高橋紹運とは (タカハシジョウウンとは) [単語記事]

「高橋紹運」（たかはし・じょううん 1548 ～ 1586）とは、松永久秀に爪の垢を煎じて飲ませたい武将ナンバーワンな九州一の義理固さ(ギリヒャク)を誇る戦国時代の豊後大友家の重臣であり、立花道雪の最高のタッグパートナーであり、西国無双なる猛将立花宗茂の実父。

別名は吉弘鎮理（よしひろ・しげただ）、高橋鎮種（たかはししげたね）。紹運は法号。

名前の読み方は色々な場所やゲームではしょううんと表記されるが正しくはじょううんであるので気をつけよう(wikipediaでもじょううんとなっている)

763
南無三

概要

豊州三老の一人吉弘鑑理の二男に生まれる。はじめ吉弘鎮理と名のり、主家に背いた宝満城主高橋鑑種の後任として同城を預かり、高橋姓を名のる事となって名を高橋鎮種に改めた。

その後、雷神・立花道雪を補佐して北九州方面を担当し、耳川の戦いで大友家が島津家に大敗すると、呼応するかのように発生した叛乱に対して知略・武勇を発揮してこれを大いに撃破した。

キン肉マンとテリーマンの関係の様な立花道雪より、長男の高橋統虎を養子に請われたが、自身も高橋統虎の類稀なる資質と器量に期待していた事もあって最初は拒絶するも、度重なる要請に

道雪殿と父が争うことになったならこの太刀で父を討て

と言って一振りの脇差と共に高橋統虎を養子に出した。

この高橋統虎こそ後の西国無双・立花宗茂であり、婿入り相手は立花ギン千代（立花誾千代）である。

その後、大友家を滅ぼすべく北進してきた島津軍（2万とも5万とも）と763人で岩屋城にて相対する。島津軍の武将が再三発する降伏勧告を

主家が隆盛しているときは忠勤に励み、功名を競う者あろうとも、主家が衰えたときには一命を掛けて尽くそうとする者は稀である。貴方は島津の家が衰退したとき主家を捨てて命を惜しむのか。武家に生まれた者として恩・仁義を忘れるものは鳥獣以下である

とはね除けて九州一の義理高さを見せつけ、半月の間徹底抗戦した末に763人全員が玉砕した。

高橋紹運が玉砕するまで持ちこたえ、その後立花宗茂が立花山城で持ちこたえた事もあってか豊臣秀吉の九州征伐が間に合い、大友家は滅亡を免れ、島津の九州制覇の野望は打ち砕かれたのだった。

※その他「高橋紹運」の詳細についてはWikipediaの該当記事参照

高橋紹運とその妻

高橋紹運が斎藤鎮実の妹を妻に娶る事が決まった際、戦続きで婚儀が延期に延期を重ねていた。

この間に結婚相手が「病を患って容貌が醜くなった」と言う事で婚約を破棄する旨を伝えてきたが、

私は彼女の容姿に惚れて婚約を決めたのではない、
心の優しさなど内面に惹かれて婚約を決めたのだから、容姿が変わろうとも問題はない。

として予定通り結婚した。さすが義理100を誇る男は違う。その後夫婦は仲睦まじく暮らして立花宗茂・立花直次らを設けた。

なお、西国無双として知られる立花宗茂と共に、弟の立花直次もまた兄に並ぶとも劣らぬ猛者である。

763！岩屋城の戦い

岩屋城は、太宰府天満宮の近くにあった山城である。

島津家が龍造寺家を飲み込んで勢いを増す一方で、遠征失敗(耳川の戦い)と立花道雪の病死で大友家の勢力は急速に衰えていた。島津家が九州を制覇をせんと大軍をもって北進して来た時に、対抗する将は高橋紹運とその二人の息子しか残って居なかった。かくして高橋紹運は、玉砕を承知で僅か763人の兵と共に岩屋城に籠るのである。

大友家の主将たる高橋紹運がこのような行動出た理由はいくつか考えられる。一つは背後の立花山城には長男の立花宗茂が籠って居る事。もう一つは宝満城に紹運の妻や次男の高橋統増、岩屋城から避難した女子供が籠って居る事。そして島津軍にとって高橋紹運が無視できない武将であった事である（仮に他の将を岩屋城に籠らせていたら、島津軍は一部だけを残して本体は迂回していたであろう）。つまり高橋紹運は、主家と息子と領民を救うため、自らを囮として島津軍を岩屋城に釘付けにしようとしたのではないだろうか。