額帯鏡とは、漫画とかアニメとかゲームとかに出てくるお医者さんが額の上にバンドで巻いて付けてる、丸くて真ん中に穴が開いてる鏡である。
ドクターマリオが頭に付けてますね。あれです、あれ。
創作作品の医者がよく付けている割に、実物の医者が使っているところを見たことが無い人も少なくないのではないかと思われる。
そのため「あれって何に使うの?」「どうやって使うの?」とよくわかっていない人もいるだろう。
「額帯鏡」はその名の通り、額に巻いた帯(バンド)に取り付けられた鏡である。鏡の付け根には蝶番(ちょうつがい)のようなものが付いていて、鏡を「医者の額の上」から「医者の左右どちらかの片目の前」に降ろすことができる。このとき、医者は額帯鏡の真ん中の穴から患者の診察したい場所(鼻や耳の穴、喉の奥など)を覗き込む。
そして医者より前に設置した照明によって「額帯鏡」を照らすと、鏡に反射した光が真っすぐ正面に進むようになっている。つまり、診察したい部分を明るく照らして観察することができるのだ。光を反射させて使用することから、「額帯反射鏡」とも呼ばれる。
以上の用法からもわかるように、「蝶番を使って下に降ろして、鏡の中心の穴から片目で覗いて」使う。よって額の上にある時点で正面から見えるのは、鏡の「裏面」ということになる。また「降りたときに片目の前に」ある必要があるので、片側に片寄って付ける場合もあるようだ(参考画像
)。
ただし、額帯鏡の蝶番部分はある程度自由に曲がるような構造になっている。よって額の中央にあっても下に降ろすときに曲げながら降ろせば片目の上に位置させることができる(参考イラスト
)。そのため、ドクターマリオのように額の真ん中に付けている画像も不正確とは言えない。
医師が診察の際に使用することが代表的な用途だが、それ以外でも「明るく照らして観察する必要がある」用途には広く使える。
かつては「総合内科医」「家庭医」(いわゆる「町のお医者さん」)や「耳鼻咽喉科医」の定番の装備だった時代もあったようだ。
しかし「町のお医者さん」では「わざわざこんな使うのにコツがいる専用品とか使わなくてもペンライトとかでいいじゃん?」といった理由から廃れていったらしい。
ペンライトよりも明るく照らせるために耳鼻咽喉科領域では額帯鏡は廃れ切ってはいない。しかし医療用の「LEDヘッドライト」が進歩して小型化・高性能化していくとともに、そちらを使用する耳鼻咽喉科医師も増えてきている。
つまり額帯鏡は医師の間でも「前時代の遺物」となりつつあるという。
だが、かつて「町のお医者さん」らが額帯鏡を付けていたためか、お笑いのコント、漫画、アニメ、ゲームなどの創作作品では「医者の典型的な装備」「医者キャラクターを出す時によく付け足される小物アイテム」として定着してしまった。
そのため現実の医者の中では額帯鏡の使用シーンが激減して衰退してしまった現在でも、ドクターマリオは額帯鏡を付けているのである。
(耳鼻科診療での使用光景を例示した動画)額帯鏡を装着・使用している写真があるウェブページ。主に耳鼻咽喉科医院のサイトが多い。


掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/08(月) 04:00
最終更新:2025/12/08(月) 04:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。