霊剣山とは、2016年1月9日より1期「霊剣山 星屑たちの宴」が、2017年1月7日より2期「霊剣山 叡智への資格」が放映されているアニメ作品である。
概要
原作は中国の国王陛下によるWeb小説を元にしたオンライン連載漫画『从前有座灵剑山(簡体字のフォント対応の問題から日本語版サイトでは从前有座霊剣山と表記されている)』、アニメ自体も日中合作というものである。なおあくまでも漫画版を原作にしているので原作小説にない漫画版オリジナル要素の方に忠実。
ただし小説・漫画どちらに関しても原作そのものが日本語化されたことは一度もないので、たとえばキャラの口調などはアニメ制作側で統一しているようだ。
それなりの伝統がある中国とのコンテンツが朝や夕方枠のアニメとして放映されるものは、近年でも『トレインヒーロー』、『ナノ・インベーダーズ』といった事例があり、ヤングアダルト層向けの作品もローカライズされWeb配信されている『雛蜂-BEE-』のような事例があるものの、本作はそういった作品が「深夜枠」で「テレビ放映される」、という当時は非常にレアなケースであり、その後数多くのハオライナーズアニメなどが続いていく潮流の端緒となった。
とはいうものの結構カツカツなようで、原画が二人だっただのミスで原作の話が数話とんだのが普通にアナウンスされてしまっているが大丈夫なんだろうか…
舞台は六千年ほど前の実際にあったかもしれない九州大陸であり、仙人として修業を重ねる主人公王陸の機転によって課題を乗り越えていく姿が描かれていく仙侠もの(ジャンルに関しては「侠」を参照)。一応侠関係のジャンルだが、大体原作通りの日本の作品のパロディや、やたらとヴァリエーションの豊富な煽り文句、当たり前のように入ってくるゲーム用語など基本的にノリは軽めである。
ただし、これでも下ネタなどを介した他人への煽りは、ローカライズの際だいぶマイルドになっている。
なお、2019年には中国で連続ドラマとして実写化されて各種動画サイトで配信されており(日本からだとYoutubeのiQIYI 爱奇艺の公式チャンネルにある英語字幕版を見るのが一番楽だったりする)、2020年2月7日にNetflixで日本向けに字幕版の配信が開始された。
なにはともあれ……
霊剣山で待ってるぜ!
ストーリー
落下した彗星によってもたらされる運命の子を探すために、長い歴史をもつ霊剣派一族は門下の入門試験を再開することにした。
天からの申し子である王陸は、千年に一人と言われる「空霊根」を持って、霊剣派の入門試験に挑み、異例の仙人への道を歩みはじめた!
――「霊剣山 星屑たちの宴」公式チャンネルより
王陸が霊剣派の仙人を目指す修行を始めてから2年の月日が経っていた。「下界に降りて俗世と触れる」という試練を与えられ、王陸は自分の生まれ故郷に向かう。
――「霊剣山 叡智への資格」公式チャンネルより
キャラクター
メインキャラクター
- 王陸(CV:代永翼)
- 本作の主人公。頭がいいうえに回転もよいが、多少現金な性格の持ち主。
- 仙人の修行をするうえで必要な素質となる「霊根」で属性が天霊根のもののうち、最上位に位置する「空霊根」の持ち主、つまり霊剣派が探し求めていた彗星の子である。
- そのため試験の4分の1の段階にして会場をすべて破壊してしまう程度の、規格外の高い素質を持つものの、それが足枷になったのと家元の勘違いで内門弟子に選ばれなかったが、玲の渡した霄雲古銭のおかげでそれよりランクの高い真伝弟子となった。
- 王舞(CV:山口由里子)
- 霊剣派の第五長老であり、劇中で真伝弟子にしろという王陸の要求でお鉢が回され師匠となる。
- 性格でいえば弟子とどっこいどっこいで、調子よくあちこちで借金を作るので万年金欠。
- 長老の中では唯一格下の金丹レベルに属しているが…
- 玲(CV:中村繪里子)
- 霊剣派入門試験開催地の宿の女将。あからさまな関係者扱いの通り、実は霊剣派の家元の娘であり、大体NARUTOそのままの複雑な過去を持つ。
- ある意味1話で彼女に認められた結果、王陸は計り知れないほどの恩恵を得られることに。
- 金庸の「射鵰三部作」に出てくる降龍十八掌っぽい降龍神功などを修めており、なおかつ他人に教えられるといった、かなりの武術の使い手でもある。
昇仙大会参加者
- 海雲帆(CV:西田雅一)
- 海ちゃん。九州の強国「雲泰国」の第二皇子。こんななりして12歳以下。糸目キャラ…というわけでもない。
- 王陸に興味を持ち彼と親交を結ぶ。しかし素質自体は高かったものの霊剣派には不向きの属性で、試験終了後同じ五大仙門の万法仙門に移ることとなった。
- 王忠(CV:小林大紀)
- 忠ちゃん。王陸の同い年の付き人で、彼に対しては王陸も甘い。
- 男の娘ポジションなのだが、年相応にスケベだったり中身はそこまででもない。おまけにいわゆる反骨の相の持ち主である。その結果あれよあれよという間に内門弟子となる。
- 朱秦(CV:伊東健人)
- 大明国の皇太子。こんななりして(ry
- 物腰は柔らかだが入門試験の当初から全く出自のわからない王陸をライバル視している。とはいえ試験では王陸組に次ぐ数少ない存在であり、無事合格することに。
- 聞宝(CV:林大地)
- 滄瀾国の国師の息子。
- 気弱な性格でデブと軽んじられているトラブルメーカー。しかし何やかんや素質はあり、合格組の一人となる。
- 修行の結果玄鉄剣法の使い手となる。
- 謝(CV:内匠靖明)、雲(CV:ランズベリー・アーサー)、李(CV:後呂直樹)
- 謝が自身を幽州の謝家の第十四代目の子孫と名乗ったように、全員修仙の名門の公士なのだが、家に居場所もなく基本かませの三馬鹿である。
霊剣山の人々
長老たち
- 家元 / 風吟(CV:松田健一郎)
- ド近眼な霊剣派の家元。ちなみに家元という呼称は日本版のローカライズで、原作では掌門。
- 長老たちと比べても高い実力を持っているのだが、完全に高齢による衰えを隠せていない。そのため「星辰の力」、「大衍霊視」、「霊眼」といった具合に呼ばれる予知能力もややなまくらめいている。
- 劉顕(CV:野中秀哲)
- 霊剣派の第二長老。?でアカギな人。内門弟子の育成を担当している。
- 周明とは麻雀をする仲な反面、奔放な王舞には苦手意識があるようだ。
- 方鶴(CV:喜山茂雄)
- 霊剣派の第三長老。ラウンド髭な人。
- どちらかというと規律を破ったものに対して刑罰を与える役割の存在であり、弟子を持つのは不向きだと自負している。
- 周明(CV:遠近孝一)
- 霊剣派の第四長老。青髪ポニテな人。
- 瑠璃仙の師匠であり、彼女に振り回されるのでいっぱいいっぱいのようだ。
- 陸離(CV:高橋英則)
- 霊剣派の第六長老。オールバックな人。
- 主に財政などの実務を担当しており、長老の中でもやや鬱陶しがられている。
- 傲観海(CV:岩崎征実)
- 霊剣派の第七長老。おいでござるなOPの謎黒人。本来は九州大陸の少数部族の出らしい。本名はオバマ。
- 奴隷だったところを助けてくれた王舞にとりわけ感謝しているが、基本誰に対しても人がよすぎる性格。
- 修行のため山を離れて各地を旅しており、本来彼が管理している青雲峰も劉顕に預けていた。
- 華芸(CV:のぐちゆり)
- 霊剣派の第十長老。茶髪で髪を結ってる人。外門弟子の育成を担当している。
- 美人で人気も高いが、山の公費で宝石を買おうとしたりイケメンに目がなかったりと、王舞とは違う意味でほかの長老の頭を痛めさせている。
弟子たち
- 瑠璃仙(CV:畑中万里江)
- 第四長老周明の真伝弟子。幼い見た目の割りに大きい。天然ボケで周りを困らせることも多い。
- アホの子だが王陸同様実力は高く、練気期であるにも関わらず、不意打ちとはいえ虚丹、築基期の修士が属する邪教を単身壊滅させるほどである。
- 岳雲(CV:深町寿成)
- 内門弟子のひとり。練気六品。
- 穏やかな人柄で実力も高いのだが、周りの破天荒な人物に振り回されるポジション。
- 霍穎(CV:米澤円)
- 内門弟子のひとり。練気六品。
- 雑談中にもちゃんと警戒網を敷くなど、監督を任されるだけある実力者である。
- 岳謦瑶(CV:佐藤美由希)
- 外門弟子のひとりで、王陸たちと同じ昇仙大会で入門した同期。おかっぱで薄い青髪の方。
- 文茵(CV:江口菜子)
- 外門弟子のひとりで、王陸たちと同じ昇仙大会で入門した同期。姫カットで薄い紫髪の方。
- 岳謦瑶の妹とたびたび言われるが、あくまでも師妹、つまり妹弟子という意味である。
- 孫(CV:浜添伸也)、呂(CV:川島慶嗣)、袁(CV:田中健大)
- 外門弟子の中でもほとんど落ちこぼれに近い。二代目三馬鹿。
その他
- あや(CV:庄司宇芽香)
- 内門弟子食堂で料理人を務める、西夷人という外の人間。
- しかし、星を眺めるパイやシュールストレミングといったゲテモノ料理しか作らない。
- 実は剣の達人である。
盛京仙門
- 志峰真人(CV:川田紳司)
- 元嬰四品。学者肌で修行の行き詰まりと後輩の追い上げによる焦りから、凡人でも寿命を生贄にレベルを高める乾元燃血功という功法で千霊教を裏で操っていた。
- 孔嶂道人(CV:樫井笙人)
- 金丹レベル。森歳直轄で、なにやら裏で暗躍しているようだ。
七星門
- 葉初塵(CV:玄田哲章)
- 七星門の家元。三流門派とは言え虚丹レベルであるが、その力は亜流の功法で月と星の力を必要とする。
- 何均(CV:大林隆介)
- 七星門の六つ星の長老。
- かつてはまじめな修士だったが挫折から七星門の一員として詐欺行為を働いていた。今でも房中術で修業を行ってはいる。
- 敗北後は王陸たちに協力することになり、彼らの計画だけでなく、修士の先輩として精神的にもその支えとなる。
- 謝持(CV:宇垣秀成)
- 七星門の長老。何均のかつての弟弟子でともに挫折から七星門に居場所を求めた。
- 敗北後は王陸たちに協力することになり、彼に心服するようになる。
- 霧飛花(CV:柚木涼香)
- 七星門の四つ星修士。何均とは双修道侶であり彼との房中術で修業を行っている。
- 何均が敗北した後は王陸たちに協力することに。
- 小虎(CV:徳石勝大)
- 王陸の幼馴染。幼いころの疎外感から居場所を求めて七星門に入門していた。
専門用語
- 九州大陸
- 本作の舞台。一応古代中国において全土を九州からなるとしていたが、蒼渓州などところどころ微妙に違っており、あくまでもなんか仙人とかいる中華な世界が舞台だバッキャロー…くらいに考えておけばいい程度と思われる。
- ちなみに九州とはそれぞれ蒼渓州、東籬州、岭南州、百黎州、天南州、中州、雲州、幽州、漢州であり、「~州」という発音が聞こえたら大陸内のどこかの地域について語っていると考えればよい。
- 霊剣山
- 仙人の門派の一つ。盛京仙門、万法仙門、軍皇山、昆崙山にこれを加えたものが万仙盟の五大仙門である。
- 数ある門派の中でも控えめな存在だったのだが、主に王舞のせいで昇仙大会で「心の知能指数(EQ)」を問うといった変化がみられるように。
- それぞれの長老ごとに担当が分かれており、「~峰」という発音が聞こえた場合各自の担当地区および部署について語っていると考えればよい。
- 他の五大仙門
- 軍皇山:仙界どころか九州で一番高い軍事力を誇る。
- 昆崙山:修仙発祥という長い歴史を誇る門派で、事実上実験体とはいえ最高齢の南極仙人がいる。
- 盛京仙門:数ある門派の中で最大手かつ全土制覇さえ狙っている拡大路線。
- 万法仙門:おおよそどんな霊根でも修行が可能なほど技術力が高く、海雲帆も在籍している。
- 七星門
- 下界の三流門派。偽の人造霊根にて人を騙し、巨財を蓄えていた。ただし長老クラスは何均をはじめ万仙盟に属する立派な修士であり、自身の才能の限界から悪事に手を染めていたものも多い
- 末法時代
- 正法、像法の次に来るもので、教えが廃れ世が乱れていくという時代。
- 霊剣派の家元の占いでもうすぐ迫っていると出たものの、年単位を占う年剣ではなくすぐ先のことを占う茶剣で行っていたことに気付いた王舞と言い争っているうちに彗星が掠めた程度で特に何もなく終わってしまった。
- そして災い転じて福となす…ということで仙人の黄金時代が来るとされて、その12年後に久しぶりに行われたのが、霊剣派の入門試験というわけである(つまりあくまでも対象は彗星以降に生まれたもののみ)。
- 過去の末法時代
- 加えると、物語から6000年前の過去にも一度本当に末法時代が訪れたことがある。
- その際は、仙人の力の源である霊気が枯渇し、霊気の影響の大きかった蓬莱先祖、妙璽真人といった上位の修士が多く亡くなったり、高等な修行を行おうとすると赤音真人のように発狂したりといった状況に陥り、その結果修仙の技術の多くが断絶してしまったらしい。
- 霊根
- 仙人になるための素質で様々なランクや種類が存在する。
- 基本的には五行がベースとなっており、生まれ持っての天然霊根はそこに含まれる属性が少なければ少ないほど質の高いものとなっている。海雲帆の「柔風弱水」のように属性が2つで安定している「複合霊根」が仙人になるための最低限度となる三品の霊根であり、属性が1つで質がいいものが二品の「地霊根」となる。
- そしてそのような五行をベースにしたものとは異質の、規格外の存在が一品の「天霊根」である。この時点で100年に一度レベルのレア中のレアなのに、その中でも王陸の持つ「空霊根」は今まで仙秦始皇と德勝太祖の二人しか実例が確認されておらず、修行方法すら確立されていないというすさまじいものらしい(しかしまだ上があるらしい)。
- 仙縁
- 千円…ではなく、いわば修仙のために最低限仙人といった類にお近づきになれるチャンスが備わっているかどうかといった素質である。
- 飛昇
- 要するに仙人になること。自分に合った方法じゃないとたとえ素質があっても難しく、それでどこの派に属するかということも決まるらしい。
- 功法
- 要するに一般的な気功の練習方法のことである。
- 基本的にそれぞれの功法は、創った本人に合わせているため必ずしも他人に適しているとはいえず、できれば自作した方がいいらしい。
- 無相功
- 王舞オリジナルの功法。彼女自身試行錯誤を重ね定期的なアップデートが行われているので何かしらの事態にも適応力が高く、空霊根というレアすぎて修行方法すらろくに確立されていない王陸の資質には現状これが適しているようだ。
- 俗世武術
- 読んだまま、仙人の修行とは無関係の世俗界の普通の武術のこと。
- 弟子のランク
- 上から順に、真伝弟子、内門弟子、外門弟子、となっている。
- ぶっちゃけ2話にもあったように1話の橋の試練をクリアした時点で無条件で外門弟子になることができたのだが、両者の地位には差があり(武術などでも拝師となり奥儀を教えられるのは内門弟子から)、その条件もより狭き門となるので主要キャラは試験を続行しているのである。
- そして真伝弟子とはそのさらに上位の存在で、事実上長老の後継者といってもいい存在である。
- 修行レベル
- 上から順に真仙、大乗、合体、化神、元嬰、金丹、虚丹、築基、錬気、鍛体となっている。
- 霊剣山の家元でも化神、長老クラスであっても元嬰~金丹レベルであり、その難易度がうかがえる。
- また、それぞれの修行レベルは、例えば錬気の中でも一品から九品まであるなど、さらに細かい段階に分かれる。
- ちなみに、一番下の鍛体は、実際に修業を始める前にまず素地となる体を鍛える、という霊剣山独自のカリキュラムである。
- 退婚流
- 中国のネット小説におけるいわゆるテンプレで、最初にダメ主人公が婚約者に振られ、後になって成り上がって元婚約者を見返すといういわば太公望のあれであり、転じて始めに落として後を盛り上げるタイプのもの。
霊剣山 星屑たちの宴
スタッフ
主題歌
- オープニングテーマ「ファーストエンド」
- 作詞・作曲:まふまふ / 編曲:岩崎隆一 / 歌:そらる・まふまふ
- エンディングテーマ「絆」
- 作詞・歌:柿チョコ / 作曲・編曲:奥山アキラ
放送・配信局
各話リスト
霊剣山 叡智への資格
スタッフを一新して作成することとなった2期。原作漫画ほぼそのままだった1期に比べるとストーリーを優先し、ギャグなどは控えめになっている。
スタッフ
主題歌
- オープニングテーマ「限界蹴飛ばして」
- 作詞・作曲・編曲:田村昌之 / 歌:Merry☆GO☆Lands
- エンディングテーマ「力に変えて」
- 作詞・作曲・編曲:田村昌之 / 歌:Merry☆GO☆Lands
放送・配信局
各話リスト
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