馬騰

馬騰とは、三国志に登場する人物である。

概要

字は寿成。扶風郡茂陵（現在の陝西省）の出身。漢人の父と羌族の母のハーフである。先祖は後漢の光武帝に仕えた名将の馬援。身長八尺の堂々とした容貌で、性格は温厚で賢明だったという。

住んでいた涼州に反乱が起きると、その反乱を討伐する側に回ったり逆に反乱者側についたり、あまり一貫した行動を取っていない。董卓が長安に遷都すると出仕して将軍位を授けられているが、董卓が殺され李傕と郭汜が政権を握ると益州牧の劉焉らと共に長安に攻め入り撃退されている。
韓遂とは、三国志演義では堅い盟友関係のように描かれているが、実際は義兄弟の関係を結んでいながら仲違いして家族を殺しあったこともあり、曹操がこれを仲介している。曹操の敵である袁紹の残党の郭援と匈奴単于の呼廚泉が曹操を攻めた時、一度はこれと手を結ぶが、結局曹操の説得で息子の馬超と部下の龐徳に郭援らを討伐させたこともある。

やがて馬騰は朝廷に出仕し曹操の本拠地の鄴に移住し、涼州の勢力は馬超と韓遂が受け継いだ。

その最期について

演義では、馬騰は曹操暗殺計画を立てて失敗したために甥の馬岱以外一族皆殺しに遭い、涼州に残っていた息子の馬超と韓遂が曹操に復讐戦を挑む。

しかし正史では、先に馬超と韓遂が曹操に反旗を翻し、潼関の戦いで馬超が負けた後に都にいた馬騰と一族が皆殺しに遭っており、順序が逆になっている。さらに馬超は曹操を攻める時「私は父を捨て、韓遂殿を父とします。韓遂殿も子を捨て、私を子にしてください」とまで言い切っているのである（『魏書』張既伝の注より）。
また実は、馬超が反乱を起こした時に都にいた馬騰も呼応しようとしたのではという、馬超の反乱は父子の共謀計画という意見もあるが、その真相は闇の中である。

馬騰の一族と関係者達

家族

• 馬平 - 父
• （名前不明） - 母、羌族
• 馬超 - 長男
• 馬休 - 次男
• 馬鉄 - 三男
• 馬岱 - 甥
• 馬秋 - 孫（馬超の子）
• 馬承 - 孫（馬超の子）
• （名前不明） - 孫娘（馬超の子、劉備の子の劉理夫人）

馬雲騄

「馬雲騄」と書いてバウンリョクと読むのだが、騄という漢字が出せないので馬雲緑とか馬雲碌とか馬雲録という表記もよく見られる。
周大荒の『反三国志』に登場するオリキャラで、馬騰の愛娘にして馬超の妹。馬超と共に父の仇敵である曹操を倒そうと戦場を駆け巡り、馬超が劉備に帰順した後は趙雲と結婚、夫の趙雲と行動を共にする美女。
コーエーは反三国志の翻案である『超・三国志』を通じて彼女を気に入ったのか、自社のゲームでは三國志IXや11、真・三國無双3に登場させている。

関係者

• 韓遂 - いちおう盟友
• 龐徳 - 直属の部下
• 手下八部（いわゆる旗本八旗。直属の部下ではないのだが、多くのゲームでは馬騰配下ということになっている）
  • 侯選
  • 張横
  • 程銀
  • 成宜
  • 李堪
  • 馬玩
  • 梁興
  • 楊秋

各メディアにおける馬騰

三国志演義

董承が曹操暗殺を企てた時、劉備と共に計画に加わっている。
その後、曹操に呼び出された時にあらためて黄奎と曹操暗殺計画を練るが、黄奎の妻の弟の苗沢が黄奎の愛妾の李春香と密通しており、よりによって苗沢によって黄奎が李春香に話した計画の内容を全て曹操に垂れ込まれてしまう。
結局馬騰らは曹操軍によって馬岱以外一網打尽にされるが、李春香を妻に娶りたいと嘆願した苗沢も曹操に「女のために義兄を裏切った」と言われて首を刎ねられる。合掌。

コーエー三國志

初期のシリーズから一貫して、涼州に拠っている武力バカ集団のトップというイメージが強い。
初代三國志では武力97もあったが徐々に低下し、VII以降は80台前半に落ち着いている。

ニコニコ動画における馬騰

なんといっても三國志IXによる「馬騰登用禁止プレイ」が有名である。
戦は強いが知将が少ないという武力バカ集団の初期メンバー（＋抜擢武将）だけでどう中原を統一していくかが見ものである。

コーエー以外の三国志シミュレーションゲームの動画

三国志大戦の動画

馬雲騄との共演動画

関連項目

• 三国志の登場人物の一覧