首都とは、国の中央政府が存在する場所であるが、明確な定義はない。
この記事では、多数の他国から承認を受けた独立国だけではなく、いわゆる地域なども扱う
首都は、別に首府、国都、都、などとも呼ばれる。
必ずしも最大都市が選ばれるわけではなく、交通の便がいい場所に置かれる場合が多い。また、首都が複数ある国や、首都が存在しない国もある。
首都は主として政治、行政を担う都市である。一方で、政治と経済が直結すると政情不安や物価高騰などまずいことが起こりやすいことから、経済、金融関係は別の都市(商都という)に置く政経分離を敷いている国が多い。かつては日本もそうであったのだが…まあ今は法事主義によって察する通りであり、そのため様々な問題が起きているが、呑気な国民を後目に、放置プレイをずっと続けている。
これらのうち、もともと最大都市が政治と経済の二手を握っていたが、人口が肥大化し国家のバランスが崩れたことから分離した(いわば遷都)国もある。有名なものとして20世紀最大の計画都市といわれるブラジリアやオーストラリアのキャンベラ、ほかにナイジェリアのアブジャなどが代表的である。また、北京、マドリード、ハノイなどは近年は経済にも注力し、単純な政経分離にはなっていない。
これは日本の都道府県でも言えることだが、国家に2つ以上の勢力が存在すると国家の発展を促すとともに、その両者が骨肉の争いを演じることも少なくない。一方で、一つの都市が圧倒的な力を持ちすぎると独裁国家へと成り下がることが多く、これも問題となっている。
1つの国家に1つの巨大な都市が存在し、他を圧倒している状態。一極集中や経済格差が生じやすく、他地方の疲弊、それに伴う他民族の流入が発生し政情不安を招いたり、災害一つで国家転覆の危機を負ったりしかねない、国家としてはかなり危険な状態である。著名な例ではイギリス(ロンドン)、タイ(バンコク)、アルゼンチン(ブエノスアイレス)、フランス(パリ)などが挙げられる。特にタイでは首都バンコクが人口約1000万人近いのに対し、他は人口50万にも満たないという超格差である(人口分布ではそこまで格差は起きていない)。イギリスもロンドンが約900万、あとはバーミンガムが100万程度である(資源分布ではそこまででもない)。一方で、経済やインフラで加味すると極端な格差が出ている例として日本、インドネシアなども当てはまる。
日本では首都圏が日本人口の30~35%を占め、上位企業の7割を東京に集中させているなど、世界から見ても異常な格差型であり、世界の学者も日本の一極集中政策への危険性に大きく警鐘を鳴らしており、読売新聞さえも「東京ブラックホール」という言葉を用いて、その危険性を記事にしたことがある。韓国に対するソウル・仁川もこれに近い状態であり、人口集中においては日本以上となっている。
一方、インフラ面で見ると、イギリスはもともとC(多極分散)型、日本はもともとB型(二眼レフ型)であったこともあり、これには当てはまらず、むしろインドネシアやメキシコがこのA型に該当する。インドネシアでは人口が2.3億もおり、ジャカルタ都市圏は約2500万なので、見た目こそはそうでないように見えるが、ジャカルタこそ現代的な大都市であるにもかかわらず、ほかに人口が多いメダン、スラバヤ、バンドンなどのインフラは完全に発展途上国状態であり、インフラ面で日本以上の格差が発生している。ロシア、インド、メキシコもこれに近く、ロシアでは人口減に加え、モスクワ一極集中が深刻な問題(中心都市すら人口激減しているものもある)となっている。
なお、アルゼンチンは全てのケースに当てはまっており、人口比率すら日本を抜いてしまい、世界一の一極集中国家となってしまっている。広大な国土の0.13%に国家の9割以上のリソースが集中しているというとんでもない状態である。
日本でいうなら宮城県、石川県、京都府、和歌山県、高知県、鹿児島県が当てはまり、中心都市はプライメイトシティといわれる。また都市圏で加味すると山梨県、徳島県もこれに該当する。
なお、一極集中でもウルグアイ、シンガポール、デンマークのように国土が小さく、中心が他を圧倒している場合はあまりこのように言われない。
1つの国家に、多少離れた場所に2つ、まれに3つの大きな勢力があり、お互いに切磋琢磨し、ときに争っている状態。代表的な国がベトナム(ハノイとホー・チ・ミン)、スペイン(マドリードとバルセロナ)、ブラジル(サンパウロとリオデジャネイロ)、オーストラリア(シドニーとメルボルン)、カナダ(トロントとモントリオール)、エクアドル(キトとグアヤキル)、ボリビア(ラパスとサンタクルス)、ナイジェリア(ラゴスとイバダン)、パキスタン(カラチとラホール)などであり、その間では人、モノ、金が行き交い国家が発展しやすい一方で、権益をめぐり両都市の仲は険悪になりやすい。そのため、首都建設などの際には決まって緩衝帯となるエリアが選ばれている。都合のいい言葉で籠絡しようものなら、市街地を焼き尽くす暴動が起きたり、過激派の手榴弾がいつ飛んできてもおかしくないからである。また、その間に別の大きな拠点が誕生することもあり、そうなるとC型へとなっていく。
逆に権力によってA型にねじ伏せたりした例もあるが、その後の実態は火を見るより明らかだろう。その最たる例がコロンビア(ボゴタへの一極集中政策への不満に端を発する、カリとメデジンによる麻薬カルテル結成と紛争への引き金)である。また、日本も小泉政権以後、急速にA型への進行が進んでおり、将来的な政情不安への引き金を引いた状態であると、多数の海外の学者が警告している。
日本でいうなら青森県、福島県、群馬県、長野県、静岡県、鳥取県、岡山県が当てはまり、これらにある都市の仲は語るまでもないほど今も険悪である。実際青森県、群馬県、長野県の県都設定時の壮絶なエピソードは皆も知るところだろう。
1つの国家に複数の核が存在する状態。大国家、連邦国に多い。ヒト、モノ、金が国内で循環しやすくなり、理想的な国家創造といえるが、それを実現するためには、中心となる国家がしっかりと導く必要があり、パワーバランスが崩れたり、政策を放置しておいたりするとどれもこれも中途半端になったり、それぞれが独立運動や衝突を起こし、国家崩壊を招くおそれがある。代表的な例ではドイツ、スイス、アメリカなどがあり、近年は中国もこれを実現、カナダ、ブラジル、インドもこれを目指そうとしている。なお、多極分散型を目指し、失敗した例では旧ユーゴスラビア(民族間の対立による国家分裂)、メキシコ(腐敗政治に起因する治安悪化の放置)、ナイジェリア(人口爆発による無秩序化)などがあり、特にナイジェリアがかなりひどくなっており、ボコ・ハラムやISといったテロ組織への加担も激増している。
日本でいうなら山口県が当てはまり、どの都市もそこまで大きくはない(県内には大小8つの拠点都市がある)。また、茨城県も県内に複数の核がありこのタイプに近く、福島県、長野県、そして愛知県もどっちかというとこのタイプである。
1つの国家に1つの核が存在するが、それとは別に大きな核が存在している状態。例としてトルコが挙げられる。トルコは最大都市こそヨーロッパとアジアの玄関口、イスタンブールであるが、国家の中心はアンカラであり、大して政経分離も行われていない。つまり、同じ国家に存在するだけで、首都以上の大都市があっても、かたや国内の政経中心、かたや海外との玄関口と、役割が全く別物となっている。なお、その要素を度外視すると、A、B、Cのいずれかとなる。
日本でいうなら長崎県が当てはまり、長崎市が県の行政、経済の中心に対し、佐世保市は外部流入が多い軍需産業で発展した都市であり、他県のように両都市の権力争いは起きていない。また、兵庫県も神戸市は京阪神圏に対し、姫路市は山陽地方に属し、単独の都市圏を形成しているため、このタイプに近い。
首都名 | 国家・地域名 | 区域名 |
---|---|---|
アジスアベバ | エチオピア | アフリカ |
アスタナ[1] | カザフスタン | 中央アジア |
ウィーン | オーストリア | ヨーロッパ |
エルサレム[2] | イスラエル/パレスチナ自治政府 | 西アジア |
オタワ(曖昧さ回避) | カナダ | 北アメリカ |
カブール | アフガニスタン | 西アジア |
キーウ(キエフ) | ウクライナ | ヨーロッパ |
クアラルンプール | マレーシア | 東南アジア |
ジャカルタ | インドネシア | 東南アジア |
シンガポール | シンガポール[3] | 東南アジア |
スリジャヤワルダナプラコッテ | スリランカ | 南アジア |
ソウル | 大韓民国 | 東アジア |
台北[4] | 中華民国(台湾) | 東アジア |
テヘラン | イラン・イスラーム共和国 | 西アジア |
東京[5] | 日本国 | 東アジア |
ハノイ | ベトナム社会主義共和国 | 東南アジア |
パリ | フランス | ヨーロッパ |
バレッタ(曖昧さ回避) | マルタ | ヨーロッパ |
バンコク[6] | タイ王国 | 東南アジア |
平壌[7] | 朝鮮民主主義人民共和国 | 東アジア |
ブダペスト | ハンガリー | ヨーロッパ |
プラハ | チェコ | ヨーロッパ |
北京 | 中華人民共和国 | 東アジア |
ベルリン[8] | ドイツ | ヨーロッパ |
モスクワ | ロシア連邦 | ヨーロッパ |
ローマ | イタリア | ヨーロッパ |
ロンドン | イギリス / イングランド | ヨーロッパ |
ワシントンD.C. | アメリカ合衆国 | 北アメリカ |
ンジャメナ | チャド | アフリカ |
ジャンルの如何にかかわらず、創作作品においては架空の国家などが設定される場合も多い。そのような場合、架空の国家の首都についても同時に設定される事がある。
日本においては通常、東京が首都であると国内において、また国際的にも認識されているが、現行の法律には首都に関する規定が存在しない(東京都市圏を以って首都圏と呼ぶ法律はあるが)ため、以下のような見解がある。
ただし、首都機能の有無や都市規模その他の点から、一般には東京が首都と認知される場合がほとんどとなっている。
※複数都市が設定されている場合があるため作品名のアイウエオ順で並んでいます。
これら以外にも、創作作品において日本の架空の首都が設定される例は多々見られる。
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最終更新:2023/05/28(日) 23:00
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