零～眞紅の蝶～

「ずっと、ずっと一緒だから……」

零～眞紅の蝶～ 2012年6月28日コーエーテクモ×任天堂から発売される和風ホラーが題材のアクションアドベンチャーゲーム『零シリーズ』の第2作目、『零～紅い蝶～』のリメイク版である。『零～月蝕の仮面～』で培われた技術をより進化させ、最大限に盛り込み、進め方によりPS2版では採用されなかったオリジナルED、新たなエピソードを追加。既に『零～紅い蝶～』をプレイした方にも新たな恐怖を味わえることができる。また多くの人に楽しんでもらうため、「お化け屋敷モード」で手軽に恐怖を体験することもできる。対応機種はWii。WiiUDL版配信中。 あらすじ 　双子の姉妹、澪と繭は幼い頃の数年間を過ごした故郷にやって来た。そこで聞いたのは二人にとって秘密の場所だった沢が、夏休みが終わるとダムの底に沈んでしまうらしい。 　2人は最期にもう一度見ておこうとその沢へ足を向かわせた。 　ゆっくり時間をかけてたどり着いた沢は、昔と変わらず静かなせせらぎと鳥の鳴き声が届く場所だった。ふたり背を向かい合わせで大きな石の上に座る。大きく息を吸って吐いた。人の喧騒から離れた沢は心を落ち着かせる。ここでよく遊んだことを思い出し姉と話す。だが、この沢では過去に姉の繭が山道から足を滑らせ転落する事故が起きた。妹の後ろを必死に追いかけていたはずの幼い姉の叫び声。滑り落ちる音。ぶつかる鈍い響き。立ち止まって後ろを振り返っても誰もいない山道。姉を呼んでも返事は返ってこない。恐るおそる下を覗くと、彼女は。 　その時の後遺症に繭が現在も悩まされていることに、澪は罪悪感を抱いていた。 "あのとき私がお姉ちゃんを待っていたら、今も一緒に走れたのに……あのとき……" 　回想にまどろむ澪がふと顔を上げると、座っていたはずの繭の姿が消えていた。周囲を見まわすと紅い蝶を追って森の奥に入っていく姉を見つける。息をのんで、追いかける。疑問を持つ前に追いかけなければ、自分の手の届かない場所まで行ってしまいそうな恐怖感が、澪の気持ちを急き立てた。もつれるように走っているせいなのか、足が悪いはずの姉に追いつけない。呼んでも止まる気配を姉は見せない。走っているうちに周りが急激に暗くなり、様子が一変したのが音で視界で肌で感じた。姉はふわふわと飛んでいる紅い蝶のように前を歩いている。その後姿に一瞬白い着物の女性の姿が重なった。「いっちゃだめ！」姉を呼んで、足を叱咤して、追いかけて、そして追いついた。肩に手をかけた瞬間、映像が脳内をかけめぐる。白黒の世界。女の首を絞める、ありもしない記憶。 　意識が戻った。両手に残る生々しい感触。いつのまにか止めていた呼吸をする。「おねえ、ちゃん……？」追いついたはずの姉はいなかった。澪は繭を探して歩みを進める。雲のけぶる月の下。悲しげな歌声。灯のその先。謝罪をする誰か。横切る蝶に導かれて鳥居をくぐると鬱蒼とした森から抜け出していた。 「……お姉ちゃん？」 　やっと見つけた姉に声を掛けるとゆるやかに繭が振り返る。彼女の背後から紅い蝶たちが一斉に舞い立つ。 「地図から……消えた村」 　眼前に広がる廃村は地図から消えた村『皆神村(みなかみむら)』だった。澪と繭は誘われるように村へ入っていく。 登場人物 天倉澪（あまくら みお） 声：神田朱未 本編の主人公。１７歳(※紅い蝶の時より2歳上がっている)。繭の双子の妹で、活発な少女。繭を通して稀に不思議な光景を見ることがあるが、霊感の強さは繭ほどではない。幼少の頃、姉との追いかけっこの最中に足の遅い姉を置いて行ったことにより、繭が怪我をした事件のことを自分の責任だと今でも悔いている。3作目の『零～刺青の聲～』にも出演している。 天倉繭（あまくら まゆ） 声：川澄綾子 澪の双子の姉。１７歳(※紅い蝶の時より2歳上がっている)。澪とは対照的に大人しく、引っ込み思案な性格の少女で、常に困ったような顔をしている。霊感は強いが耐性が無いに等しいため、色々な霊に憑かれやすい。幼少期に起きた事件で足を怪我し、現在もその後遺症で過度な走行が困難である。 立花樹月（たちばな いつき） 声：保志総一朗 皆神村の土蔵に幽閉されている少年。15歳。睦月(むつき)という双子の弟がいたが、双子の儀式において失敗して亡くなる。その時のショックで白髪になるが、後々の姉妹たちを儀式から逃れさせようと画策する。天倉姉妹が村に迷い込んだ際も助言をする等、唯一の味方である。 立花千歳（たちばな ちとせ） 声：米本千珠 樹月と睦月の妹。生まれつき弱視のため、彼女がどこに居ても分かるようにと樹月が渡した腕についている鈴が特徴的。また、臆病な性格ゆえに押入れに籠って泣いていることが多い。根っからのお兄ちゃんっ子で、終始、上の兄弟のことを探し回っている。 真壁清次郎（まかべ せいじろう） 声：筈見純 様々な伝承を調べ歩いている民俗学者。麻生邦彦博士とは友人でありえないものを写すカメラ、「射影機」を借りていた。弟子の宗方良蔵から皆神村の風習を聞いて興味を抱き、彼とともに皆神村に立ち入る。その後は客人(まれびと)として歓迎され、皆神村の風習を研究するが、ある儀式において生贄にされる。 トリビア ※紅い蝶の共通ネタバレを含む記述があるため、注意をしてください。 澪と繭が皆神村に迷いこんだ年は、1988年である。 3作目『零～刺青の聲～』に出てくる天倉螢(あまくら けい)は、澪と繭の母親である静の弟(叔父にあたる)。 澪と繭の父親の操(みさお)は、麻生博士の血縁者である(天倉家に婿入りしている)。 宗方(むなかた)と八重は、1作目と3作目に出てくる雛咲深紅(ひなさき みく)の曾祖父と曾祖母に当たる人物である(二人の死後、娘の美琴が雛咲家に引き取られた為、苗字が変わっている) 繭が幼いころ崖から落ちたのは、澪と離れる未来に悲観したため自分から飛び降りたものである。それは澪に対するあてつけではなく、衝動的なものであった。 ※『くれなゐの社』より眞紅の蝶は公式による二次創作。 関連動画 PV ネタバレコメント注意↓ 　　 実況プレイ動画 関連コミュニティ 関連項目 零シリーズ 零～紅い蝶～ ホラーゲーム テクモ 任天堂 天野月子 天野月 くれなゐ 関連リンク 零～眞紅の蝶～公式サイト