高級住宅街(こうきゅうじゅうたくがい)とは、理想と現実が相剋する、都市のジレンマを抱える地区である。メディアによって高級住宅地などとも言い、また低層住宅に限定し、邸宅街、屋敷街などと言ったりもする。一帯は風致を乱す娯楽施設などの建設を禁じており、一方でキリスト教系の学校など文教地区として発展している場所も少なくない。
世間でのイメージが良いために不動産会社や住建会社はこぞって開発を目論むが、それによって様々な問題が発生しており、本記事はそれに特化する。
一般に高級住宅街とは、国土交通省や固定資産評価などによる定義もあるが、一般に富裕層が居を構え、広域の区画で分譲された邸宅が建ち並ぶ地区を指す。
全国の有名な例では東京都の大田区田園調布、世田谷区成城、兵庫県芦屋市六麓荘町などがある。
高級マンションが建ち並ぶ地区を高級住宅街と呼ぶかどうかは見解が分かれており、商売目的の不動産屋では当然のように謳い文句としているものの、国土交通省が定義する「住環境の良好、敷地が広く、街区及び画地が整然…」などの定義から反しており、都市地理学ではこれらは定義の対象外とするケースが多い。また安易なマンション開発は、高級住宅街の陳腐化につながるとして、開発を巡り揺れている地区も多い。千代田区の番町や世田谷区代田や赤堤、仙台市青葉区上杉、名古屋市千種区覚王山、大阪市中央区高麗橋、西宮市夙川中(香櫨園)、広島市中区白島九軒町、東区牛田本町などはこういったマンション開発によって、もはや高級住宅街とは呼べないエリアとなっている。
これらのマンション開発の魔の手から眺望や景観を守るために独自に景観保全憲章を敷いている地区も少なくない。代表的な例では世田谷区成城の成城憲章が知られ、ほかに大田区田園調布、大阪市阿倍野区帝塚山、芦屋市六麓荘町などは自治会が先頭を切って厳格な景観保護条例を敷いている。
もう一つは、バブル崩壊後に土地区画の切り売りが相次いでいることである。敷地面積120平米以上の区画で売っていたところが、地価、路線価が下がり2つないしは3つに切り売りされて、その結果中産階級層以下が居を並べ、もはや邸宅街と呼べなくなったエリアもあり、代表的な例では沿線の中低層住宅増加により良好な住環境が損なわれた練馬区大泉学園町などが挙げられる。かつて大泉学園町は都内で社長が住む地区の第3位(田園調布、成城に次ぐ場所であった)だったが、昨今では上位20位にも入ってこない。また、外部からの流入が多い兵庫県宝塚市や沿線住民の所得減などで、高所得者層が購買意欲を持たないエリアも切り売りが多く、大阪市旭区森小路や大阪府寝屋川市香里園、東大阪市の額田、藤井寺市春日丘、兵庫県尼崎市武庫之荘などは、今はもはや高級住宅街ですらなくなっている。
また、住人の高齢化による転出(地形が穏やかでもっと交通が至便な場所へ転出)で荒廃している高級住宅街も少なくない。眺望の優れる台地に邸宅が築かれるものの、住人の高齢化に伴い、交通が不便で、かつ坂ばかりで歩きにくい高台を敬遠する傾向が見られるからである。特に、もともと別荘地として開発された札幌市藻岩山麓の円山や宮の森、大阪府、兵庫県にまたがる北摂の丘陵地に位置する高級住宅街でこの傾向が顕著となっている。箕面市百楽荘、宝塚市雲雀丘などが該当し、世田谷区深沢七丁目、八丁目や芦屋市六麓荘町とて例外ではなくなっている。そして、豪邸が競売にかけられ、そこに外国人がマンションを建てたりして治安が風紀が悪化するケースも少なくない。
高級住宅街に関するニコニコ動画の動画を紹介してください。(特にない場合はこの部分を削除してください)
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最終更新:2025/03/23(日) 01:00
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