香港カーブとは、旧香港国際空港(啓徳空港)にて行われていた着陸進入法の通称である。
啓徳空港(カイタックくうこう、けいとくくうこう)は、香港にかつて存在していた国際空港である。香港の空の玄関、及びアジアの経由地として重要な役割を果たしていた。なお、発着は国際線のみであった。1998年7月5日に閉港。
1998年に、郊外に新空港となるチェクラップコク国際空港が完成し、同年7月6日に新空港は開港した。この新空港開港により機能を全面移管する形で、啓徳空港は7月5日午後11時50分発の最終便をもって閉港となり、1925年に運用開始して以来、73年間の歴史に幕が閉じられることとなった。
正式な名称は香港国際空港だったが、所在地付近の地名から「啓徳空港」と通称された。日本語では、広東語読みとそれから音写されたアルファベット表記から「カイタック」と読まれることが多かったが、日本語の音読みで「けいとく」とも読まれることもあった。
香港啓徳空港には、南南東から北北西に伸びる滑走路が1本のみ。無論両端から着陸は出来るが、この地域の風は南風が吹くこと多い。通常、飛行機の着陸の際には抵抗を大きくするために風に正対し着陸する。南風の場合は北から着陸することになるのだが、カイタック空港の北側は、小高い丘や山が連なっており、北側から徐々に降下してくるのが不可能な地形だったのだ。
そこで、香港では障害物の無い西側から、空港の手前まであたかも、その先に滑走路があるように誘導電波に従って降下し、空港のわずか数キロ手前の「チェッカーボードの丘」(チェッカーボードヒル)でその電波から抜け、その後パイロットの「目」によって滑走路に向かい、旋回し着陸を行っていた。
それを、高度300mと非常に低い高度で、マンションの立ち並ぶ街中で行うので迫力があったのだ。
これを通称香港カーブまたは香港アプローチと呼び、長く親しまれてきたのである。
この滑走路13への最終進入態勢である香港カーブはパイロットの技量が問われ、香港を拠点としていたキャセイパシフィック航空のパイロットたちは安全と乗り心地を考えた結果、IGSの誘導電波を早めに解除し北側へわずかに進路を修正後、緩やかに右旋回をしバンク角も少なめにスムーズに着陸することを「秘伝の技」としてあみ出していた。
逆に慣れていないパイロットは小刻みに変針して滑走路に降りる寸前まで機体の進路が定まらなくなりがちで、同時に乗り心地も揺れが大きく良くなく、接地地点が遠くなり着陸滑走する距離が短くなってしまったりすることもあった。
さらに過密空港だったため、接地後航空管制官からすぐ誘導路へ待避指示が出ることが多く、着陸後ブレーキの急制動を掛ける。
それゆえ、着陸進入に失敗してゴーアラウンドしたり、オーバーランして滑走路先の海中に突っ込んだり、尻もち着陸をしたり、エンジンを地面に接触させたりするトラブルが多かった。
この事故の発端にもこれが絡んでいる。
当時の様子など。
掲示板
1 ななしのよっしん
2021/03/04(木) 22:01:51 ID: wk1OsuqEB9
1980年代前半~90年代前半くらいまで啓徳空港へのアプローチルートのほぼ真下にあるマンションに住んでた者です。
屋上に上がって西の空を見上げると、1~2分に1機は飛行機が飛んできて、翼の下に書かれた機体番号が読めるくらいの低さで真上を通っていきました。
そして少し遠くに目を向けると、次やその次の飛行機が控えている。特に夕方くらいの時間だと飛行機の前照灯(?)の光が目立って、3~4機ほど見えることも。
真上を通った飛行機を追って見ていると、だんだん高度を下げてやがて右カーブを描いてビルの谷間に消えていく。
ニコニコに香港カーブの記事を見付けて、昔のことを思い出してついつい語ってしまいました。
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最終更新:2024/04/23(火) 18:00
最終更新:2024/04/23(火) 18:00
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