餓狼伝とは、夢枕獏の格闘小説である。1985年、双葉社から新書で書き下ろされたものを基点とする。
1989年に谷口ジロー(孤独のグルメの作画担当)によって漫画化され、1995年に映画化。
1998年よりグラップラー刃牙の作者、板垣恵介によって再び漫画版が描かれていたが、現在休載中。
2005年にPS2でゲーム化され、2007年にその続編『餓狼伝 Breakblow Fist or Twist』が発売された。
2013年には週刊少年チャンピオンに原作者書き下ろしの外伝「真・餓狼伝」を連載していた。
格闘ゲームの餓狼伝説とは特に関係はないが、SNKがタイトルをパクッた参考にした可能性は高い。
流派を持たない流浪の格闘家、丹波文七を主人公とし、プロレス団体と実践空手道場の抗争を中心に、様々な格闘家達の闘いを描いていく。現実の格闘技界の潮流をリアルに反映しており、原作ではブラジリアン柔術の登場によって空手とプロレスが窮地に立たされるエピソードもあった。
しかし板垣版でのブラジリアン柔術はプロレスラーにあっさり敗北。後に原作でも古武術等と互角の死闘を演じており、必ずしも現実の格闘技界のすべてを反映した訳ではない。
むしろ異種格闘技が一般的な物になった時代でも空手とプロレスの間で最強の座を争っているという、往年の格闘技ファンにとってのミラクルワールドとも言える。
ニコニコ動画ではPS2で発売された『餓狼伝 Breakblow Fist or Twist』の動画がほとんどである。
このゲームは従来の格闘ゲームの常識に囚われない独創的なシステムを採用しており、原作愛に溢れた演出の数々も相まって、隠れた名作として評価されている。
また、グラップラー刃牙のキャラ範馬勇次郎がゲスト参戦した事が話題を呼んだ。
余談だがこの勇次郎、アニメ版とは違って声優が堀秀行に変更された事が賛否を分けている。
これは手を抜いた訳ではなく、あえて声優を変更した可能性が高い。
髪の毛の色もアニメ基準の赤ではなく、原作基準の青紫色である。
他の格闘ゲームで言う所のスーパーアーマーを全キャラが装備しており、多少の攻撃で怯む事はない。
普通の格ゲーで重視されがちな攻撃判定の広さや発生の速さよりも、後述の突破力や部位ダメージ等、相手の攻撃に耐えられる数値が重要視される。
つまりいかに相手の攻撃に怯まずに相手を怯ませられるかが、攻防の基本となる。
自分の体も砕けるような渾身の一撃が、立ち弱Pとかで止められるわけがない!
傷つく事を恐れず、殴られながらも殴りあう事で勝利を掴み取る。
それが『餓狼伝 Breakblow Fist or Twist』というゲームである。
勝敗を決するゲージ。2人分のゲージが1本のゲージで繋がっている。
片方がダメージを受けると、もう片方のゲージが回復、シーソーのようにお互いのゲージが増減し、相手側に自分のゲージを押し切って相手のゲージをゼロにした方が勝利となる。
体がどれだけ傷つけられても、心が折れなければ敗北ではない。
余談だが、このシステムの元ネタはワールドヒーローズ2のデスマッチモードのシーソーゲージと思われる。
己の中に潜む獣を繋ぎ止めている鎖。精神ゲージにそれぞれ3つずつ巻きついている。
鎖の位置に精神ゲージが達すると、鎖がちぎれて各キャラ固有の奥義が使用できる。
鎖の位置は各キャラごとに異なり、それぞれの奥義の性能も全く違う。
また、ストッパーの役割も兼ねておりどんな大ダメージを受けても鎖の位置でダメージがストップする。
だが奥義やファイナルブロウによる攻撃はこの限りではない。
各キャラ固有の必殺技。鎖が切れるたびに一度だけ使用可能。
奥義の性能は鎖の位置に応じて3種類。追い詰められるほど強力な奥義になる。前述の通り鎖のストッパー機能を無視できるため、状況によっては2、3本の鎖をブチ破って一気に勝負を付けることもできる。
奥義をキープしていても、次の鎖が切れると次の奥義に上書きされ、前の奥義は使用できなくなるため、奥義の連続使用はできない。しかし相手の攻撃を受けて鎖を切られながらも奥義を当てる事が出来れば、前の奥義のダメージを負わせたまま次の奥義を使用可能な状態にはできる。
これを利用した即死コンボを持つキャラもいる(ただし成功率は極めて低い) 。
体力を表すゲージ。各キャラごとに長さが異なる。
攻撃を受けると減少し、それに伴って体勢を崩しやすくなり、精神ダメージも増加する。
しばらく攻撃を受けずにいるとすぐに回復するが、ヒット、ガードに関わらず相手の攻撃を受け続けている時と、自分が攻撃している間は回復しない。
少しずつだが上限値も削られていく。削られた上限値は次の試合まで回復しない。
肉体ゲージそのものに対するダメージを肉体ダメージ、上限値を削るダメージをブレイクダメージと呼ぶ。
頭・体・右腕・左腕・右足・左足の6つの部位に蓄積されたダメージを表す。
ダメージを受けた部位は緑→黄→赤の順に変色、最後には赤黒く点滅し不気味な鼓動音が鳴り響く。
その状態で攻撃を食らうとブレイクブロウ(部位破壊)が発生。破壊部位は黒く変色。
以降は破壊された部位に攻撃を受けると必ずよろけが発生するようになり、受ける精神ダメージは通常の約1~2倍に増加。さらに破壊部位を使った攻撃を選択ガードされただけで、ひるんで隙を晒してしまう。
赤黒く点滅している壊れかけの部位をあえて使って攻撃する事で、その部位を自ら破壊しながらも相手に3倍の精神ダメージを与えられる。使う技を選べばヘタな奥義を上回る大ダメージとなるが、奥義と同時に使用した場合は無効になってしまう。
ちなみに胴体が壊れかけている時は投げ技でファイナルブロウが発動する。
技ごとに設定されたひるみにくさを表す。鍛錬モードで確認できる。
突破力が100ならば、どんな打撃技にもひるまない(強制ダウンする技を除く)。
逆に突破力がゼロならば、どんな攻撃にも潰されてしまう。
お互いの攻撃がぶつかりあった時の肉体ゲージや部位ダメージの状況、技ごとの威力や突破力など、様々な要素が積み重なってヤラレ方が数種類に変化する。
小ヤラレ
多少のけぞるが、体勢を崩さず行動できる。
中ヤラレ
体勢を崩してしまうが、よろめきながらも一応反撃はできる。
大ヤラレ
完全に無防備になってしまい、追撃を受けやすい。
姿勢が低くなる事が多い為、追撃の際は技を選ぶ必要がある。
壁ヤラレ
壁際でひるむと、壁に叩き付けられて跳ね返ってしまい、大きな隙を晒してしまう事もある。
ダウン
追撃を受け続けるか、強制ダウンする技を食らうとダウン状態に移行。ダウン追撃用の技以外は当たらなくなるので仕切りなおせるが、ダウン追撃用の技は総じて部位破壊力が高く、寝たままでいるのも危険。
よろけ逃げ
よろけた方向と同じ方向キーを入力して置く事で、あえてその方向に吹っ飛んで追撃を回避できる。
飛び退き
よろけ逃げに失敗した際、相手からの追撃が来なければ、大きく飛び退いて間合いを取り、体勢を立て直すことができる。
ニュートラルガード、上段と中段の二つの選択ガード、オフェンシブガードの4種類。
ニュートラルガード
何もしていない状態では、ほぼ全ての打撃技を自動的にガードする。
ガード後の硬直時間は長めでガードしても肉体ゲージが減少し、一定量まで減るとガードクラッシュしてしまう。
選択ガード
×ボタンで上段と下段、↓+×ボタンで中段と下段をガードする。
ニュートラルガードとは違いガード硬直が少なく、肉体ゲージも減少しない。
だが選択ガード中につかまれると投げ抜けが出来ない。
ローキック等の下段攻撃はシステム上防がれやすいが、その分リーチが長くブレイクダメージが高めに設定されている。長期戦を見据えて、執拗なロー攻めで体力の上限値を削るのも戦法のひとつ。
オフェンシブガード
(右向き時)→+×ボタンで使用。身を乗り出し、打撃技を1回だけ食い止める。
その直後に繰り出した通常攻撃は、精神ダメージが2倍になるが突破力はゼロになる。
オフェンシブガード中はもちろん、オフェンシブガードを外したあとも約1秒間は投げ抜け不能時間が追加されてしまう。闇雲に出しても潰されるだけなので、連携の終わり際等を見極める必要がある。
また、オフェンシブガードはファイナルブロウとの併用が可能。
この上さらに破壊部位に特定の攻撃を当てれば2x2x3=12倍の攻撃力となる。
しかしダメージが精神ゲージの合計値である1000を上回った場合、1000ダメージ分マイナス補正される。滅多にあることではないが…
相手の打撃技を捌いて反撃する技。
他の格闘ゲームにおいては当て身、もしくは返し技等と呼ばれるが、このゲームではキャッチ技と表記する。
相手をつかんでガードを崩すつかみ技とは別物なので注意。
なお、肘・膝・両手・両足・頭を使用した打撃技(肘打ち、膝蹴り、両手突き、ドロップキック等)はキャッチ不能技となっており、キャッチ技の性能に関係なく捕らえる事が出来ない。つかみ技に対するつかみ返し技も存在する。
□+×ボタンで相手につかみかかる。
つかまれた方は即座に□+×ボタンで抜けられる。前述のガード中や側面、背後からのつかみは抜けられず、同様につかみ返し技も出せない。
つかみ状態からは打撃、投げ技等で追撃が可能。背後からつかんだ場合は自動的に背後投げに移行する。
つかんだ後、攻撃せずに方向キーを押すとその方向に相手を崩し、そこから強力な崩し技が繰り出せる。
崩された方は、崩された方向と逆方向に入力する事で逃れられる。崩す方向は前後の2方向だが、プロレスラーや柔道家など投げ技が得意なキャラは奥と手前を含めた4方向に崩す事が出来る。
一部のキャラは壁を利用した壁投げを持っており、壁際では相手を崩さずとも大ダメージを与えられる。
また、投げ技の威力は地面の硬さによっても変動する。
試合開始前の自キャラの登場シーン中に△+○ボタンで不意打ちができる。
各キャラごとに数種類ある登場時演出によって不意打ちの性能が変わる。
ちなみに勇次郎の不意打ち技は3分の2が上中下PKキャッチ即死技となっており、無闇に反撃するのは危険。
本編の主人公。
特定の流派に拘らず、実践的な強さを追い求める実戦の雄。
あらゆる格闘技に闘いを挑み続けた結果、プロレスと空手の両陣営が文七を奪い合う形で抗争を表面化させる事となる。しかしどの陣営にも属さない文七は抗争自体には少々絡みにくく、気がつくと蚊帳の外に置かれている事も。
板垣版では5年間(読者時間)続いた大会に出場できず、主人公でありながら観客席に居座り続け、出番がほぼ表紙だけというのも少なくなく、読者からはグラビア呼ばわりされてしまう。大会終了後、出場者達に実践での闘いを仕掛けていくが、その最中に休載。再開は未定。
原作小説では格闘小説史上に残る悲惨な敗北を喫しており、何かと不遇な主人公である。
あらゆる格闘技に通じたコンプリートファイターだが、ゲームでは打撃系を主体としたオールラウンダー。主人公らしく初心者にも使いやすい性能。
プロレスの強さをどこまでも信じ抜くプロレス魂と極限にまで鍛え上げた鋼の肉体を武器に、脱退覚悟で空手トーナメントに挑む。第1試合で見せた1話まるごと使った大迫力のバックドロップ(正しくはジャーマン)は格闘漫画史上に残る名シーンと言える。
プロレスラーとしては地味で華やかさに欠ける為、中堅レスラー扱いされているがその実力は確かなもの。
ゲームでは並外れた耐久力を盾に変則的な特殊技で相手を翻弄し、大技で一気に仕留めるファイトスタイル。
打撃技の性能が低く少々クセが強いが、使いこなせばどんな状況でも逆転が可能な名勝負製造機と化す。
ヘタレプロレスラー。板垣版と原作小説では大きく扱いが異なる。
新米だったころ、打撃技しか知らなかった文七を関節技で返り討ちにしている。
それが文七に関節技を学ばせるきっかけになり、ひいては餓狼伝という物語の始まりを作ったとも言える。
その後、梶原は逆に打撃技を学び、両者互角の状態で再戦したのだが…
原作小説では引き分け、文七の良きライバルの一人となるが、板垣版ではあっさり腕を折られて敗北。その後もどんどんヘタレ化し、転落人生を転げ落ちていく。
これはおそらく元ネタである前田日明、ひいてはUWFプロレスに対する両作者の認識の違いによる物と思われる。
あまりにも両極端な扱いの差からか、ニコニコでは勝てば原作版、負ければ漫画版とコメントされる。
ゲームでの性能はなかなかテクニカルで、プロレスラーならではの強力な投げ技に加えて多彩な関節技やキャッチ技、そこそこキレのある打撃技をあわせ持つが、その反面レスラーキャラの中では耐久力は低め。
豊富な技を駆使して計画的に相手を追い詰めていく必要がある。
想い人をレ○プした強盗を殺害した罪で指名手配されている。
師匠が文七に敗れた為、仇をとるために姿を現したはずなのだが…
その行動には一貫性がなく、文七そっちのけで恋敵に闘いを挑んだり
長田の境遇に勝手に共感して竹宮流を教えたり、師匠が文七に竹宮流を教えてるのを知ってキレたり
想い人の夢を見て夢精したり、夢精したパンツを洗ってるのを長田に見られたり
想い人と恋敵がホテルから出て来るのを見てキレたり
長田にオトモダチがいるのを知って絶縁宣言したと思ったらわざわざ変装までして長田の試合を見に来たり
長田が負けそうになったら意味もなく変装を解いて応援したり
挙句の果てには警察に捕まりそうになりながら試合に乱入したりと
いろんな意味で文七以上の餓狼と言える。
ゲーム中では強力な返し技を主軸にしつつも打撃、投げ、特殊技と一通り揃った、文七とは違ったタイプのオールラウンダー。最終奥義の「櫓落とし」は凄まじい頭部破壊力を誇る禁断の殺人技。
試合での勝敗ではなく、相手の命を奪う事を主眼に置いた古武術の使い手であるが為に全力で戦える機会に恵まれずにいた所、実践での強さを求めていた文七に敗れる。
その後、その生き方に共感し、文七に竹宮流の奥義「虎王」を伝授することになる。
後継者である藤巻が失踪してしまった事もあってか、交流のある北辰館空手の選手たちにも竹宮流の手解きをしている。正統後継者である事を主張し、無差別に襲撃を繰り返す藤巻には頭を痛めつつもその実力は認めている。
弟子の藤巻共々、竹宮流をバラまいて使い手を増やした事により、空手とプロレスの異種格闘技戦の中で竹宮流の奥義が活躍することになり、図らずとも竹宮流の実践性が証明される結果となった。
ゲームでは捌き技に重点を置いたキャッチの鬼。体力が少なく殴り合いは不得手だが、不意打ちからも繰り出せるLV1奥義の目潰しや、特殊構えから繰り出される背面からの金的蹴りなど、油断ならない技もある。
最終奥義の「虎王」は文七に伝授したものと同様の捌き技だが、外した場合は藤巻が使う「直接跳びついて仕掛ける虎王」に移行する二段構えの技になっている。
同原作者の格闘小説『獅子の門』からのゲストキャラだが、その戦い方そのものは板垣恵介が実際に立ち会いフルボッコにされた太気拳の島田道男がモデルと言われる。
戦闘シーンは一度だけだが、その最中に見せたホンモノの空手のえげつなさに加えて松井秀喜をモデルとした強烈な面構えと、下着も含めて全身真っ黒な装いが非常に印象深い。
原作者の夢枕もその描写に感激し、板垣が『獅子の門』の挿絵に起用される切っ掛けになった。
余談だが、再戦を断った時の
「必要な分は見せたということだ これ以上は見せぬ」
と言ったシーンが一時期ふたば☆ちゃんねる等でエロ画像連張りストップの為に使われたことが多く
餓狼伝は知らないけど顔だけは知ってる人も多かったとか。
ゲーム中でも肉体破壊に重点を置いた壊し屋で、独特のモーションから繰り出される打撃技はリーチが長い物も多く、間合いを問わずに戦える。
反面耐久力は高いほうではないので、闇雲に打ち合っているとこっちが先に壊されてしまう。
威力は低いが強制ダウンを奪える"お優しい技"「寸勁」を上手く使っていく必要がある。
新米プロレスラー。板垣版オリジナルキャラ。
梶原に変わる長田のライバルキャラとして設定されている。
類まれなる運動センスに目をつけた社長にスカウトされ、長田とは対照的に社長直々の推薦で空手トーナメントに出場する。プロレスの強さを誇りにしている長田に対して「プロレスは喰うための仕事」と割り切っている。
連載当時の「今時の若者」をイメージしており、誰に対しても挑発的な態度を崩さない。
その一方で体を鍛える努力も怠っておらず、
久我重明曰く「チャラついた外見とは裏腹…生なかな鍛えではない」
プロレス技以外ほとんど使用せず、骨にヒビを入れられても表情ひとつ変えずに相手を挑発し、ショープロレス的に客を沸かせつつ魅せて勝つ事にこだわる姿勢は、長田とは違ったプロレスラーの在り方を示している。
ある意味、今の時代に必要な理想のプロレスラーと言えるかもしれない。
ゲーム中では奥義の性能に比重が置かれたキャラ。
3種類の奥義はどれも高性能で、鎖の位置も前の方なので早い段階で奥義が使用できる。
投げ技はもちろん強力で、壁投げも2種類あり、久我さんお墨付きの耐久力も健在。
打撃技は個性的な物が揃っているが、性能が不安定で立ち回りには苦労する。
いかに的確なタイミングで奥義を当てられるかが、勝敗の分かれ目となる。
一代で流派を築き上げた生ける伝説にして、地上最強に最も近い人物。
純粋にケンカを楽しむ豪放さと、流派を権力に生かすしたたかさを合わせ持つ。
モデルは言うまでもなく極真会館館長、大山倍達。
板垣版では、晩年の大山倍達をモデルにした愚地独歩とキャラをダブらせない為か全盛期の大山倍達をモデルに描かれており、非常に若々しい。
所謂、餓狼伝世界における範馬勇次郎ポジション。
直接戦闘するシーンが少ないにも関わらず、何故か登場するたびに大物感が増していき余計に戦闘させづらくなる所はこの系統のキャラの宿命だろうか。
常に話の中心に置かれ易く、話が行き詰まった時も強引に話を進めてしまう為、原作者曰く「書く立場からするととっても便利なキャラクター」との事。
ゲームでは勇次郎を除いた4強の一人。
綺麗に纏まった打撃技と平均以上のステータスを誇るが、4強の中では一番体力が低く、正直、勇次郎と真正面から殴り合えるほどの強さは持ち合わせていない。
相手のパンチを一方的につぶせる「拳砕き」を中心に、余計なダメージを食らわないようにテクニカルに立ち回れば無類の強さを発揮できるだろう。
東洋プロレス(板垣版ではFAW)の社長。
プロレス最強説を体現する最強のプロレスラー。松尾象山と互角に戦える唯一の格闘家と呼ばれている。
全盛期のアントニオ猪木の黒い部分をモデルにしたキャラで、自分とプロレスの名誉の為なら、部下を犠牲にする事に何のためらいもない。
かつてはプロレスの地位向上のために真剣勝負を仕掛けて回った事もありプロレスラーを名乗る以上は、真剣勝負での敗北を決して許さず「どんな手を使ってでも最後に勝つのがプロレス」と言い切っている。
グレート巽にとってのプロレスとは、まさに「何でもアリ」である。
それは投げ技、打撃技といった技術的な意味だけでなく、不意打ち、だまし討ちのような反則技、さらには八百長、裏取り引きといった社会的な手段も含めてプロレスと捉えており、ある意味では作中で最もプロレスを愛している男と言えるだろう。
ゲームでは4強の中でも一番のバランス派。レスラーキャラでありながら変則的な攻撃手段を持たない。
その反面、打撃技だけでも並みの打撃系キャラを上回る性能を持つ。投げ技と打撃技のバランスが高いレベルで纏まっており、クセの強い本人のキャラとは裏腹に酷く真っ当な戦いを強いられる事になる。
…が、実は密かに永久コンボの持ち主。
原因は相手伏ダウン時、足つかみで出るスリーパーホールド。
他キャラも持っている技だが、グレート巽の場合何故か何度でも掴み直せるため、永久コンボになってしまう。
恐らくは他キャラのモーションを使いまわしたのが原因と考えられるが、これについては一説あり、
漫画版での「裸締め(チョークスリーパー)この技を解かなかったなら死に至ることは子供でもワカる」
「殺人者にはなりたくない 絶命の以前(まえ)に放してさしあげましょう」といったセリフやグレート巽のスリーパーホールドが何故か技表に載っていない隠し技であることを考えると、スタッフがあえて残した可能性も考えられなくもない。単なる調整ミスだと思うが…
昭和のプロレス王と呼ばれる伝説的なプロレスラー。
モデルはどこからどう見ても力道山。
登場したのは板垣版の方が先で、その扱いは悲惨の一言に尽きる。
後に小説版に登場した時には、それをフォローするように松尾象山と互角の死闘を繰り広げた。
ゲーム版では小説版のイメージが優先されているらしく、4強の一人に数えられる強さ。
喉笛チョップにカラテチョップ、ビッグブーツに昭和バックドロップなど、昭和のプロレスを意識した技だけでなく張り手やはたき込み、上手投げにさば折り、最終奥義のぶちかましといった相撲技も使いこなす。
しかし、それらの技に技術はない。あるのは純粋なパワーのみ。
長田を上回る耐久力に、松尾象山に殴り勝てる腕力を持って、強引に相手をねじ伏せる。
正直、頭悪い強さと言わざるを得ない。
盲目の挌闘家で、常人の20倍の身体能力を持ち、視力が全く無いにも関わらず驚異的な聴覚、嗅覚と洞察力で相手の状況を見極める。
真剣勝負を求めていたグレート巽は、サクラとの死闘の末、本当の真剣勝負の意味を知ることになる。
餓狼伝世界でも異質の超人。
板垣版の松尾象山は範馬勇次郎に匹敵する存在のため、それに相対できる強さを示す為にグレート巽はこんなバケモノと戦うハメになったと思われる。
ゲーム中でも他を圧倒するステータスを持つバケモノ。言うまでも無く4強の一人。
勇次郎と同レベルの耐久力を持つが、全体的に動作が遅く、手数の多い相手には押されてしまう事も。
北辰館の猛者。格闘家としては小柄な体格だが、その実力は北辰館でも一、二を争うと言われている。
実戦派空手を謳い文句にしていながら、いまひとつ実践性を証明出来てなかった北辰館だったが、路上での大立ち回りで実戦派空手の面目躍如たる活躍を見せつけ、文七にその強さを認めさせた男。
その後、戦う理由を探していた二人はプロレス団体の策略でリングの上で激突することになる。
板垣版での屈指の名勝負との呼び声も高く、板垣漫画でも珍しくほぼ主人公の独白のみで試合が展開し、堤城平の心情はほとんど描写されず、底知れぬ強敵として描かれている。
ゲームでは所謂初心者キラー。全キャラ中最長の連携技の持ち主。
いつ終わるとも知れない猛ラッシュは、試合中の文七の気分を存分に味わわせてくれる。
背が低いため攻撃を潜り易く、突破力が高いため崩れにくく、一発一発がそこそこ威力があるため、一度受け手に回ると切り返しが難しく、対処法がわからない内は何も出来ずにフルボッコにされてしまう可能性が高い。
欠点はその体格からくるリーチの無さと体力の少なさ。
ラッシュ以外の攻撃が乏しく、長期戦になると不利(原作でもそのせいでトーナメントで工藤に敗れている)。
ゲームシステムを正しく理解し、CPUの堤を安定して下せるようになれば初心者からは脱したと言える。
自分で堤を使用する際は、短期決戦を心がけるか、ラッシュだけに頼った戦い方にならない様に気をつけよう。
実はサクラと勇次郎専用の永久コンボの持ち主。 というか、それ以外での勝ち目が見当たらない。
クマ。羆の如き空手家。
人の力に限界を感じて、羆のような力を求め、その夢を叶えた男。
口数が少なく、何を考えてるのかわからない(何も考えてないようにも見える)が、プロレスラーに掟破りのドロップキックを決める等、なかなか芸達者な一面も。
何故かMUGENでキャラクターが製作されているが、どう見てもクマです。本当に(ry
ゲームでは『Fist or Twist』より登場。
連繋技に乏しいが突破力に優れ、重たい一撃を一発ずつ打ち込むスタイルになる。
奥義が全て打撃技で能動的に狙いやすく、動画で炸裂する場面を目にする機会も多い。
松尾象山の右腕。
夢枕獏の作品によく登場する美形の天才タイプ。
館長の首をいつでも狙えるから右腕になったという、よくあるタイプのキャラだが本当に不意打ちを仕掛けてしまう所を見ると、その決意は本物のようだ。
初期の頃から登場し、その強さを持ち上げられていたが、活躍する機会になかなか恵まれず、噂だけが先行している不遇な天才キャラであった。
しかしトーナメントが始まるや否や本領を発揮。
準決勝まで無傷で勝ち抜き、嫌味な天才キャラのポジションを確立する。
その後も底知れぬ強さを発揮し続け、謎多きキャラとしてストーリーを牽引している。
ゲーム中では、ほぼ唯一蹴り技をメインに戦うキャラ。
連携技は技表に載せ切れないほどの膨大な派生パターンが存在しており、相手に次の手を読ませない。
その反面、体力は神山さん以下で接近戦に弱く、狭いステージでは非常に不利。
原作通りに無傷で勝つのが理想だが、ゲームシステム上そうも行かず全身無敵になる移動技などを駆使して逃げ回りながら戦うことになる。
伝統派空手はフルコンタクト空手に比べて実践的ではないと評されているが、伝統派は直接当てないが故に古来からの危険な技を今でも伝えており、それを当てずに分からせるべく、伝統派でありながら直接打撃制の大会に出場する。
1回戦、2回戦では一発も打撃を当てることなく、すべて寸止めで相手に敗北を認めさせている。
相手の体を傷つける事無く、心のみをヘシ折る戦い方は
久我重明に「サディスト」 「最もダメージを受けるやり方」と評されてしまう。
しかし、3回戦で強敵との戦いを前にした神山は
「空手は殺人術」 「武道が人格形成の場など嘘っぱち」と心を改め、ついに当てる事を決意するのだが…
ちなみに未婚で童貞の中年である。
大会終了後に結婚し(それも比較的若い女性と)童貞も捨てたようだ。リア充爆発しろ!
ゲームでも他に類を見ない寸止め技の使い手。
打撃技を追加入力で寸止め技に変化させる事ができる。
寸止め技は相手の突破力、部位ダメージ等を完全に無視して相手をひるませ精神ダメージのみを与えられる。しかしそれ以外のダメージはすべてゼロ。
さらにガードされると、ニュートラルガードでも余裕で反撃が間に合ってしまう。
相手の技に寸止め技を合わせ続けることが出来れば、理論上は誰にでも勝てる。
精神ダメージで決着が付くこのゲームならではのキャラではあるが、殴られながらも殴りあうという、このゲームのキモを無視する事で成り立つキャラでもある。
北辰館を上回る荒行により、常軌を逸した破壊力と耐久力を身に付けた男。
昔ながらの古風でまっすぐな空手を貫く事を信条としている。
それ故に融通が利かない所があり、変則的な手段に翻弄されやすい。
確かな実力者である事が明白な為か、その実戦性について槍玉に挙げられやすく、作中でも「空手家」ではなく「空手愛好家」と評されてしまう。
ゲーム中では久我さん並の破壊力と長田に匹敵する耐久力の持ち主。ガチガチの空手スタイルであるが故に技のリーチが短いのが欠点。真正面からの殴り合いに持ち込めば、まず負ける事は無いはず。
モデルはおそらくこの人。
竹宮流とライバル関係を維持してきたという古武道拳心流の使い手。
体格はオープントーナメント出場者の中では最軽量で、一見するとおとなしめな外見だが、
「使えたハズの技術を封じたがため不覚を取った武術家は失笑を買う」「勝負を捨ててまで封印すべきではない」
という自説を持ち、勝つためならば相手を絶命させかねない危険な技であろうと躊躇なく解禁できる獣性を秘める。
当初は型稽古とはかけ離れた試合展開に「これが現実」と自嘲していたが、徐々に本質を開花させ、本大会のダークホースとも言うべき活躍を見せる。残念ながらゲームには登場していない。
『Fist or Twist』発売後に上述の本性が明らかになったこともあり「続編があれば」と期待される男。
最強の格闘技の代名詞の一つと言われるボクシングヘビー級ランカー。
チャックに限らずヘビー級のボクサーは全格闘技最速の技『左ジャブ』をライトヘビー級の左ストレート、あるいは正拳逆突きに匹敵する威力で放つことができる。
さらに高速のステップインから繰り出されるリードブローは、5メートルの超遠間からの左ジャブを可能にしている。
ゲームではかなりクセが強い性能。ボクサーらしく蹴り技は一切持たず、キック技はすべて移動技。
ラッシュから移動技、さらにそこからラッシュに派生できるので永続的にラッシュを継続できる。
しかしモーションの小さい技は相応に威力も低く、威力の高い技はそれなりにモーションも大きい。
さらにチャック自身の体力が低く、闇雲に攻め込むインファイトで勝ちを拾うのは難しい。
また、当然の事だがパンチ捌き技を持つキャラが相手では、もはや不利というレベルではない。
変幻自在のフットワークから猛烈なラッシュで畳み掛け、時折威力の高い技を織り交ぜながら移動技で敵の攻撃を掻い潜り、さらにそこから猛烈なラッシュで…
…という風に的確な状況判断とボタン操作が常に要求され続ける上級者向けキャラ。
ヘビー級ボクサーの矜持を見せられるかはプレイヤーの腕に掛かっている。
彩京のド硬派格ゲー、バトルクロードのキャラを改変した工藤健介の他、同じくバトルクロードのキャラ、大山正道に餓狼伝の文七のセリフを追加したものが登場、さらには松尾象山までもがMUGEN入りを果たした。原型は元々似すぎていると言われていたKOF13のタクマ。
掲示板
372 ななしのよっしん
2024/04/22(月) 18:48:37 ID: ZLNR2v8Rkd
>>371
>本作は、夢枕獏の小説『餓狼伝』をベースに、原作の主人公・丹波文七のライバルの一人である、藤巻十三を主人公に据えた完全新作のアニメである。
だから原作とも板垣版とも違うんじゃないのか
373 ななしのよっしん
2024/05/31(金) 13:11:57 ID: Ul8RJfvH50
村瀬こそFoTで使いたかったなあ
梅川とはまた違った総合格闘家として
そうすれば多分あんなキャラでももっと愛着も湧いてた
374 ななしのよっしん
2025/03/01(土) 15:11:56 ID: LDaMlHeF2H
板垣先生版の餓狼伝を本当に久しぶりに読み返したけど
泣き虫サクラのエピソードは巽との試合以外は完璧だと思いました。
試合…どうやったらこの化け物を巽は倒せるのか迷いながら描いてた感すごい。
あと文七…他キャラは同格以上と対戦したり訓練したりしてる中、
文七は格下相手と修行したりイキったりして強くなっていく描写が少ないので、
堤相手に良い勝負できるのはやはり今読んでも違和感ありました。
試合内容は本当に素晴らしいのだけど…文七はやたらイキる時あるのがなあ。
板垣先生の性格もこんな感じなんでしょうかね、だとしたら反映され過ぎているというか…。
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最終更新:2025/03/25(火) 15:00
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