雷鳳とは (ライオウとは) [単語記事]

雷鳳（らいおう）とは、「スーパーロボット大戦」シリーズで登場する機体である。

当稿では雷鳳以外にも、雷鳳の前身にあたる機体・ジンライについても記述する。

雷凰

カオル・トオミネ博士がダイナミック・ゼネラル・ガーディアンを参考に開発した機動兵器。
初出は「第3次スーパーロボット大戦α　終焉の銀河へ」トウマ編。
型式番号はDGG-XA M3。本来はダイナミック・ゼネラル・ガーディアン 3号機となる筈だった機体であるが、トオミネ博士の意向によりDGGの認可は受けていない。

本機は画期的なマン・マシン・インターフェースである「Lead Innovation Organ ic Harmony」通称「システム LIOH(ライオー)」を搭載しているのが最大の特徴。
このシステムはパイロットの特性を学習して潜在能力を引き出し、その人間に合ったモーションパターンを構築するというもので、戦闘用OSであると同時にパイロット養成システムでもある。

しかし、パイロットの安全性をまるで考慮していないだけでなく、パイロットを使い捨てにしてしまう側面があり、システムの養成を受け続けたパイロットは狂戦士化して、最終的には死に至る。トオミネ博士により生み出された狂気のシステムともいえる存在だが、娘のミナキ・トオミネはその側面を知らなかった。
ちなみに、DGGの認可を受けなかった理由はこのシステム LIOHが認められなかった為である。
第2次OGの設定では他のダイナミック・ゼネラル・ガーディアンを破壊するため暴走するようにプログラムされていた。

後にシステム LIOHを封印した上でダイレクト・モーション・リンク（DML）システムを搭載した事で、パイロットの動作をフルに伝達する事が可能になり、それを活用した必殺技も存在している。

本作では、偶然で搭乗したトウマ・カノウがメインパイロットになっている。また、一時的ではあるがミナキもこの機体に搭乗した事がある。
トウマの能力を学習したシステム LIOHにより攻撃手段が決定された為、格闘戦主体となっており、トウマが得意としている蹴撃に特化された技が多い。また、各部に搭載されているプラズマコンバーターを展開させる事で電撃を制御する事が可能となっている。

量産を前提とした機体である為、トウマの能力を生かしきれていない部分があり、後にトウマの能力に合わせて機体そのものに徹底したカスタマイズを施した「大雷鳳」へと生まれ変わる事になる。

第2次OGでは第3次αとは異なり、後述する元々のDGG 3号機たる存在「ジンライ」を鋼龍戦隊が戦闘の末に鹵獲、そこに父・カオルの元を離れ鋼龍戦隊へと身を寄せたミナキの手によってシステムZLAIが取り除かれたのち更なる改修が加わり、有人機・雷鳳へと生まれ変わる経緯を辿っている。
この際、システム LIOHは撤去されたため、トウマはDML システムを完全にものにするべくアクセル達と修行を重ね、やがては雷鳳を使いこなしてみせた。

ゲームでの性能

第3次α上では、射程の長い武器こそ無いものの、それ以外の性能バランスは主人公機だけあって比較的高い水準で纏まっている。しかしバリアや特殊装甲の様な防御系機能、「分身」の様な回避系機能を持たないので、適当なところで修理をする必要もある。

序盤はトウマ自身の能力が格闘値を除いて並程度な事に加え、敵小隊の全員に攻撃できる「全体攻撃」の属性を持つ武器が弾数制でその数も少なく（但し移動後に使えて威力も高い）、スーパー系必須ともいえる「必殺技」が無い為、他の主人公機の様な華やかさが無い。しかしながら、小隊長能力の「格闘武器の攻撃力＋10％」と、気力が上がれば特殊機能の「システム LIOH」によってパイロットの格闘値と命中値、技量値を大幅にアップさせられるので、決定力不足を多少はカバーできる。（ただし周回プレイの場合、パイロット養成でステータスを限界まで強化した場合はシステム LIOHが発動しても、ステータスは400の上限を上回る事はないが。）

後に必殺技「ライジングメテオ」の追加と共に「システム LIOH」が無くなるが、それまでの憂さを晴らすに充分な威力があり対ボス戦に最適となるため、総合的には向上している。良い機体であるのは確かだが、戦闘システムとの相性の悪さはいかんともし難い。そして全体攻撃の弾数の少なさは最後まで改善されない（まぁ“ある”というその点だけはダイゼンガーよりマシであるが…）。そのため、プレイヤーによっては使い辛い印象を受ける事もある。

第2次OGでは念願の分身能力を手に入れ、本来持つ攻撃力の高さも相まって終盤参戦でありながら充分にその力を発揮出来るようになった。
反面、使用技は全てエネルギーを消費する仕様となっているため、かつてのダイゼンガーと同じジレンマを抱えてしまっている。もっとも、こちらは消費エネルギーは一律低めなので、敵陣に単騎で切り込むなどといった運用をしない限りガス欠に悩まされる事など無いとは思うが、エネルギーの残量には逐一気を配りたい。

スペック

全長	48.3m
重量	122.5t
搭乗人員	1人
移動タイプ	陸
製造者	カオル・トオミネ（α シリーズ）ミナキ・トオミネ（OG シリーズ）
所属	α ナンバーズ（α シリーズ）鋼龍戦隊（OG シリーズ）
パイロット	トウマ・カノウ

主な技

ハーケンインパルス
左足のプラズマコンバーターのエネルギーを回し蹴りのモーションと共に射出する技。雷鳳の小隊攻撃でもある。
飛び道具だが格闘属性なのでご安心を。
カウンターブレイク
両手部分のプラズマコンバーターを展開させ、電撃鞭「プラズマビュート」で敵を拘束して引き寄せた後に、飛び回し蹴り（厳密にはローリングソバットのような蹴り）を見舞う技。この機体で最もお世話になる技である。
使いやすいが、ガス欠には注意。
ライトニングフォール
上空へジャンプした後に両足のプラズマコンバーターを展開させ、プラズマエネルギーを身に纏った状態で敵集団のど真ん中へライダーキックを見舞う技。
厳密には敵そのものを蹴っている訳ではなく、落下衝撃とプラズマエネルギーの爆散によりダメージを与えている。
ライジングメテオ
特訓の末にトウマが編み出した雷鳳の必殺技。
プラズマコンバーターの出力を開放させ相手に突撃して、パンチ→ハイキック→ローリングソバットのコンボで吹っ飛ばした後に、ハイキックから三角蹴りの連打で蹴り上げて、最後に渾身の回し蹴りを見舞い相手を地表に叩きつける技。
この技が登場するまで微妙だった雷鳳の位置付けが、一撃必殺型のボスキラーへと変わる。

ジンライ（ZLAI）

第2次OGで登場した、DGG 3号機の初期型に当たる機体。

カオル・トオミネ博士が正式に「DGGを破壊するために」作り上げた機体で、「システムZLAI」という機体制御システムが搭載されているため、他のDGG2機とは異なり無人で稼動する。
DGGとビアン博士を憎悪するトオミネ博士が、「無人機のDGGが有人機のDGGを倒すことで、自らの優位性を証明する」ために作り上げられた事もあり、ゲーム中でもダイゼンガーとアウセンザイターを執拗に付け狙ってくる。

見た目や武装などは忍者を彷彿させる容姿だが、これは雷鳳の当初のデザインからくるもので、忍者のような機体となる予定だったがトウマの設定に合わせて足技を主体に戦う機体となっていったという経緯がある。
（上述の雷鳳の肩部には鎖帷子のような模様があり、当初の案の名残が見える。また、雷鳳が赤いマフラーを付けているのも「キックで戦うなら赤いマフラーが必要不可欠」という意向からであり、こちらはジンライが身に着けている赤いマントとなった）
そのため、当初用意されていた忍者刀などの武器はオミットされたのだが、その後第2次OGにて正式にジンライという形で登場を果たした。
鎧や兜、忍者刀や手裏剣など、白を基調とした雷鳳とは逆に黒色が基調の機体で、全体的に広く知られる忍者のイメージそのものとなっている。戦闘でも、高い機動力を生かして鋼龍戦隊やダブルGを追い詰めてくるほか、こちらの攻撃を分身回避で避けるなどなかなかの強敵。さらにパイロット「システムZLAI」は勿論通常のAIとは異なりステータスやスキルも充実しており、気力が上昇すると機体の分身機能と合わせてシャレにならない強さになる。
しかし雷鳳が分身回避を使用可能になったのも元はジンライのお陰であるという点に関しては、トオミネ博士に感謝の意を表明したプレイヤーは少なくないだろう。
戦闘ではダイゼンガーやアウセンザイターを優先的に狙ってくるので、戦闘の際はジンライキラーなエースボーナスを持つゼンガー親分から存分に活躍してもらおう。

また、第2次OGではこのジンライ以外にも後述する「量産型ジンライ」も登場。
性能はオリジナルに劣るものの、下忍（雑兵）ポジションなだけに数にものを言わせて襲い掛かってくる。

最終的に、上述の通り鋼龍戦隊へ身を寄せたミナキの意向を汲んだ鋼龍戦隊の捕獲作戦によってジンライは鹵獲され、システムZLAIが撤去されたのち有人機・雷鳳へと新生する。

ちなみに無人の忍者ロボというナリではあるが、経験値・資金泥棒に精を出したりSR ポイント獲得フラグや説得フラグを勝手にヘシ折ったり敗北条件を勝手に満たしたり、などといった活躍（？）はしないので一安心。
（そしてエクセレン姐さんを出撃させると、ジンライとの戦闘台詞で意味深なネタ台詞が・・・）

スペック

型式番号	DGG-XA M3（後に雷鳳となって以降は、この型番は消滅）
全長	46.5m
重量	113.4t
搭乗人員	無人
移動タイプ	陸
製造者	カオル・トオミネ（ガイアセイバーズ）
所属	ガイアセイバーズ　→鋼龍戦隊
パイロット	システムZLAI

使用武器・必殺技

ペインレス・ダガー
クナイ手裏剣を大量に投げつける。全体攻撃。量産型ジンライも使用する。
マルチプライ・ブレード
手裏剣を投げつけ、敵に命中し刺さった後急接近して、手裏剣を引き抜いた後に背後から切り付ける。
こちらも量産型が共に使用する。
ソニック・ヒール
篭手に仕込んだ煙玉を投げつけ、敵の視界を奪い動きを止めた後に上空から踵落としを叩き込む。
雷鳳の足技にも似通ったところがある。ちなみに量産型はこの技を使わない。
アンカー・シークレイト・ソード
剣の鞘に仕込まれたアンカー（鉤縄）を敵めがけ投げつけ、突き刺した後に引き寄せ、寄って来た勢いのままに剣で斬り付ける。
ライズナ・ドロップ
後半ステージから追加される、オリジナルのみの必殺技。所謂イズナ落とし。
量産型ジンライ部隊の手裏剣（マルチプライ・ブレード）による援護射撃の後、敵に駆け寄り蹴り上げた後空中の敵をマントで掴み引き寄せ、上空へ投げた後最後に自らも錐揉み回転しながら落下し地面へ叩きつける。

量産型ジンライ

ジンライ完成後、ガイアセイバーズにて量産されていたジンライ。
見た目は兜とマントが無いジンライといったところで、性能はオリジナルよりも低く、武器も幾つかがオミットされている。（パイロットもシステムZLAIではなく、AIや自律回路になっている。）
ジンライを「上忍」と呼ぶのに対してこちらの量産型は「下忍」と呼称されており、事実後半ステージからは殆どザコ敵扱いで大量発生する。

しかし大勢で出現する割にはHPが高く、さらに忍者だけに運動性も高めで照準値が足りないと命中率が安定せず、さらには気力が高まると分身回避まで使い始めるのでザコとはいえ侮れない強さを持つ。
・・・のだが、ここまで順当にゲームを進行してこられたプレイヤーなら苦戦する要素はさほど無く、獲得資金やPPがザコ敵にしては高いため幸運（祝福）や修行をフルに活用すればかなりの稼ぎになる事もあり多くのプレイヤーにMAP兵器で財布ラッシュされたり、レベルが低い仲間に経験値を与えるための糧にされたり、はたまた Gバンカランや雷鳳のデビュー戦では隠しアイテムやSR ポイント獲得のために彼らの見せ場として倒されたりと、ジンライとは別の意味で活躍（？）している。
ステージによっては無限に増援が出現することを利用して無限資金稼ぎに利用されたりと、いろいろな意味でプレイヤーからありがたがられている「きれいな忍者」である。