髭切(刀剣乱舞)とは (ヒゲキリとは) [単語記事]

やあやあ我こそは　源氏の重宝、髭切なり！

源氏の重宝、髭切さ。試し斬りで罪人の首を斬ったら、髭までスパッと切れたからこの名前になったんだ。
とは言え、僕にとって名前は割とどうでもいいんだよね。（ゲーム内紹介）

源氏の重宝。試し斬りで罪人の首を斬った際に、髭まで切れたことが名の由来とされる。長い年月を経て大抵のことはどうでもよくなったとおおらかに語る。
が、どうでもよくなってはいけないことまで忘れてしまっているような……。（公式Ｔｗｉｔｔｅｒ）

ゲーム「刀剣乱舞」に登場する、太刀の刀剣男士。
2015年 12月29日から開催された期間限定イベント｢連隊戦｣にて膝丸(刀剣乱舞)共々実装され、髭切がドロップするステージは翌日の12月30日に実装された。
翌年2016年 1月18日にイベントが終了した後、長らく入手手段がなかったが、同年3月のアップデート以降、検非違使を倒す事で膝丸(刀剣乱舞)と共にドロップするようになった。
（戦力拡充計画に出現する、強さが固定の検非違使でも可）

悠久の時を生きているためか大抵の事はどうでもいいと大らかに語るなど、性格は飄々としている。口調や声音もふんわり柔らかで、思わず聞き入ってしまう審神者も少なくない。
一方で、弟・膝丸の名前をはじめ大事なことを忘れてしまっているなど、どこか抜けている。ちなみに弟の名前はド忘れしても、弟が存在している事自体は忘れていない。念のため。
しかしそこはやはり刀剣。戦闘になると、「ギエアアアアアア！」と咆え、激しい一面を見せる。

兄弟刀とされる膝丸とは絡みが多く、仲は良い様子。だが膝丸の台詞と合わせて聞くに、兄がゆるふわを通り越してフリーダムを極め、ブン回される弟の気苦労が滲み出ている。
繰り返しになるが仲は良い。＼本当だぞ／
源氏の時代（5-3：墨俣）へ一緒に出陣すると回想も発生するほか、一緒に手合わせの内番を行うと特殊会話が発生する。
膝丸からは専ら兄者（あにじゃ）と呼ばれる為、審神者たちからも「兄者」「お兄ちゃん」と呼ばれる事が多いようだ。

また、他の刀剣以上に、逸話を元にしたと思われる言葉が多い。例を挙げると、

さあて・・・鬼退治の時間だね（ボス到達）
敵が鬼だろうがすぱすぱ斬ってしまおう！（特へランクアップ時）
→髭切で鬼を斬って、「鬼切（鬼丸）」と名付けられるきっかけになった、史実での活躍。
・・・・・・うーん、夜に吠えたことなんてあったかな？（特二へランクアップ時）
→「獅子ノ子」という3つ目の名を賜る際のエピソードより。
他人に嫉妬とかよくないよ。鬼になっちゃうからね・・・もっと大らかに、ゆったり過ごそう（本丸放置時）
→鬼切の名を賜る元になった、髭切が斬った鬼（宇治の橋姫）が自らの嫉妬により生きながら鬼になったとされる為？

などといったもの。
長い時間を生きて、様々な修羅場や怪奇を見てきたからこその台詞なのかもしれない・・・

何より彼の一番の特徴として、他の刀剣男士とは違いレベルが上昇するとランクアップが3度に渡って発生する、というものがある。
大体はLV20～25辺りでランクアップし「特」となるところが、髭切の場合はLV25で最初にランクアップ、
その後LV50になると「特二」、LV75で「特三」へとランクアップする。
本人も述べている通り史実でも様々な呼び名を賜ったため、と思われるが、名前が鬼切や獅子ノ子等に変わったりはしない。
特になると立ち絵も変わるほか、ランクアップするごとに刀帳の図鑑のページも新規に変わるので、負傷・真剣必殺・内番、とそれぞれの立ち絵を回収しないまま「特」になった場合、「髭切」だった時の立ち絵は登録されない。特二・特三に関しても同じ事がいえるので、刀帳の立ち絵をコンプリートしたい人は注意。
（または二振り目を迎えられれば……）

逸話かぁ…昔を思い出すなぁ

源家の重代の刀として伝えられる重宝。もとは平安時代に膝丸と揃いで作られたとされる。

『平家物語』の『剣巻』に語られる伝承によると、平安時代に源満仲（みなもとのみつなか）の命により、筑前国に住む唐国の刀工が八幡大菩薩の加護を得て、膝丸と揃いで作られたと伝わる。
刀帳で本人の語る通り、罪人を試し切りした際に髭まで切れた、というのが最初の名の由来である。

時代が下り、大江山の酒呑童子退治で知られる源頼光（みなもとのらいこう/よりみつ）が自らの配下の渡辺綱（わたなべのつな）にこれを貸す。一条戻橋で襲ってきた鬼（宇治の橋姫、異説では茨木童子とも）の腕を斬り落とした事から「鬼切（鬼丸）」と名を変える事となった。

再び時代が下り、源為義（みなもとのためよし）の頃、夜中に獅子の吠えるような声を上げたので「獅子ノ子」と名を改めた。更に為義が娘婿である熊野別当教真に、長らく共にあった膝丸（当時の名は吼丸）を婚礼の引出物にやった為、兄弟刀はここで別れる事となる。

後に代わりとして、獅子ノ子を写した太刀「小烏（こがらす）」が贈られて秘蔵される事となるが、この「小烏」は獅子ノ子より2分（約6mm）程長かった。ある時この二振を抜いて障子に寄り掛けていると、人も触れないのに刀が倒れ、怪しんで確かめてみると小烏の茎（なかご）が切られて二振とも同じ長さになっていた。
これを獅子ノ子の仕業と考えた為義により「友切」と名を改められた。

こうして何度も名を変えられ、また兄弟刀から引き離された為に、刀から霊力は失われてしまう。源氏の守りとしての役目を果たせなくなった事もあり、源義朝（みなもとのよしとも）は平治の乱において平家に敗れ、都落ちを余儀なくされた。追われる日々の中でこれを恨んだ義朝だったが、夢の中で八幡大菩薩より「名を元に戻せば霊力は蘇るだろう」というお告げを受け、再び「髭切」の名を与えられ、息子である源頼朝の手に渡った。