魔女に与える鉄槌

魔女に与える鉄槌とは

1. 15世紀にハインリッヒ・クラーマーによって書かれた魔女に関する論文。
2. 『魔女に与える鉄鎚』 - 「魔女狩り」を題材にした村田真哉原作、檜山大輔作画の漫画作品。

ここでは両者について記載する。

1.の概要

主に15世紀から18世紀のヨーロッパで吹き荒れた「魔女狩り」の嵐に大きな影響を与えたことで知られる著作。魔女に関する「知識」のみならず、魔女裁判を「正しく」行うための方法について詳細に述べており、一種の司法関連書籍でもある。

執筆された15世紀当時はさほどの大きな影響を持たなかったが、魔女狩りが最盛期を迎えた16世紀ごろには本書を参考とした魔女裁判が多数実行されたと言われている。間接的に多数の無実の人間を苛烈な審問や処罰へと追いやったことになるため、批判的な視点で語られることが多い。

ハインリッヒ・クラーマーとヤーコップ・シュプレンガーとの共著ということになっている。ただしいくつかの根拠から、シュプレンガーはそのネームバリューをクラーマーに利用されただけで実際にはあまり関わっていないのではないか、という主張もしばしばなされる。

原著ラテン語版のタイトルは「Malleus Maleficarum」である。「Maleficarum」は「悪しき魔女らの」といった意味。「Malleus」は「槌」の事であるが、木槌にも使われる言葉であり、和訳の際に「鉄槌」とされるのは「鉄槌を下す」という慣用句からの連想であろう。「Malleus」は異端審問官への尊称としての意味もあったかもしれない^[1]。

なおこのタイトルの和訳においては、本記事タイトルの「魔女に与える鉄槌」のほか、「魔女への鉄槌」「魔女の槌」「魔女の鉄槌」などとも和訳されることがある。

邦訳書籍は2015年5月現在存在していないようである。

2.の概要

2014年3月12日から『月刊ガンガンJOKER』で連載されていた漫画作品。単行本は全3巻。

この漫画作品のタイトルは『魔女に与える鉄鎚』であり、「鎚」の部分は金へんの「鎚」であって木へんの「槌」ではない。

聖都セゴールでは、カトリア教会による「魔女狩り」が横行していた。
「魔女狩り」と称して罪のない少女を拷問し殺すことは、逆に魔女を生み出してしまう悪魔の所業であった…。魔女を生み出さないために教会から派遣された 「炎の魔女」ドミノの過酷な戦いが始まる!!

公式サイトからの引用

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外部リンク

• Malleus Maleficarum - Wikisource - ラテン語版Wikisource内、1.の内容を電子化したページ
• The Malleus Maleficarum - 1.の英訳サイト
• 魔女に与える鉄鎚 - 連載作品 - ガンガンJOKER -SQUARE ENIX- - 2.の公式サイト

関連項目

• 魔女狩り
• 漫画作品一覧
• 月刊ガンガンJOKER

脚注

1. *13世紀には「Malleus Haereticorum」（異端者らの槌）という尊称で呼ばれた有名な異端審問官が存在したようである。