれば)決勝進出する。決勝は最低でも12人で行うため、記録を突破した人が12人に満たなければ記録の良い人を12人に達するまで決勝へ進出させる。もちろん、決勝進出者が12人以上いればその人数で決勝を行う。
高跳び系以外は決勝で、3回めまでの記録が上位8人までに入っていれば追加であと3回試技ができる。後半の3回で順位が入れ替わることもあるため、フィールド種目は6回目の試技まで目が離せない。
砲丸投・円盤投・やり投・ハンマー投、こん棒投の5種目がある。日本の中学生や障害者向けにはジャベリックという、プラスチックでできたやりのようなものを投げる競技もある。こん棒投げは脳性麻痺や切断などでやりが持てない選手の為の競技。
いずれも各年代によって重さや大きさが定められた道具を投げて、その距離を競うものである。同じ距離を投げた人がいる場合、2番目以降の記録で順位を決める。
ハンマー投の室伏広治は世界的にも有名で、アテネ五輪では金メダルも獲得したことがある。また、2009年にドイツ・ベルリンで開催された世界選手権ではやり投の村上幸史が銅メダルを獲得した。村上はその後2010年の広州アジア大会で金メダルを獲得した。
パラ陸上では投擲台や車いすでの座位種目、知的障害や低身長症の立位種目が行われる。
走幅跳(1回で跳ぶ)・三段跳(ホップ・ステップ・ジャンプで跳ぶ)・走高跳・棒高跳の4種目がある。
走幅跳と三段跳はジャンプした距離を競うのに対し、走高跳と棒高跳はジャンプした高さを競うものである。
走幅跳と三段跳は同距離の場合、投擲競技と同じ要領で順位を決定する。
走高跳と棒高跳の場合、各高さに3回まで挑戦できる。パスも可能だが3回連続で失敗すると次の高さは跳べなくなる。
また、同じ高さを飛んだ人が複数いる場合は以下のように順位を決める。
1. その高さをより少ない回数でクリアした人が上位
2. 1で決まらない場合、その高さより前に行った試技全体で失敗した回数の少ない人が上位
3. 2でも決まらないなら同順位。場合によってはジャンプオフ(順位決定戦)
選手 | 1m40 | 1m45 | 1m50 | 1m55 | 1m60 |
A | ○ | ○ | ○ | ○ | ××× |
B | ○ | ×○ | ○ | ××○ | ××× |
C | ○ | ×○ | ××○ | ×○ | ××× |
D | ×○ | ○ | ×○ | ××○ | ××× |
上の表の場合、Aは1m55を1回目に成功しているので1位、2回目で成功したCは2位となる。また、Bは1m55以前の失敗数が1回、Dは2回なのでBが3位、Dが4位となる。
また、棒高跳だけは私物のポール(棒)を使ってもよいことになっている。
走高跳は視覚障害など、走高跳は下肢切断の障害を持つ選手にも対応している。
トラック競技とフィールド競技の種目で出した記録を点数化し、その合計得点を競う。プログラムでは○種競技と書く。
男子は10種目、女子は7種目を2日間かけてこなす。高校生は男子8種・女子7種、中学生は男女4種の競技を実施する。以下に実施種目を記す。
また、非公式種目では二十種競技、十四種競技と云う鬼畜な種目も存在する。
ちなみに実施種目は以下の通り。
競技名 | 実施種目(左から実施順) | |
1日目 | 2日目 | |
四種競技 (男子) |
110mH・砲丸投 | 走高跳・400m |
四種競技 (女子) |
100mH・走高跳 | 砲丸投・200m |
七種競技 | 100mH・走高跳・砲丸投・200m | 走幅跳・やり投・800m |
八種競技 | 100m・走幅跳・砲丸投・400m | 110mH・やり投・走高跳・1500m |
十種競技 | 100m・走幅跳・砲丸投・走高跳・400m | 110mH・円盤投・棒高跳・やり投・1500m |
十四種競技 | 100mH・走高跳・1500m 400mH・砲丸投・200m |
100m・走幅跳・400m・やり投・800m 200mH・円盤投・3000m |
二十種競技 (男子) |
100m・走幅跳・200mH・砲丸投・5000m 800m・走高跳・400m・ハンマー投・3000mSC |
110mH・円盤投・200m・棒高跳・3000m 400mH・やり投・1500m・三段跳・10000m |
二十種競技 (女子) |
100m・円盤投・200mH・棒高跳・5000m 800m・やり投・400m・三段跳・3000mSC |
100mH・走幅跳・200m・砲丸投・3000m 400mH・走高跳・1500m・ハンマー投・10000m |
陸上競技をしている者でも、混成競技の計算が出来るものは少ないと言える。
以下はその算出方法の一覧である。
内容としては、基本となる公式に表の数字を代入して算出する形となる。
算出公式 | |
トラック種目の算出公式 | Point=A×(Z-記録(秒単位))^X |
跳躍種目の算出公式 | Point=A×(記録(cm単位)-Z)^X |
投擲種目の算出公式 | Point=A×(記録(m単位)-Z)^X |
代入値一覧(A値,Z値,X値) | ||||||
男子 | 種目 | 女子 | ||||
A | Z | X | A | Z | X | |
25.4347 | 18 | 1.81 | 100m | 17.857 | 21 | 1.81 |
5.8425 | 38 | 1.81 | 200m | 4.99087 | 42.5 | 1.81 |
1.53775 | 82 | 1.81 | 400m | 1.34285 | 91.7 | 1.81 |
0.13279 | 235 | 1.85 | 800m | 0.11193 | 254 | 1.88 |
0.03768 | 480 | 1.85 | 1500m | 0.02883 | 535 | 1.88 |
0.0105 | 1005 | 1.85 | 3000m | 0.00683 | 1150 | 1.88 |
0.00419 | 1680 | 1.85 | 5000m | 0.00272 | 1920 | 1.88 |
0.000415 | 4245 | 1.9 | 10000m | 0.000369 | 4920 | 1.88 |
5.74352 | 28.5 | 1.92 | 100mH 110mH |
9.23076 | 26.7 | 1.835 |
3495 | 45.5 | 1.81 | 200mH | 2.975 | 52 | 1.81 |
1.1466 | 92 | 1.81 | 400mH | 0.99674 | 103 | 1.81 |
0.00511 | 1155 | 1.9 | 3000mSC | 0.00408 | 1320 | 1.9 |
0.14354 | 220 | 1.4 | 走幅跳 | 0.188807 | 210 | 1.41 |
0.06533 | 640 | 1.4 | 三段跳 | 0.08559 | 600 | 1.41 |
0.8465 | 75 | 1.42 | 走高跳 | 1.84523 | 75 | 1.348 |
0.2797 | 100 | 1.35 | 棒高跳 | 0.44125 | 100 | 1.35 |
51.39 | 1.5 | 1.05 | 砲丸投 | 56.0211 | 1.5 | 1.05 |
13.0449 | 7 | 1.05 | ハンマー投 | 17.5458 | 6 | 1.05 |
12.91 | 4 | 1.1 | 円盤投 | 12.331 | 3 | 1.1 |
10.14 | 7 | 1.08 | やり投 | 15.9803 | 3.8 | 1.04 |
58.015 | 11.5 | 1.81 | 60m ※室内用 |
46.0849 | 13 | 1.81 |
20.5173 | 15.5 | 1.92 | 60mH ※室内用 |
20.0479 | 17 | 1.835 |
47.8338 | 1.5 | 1.05 | 重錘投 ※室内用 |
52.14 | 1.5 | 1.05 |
文字の通り。公道をコースとした種目。
スタート地点・ゴール地点が競技場内のレースもあれば、いずれも公道のレースがありと、大会毎で異なる。
陸上競技で最も過酷と言っても過言ではない種目で、他の種目とは違いオールシーズンで実施されるのが特徴。日本陸上界では男女ともに多くの名選手を輩出し、世界レベルの大会で日本勢が最も多く入賞している種目でもある。トラック競技と同じく視覚障害の選手はガイドランナーと並走、車いすにも対応している。
フルマラソンは42.195km、ハーフマラソンはその半分の21.0975kmの距離をいかに速く走るかを競う。市民マラソンなどではクォーターマラソン(10.54875km)が主流となっている。
距離が他の種目に比べやたら半端なのは、第4回ロンドンオリンピック開催の際、当時のイギリス王妃がスタート地点とゴール地点を自分が見やすいところに設定するよう無茶な注文をつけた事がきっかけで、現在もその名残でこの半端な距離が採用されている。
ちなみに、第4回ロンドンオリンピックで距離が変更された為、ゴールを勘違いして失格になったゴランドの悲劇と云う悲劇が起きた。
その他詳しいことは個別記事を参照されたい。 →マラソン
長距離を数人で襷を繋いで走破する種目。実は日本が発祥とされており、海外ではロードリレー(Road relay)と表記される一方で、そのまま日本語読みで"EKIDEN"と表記される事もある。
全種目において公式大会で男女混合で試合が行われるケースがある珍しい種目でもあり、日本国内での人気は高い。
新年早々行われるニューイヤー駅伝や箱根駅伝はその代表格である。
他の種目とは異なり、大会によってその距離がまちまちなのが特徴。
箱根駅伝の場合は往路復路合わせて全長217.1kmを10人で走破、一方でニューイヤー駅伝は100.0kmを7人で走破するように設定されている。
高校生の場合は、男子はフルマラソンの距離を7人で、女子はハーフマラソンの距離を5人で走りきるように設定されている。毎年12月に京都府京都市の西京極陸上競技場を発着点として行われる全国高等学校駅伝競走大会は「都大路」と呼ばれており、長距離ランナー憧れの舞台でもある。
この様に、競う距離が違えば走者の人数が異なるなど、明確に決まった距離や走者の人数は決まってはいない。
故に大会毎のチーム編成は多岐にわたり、前述に挙げた通り男女混合のチームで競うものもあれば、年代の枠を取り払って都道府県対抗で競うものと、バラエティに富んでいる。
陸上競技の中ではテレビ放送される機会が多く、現在NHKでは都大路と都道府県対抗駅伝、日本テレビでは箱根駅伝と全日本大学女子駅伝、テレビ朝日は全日本大学駅伝、TBSはニューイヤー駅伝とクイーンズ駅伝(女子の実業団対抗駅伝)、フジテレビは出雲駅伝に富士山女子駅伝と比較的きれいにテレビ放送する局が分かれているのも特徴。
こちらも単独記事を参照されたい。→駅伝
以下は具体的にどの大会でどの様な種目が実施されているかの簡易早見表である。
ただし、各種大会・地方の記録会などによっては一部異なる箇所も存在する為、代表的なものだけ記載する。
また、競歩やマラソン等と云った長い時間を要する種目に付いては、五輪や世界陸上等と云った大規模な大会でもない限りは、主要大会とは別に行われるケースが多い。
表の見方 | |||
空欄 | 一般的な主要大会で 実施されている種目 |
▲ | 正式種目として定めてはいないが 実施される事のある種目 |
五輪・世界陸上での実施種目 (一般男女にのみ適用) |
未 | 一般的には実施されない種目 |
実業団 | 大学生 | 高校生 | 中学生 | ||||||
男子 | 女子 | 男子 | 女子 | 男子 | 女子 | 男子 | 女子 | ||
短 距 離 |
100m | ||||||||
200m | |||||||||
400m | ▲ | ||||||||
中 距 離 |
800m | ||||||||
1500m | |||||||||
長 距 離 |
3000m | 未 | ▲ | ||||||
5000m | ▲ | 未 | |||||||
10000m | ▲ | 未 | |||||||
マラソン | 未 | ||||||||
障 害 |
100mH | 未 | 未 | 未 | 未 | ||||
110mH | 未 | 未 | 未 | 未 | |||||
400mH | 未 | ||||||||
3000mSC | 未 | ||||||||
実業団 | 大学生 | 高校生 | 中学生 | ||||||
男子 | 女子 | 男子 | 女子 | 男子 | 女子 | 男子 | 女子 | ||
競 歩 |
5000mW | 未 | 未 | ||||||
10000mW | 未 | 未 | |||||||
20kmW | ▲ | 未 | |||||||
50kmW | ▲ | 未 | |||||||
リ レ ー |
400mR | ||||||||
1600mR | 未 | ||||||||
スウェーデンリレー | 未 | ||||||||
跳 躍 |
走高跳 | ||||||||
棒高跳 | ▲ | 未 | |||||||
走幅跳 | |||||||||
三段跳 | ▲ | 未 | |||||||
投 擲 |
砲丸投 | ||||||||
円盤投 | |||||||||
やり投 | |||||||||
ハンマー投 | |||||||||
混 成 競 技 |
四種競技 | 未 | |||||||
七種競技 | 未 | 未 | 未 | 未 | |||||
八種競技 | 未 | 未 | |||||||
十種競技 | 未 | ||||||||
駅 伝 |
日本でも知名度が高い国際大会はオリンピックと世界陸上競技選手権大会。どちらも地上波放送に力を入れているだけありそのプロモーション効果は他大会を上回っている。アジア圏内ならアジア競技大会もTV放送が行われるので名前を知っている人も多いのでは。
最近だと2010年からワールドアスレチックスが主宰しているダイヤモンドリーグも注目度を上げている。オリンピックなどに参戦するアスリートたちがリーグ戦で鎬を削るだけあり、その緊張感は先述の大会に引けを取らない。
パラ陸上ではパラリンピック、世界パラ陸上選手権大会、アジアパラ競技大会といった大会が有名。世界パラ陸上は世界陸上の前年に行われる。
背景色(世界タイトル保持者) | |
現在の世界記録保持者 | |
エリアレコードもしくはナショナルレコード保持者 | |
その他記録保持者(年齢別世界記録・ジュニア世界記録など) |
選手名 | 現在 | 国名 | 主な種目 | 備考 |
朝原宣治 | 引退 | 日本 | 100m | 100m元日本記録保持者 |
アサファ・パウエル | 現役 | ジャマイカ | 100m,200m | 100m元世界記録保持者 |
ウサイン・ボルト | 引退 | ジャマイカ | 100m,200m | 100m,200m世界記録保持者 |
カール・ルイス | 引退 | アメリカ合衆国 | 100m,走幅跳 | 100m元世界記録保持者 |
柏原竜二 | 引退 | 日本 | 5000m,10000m | |
ジョン・ドラモンド | 引退 | アメリカ合衆国 | 100m,200m | |
末續慎吾 | 現役 | 日本 | 100m,200m | 200mアジア記録保持者 |
セルゲイ・ブブカ | 引退 | ソビエト連邦 (ウクライナ) |
棒高跳 | 棒高跳世界記録保持者 (記録はソビエト連邦時代のもの) |
タイソン・ゲイ | 現役 | アメリカ合衆国 | 100m,200m | 100mアメリカ記録保持者 |
高野進 | 引退 | 日本 | 400m | 400m日本記録保持者 |
高橋尚子 | 引退 | 日本 | 5000m,マラソン | マラソン前世界記録保持者 |
武井壮 | 引退 | 日本 | 十種競技 | |
為末大 | 引退 | 日本 | 400mH | 400mH日本記録保持者 |
寺田夏生 | 現役 | 日本 | 10000m | |
猫ひろし(瀧﨑邦明) | 現役 | カンボジア | マラソン | |
ヒシャム・エルゲルージ | 引退 | モロッコ | 1500m | 1500m,1マイル走,2000m 世界記録保持者 |
福島千里 | 現役 | 日本 | 100m,200m | 100m,200m日本記録保持者 |
フローレンス・ジョイナー | 引退 | アメリカ合衆国 | 100m,200m | 100m,200m世界記録保持者 |
ベン・ジョンソン | 引退 | カナダ | 100m | 100m元世界記録保持者(剥奪) |
マイク・パウエル | 引退 | アメリカ合衆国 | 走幅跳 | 走幅跳世界記録保持者 |
マイケル・ジョンソン | 引退 | アメリカ合衆国 | 200、400m | 200(元)、400m世界記録保持者 |
マリサ・バロス | 現役 | ポルトガル | マラソン | |
室伏広治 | 引退 | 日本 | ハンマー投 | ハンマー投アジア記録保持者 |
ロマン・シェブルレ | 引退 | チェコ | 十種競技 | 十種競技元世界記録保持者 |
選手名 | 主な種目 | 登場作品 | 備考 |
浅香小萌 | ? | こいとれ | |
喜々津嬉々 | 砲丸投 | めだかボックス | 大会で優勝する実力(ただし大会規模は不明) |
菊坂胡蝶 | 短距離 | 大正野球娘。 | |
日下部みさお | ? | らき☆すた | |
戦場ヶ原ひたぎ | ? | 化物語 | 作中は高校生で、陸上部在籍は中学時代 |
高坂桐乃 | 100m(?) | 俺の妹がこんなに可愛いわけがない | 海外留学組に選抜される実力者 |
高坂まゆき | 走高跳 | D.C.II ~ダ・カーポII~ | 全国大会で準優勝する実力者 |
高原歩美 | ? | 神のみぞ知るセカイ | 原作者曰く「舞高の非誘導陸上ミサイル」 |
西広辰太郎 | ? | おおきく振りかぶって | 作中は高校生で、陸上部在籍は中学時代 |
陽ノ下光 | ? | ときめきメモリアル2 | 全国大会出場圏内の実力者(ルートによる) |
水瀬名雪 | ? | Kanon | 作中の陸上部部長 |
「陸上」「陸上競技」などのタグで検索すると数多くヒットするが、ここではウサイン・ボルトが世界記録をたたき出した世界陸上のレースを挙げる。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2024/12/07(土) 07:00
最終更新:2024/12/07(土) 07:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。